インタビュー
今は仲間との縁が続きやすい。プレイ歴20年以上,PCでもスマホでも遊んできたプレイヤーに聞く,MMORPGの楽しさ【PR】
ネクソンは,2024年内にサービスを予定いている新作MMORPG「HIT : The World」(PC/iOS/Android)の企画として,MMORPGというジャンルそのものの面白さをさまざまなインフルエンサーやコアプレイヤーに語ってもらう「日本MMO大同窓会」を各ゲームメディアで展開している。
第1弾,第2弾のインタビューは,リアルは経営者のランカー(つまり,がっつり課金しているコアプレイヤー)へのインタビューだったが,今回のゆんゆん氏は「月の課金額が1万円を超えると『うーん』となる」という人物だ。それでいて,PCから入って長年MMORPGの世界に浸かり,現在は遊び方の異なるスマホ向けタイトルも楽しめているという。そんな氏は,スマホ向けMMORPGのどんな部分が面白く感じているのだろうか。
MMORPGの魅力を,超コアなプレイヤーと振り返ってみる。新作「HIT : The World」に合わせて,ガチ勢に集ってもらった【PR】
「大規模多人数同時参加型オンラインRPG」と訳されるMMORPG。今回,ネクソンがサービス予定の新作「HIT : The World」に合わせ,日本で広まって20年以上の歴史を持つこのジャンルを,コアプレイヤーと共に振り返ることとなった。MMORPG黎明期の思い出から始まる本企画,トップバッターは自分が最強にならないと気が済まないという,ふぃの氏だ。
MMORPGの一番の魅力は,やっぱり人とのつながり。スマホ向けタイトルのランカー2人が語る,新作に求めるものとは【PR】
ネクソンの新作MMORPG「HIT : The World」の企画として,MMORPGというジャンルをコアプレイヤーが語る「日本MMO大同窓会」。その第2弾では,スマホからMMORPGに入ったランカーのゆきくんJPN氏とヴァル氏のお二人に,魅力や求めるものを語ってもらった。PCだろうとスマホだろうと,一番楽しい部分は人とのつながりのようだ。
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「FFXI」に始まり,「リネージュ2」に衝撃を受けたMMORPG人生
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,ゆんゆんさんのMMORPG歴を教えてもらえますか。
ゆんゆん氏:
本格的にプレイし始めたのは「FINAL FAVTASY XI」(以下,「FFXI」)で,2002年頃でした。この時期は,インターネットがようやく常時接続になり始めて,回線はISDNやADSLでしたね。それ以前にも「ウルティマ オンライン」を少しかじったり,MORPGですが「ファンタシースターオンライン」や「Diablo」をプレイしたりしていました。
4Gamer:
それはかなり年季が入っていますね。MMORPGの黎明期を通ってきています。
ゆんゆん氏:
今にして思えば,当時のMMORPGはいろんな仕組みがなくて,よくあれで遊んでいましたよね。たとえばパーティを組むためのサポートシステムすらなかったじゃないですか。1人1人にtellやwis(個別チャット)で「パーティ組みませんか」と誘っていって。もう,パーティを組むだけで1時間かかるとか,そういう世界でした。今とは時間の感覚が違っていたのかな(笑)
4Gamer:
ありましたねぇ。チュートリアルもほとんどなくて,ポンと世界に放り出されていたので,今のゲームはずいぶん親切になったように思えます。
ゆんゆん氏:
そうでしたよね。「何でもできます」というのがセールスポイントになっていて,「あれをやりなさい」「これをやりなさい」という指示がなく,プレイヤー自身が遊び方を見つけていくというジャンルでした。今だと「サポートがなってない」「チュートリアルがない」といった感じで批判対象になるでしょうね。
4Gamer:
当時ですら「遊び方が分からない」と言われることもありましたからね。人を選ぶジャンルだったんでしょうね。
ゆんゆん氏:
「FFXI」以降もいろんなMMORPGをプレイしまして,衝撃を受けたのが「リネージュ2」や「The Tower of AION」(以下,「AION」)といったNCSOFTのタイトルでした。とくに2004年の「リネージュ2」はすごく衝撃的でしたね。当時,月額1500円程度がスタンダードだった中,あのタイトルだけ3000円。「これは気合いの入ったタイトルが出てきたぞ」という印象を抱きました。
4Gamer:
当時は驚きましたけど,現在のゲームと比べると,月額というだけでめちゃくちゃ安く感じますね……。
確かリネージュ2は出てきた当時,開業したばかりの六本木ヒルズで記念イベントをやったりしていて,気合の入りように驚いた覚えがあります。ゲーム的にも,あのグラフィックスは衝撃的でしたね。
ゆんゆん氏:
当時としては,グラフィックスが本当にすごかったですよね。「リネージュ2」は今,現行の「ライブサービス」と,昔ながらの「クラシックサービス」を選べるじゃないですか。それでクラシックサービスが始まったときに少しやってみたんですが,「何じゃこりゃ!?」ってなりました(笑)。昔はもっと綺麗に見えたし,「女性ドワーフ,すごいな!」と思った記憶があったんですが,さすがに今見ると「アレ?」って。
ただ「リネージュ2」で僕が一番衝撃を受けたのは,月額料金でもグラフィックスでもなく,PKがあることだったんです。
4Gamer:
あれ,当時のMMORPGは,割と普通にPKがあったような。
ゆんゆん氏:
それまでやり込んでいたのが「FFXI」でしたから,PK可能なタイトルに触れていなかったんです。ほかにやっていたタイトルも,「ラグナロクオンライン」は,PKできるサーバーとできないサーバーが用意されていましたから。
そんな感じで「リネージュ2」のPKは,とにかく衝撃的でした。PKされるとアイテムは落とすし,経験値もロストするしで,ものすごく腹が立って。僕は本当にPKが嫌いなんですが,「リネージュ2」がその原点ですね。
4Gamer:
対人戦が苦手とか?
ゆんゆん氏:
ギルド戦みたいにコンテンツ化されて,ゲーム的に意味のあるものなら好きです。でも,PKの印象で,もともとは対人コンテンツ自体に積極的になれませんでした。
これを変えてくれたのが「AION」です。「AION」では,勢力vs.勢力の対人コンテンツがあって,広大な対人エリアの要塞にいるボスのラストアタックを取ったギルドには,1週間その要塞の管理権が与えられたんです。それであるとき,僕のギルドがたまたま要塞の管理権を取ったんですよ。少人数のギルドだったので,すごく盛り上がって。
4Gamer:
それはもう,ギルド内はお祭り騒ぎでしょうね。
ゆんゆん氏:
ただ,要塞の管理権を取ってしまったがゆえに,勢力内の意識高い系の幹部の集会に呼び出されて,「今週はここを攻める」とか指示されるわけですよ。
4Gamer:
怖い(笑)。
ゆんゆん氏:
それにフィールドを歩いていると,それまで小さいところでキャッキャやっていた僕達を,周囲が「要塞の人達だ」みたいな目で見てくる。最初は「こんなに態度が変わるのか」と思っていたのですが,そのうちまんざらでもなくなって,それから対人コンテンツに対する考え方が変わりました。
勢力という大きな組織の軍師的な役割を担う人達が作戦を立てて,「ここを攻めろ!」と指示を出して,それに皆がワーッと従う。しかも勢力vs.勢力なので,自分の責任は軽い。何か楽しいなと。ただ,PKは相変わらず嫌いです。
4Gamer:
なるほど。単に勝った喜びだけではなく,大きな組織で行動することの楽しさを知ったわけですね。
ゆんゆん氏:
そうなんです。そういう体験があると,たぶん人は変わるんですよね。
4Gamer:
プレイスタイルなども教えてください。MMORPGをプレイするとき,率先してギルドマスターなどリーダー的な立場になったりするのでしょうか。
ゆんゆん氏:
昔は自分から「そこに行きましょう」「これをやりましょう」と,ギルドマスターみたいなことをやっていました。たとえば「FFXI」では1週間に1〜2回しかチャレンジできないレイドコンテンツに20人規模で招集をかけて,「この週はこの人達が出席した」「この週は誰がアイテムを取った」など全部メモを取って,いろいろ企画していましたね。
ただ最近はゲームのプレイ時間をあまり取れなくなったので,リーダー的なポジションではなく,一歩引いてサポートしたり,人を楽しませたりする立ち位置になっています。
4Gamer:
好んでプレイするクラスはありますか。
ゆんゆん氏:
基本的には,どんなクラスでもできます。できますけれど,外見で選びますね(笑)。
4Gamer:
ああ,分かります(笑)。
ゆんゆん氏:
MMORPGのキャラクターって自分の分身みたいなもので,長く付き合っていくことになりますから。好きなキャラクターじゃないと続けられないですよ。ですから,一番外見が気に入ったキャラクターを選びます。
あえてクラスを挙げるとすれば,かつてリーダー的な立場にいたときは,自分で皆を率いていける盾職を選ぶことが多かったです。仕事がある程度忙しくなってからは,パーティに誘われやすいクラスにしようと,ヒーラーを選ぶようになりました。そのあと,スマホ向けMMORPGが出てきてからは,オート戦闘で有利な遠隔攻撃職や,戦闘力に関係なく活躍しやすいヒーラーやバッファーを選んでいます。
4Gamer:
だいぶ打算的ですね(笑)。
ゆんゆん氏:
あと,仕事で記事を書くときは,プレイヤーに一番選ばれやすいクラスを選ぶようにしています。スマホ向けMMORPGは,だいたい韓国で先行配信しているので,情報収集して上位にどのクラスが何人いるか調べて決めることもあります。
ただ,仕事抜きの僕個人の考えでは,MMORPGのバランス調整なんて頻繁にありますから,強い弱いよりも,やっぱり外見ですね。
スマホ向けの登場で,大きく変化したMMORPG
4Gamer:
長くMMORPGをやってきたゆんゆんさんにとって,印象的だったできごとはなんでしょうか。
ゆんゆん氏:
そうですねぇ。時代が変わった! と思ったのが,スマートフォンでMMORPGができるようになったときでした。それによって,プレイヤー人口もかなり増えましたし。
なにより,オート戦闘が実装されたことが衝撃でした。昔のMMORPGの感覚だと,「オート戦闘はBOTと同じ」というネガティブな印象を抱いていたんです。
4Gamer:
最初はどうしても,「オートで戦って面白いの?」みたいな感覚がありましたよね。
ゆんゆん氏:
でも,実際に使ってみたら,もうなしではいられなくなったんですよね。自分がそういった新しい変化に慣れていくのは,どこか寂しくもあるんですが,その一方で「これが時代の変化なんだ」と感じます。
4Gamer:
今やスマホ向けMMORPGには搭載されていて当たり前の機能ですからね。
ゆんゆん氏:
時代の変化と言えば,ログインだけしてずっとチャットしている,みたいなことが減って,MMORPGをコミュニケーションツールとして重視しなくなったとも感じています。今はLINEみたいなメッセージアプリや,XなどのSNSがコミュニケーションツールとして発達・普及したので,もはやオンラインゲームにその役割は求められていないというか。それでもMMORPGは,まだコミュニケーションツールとして成立しているほうですけど,遊び方が変わったと実感しますね。
4Gamer:
確かに。わざわざゲーム内で話さなくても,Discordとか外部ツールでやり取りしますもんね。
ゆんゆん氏:
Discordでボイスチャットを使うぶん,テキストチャットもかなり減りましたね。昔は「○○が湧いたぞ!」「倒しに行くぞ!」なんてやり取りも全部テキストチャットでしたし。攻略のために皆でタイミングを合わせるときも,プレイしながらチャットもしなければならないので,「わー,どうしよう!」と慌てたものです。
4Gamer:
あったあった,入力中に殺されて「チャット死しました」とか(笑)。昔のMMORPGプレイヤーは,ゲームしながらタイピングを学んだという人も多そうです。
ゆんゆん氏:
確かにMMORPGでタイピングを覚えました(笑)。そう言えば,テキストチャットに関連するところだと,昔の僕はよく性別を間違えられました……。
4Gamer:
ああー,丁寧なチャット打つ人のあるある……。
ゆんゆん氏:
そうなんです。テキストチャットの物腰が柔らかく,暴言を吐いたりしないので女性だと勘違いされて。「ゆんゆんさんって男だったんですか?」とショックを受けて引退されたこともあります……。
テキストチャットだと,一緒にプレイしている人の性別や年齢などがまったく想像がつかないんですよね。ボイスチャットだと,まだ想像できるんですけど。
4Gamer:
それはそれで面白い時代でしたけどね。画面の向こうにいる人が何者かまったく分からないけど,一緒に遊べるみたいな。
今って,とくにXなどを見ていると,相手がどんな人なのかなんとなく分かりますし,昔のほうが匿名性が高かった感はあります。そのぶん,つながっている人でも,基本的にゲームの引退が縁の切れ目みたいな感じだったりはしましたけど。
ゆんゆん氏:
一期一会感が少なくなりましたよね。たとえば今だと,スマホのMMORPGを引退して新しいタイトルを始めると,また同じプレイヤーに出会ったりするんですよ。飽きて別のタイトルに移行するタイミングが似通う傾向にあるんでしょうね。スマホ向けMMORPGの大型新作が出ると,皆で一斉に移動するような印象があります。
「面倒くささ」や「わずらわしさ」も今思うと……
4Gamer:
同じMMORPGでも,PC向けとスマホ向けは,遊び方がだいぶ違いますよね。
ゆんゆん氏:
先ほどの「時間の使い方が変わった」という話につながりますけれども,今のスマホ向けMMORPGは,ソロプレイ志向が強く感じます。たくさんのプレイヤーがフィールドにいても,基本的に関わらない。「あの装備を狙おう」と皆で狩りに行くよりも,ソロでやったほうが効率がよかったりと,効率がまず最初に来ます。
4Gamer:
そもそもオート戦闘自体が,楽に,効率的に戦闘するための機能ですし。ソロで遊ぶようになるのは分かります。
ゆんゆん氏:
でも,昔は「面倒くさい」「わずらわしい」という部分が,楽しさでもありませんでした?
4Gamer:
今となってはいい思い出ですよね。さっきのパーティ募集の話だと,メンバー集めるだけで1時間かかって,そこから現地に集まるのになんだかんだ30分ぐらい経って,ようやく狩りが始まるみたいな(笑)。
ゆんゆん氏:
そうです,そうです。いざ行ってみたら,狩り場が込んでいて「すみません,お隣いいですか?」みたいな感じで。いざ狩りを始めたと思ったら,失敗してモンスターの大トレインが発生して,隣のパーティもろとも街に撤退していくとかね(笑)。
4Gamer:
よくも悪くも,狩り場での出会いがありました。トラブルを含めて楽しかったんですよね。まぁ,腹立つことも当然あるので手放しに褒められるわけではないんですけど,それはそれで思い出に残るというか。
ゆんゆん氏:
ゲーム内取引のマーケットも変わりましたよね。昔は露店めぐりが楽しかったですが,今は便利な形にシステム化されて。
4Gamer:
「露店を1軒1軒見て回るのは面倒」と言われたら,そのとおりではありますが。でも破格の品を見つけたときの嬉しさと,面白い店を見たときの楽しさは,露店めぐりしないと味わえないですからね。
ゆんゆん氏:
「リネージュ2」のギラン城の露店とか,凄まじい数になっていましたからね。マップの挙動が重くなって移動できない。「ラグナロクオンライン」なんかもすごかった。
4Gamer:
今にして思えば,重くてロクに動けない場所で露店巡りしてたの,正気じゃないですよね(笑)。
ゲームによっては露店すらなくて,倉庫前に人が集まってチャット取引でした。当時は当時で,アイテム取引中の詐欺やら,RMTやら,問題はありましたけど。
ゆんゆん氏:
でもトレードができると,たとえば鍛冶レベルが高いプレイヤーに「これ作って」と制作依頼を出して,そのお礼に自分も生産職のレベルを上げて何か作ろうと考えたりとか,楽しいこともいっぱいあって。
4Gamer:
システム的なフォローが進むと,便利になる一方で,どうしてもコミュニケーションを取るきっかけは減ってしまいますね。
ゆんゆん氏:
あと,スマホ向けMMORPG,と言うか「リネレボ」をプレイして愕然としたことがあって,皆ストーリーをスキップしているんですよ。僕自身は「FFXI」や「FFXIV」といった,ストーリーが評価されているタイトルをずっとプレイしてきたので,「リネレボ」もしっかり読んでいたんです。
4Gamer:
読まない人が多いとはよく聞きます。
ゆんゆん氏:
僕の周囲でスマホのMMOPGをやっている人は,まず読んでいませんでした。ストーリーを読むよりも,SNSなどで誰かが「今日,ここまで行った」と投稿しているのを見て「自分も早くそこまで行かなければ」と考えてしまうらしいんです。いかに効率よく戦闘力を上げて先に進むかに重点が置かれていて,ストーリーなんて読んでいられない。重要なNPCが出てきても「誰?」みたいな感じになっていることに,最初は違和感を覚えました。
ただ周りがそうだと,僕も釣られて「早く戦闘力を上げないと」となり,いつの間にかストーリーを飛ばすようになっていましたね。
仲間との縁が切れにくいのが,スマホMMORPG
4Gamer:
お話ししていると,ゆんゆんさんはPC向けのMMORPGが好きそうに思えますが,ご自身のブログでは主に「リネレボ」の記事を書いていますよね。
ゆんゆん氏:
はい,「リネレボ」がローンチしたときにブログでの活動を始めました。いちおう攻略記事がメインコンテンツですが,ネタ系の記事を書くことのほうが多いです。攻略記事は毎回書けるわけではないですし,個人でやっているので限界がありますし。
4Gamer:
ブログを続けていくうえで,心がけていることはありますか。
ゆんゆん氏:
攻略記事を書くときには,「この武器は強い!」みたいな抽象的な表現は避けて,「同位ランカーで,この武器を使っている人が何人いる」といったように,データを重視した表現をしています。狩り効率にしても「この武器を使うと効率がいい」ではなく,「この武器を使って何分間放置したら,これだけ経験値を稼げました」。そうやってなるべく客観的なデータを出すことにより,ほかの攻略記事との差別化を図ったり,記事の信憑性を上げたりする工夫をしていますね。
4Gamer:
そうした記事が書けるだけ,がっつりスマホ向けMMORPGも遊ばれているわけですよね。それでいて,PC向けとスマホ向けとで遊び方が明確に違うこともきちんと理解していて,さらには「今の環境に慣れたら,昔には戻れない」という感覚も持っています。
ゆんゆん氏:
はい。
4Gamer:
ただ,それなら「じゃあPCでだけ遊ぼう」みたいな感覚になりそうですが,スマホでも楽しまれているのは,何かきっかけのようなものがあったのでしょうか。
ゆんゆん氏:
繰り返しですが,「これが時代の変化かな」と思ったことでしょうか。確かにスマホ向けのMMORPGは,昔のPC向けのそれとは全然違います。しかし今,このインタビューのように昔のMMORPGを語れる場はありません。今の若い人達に向かって「昔は手動で狩りしていたんだ。そっちの方がよかった」なんて言っても,「何言ってんだ,このおっさん」となってしまうだけです。そこはもう時代の流れに逆らわず,「そうなったんだな」と。
4Gamer:
そこは割り切っているんですね。
ゆんゆん氏:
あとは僕も昔ほどプレイする時間が取れなくなって,もはや手動でやるのはツラいかなとも感じます。今さら,ほかのプレイヤーと一緒に「あれ狩りに行こう」「あれ取りに行こう」「これ作って」と楽しむゲームをどこかが作ってくれても,売れない気がしますし。
それと,スマホでMMORPGを遊んでいる理由として大きいのは,やっぱり「人がいるから」です。
4Gamer:
そこになりますよね。今回のインタビュー企画,ゆんゆんさんで3回目ですけど,皆さん口をそろえて「MMORPGの楽しさは人」という答えです。
ゆんゆん氏:
それはそうですよ。もちろん,僕はPCのMMORPGを通ってきた人間ですし,廃課金でもない一般プレイヤーですから,スマホ向けに複雑な思いがあるのは確かです。でも,スマホ向けはスマホ向けで,面白いところもあるんですよ。たとえばオート戦闘になったがゆえに,戦闘中にいろんなことができるようになりました。それこそ狩り中に,ボイスチャットで日常会話ができるようになったり。昔は狩るのに精一杯で,余計な話はほとんどできなかったわけで。
4Gamer:
死にますからねぇ。
ゆんゆん氏:
ブログのライター視点だと,ながらプレイができるおかげで,記事を書きながら敵の動作を見ることができるようになりました。これが手動だと,おそらく記事を書けないようなケースもあります。
4Gamer:
それを考えると,昔のファンサイトを運営していた人達はどうやって記事を書いていたんでしょうね。
ゆんゆん氏:
すごいですよね。昔なんてPCのスペックも低いし,機材も今ほど充実していなかったから,個人レベルではプレイ動画の撮影なんて厳しかったのに。一生懸命ベストタイミングを狙ってスクリーンショットを撮っていたのかな……。
あと,ライターとしては,今のスマホ向けMMORPGの環境だからこそ,いろいろな案件をいただけていると感じることがあります。
4Gamer:
というと?
ゆんゆん氏:
僕に案件の話をもってきてくださるのは,ゲームで知り合った人たちなんです。先ほど話したとおり,昔は一期一会的なところがありましたが,ここ最近はスマホのMMORPGが台頭してカジュアルになったおかげで,SNSやDiscordを通じて,ゲームを引退しても気軽に連絡を取り合うようになりました。おかげで,「最近,何してる?」「このゲーム,一緒にやらない?」「こんな仕事あるんだけど」「このゲームの記事書いてみない?」と声をかけてくださって。
4Gamer:
MMORPGがコミュニケーションツールだった時代に比べて,仲間との縁が切れにくいというのは,今の時代にMMORPGを遊ぶ楽しさの1つかもしれませんね。
「HIT : The World」への期待
ゆんゆん氏への「HIT : The World」の質問に入る前に,簡単にどんなゲームかを紹介しておこう。本作は,2016年にリリースされたスマホ向けアクションRPG「HIT 〜Heroes of Incredible Tales〜」(iOS / Android)の世界観を継承する,新作マルチプラットフォームMMORPGだ。
大きな特徴は2つあり、1つはローンチ直後より「攻城戦」が楽しめること。攻城戦は、防衛側が1ギルド,攻め側が9ギルドの最大10ギルドが,城の権利を巡って戦うことになる。
もう1つの特徴は、あらかじめ設定した最大3つのクラスを切り替えてプレイできる「プリセットシステム」だ。登録しておいたクラスや装備,スキルセットを,戦闘中を含め任意のタイミングで切り替えられるので,プレイヤーの好みや戦況によって,柔軟に使い分けられる。
本作は,韓国や台湾などで「HIT2」としてサービスを展開しているが,今回日本で展開するにあたり,「日本のプレイヤー向けの真摯な変化」を掲げ,「HIT : The World」に名称を改めたほか,以下の4つのキーワードを打ち出している。
- 誰もが参加できるエンドコンテンツ
- 団結すれば対抗できるバランス
- ギルドコンテンツの充実
- 課金バランス,ゲームプレイの最適化
詳細に関しては,開発統括および運営ディレクターのプレゼンテーションをレポートした関連記事を参照してほしいが,いずれのキーワードも,競争より協力を好む日本のMMORPGプレイヤーの傾向を踏まえたもので,ネクソンの国内展開に向けた意気込みがうかがえる。
4Gamer:
ネクソンが,2024年内に新作MMORPG「HIT : The World」のサービス開始を予定しています。MMORPGを長年プレイしてきたゆんゆんさんは,このタイトルにどんな印象をお持ちですか。
ゆんゆん氏:
全プレイヤーがサーバーのルールを多数決で決める「調律者の祭壇」が,往年のMMORPGっぽくて面白そうですね。今も同じかどうか分かりませんが,昔の「信長の野望 Online」では,どこの勢力を攻めるか,どこの勢力と同盟を結ぶかなどを多数決で決めていたんです。自分も参加している感覚があって,楽しかったのを覚えています。
パーティプレイで経験値が加算される仕組みもいいですね。昔のMMORPGでは,パーティを組むと経験値ボーナスが普通に付いてましたけど,スマホ向けのMMORPGはソロプレイ中心のものも多いですから。
4Gamer:
ゆんゆんさんが苦手だという,PK周りはいかがでしょう。
ゆんゆん氏:
PKができないエリアにボスが湧くという仕様は嬉しいです。日本ではPKに対して抵抗があるプレイヤーが多い印象ですから,PKを意識することなくボスとの戦闘に集中できるところは,日本でサービスを展開するにあたってかなり配慮している印象を受けます。
4Gamer:
日本サービスの仕様は,かなり手を入れているようですね。課金バランスまで変わるようですし。
ゆんゆん氏:
僕はゲームで現実逃避がしたいので,現実のお金持ちに追いつけないPay to Winの世界にはなってほしくないです。
実は以前,あるPay to Winタイトルのサービス開始と同時に,いわゆる廃課金ギルドに誘われて入ったんですが,あまりにも次元が違いすぎて早々に抜けたことがあります。僕自身は,月の課金額が1万円を超えると「うーん」となるような人間ですから……。
その意味では,「HIT : The World」が掲げている,「転属(合成)システムに,すべての等級で天井機能を実装」「他国で有料販売されていた装備をプレイを通じて獲得可能に」という項目に注目しています。
日本のMMORPGプレイヤーからさまざまな要望をヒアリングして,改善を図っていこうとする姿勢が感じられるので,その点に期待ですね。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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