プレイレポート
[プレイレポ]秋葉原にあるシーシャ屋が舞台の「Hookah Haze」。水たばこをくゆらせる3人の女性とのヒューマンドラマが描かれる
企画・開発はアクワイアで,体験版が本日より配信される(Steam版のみ)。この体験版は,ゲーム本編には収録されないオリジナルストーリーが楽しめるもの。製品版にも「ANOTHER DAY」として収録されるとのことだが,配信に先駆けプレイする機会を得たので,そのプレイレポートをお届けする。
「Hookah Haze」公式サイト
水たばこの煙とアクアリウムの光が,余命わずかな主人公と3人の女性をつなぐ
本作は,秋葉原にあるシーシャ屋「Hookah Haze」の店長「炭木トオル」と,客として訪れる3人の女性たちとの交流を描いたアドベンチャーゲームだ。
主人公であるトオルは,病気のために先が長くない身だが,医師と話し合い,期間限定でシーシャ屋の店長をしている。
体験版では,トオルの病状について詳しくは語られなかった。本編では明かされるのかもしれない |
「Hookah Haze」に訪れる客は,秋葉原のコンカフェ店員である愛上あむ,ショップ店員の明月院こころ,企業に所属している人形作家の古森くるみの3人だ。それぞれが,違う目的で来店している。
ゲームの舞台としては,かなり珍しい部類に入るだろう“シーシャ屋”。シーシャとは,いわゆる“水タバコ”で,水パイプにくぐらせた柔らかい煙を吸って楽しむ。香料や糖蜜で香りづけされた,多種多様なフレーバーがあるのが特徴で,その香りと静かな時間を求める人たちに人気の嗜好品だ。近年は,国内にもシーシャを楽しめるお店が増えてきている。
日常から切り離されてチルアウトできる空間,それがシーシャ屋 |
店長であるトオルは,まずお客にオススメしたいシーシャのフレーバーを,ゲーム内のSNS「Hookah LINK」に投稿する。しばらくすると,そのフレーバーに惹かれた女性が来店してくる。
「悪魔的ゼロカロリー」。甘々なこのフレーバーをおすすめすると…… |
甘いものが大好きな「愛上あむ」が来店した |
次は,来店した女性にシーシャのフレーバーを提供しよう。フレーバーは「スイーツ」「フルーツ」「スパイス」「ドリンク」「ナッツ」の5種類から,3つを組み合わせて調合する。
すべてが別のフレーバーである必要はなく,同じ種類を重ねてもOK。また,SNSに投稿したものと違っていても大丈夫だ。新しいフレーバーが調合できるとメニューに登録され,次からは,その中から選択して作ることができる。
今回は,SNSでおすすめしたのと同じ,「スイーツ」+「スイーツ」+「スイーツ」で作る「悪魔的ゼロカロリー」を調合してみた。
どんなフレーバーを提供するかは,プレイヤー次第。女性の好みど真ん中のフレーバーは間違いなく喜んでもらえるが,好みのエッセンスを少しだけ取り入れたフレーバー,まったく好みと違うフレーバーを提供すると,また違った反応も楽しめる。
フレーバーを提供し,しばらく会話を楽しんだあとは,煙の具合を確認しつつ,炭の数を調整することになる。必要な炭の量はトオルがコメントしてくれるが,具体的な量については分からない。やれば慣れるの精神で,まずは感覚で増減させてみよう。
思ったような調整が出来なくても,取り返しのつかないようなことにはならないし,おそらく失敗ですらない。むしろ,ちょっとした間違いやイレギュラーから生まれる会話や感情の変化を楽しむことも,本作の醍醐味だ。
煙を吸ってモクモクと吐き出したあとの,いい笑顔! しっかり調整ができたようだ。炭が多すぎたり少なすぎたりすると,それぞれ違った反応が見られる。とても可愛いので,いろいろと試してみよう |
まずは,トオル自身が煙を吸ってみて炭の数を調整し,再度提供されたシーシャに客が反応する。ドット画のようなアニメーションで描かれるこの一連の流れは,どこを切り取っても美しい。
また,キュートなキャラクターたちがシーシャの煙を吐き出すという,ギャップのある画も面白い。店内に設置された大きなアクアリウムの発する幻想的な光と,それに包まれた薄暗い店のなかで客と向きあう時間は,どこか厳かで儀式めいた,特別な空気が流れている。
そうそう,トオルの趣味である「アクアリウム」という要素も,本作においてはとても大事なのだ。この体験版で語られることは少なかったが,3人の女性との会話には,たびたびアクアリウムが登場していた。本編ではもっと深く物語に関わってきそうだ。
店内の大きな海水アクアリウム。立派なコーラルがバランスよく配置してあり,手入れが行き届いていることが伺える |
プレイ画面左端のコマはアクアリウムの映像になっていて,さまざまな熱帯魚の泳ぐ姿が見られる。画面に映っているのは,ハタタテハゼにチンアナゴ,ニシキアナゴ…… |
さらに数秒眺めていると,画面を横切るキイロハギも発見。このほかにもたくさんの熱帯魚が登場する。この小さな画面を見ているだけでも,癒しの時間が味わえてしまうのだ |
プレイ中は,左上のパネルでネオンカラーや光度がカスタムでき,下部のパネルで20種類のBGMから好きな曲を選べる。
アクアリウムのパネルも含め,これらをいつでも自由に動かせるので,自分が実際に「Hookah Haze」の店内にいて,他愛のない話を聞きながら自由にくつろいでいるような感覚になってくる。
これはおそらく,臨場感を高めるための意図的な仕掛けではないだろうか。ただゲームを立ち上げて,BGMとグラフィックスをまったり楽しむという使いかたもできそうだ。
さまざまな音が喧しく混ざり合う都会,タイパが求められる忙しい現代。流れの速い時間のなか,ゆったりと腰を落ち着けて……なんていうと少々陳腐だが,「シーシャ+癒し+心のつながり」という,「Hookah Haze」ならではのフレーバーは,プレイヤーにきっと特別で忘れられない体験を与えてくれるはず。
この体験版では,ゲーム内の2日間をプレイできる。1〜2時間もあれば本作の雰囲気を味わい,登場する女性たちとの会話を十分に味わえるだろう。ただし,全員と心行くまで会話を楽しみつつ多くのフレーバーを作ってみるなら,もう少し時間が必要でもある。
テキストの内容からは,3人の女性とトオルの人となりが見えはじめ,「Hookah Haze」の雰囲気が分かる程度で,ゲームの全貌はまだまだ謎に包まれている。本作が気になる人は,まずは体験版を遊んでみて,7月11日のリリースを楽しみに待とう。
「Hookah Haze」公式サイト
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