企画記事
「モンスターハンターワイルズ」オープンβテストに参加して思った,キャラクターメイキングにこだわると面白さが3割増くらいになるという話
そして,XなどのSNSでの盛況ぶりやYouTubeのプレイ動画を目にし,製品版への期待に胸を膨らませたという人もまた少なくないはず。そんな盛り上がりなかでゲームプレイ部分と同じく話題になったのが,製品版と同等の内容を楽しめる「キャラクターメイキング」だ。
SNS上で「キャラメイク」または「キャラクリ」で検索してみると……出るわ出るわ,無数の作例がヒットする。ざっと見たところだと,俳優,歌手,お笑い芸人,スポーツ選手などの有名人や,マンガ,アニメのキャラクターを再現していた人が多いようだった。
肖像権や著作権に関わるためここで例を紹介することはできないが,そんなことをしなくてもXで検索していただくだけですぐ分かるはず。
さて,プレイヤーキャラクターをうまく作り上げると,自分自身が思い描く主人公像ができた喜び,納得のいく絵や模型を仕上げたときにも似た達成感,また「俳優の●●氏がモンハンに出演?!」みたいなネタ的な楽しみもあってゲームの面白さも3割増し(筆者比)くらいになるものだ。
なんてことを考えながらあれこれ試していたところ,4Gamer編集部から「キャラメイクをテーマに何か書きません?」とのお誘いが。ということで,今回のβテストで気付いたことや製品版リリースに向けたキャラクター作成の楽しみ方を,過去シリーズ作のキャラメイクの話や普段意識していることを交えつつお伝えしよう。
「モンスターハンターワイルズ」公式サイト
「ワイルズ」のキャラクターメイキングはどんなものだったのか
「ワイルズ」のプリセットキャラはかなりの美形ぞろい。これをわずかに調整するだけで“生身の人間”らしさのある現実的な人間を作成できる。エディットできる項目は13種類で,それぞれの項目でパーツの大きさや位置,奥行きなどを細かく調整すると,奥行きなどを変えることでさらなる個性付けが可能だ。
なおシリーズの直近の作品である「モンスターハンターライズ」では,詳細設定は11項目だった。「ワイルズ」では目の項目が「眼」と「目もと」の2つに分かれ,新たに「体型」の項目が加わった形だ。
このように,「ワイルズ」も基本的には過去シリーズと同じ感覚でメイキングを行える。ただ,「目が大きい・小さい」「目尻の位置が高い・低い」「口が前に出ている・奥に引っ込んでいる」といったようにそれぞれの項目で調整できることが細分化し,またパラメータの幅も広くなったことで,作れるキャラクターのバラエティが圧倒的に増えたというわけだ。
さらに,テンプレートのパーツ同士を「ブレンド」することも可能になった。
この機能を使えば「3番の目と5番の目を7:3の割合で混ぜ,両方のニュアンスを持つ新たな目を作る」といったことができる。もちろんブレンドで作った新たなパーツも,パラメータをいじってさらに調整することが可能だ。
また詳細設定の画面でタブを「レシピの確認・編集」に切り替えると,作ったキャラクターのレシピが表示される。この数値通りに設定すれば同じ外見のキャラクターを作ることができ,ほかの人に共有もできる。いいものができたら,SNSなどでレシピを公開すると誰かに喜んでもらえるかもしれない。
ちなみに,2004年3月に発売されたプレイステーション2用ソフト「モンスターハンター」のキャラメイクは,性別2種類,顔24種類,髪型10種類(髪色は約1677万色),声10種類の中から選んで組み合わせる,今の感覚からすればとてもシンプルなものだった。
それでも「イャンクック装備にはお団子髪が似合いそうだな」などと装備側からイメージを膨らませてキャラを作ったように,けっこう楽しめた記憶がある。
どんなことを考えながらクリエイトしているのか
さて,すでに「ワイルズ」のβテストは終了しているが,製品版リリースを迎える前にちょっとしたキャラメイクのコツの伝授と楽しみ方の提案をしたいと思う。また考え方自体はほかのゲームのキャラメイクにも応用できるので,ぜひ3割増しのゲームライフ(筆者比)を送るお役に立ててほしい。
まず一番大切なのは作るためのとっかかりを捕まえること。「これこれこういうキャラを作ろう」といったインスピレーションが湧かないことには,キャラメイクを始めることすらできない。
これには大まかに二通りのアプローチがある。ひとつは,プリセットをいろいろ見つつ,似た人物を連想する方法だ。
「4番のプリセットは●●●●に似てないか?」と,モデルとしてイメージした有名人やキャラクターに似ているものをみつけたら,すぐさま作成にとりかかろう。きっと熱意を保ったまま作り切ることができるはず。その逆で嫌いな対象は作りにくいし,あと作っている途中で嫌になって投げ出しやすい(笑)。
もうひとつは,髪型,目,鼻,ヒゲ,唇など,顔のポイントとなるパーツから人物を連想する方法だ。特徴となるパーツをうまく再現して目立たせれば,ほかの部分は少し強引でも「似ている」印象を作れるもの。ものまねや仮装でもカツラは使用頻度の高い小道具だし,身の回りにも「目元だけ有名人に似ている」人がいたりしないだろうか? そういうことである。
こうして作る対象が決まったら,Googleなどで参考になる写真や絵を検索して探そう。正面,横顔,斜め45度の画像が見つかれば理想的だ。
ところがである。せっかくこだわって作ったキャラクターが,ゲーム中の場面では「思っていたのと違う」印象になってしまうこともかなり多いもの。ここからは,そうした悲しい事態を避けるためのポイントをお伝えしよう。
1.アップだけでなくズームアウトした状態でも確認する
人間には「近い距離で見慣れた顔」に親しみを感じる習性があるようで,アップの顔を見続けると家族や恋人をひいき目で見るのと似たような感覚になり,「こんなものかな?」とエディットに妥協してまいがち。
またゲーム中のキャラクターは,すこし引いた位置から見る機会が圧倒的に多い。もちろんほかのプレイヤーにとってもそうなので,アップだけでなくズームアウト時の印象も重視したいところだ。
ところが「モンスターハンター」シリーズのキャラメイクは,詳細設定に入るとキャラクターの顔がかなりアップになる。パラメーターを調整したあとは,必ずズームアウトして確認することで「客観的にどう見えるのか」確認しよう。
2.いろいろな角度から見る
またズーム&ズームアウトするだけでなく,キャラクターモデルを回転させ,複数の方向から確認するのも忘れてはいけない。再現したい対象のさまざまな角度からの画像がある場合は,キャラクターモデルと資料の顔の向きを合わせて,同じ形になるようにを調整していくのがもっとも確実だ。
ただ,一度仕上がったと思った角度も,ほかの角度で手を入れたときに崩れている場合がある。何度も何度も見直しながら修正を重ねよう。
3.ライティングも変えてみる
顔の印象は光の当たり具合でもだいぶ変わるもの。「モンスターハンター」シリーズのキャラメイク画面ではライトの種類や方向を変えてキャラクターの見え方を確認できるので,忘れずにこの機能を使いつつ仕上げていこう。そのときはいろいろな距離感,角度で試すこともお忘れなく。ここで納得がいくまで調整しておけば,ゲーム中の場面で「思っていたのと違う」と感じることがかなり少なくなる。
4.ビューオプションの「表情」にも注目
画面下のメニューにある「ビューオプション」を開き,その一番下にある「表情」を変えて確認することも大切だ。その人物やキャラクターがいかにもしそうな表情にすると,どれくらいイメージしたものに近づいたか,またはどこが足りていないかが分かるかも。
……というように,条件を変えてよく観察し,微調整を繰り返すことこそがキャラメイクの最大のコツだったりする。ここまでお見せしてきた筆者の作例も,以下のような過程を経て,微調整を繰り返し完成させている。
初めはこの髪型とヒゲにするつもりだったが,顔を変えていくうちに似合わなくなってきたので変更 |
目元がなかなか日本人っぽくならない…… |
目の優しさを出そうとしてやりすぎてしまった |
目尻の角度と二重まぶたの幅を上手く調整できたことで,一気に完成に近づく |
このように,キャラクター制作時にじっくり調整と確認を重ねておくと,ゲーム内の場面の見栄えもかなりよくなるものだ。キャラクターを現実寄りに作ると,なんだか背景のリアルさも上がったように思えるのは錯覚だろうか(錯覚です)。
ただ,いくら「楽しさ3割増」といっても,肝心のゲーム本編を遊ぶ時間がなくなってしまっては意味がない。それでは楽しさはゼロだ。キャラメイクはこだわりだすとキリがないものでもあるので,頑張りすぎず,どこかで割り切ることも大切かもしれない。遊びは気楽にやれる範囲でやるからこそ楽しいのだから……。
最初のほうで伝えたとおり,プリセットキャラ自体がよくできているので,それをちょっといじるだけでも満足のいくプレイヤーキャラクターを仕上げられるだろう。
こうやって作ったキャラクターをフォトモードで撮るのもなかなか楽しいのだが,それについては2025年2月28日の正式リリースが近づいたとき,またあらためて記事でお伝えするかもしれない。あまり期待せずに待っていてほしい。
「モンスターハンターワイルズ」公式サイト
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