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「RAID: Shadow Legends」冒険記 第9回:光を追い求める無慈悲な武力装置「セイクリッドオーダー」は,いかにして成立したのか
「RAID: Shadow Legends」公式サイト
純粋な信仰がこん棒を持って押し寄せる
「セイクリッドオーダー」の歴史
ルマヤやシロスという“神”が確実に存在するこの世界では,当然ながらその二柱が人々の信仰を集めている。そして,ヒューマン勢力におけるルマヤへの信仰と,それを基盤とする無慈悲な武力装置が,今回のテーマとなる「セイクリッドオーダー」だ。
シロス軍でいえばデーモンスポーンに近いポジションのファクションだが,こちらはもう少し複雑な事情を抱えている。勢力の中心は定命の者たちでありながら,一部には「ライトブリンガー」と呼ばれる不死者たちが含まれているのだ。
ライトブリンガーは,ルマヤ側についた“光のファーストボーン”を不死の戦士へと昇華させた存在であり,まさにデーモンスポーンと対を成す者たちと言える。テレリアにおいては,神(ルマヤ)から派遣される天使のようなものと考えれば大丈夫だろう。
セイクリッドオーダーがいつ設立されたかは定かではないが,創設者だけはハッキリしている。ライトブリンガーの1人である「グリシア」の伝承によると,ファーストボーンであるアービターがその担い手だったという。
また,英雄「ピンスロイ」の記録を見る限りでは,少なくとも業火の時代(デーモンスポーンによる侵攻)には既に存在しており,当初は“教会”とセイクリッドオーダーが別の組織であったことも分かる。
アービターがライトブリンガーを中心とする武力集団(セイクリッドオーダー)を作り上げる一方,人間たちはルマヤを信仰する教会を各地に作り上げており,ピンスロイの活躍によって統一されたという流れだ。これによって,ライトブリンガーと定命の者が入り交じり,現在のセイクリッドオーダーが形作られることになる。
ライトブリンガーが単一の種族として成立していないのは,恐らく“個体が増える仕組み”が存在しないためだろう。デーモンスポーンは定命の者が後天的に変化することで増えていくが,ライトブリンガーはファーストボーンのうちルマヤ側についた者たちに限られてしまう。
つまり,ライトブリンガーは数が限られているにもかかわらず,デーモンスポーンはどんどん増えていくことになる。その差を補うためには,定命の者と共闘する必要があり,それによって両者が入り交じる勢力が生まれたと考えるのが自然だろう。
デーモンスポーンの回で紹介した通り,ファーストボーンは発生時点で勢力が決まっていたわけではなく,ルマヤとシロスの決裂によって運命が分かれたとされている。その流れをハッキリと示しているのが「カーディエル」の伝承だ。
カーディエルは,後にデーモンスポーンとなる「シシア」と共に世界を流浪したファーストボーンである。2人が光にも闇にも属さない“単なるファーストボーン”だった時代は,まるで普通の人間かのように旅を楽しんでいたらしい。
大いなる決裂が発生すると,それぞれは自分の信じる道を歩むこととなる。そこで,シロス陣営のファーストボーンはデーモンスポーン,ルマヤ陣営のファーストボーンはライトブリンガーへと変貌を遂げる。伝承によると,ライトブリンガーに至る際には「永遠の殿堂」へと送られ,内含する闇を引き剥がされたという。
そうした出自からか,ライトブリンガーは潔癖で融通の効かない者が多く,ついでに用兵もあまり上手ではない模様。そんな連中に先導され,生き延びてきた定命の者たちがマトモでいられるハズがない。
ヒューマンやエルフ以外の勢力との戦いでは頼もしい戦力として活躍したセイクリッドオーダーだが,時にはその力が他種族への迫害へと向かうこともある。光を掲げる勢力の“闇”の部分が露わになったのが「赤の十字軍」と呼ばれる出来事だ。
赤の十字軍は,スキンウォーカーをはじめとする他種族に対する弾圧戦争である。これをきっかけに,オグリン諸属やリザードマンなどをはじめとする“人間以外”の種族が団結し,カエロク王国に侵攻を仕掛けた「ガエレン戦争」へとつながっていく。その発端については語られていないが,長く凄惨な戦いの引金となった出来事だけに,多くの伝承では苦々しい出来事として記録されている。
セイクリッドオーダーの力は偉大だが,ルマヤの光を盲信するあまり近視眼的になりがちで,それが大きな混乱を引き起こしてきた。良くも悪くも,ルマヤという存在の極端さを体現するファクションと言えるだろう。
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