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ケモミミ×ASMR×喫茶店のスーパー癒やし空間を堪能。かわいいキャラとチルいBGMがたまらない「けものティータイム」試遊レポート[TGS2024]
本作は,ケモミミが当たり前に存在する世界で,人間の女の子「タルト」と,その妹「マカロン」が経営する「喫茶K」を舞台に,さまざまなお客さんとの交流を楽しむアドベンチャーゲームだ。
その大きな特徴は,ゲーム内のボイスやSEの多くに,バイノーラル録音による音源が使用され,さまざまな方向からの音を楽しめる,いわゆる“ASMR”の性質を持っていることだ。
また,本作には共同プロデューサーとして声優の小岩井ことりさんが携わっており,ASMR音声も,小岩井さんのASMRレーベル「kotoneiro」が製作している。小岩井さんはプロデューサーを務めるだけでなく,タルトのCVも担当している。
そんなケモミミ×ASMR×喫茶店という,癒やしの欲張りセットな本作を試遊してきたので,本稿にてその内容を紹介しよう。
ゲームは,タルトとマカロンが営む喫茶Kが,片田舎のケモミミたちによるコミューン「ラベット」で開店初日を迎えるところからスタートした。さきほど紹介したようにこの2人は姉妹なのだが,初日から寝坊し大慌てな姉に対して,マカロンは落ち着いた様子で仕事をこなしており,早速2人の関係性がなんとなく見えてくる。
「店長としての自覚が足りないんじゃない」「仕方のない姉だよね」とニヤニヤしながら突っ込む妹に対して,「カワイイ妹が添い寝しようって言うから」「こんなにカワイイのに仕事までできるなんて……」と妹にゾッコンな姉と,開幕数分で分かる姉妹の仲の良さにほっこりしてしまう。
そんなこんなで開店準備をするために,まずは本日のお菓子を決めることに。喫茶Kのお菓子は,パティシエであるマカロンが作っているが,何を作るか決めるのは店長であるタルトの仕事だ。とはいえ,初日なのでレシピはシンプルなクッキーのみ。今後喫茶店を経営していくことで,レシピや必要な調理器具も増えていくようだ。
準備を済ませ,開店時間になると,最初のお客さんとして「マシュ」という女性がやってきた。早速「今日のお菓子セット」の注文をしてくれるが,どうやらドリンクメニューがないらしい。というのも喫茶Kは,お客さんの好みの合わせて,その都度ブレンドしたお茶を提供するお店なのだという。匂いや味の好みはもちろん,その時の体調や気分に合わせたハーブを加えることも可能だ。
マシュの要望を聞いてみると「香り高いお茶が好き」「ハーブティならイラクサが好き」というお茶の好みと,「最近は冷え性がつらい」という情報が判明した。というわけで,彼女に合ったお茶を作ってみよう。
お茶のブレンドは,まず茶葉を選び,次に追加するハーブ,最後にそのほかの要素を選ぶことでレシピが完成する。茶葉は香りやコク,渋みなど,それぞれの特徴が数値化されているので,ひとまず要望の数値が一番高いものを選んでおけば大丈夫だ。ハーブに関しても,効果をよく読んで,お客さんの体調に合わせたものを選ぼう。もちろん,茶葉やハーブの種類を直接指定されているのならば,それを選べば問題ない。なお,茶葉とハーブ以外の追加要素については,今回の試遊(少なくとも筆者が進めた範囲)では確認できなかった。
レシピを完成させ,作成ボタンを押すと,お茶を淹れる工程がアニメーションで再生される。この時注目したいのが,蓋を開ける「カポッ」という音や,茶葉をよそう「ファサ」という音など,それぞれの擬音がASMR音声で再生されることだ。もちろんバイノーラル録音なので,右から左,左から右へと音の方向が変化し,まるで自分の周りで囁かれているかのような感覚になってしまう。
実は,さきほどまでの会話パートでもこういったASMR要素は多数盛り込まれており,「あわあわ」や「ドキッ」など,キャラクターの周囲に“漫符”が表示されている時は,そのキャラクターがそれを読み上げる。それぞれの性格が表れたセリフになっているので,キャラクターの心の声が聞こえているようでとてもかわいらしい。
お茶が完成したら,お菓子を添えてお客さんに提供しよう。この時の反応で,お客さんの要望にちゃんと合ったものかどうかが分かる。なお,要望に応えられたかどうかは,そのお客さんとの好感度に関わっており,好感度の高さによってエンディングが分岐するようだ。
好感度の上下はお茶の提供以外にも,会話の中でお客さんの言葉に対してリアクションをすることでも変化するようだ。そのとき選択肢は2つ用意されるが,返答の制限時間もあるため,時間切れという3つ目の選択肢も考えられる。
そうしてやってくるお客さんの対応をしていると,16時に「クロテッド」という女性が訪ねてくる。彼女はお客さんの1人でもあるが,ほかにもお菓子作りに必要な材料や,調理に必要な道具の仕入れをしてくれる。材料などの購入には,tabletというお金のようなものが必要で,これはお客さんがお店に来てくれれば自然と増えていくので,うまくやりくりしていこう。
また,初日にやってきたお客さんの中に,「キッシュ」という女性もいた。彼女は行商人でしばらく住む場所を探しているそうで,喫茶Kの空き部屋で暮らすことに。一日の終わりには,彼女が仕入れたさまざまなアイテムを家賃の代わりとしてもらえる。茶葉やハーブといったお茶関連の素材は,こちらで入手できるようだ。
というのが,喫茶Kでの1日の流れだ。基本的には,お店を訪れるお客さんにお茶を提供したり,会話したりして,さまざまな人たちとの交流を深めていくのがメインコンテンツとなる。なお,ゲーム紹介によると,喫茶Kの営業期間は3週間しかないそうで,ゲーム中で描かれるのは21日間になりそうだ。
このように,とてものんびりとした雰囲気でゆったり遊べる本作だが,作中にはちょっと不穏な空気も感じられた。マシュが「ニンゲン」を知らない一方で,クロテッドやキッシュは普通に「人間」を知っていたり,パンデミックという単語が登場したり,お金が“tablet”という薬のような見た目のものだったり……そもそもタルトが人間なのに,妹のマカロンがケモミミなのも不思議だ。
これらの謎はゲームを進めることで明かされるそうだが,あくまで本作のコンセプトは「癒やし」であり,ホラーゲームのような怖い展開になることはないそうだ。
実際,本作をプレイしていて,キャラクターのかわいさやASMRの心地よさ,BGMの雰囲気など,作品全体の持つ空気感が,非常に落ち着く作りになっていると感じた。特にBGMはSnail's House(Ujico*)さんが手掛けているとのことで,Lo-fiやChill系のBGMが多く,作業やのんびりしたい時にそのまま聞きたいくらいの曲ばかりだ。
さらに,本作に携わるスタッフをよく見てみると,キャラクターデザインにNOCO氏,ピクセルアートにキュアもと氏,声優陣には小岩井さんはもちろん,杉田智和さんまで出演しているなど,かなりの気合の入りっぷりだ。公式Xでも,声優サイン色紙のプレゼントや,公式4コマ漫画などの企画を積極的に行っており,開発陣が本作にかける情熱がうかがえる。
リリース予定は2025年と,まだ少し先になりそうだが,Studio Lalalaの公式YouTubeチャンネルにて,本作のトレイラーやPVが視聴できる。もちろん映像ではASMR要素も確認できるので,本作に興味を持った人は見てほしい。
Steamストアページも公開されているので,日常に癒やしを求めている人は,ウィッシュリストの登録や,公式Xをフォローして,続報を見逃さないようにしておこう。
Studio Lalala公式X
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けものティータイム
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