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[TGS2023]ネコにばれないようにチーズを運ぶ協力型アクション「Little Cheese Works」試遊レポート。ターゲットはゲーム配信者
本稿では,かわいらしい見た目に反して,非常にコンセプチュアルな本作の試遊レポートをお届けしよう。
Steam「Little Cheese Works」ストアページ
ブースでは,ディレクターであるBubble Gumの古川貴大氏に概要を説明してもらえた。「Little Cheese Works」は,ネズミを操作して,眠っているネコにばれないようにチーズを運ぶゲームだ。2〜4人プレイで,ボイスチャットにも対応している。ネコは,ゲーム内のネズミの行動だけでなくボイスチャットの音にも反応するので,こそこそと相談しながらギミックを攻略していかなければならない。
古川氏によると,本作のターゲットはゲーム配信者なのだという。ゲームは,必ず役割を分担したり相談したりする場面ができるように設計されており,4人で遊んでいると,どうしても誰かが足を引っ張ってしまうことが想定されている。その際に,「おい!(笑)」と配信者同士のいじりを発生させるのが開発チームの狙い。つまり本作は,動画の盛り上がりポイントを想像しながら作られたのだ。
「いつか自分たちの推しのVtuberに遊んでもらえたらメチャクチャ幸せです。」と古川さんは語る。ちなみに,推しのVtuberはぶいすぽっ!のみなさんだとか。
試遊は,Bubble Gumのスタッフのみなさんに協力していただいてプレイすることになった。
ゲームがスタートすると,ステージ右上のドアからネズミたちが登場した。まずは中央付近の大きなチーズを目指す。移動は左スティックを使用。走ったり壁にぶつかったりすると物音が発生し,左上のネコが起きてしまうので慎重に歩を進める。もし起きてしまった場合は,茂みやネコの死角となっている物陰に隠れるとセーフなようだ。チーズは4人全員がボタンを押して持ち上げると運搬できる。スタート地点の扉まで持ち帰るとステージクリアだ。
最初は簡単なステージだが,クリアするごとに難度が上がり,仲間を持ち上げて川の向こうへ渡したり,水に浮かぶ段ボールの上を息をあわせて移動したりしなければならないステージが現れる。こういったシーンでのコミュニケーションは不可欠だ。
ここまでBubble Gumのみなさんの手引きで,ステージをいくつかクリアしてきたが,最終ステージはビジネスデイに来場していた見ず知らずの3名と遊ぶことに。試遊で最も難しいステージにチャレンジした。
まず,最終ステージのギミックについて簡単に説明しよう。ここでは,チーズが取れないように踏切で分断されているので,画面左上のレバーを操作して踏切を上げなければならない。レバーを動かすためには,動く床で川を渡る必要があるが,数字の描かれた障壁があり,これを取り除かなければ川に落ちてしまう。そこで,3人が画面下の数字のボタンを押して障壁を操作し,残りの1人がレバーを倒しに行く。
チュートリアルなしでいきなり最終局面に立たされた3名は,手探りでゲームをプレイ。タイミングがあわず川にネズミが落ちてしまったり,ネコが何度も起きてやり直しになったりと大苦戦した。時には,足を引っ張ったプレイヤー同士で冗談交じりにお互いを指さし合ったり,「もっとこうしたほうがいい」と意見を交換し合う場面も。「どうしてもクリアしたい!」とねばり強くトライした結果,最後には見事チーズを持ち帰ることができた。全員が一体感を覚えたのか,初対面にも関わらずハイタッチを交わし,すがすがしい気持ちで解散。開発チームの狙い通り,十分に盛り上がった。
試遊や古川さんのお話を通してもっとも感じられたのは,本作がコンセプトに沿って実に計画的に練られた作品であることである。初対面の人と仲良く遊べたことも,その裏付けとなった。ボイスチャットによるネコの反応は,試遊ではオフだったので体験できなかったが,会話が不可欠の動画配信ではもちろん,一般の人が家族や友達と遊んでも間違いなく盛り上がるだろう。
今後,ゲームはグラフィックスやデザインのさらなるブラッシュアップが予定されている。2024年の配信以降,「Little Cheese Works」の名を動画サイトで見かける日が来るかもしれない。
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