プレイレポート
[G-STAR 2023]ミューやC9のWebzenが“アニメオタク方向”に全振り。美少女RPG「Terbis(テルビス)」をプレイ
開発は,同社の子会社・Webzen Novaが担当している。
まずWebzenと言えば,4Gamerも縁深い「ミュー 奇蹟の大地」や「C9」など,往年のPCオンラインゲームの開発会社だろう。
日本においては昨今,存在感があったかというとコメントしづらいが,現地では堅調に活動していたようで。
近年では,美少女妖怪がウリの「ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫」を,近々では「陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン」の韓国パブリッシングに乗り出している。
なお,同社がG-STARのB2Cに出展するのは,7年ぶりとのこと。前回出展時にアプローチしていたせいで,例年「最近,Webzen見ないなあ」と思っていたため,この真相にはすこし笑えた。
[G-Star 2016]「Diablo」ライクなハクスラに生まれ変わった「MU LEGEND」のプレイレポートをお届け
「ミュー 奇蹟の大地」の後継作品となる「MU LEGEND」は,MMORPGにハック&スラッシュ要素を加えたようなシステムが特徴だ。2016年4月に韓国でクローズドβテストが実施された本作が,G-Star 2016のWebzenブースにプレイアブル出展されていたので,プレイレポートをお届けしよう。
[G-Star 2016]騎士風のロボットが巨大な武器をぶん回す。それだけでインパクト抜群な「Azera: Iron Heart」を紹介
韓国・釜山で開催中のゲームショウG-Star 2016にて,Webzenブースに出展されたスマホ向けMMORPG「Azera: Iron Heart」のプレイアブルをチェックしてきた。ファンタジー風のデザインが特徴的な巨大ロボット同士のぶつかり合い。そんなものを見せられて,男心がくすぐられないわけがない。
本題の「Terbis」は,G-STAR合わせで発表されたPC / スマートフォン向けRPGで,美少女×2Dアニメの方程式でサブカルチャー市場(海外ではアニメ系作品を分類のためにこう呼びがち)に乗り込む新作だ。
ラグナドやカゲマスとの違いは,本作が“WebzenないしWebzen Novaが自ら開発して送り出すところ”にある。
どちらかと言えば,ハードコアさバリバリのMMORPGなタイトルを送り出してきたイメージが強い会社だけに,これまた興味深い。
舞台となるのは,人々の想像エネルギーが流れ込み,いつしか生まれた星「テルビス」。そこには女神「テルビス」(記事冒頭の少女)が住んでおり,異世界からの来訪者を待ち受けている――といった世界観。星も女神も同名なところに,なんらかの意味があるのだろう。
主人公は,異世界にポンッとやってきてしまった青年だ。彼はテルビスでたくさんの仲間と出会い,壮大な冒険の旅に出る。良くも悪くもお約束なため,スタートからしてなじみ深さすら感じる。
試遊では,G-STAR限定シナリオを体験する「ストーリーモード」,自由なパーティでバトルに挑む「チャレンジモード」を試せた。
物語は他言語とあり展開を読み解けなかったが,ビジュアルのよさは見てのとおり。人それぞれ,期待どおりの体験になるのだろう。
バトル時の編成については,主人公を含む5人パーティとなる。ジョブは「タンカー」「ディーラー」「ヒーラー」「サポーター」の4種類で,おおよそ名称通りの働きをしてくれる。
珍しいのは,男主人公が戦闘に混ざるところだ。彼はさらに,前衛守護の「ガーディアン」,遠距離射撃の「アーチャー」を“編成時に自由に切り替え可能”だ。配信時はさらに2職追加されるらしい。
主人公のユニット価値に多様性を与えるこの作りは,攻略の柔軟性に寄与し,極論,ガチャへの依存度も減らせる。実際にどこまで機能するかは定かではないが,ちゃんと狙いを感じられる仕組みだ。
戦闘はリアルタイムバトルで,規定数のステージWaveを乗り越えることでクリアとなる。パーティメンバーは基本,自動で「通常攻撃」「自動スキル」を使用し,プレイヤーは手動で「アクティブスキル」「スペシャルスキル」を発動する。よくあるセミオート式である。
また,マニュアルスキルを使うと発動演出が,スペシャルスキルを使うと“キメの2Dアニメーション”がカットインする。
バトルキャラクターの動きにしろ,常に動作しているアニメーション方式だ。それを見るだけで「これは1体あたり工期が大変なやつだ」とすぐさま思ってしまった。こういうのも職業病だろうか。
なお,キャラは2Dデザインだが,ステージ背景は3Dデザインとなる。これはリッチさを追求する2Dゲームでよく見る手法であろう。
スペシャルスキルのアニメ演出は,デザインもクオリティも日本の人気アニメ基準,あるいは類似演出をウリにしているスマホゲームと比べても,「すっごくよくできてるね」と思える代物だった。
さらにバトルギミックとして,いずれかのキャラクターのスキル発動時に,ほかの仲間のスキルアイコンが金色で表示されていれば,タップすることで「チェーンスキル」が発動する。
チェーン時は“スキル効果が変化”する。端的に,スキル1発目だと単体攻撃のところ,2発目だと全体化。同じように,無属性攻撃に状態異常が付加されるなど,何発目に連携させるかでスキルの価値が変わる。これは手動スキル2種ともに適用されるようだった,
こういった操作は楽しい反面,正直なところエネルギーもいる。必要な効果と好きなアニメ演出の齟齬も悩ましいものだ。
その点,本作には現代スマホゲームの基本装備たる「オートモード」も用意され,適用時は適切なチェーンまで組んでくれるらしい。
おそらく,難度以外の問題は消化してくれそうである。
カワイイやカッコイイを専攻しながら,ゲームらしいフックも用意しなければならない。さらに,機運や時勢や天命としか言いようがない要因も成否に関わってくるのが,彼らが挑むことになったサブカルチャー市場。もっと細分化するなら,ようこそ美少女ゲームの戦場へ。
MMORPG界の老舗が,チャレンジングで美少女市場に乗り出す。大きく舵を取って行く先に,星と女神のご加護があらんことを。