連載
月刊ブロックチェーンゲーム通信 第5号。今回の分析ターゲットは「Heroes of Mavia」
なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……? ということは知っていても,どんなタイトルがあって,どういうもので,どれくらいの人が遊んでいて,中では何が行われているのか,実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが,ブロックチェーンゲームです。
なのでこの連載では,毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向,そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し,まとめて皆さんに紹介します。前回は「xPet.Tech」を深掘りしましたが,今回の分析ターゲットは「Heroes of Mavia」(iOS / Android)です。
いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は,詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを見るには,そのPDFが大いなる助けになるはずです。
【2024年03月】BCGマンスリーレポート(double jump.tokyo)
「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧
ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | MAU | 先月比 |
1 | Moto DEX | レース | 750万 | +129% |
2 | Trickshot Blitz | カジュアル | 113万 | -6.9% |
3 | PlayEmber | カジュアル | 101万 | -13% |
4 | HYPERCOMIC Play | カジュアル | 79万 | +64% |
5 | Pixels | シミュレーション | 48万 | +10% |
※DappRadarから引用(2024年2月27日時点)。なおユーザー数は,各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
ランキング5位の「Pixels」は,農業シミュレーションゲームです。作物を育ててトークンを稼いだり,ほかのプレイヤーとのコミュニケーション(英語です)を楽しんだりするゲームです。トークンは大手海外取引所に上場していることなどもあり,アクティブユーザーの多いゲームです。
ランキング上位には紹介済みのゲームが増えてきたので,今回は少し足を伸ばして7位の「Anichess」を紹介します。Anichessはチェスベースのゲームで,現在のバージョンではスキルを使った詰将棋のようなミニゲームを楽しむことができます(正式版ではPvPなどが実装予定)。
PixelsもAnichessも無料でプレイできるので,気になった人はぜひプレイしてみてください。
SPELL CHESS PUZZLE「Anichess」
ブロックチェーンゲームの取引高ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | 取引高 | 先月比 |
1 | Axie Infinity | TCG | 6144万ドル(約92億1600万円) | +12% |
2 | Gods Unchained | TCG | 2171万ドル(約32億5650万円) | +12% |
3 | xPet.Tech | 育成 | 1026万ドル(約15億3900万円) | -66% |
4 | GasHero | バトル | 827万ドル(約12億4050万円) | -75% |
5 | Galactic Arena | シミュバトル | 578万ドル(約8億6700万円) | +120% |
※DappRadarから引用(2024年2月27日時点)。取引高ランキングは,各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
今月も,「Axie Infinity」が1位です。Axieはコミュニティが盛んで,なんとAxie関連のゲームがコミュニティから誕生してきています。下の画面は「Axie Campions」というゲームで,対戦3マッチパズルです。Androidでプレイ可能となっています。
「The Lunacian」(Axie Infinity news + announcements)
2位の「Gods Unchained」では,シールド戦(ランダムなカードプールから即興でデッキを構築する試合方式)の参加コストが安くなりました。シールド戦で勝利していくと,トークンや限定パックなどを獲得できます。また,AndroidやiOSに対応したことで,ついにモバイルデバイスにも広がりをみせており,今後もプレイ人口の増加が続きそうです。
「Gods Unchained」ダウンロードページ
「Gods Unchained」ダウンロードページ
「Heroes of Mavia」の分析
今回のレポートでは,クラッシュ・オブ・クラン(クラクラ)ライクなストラテジーゲーム「Heroes of Mavia」(以下HoM)について紹介します。
なんといってもHoMは,ブロックチェーンゲームとしては珍しくApp StoreとGoogle Playにゲームがリリースされているので,気軽にプレイを開始することができます。NFTを買わなくてもプレイできることもあってか,2月6日時点で160万ダウンロード,DAU27万人を超える話題作となっています。
トークンはMAVIAがローンチ済みで,ランドのNFTをステーキングしていたユーザーや,ゲームをプレイしたユーザーにエアドロップされました。
それでは,HoMのコンテンツや登場するアセット,どんなエコシステムが構築されようとしているのかを解説していきたいと思います。
・基地の強化
HoMは,まず自分の基地の強化から始まります。オイルやゴールドといったリソースを生み出す施設を配置し,リソースを使って新しい施設を建設したりアップグレードしていきます。
敵が攻め込んできた時に撃退できるよう防衛施設を準備しておいたり,敵が攻略しにくいレイアウトにしていく必要があります。クラクラをプレイしたことがあれば,何をすればいいのか直感的に分かりますし,初心者でもチュートリアルですぐに慣れると思います。
・バトル
HoMのメインコンテンツは,相手の基地に攻め込むバトルです。自分の基地で生み出したユニットを使い,相手の基地に攻めこんでリソースを奪ったり破壊したりします。勝利すると,リソースやゲーム内通貨であるルビーを獲得することができます。このルビーは,マーケットプレイスでレジェンダリーNFTの取引に使用することができるようになります。
HoMはブロックチェーンゲームですが,トークンはMAVIAだけでルビーはゲーム内の通貨です。しかも,ルビー自体は売買することはできません。
・ルビーマーケットプレイス
ルビーのマーケットプレイスでは,ヒーローのスキンや基地のテーマなどに関わるNFTや消費アイテムなどを取引できます。
ゲーム外のNFTマーケットプレイスでも取引できる予定となっており,ゲーム内でルビーを獲得→ルビーでNFTを購入→外部マーケットで売却という流れをとることで,Play To Earnの要素を楽しめるようになりそうです。
・ランドNFT
ランドNFTを保有しているプレイヤーは,ルビーを有利に獲得することができます。ランドを貸し出して,リース料としてルビーを受け取ったり,ほかのプレイヤーとパートナーシップを結んで,ルビー収益を分配したりすることもできます。
オーナーは,プレイがうまくてルビーを稼げるプレイヤーとパートナーシップを結びたいので,ゲームがうまい人であれば,ランドNFTを保有しなくてもルビー獲得量を増やすことのできるチャンスがあります。
また,ランドNFTを継続保有(ソフトステーキングと呼ばれています)することで,NFTを獲得することもできます。MAVIAのエアドロップもランドNFT保有者に対して行われており,エコシステムの中核を担うアセットになっています。
・MAVIAエアドロップ
MAVIAのエアドロップは,ランドNFTをステーキングしたユーザーや,アプリローンチ初期にゲームをプレイしたユーザーに配布されました。
ダウンロード数160万,DAU27万人に対して,エアドロップを受け取ったのは合計で約12万ウォレットです。大多数のプレイヤーが,ブロックチェーン要素とは関係なくプレイしていることが伺えますね。
・まとめ
HoMは,無料でプレイできるストラテジーゲームです。App StoreにもGoogle Playにも並んでおり,ユーザー数もこれまでのブロックチェーンゲームと比べてかなり多いのが特徴です。
ゲーム内通貨であるルビーとNFTからなるエコシステムが,今後どのように成長していくか注目していきたいと思います。
「Heroes of Mavia」ダウンロードページ
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Heroes of Mavia公式サイト
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