プレイレポート
[TGS2023]ウサギ少女たちがレイドボスに挑む。PC向け新作ローグライトアクション「Rabbit and Steel」試遊レポート
MMORPGとローグライトのいいとこ取りな「Rabbit and Steel」
魔法少女たちが弾幕で戦う対戦型シューティング「Maiden&Spell」(PC / Nintendo Switch)を手がけた個人開発者のmino_dev氏が,2024年の発売を予定しているPC用ソフトが「Rabbit and Steel」だ。今作は,ウサギ少女たちが協力してレイドボスに挑むレイド系ローグライト(“raiding”roguelite)となっている。
「Rabbit and Steel」では,「魔法使いウサギ」「アサシンウサギ」「大剣ウサギ」「踊り子ウサギ」「ドルイドウサギ」といったウサギたちを選んで出撃する。
レイドボスたちは弾幕に加えて,ノックバックやテレポート,時間停止に移動制限といった技を組み合わせて,4人のウサギを翻弄してくるのが本作流だ。
例えば,円状に広がる弾攻撃は,円の内側に入ってしまえば簡単に回避できる。だからといって,円の内側に入って安心していたら,ウサギを一定距離横に移動させるテレポートによって円の外側へと移動させられてダメージを食らってしまった。これを避けるには,テレポートの距離を計算に入れ,テレポート先が円の内側になるように移動するという一風変わった考え方を求められる。
また,これらの攻撃には予兆があるのに加えて,「円に入れ」「散開しろ」といった対処法や,テレポートの移動先も示される。レイドボスから「今からすごい技を出すから,なんとか対応しろ」といわれているようで,フェアであると同時に緊張感がある。
レイドボスたちが繰り出す攻撃のバリエーションは多く,鎖で上下もしくは左右の移動を制限したうえで弾を放ったり,円状の弾幕とこちらの位置をサーチするコーン状のノックバックフィールドを組み合わせたりするなど,単なる弾幕にとどまらない。避け方の異なる複数の攻撃が組み合わされるため,パズル的な考え方も必要だ。
魔法使いウサギ |
大剣ウサギ |
アサシンウサギ |
ウサギたちは通常攻撃「プライマリ」,サブ攻撃「セカンダリ」,大火力の「スペシャル」,無敵化する「ディフェンス」という4系列のスキルを駆使して戦っていく。それぞれのスキルは,クールダウン制かつ特殊な効果を持っており,特性を理解して効率よく使っていく“スキル回し”が重要だ。
例えば,アサシンウサギの場合は,背後から大ダメージを与えるスペシャル「暗殺」が攻撃の軸となる。レイドボスの背後に回り込むには,姿を消しつつ次に使うスキルのダメージをアップさせるディフェンス「影の足音」を予め使っておくことがポイントだ。
そして,一定の確率でディフェンスのクールダウンをリセットするプライマリ「刹那の一刀」と,ディフェンスのクールダウンが5秒以内ならば,これをリセットするセカンダリ「ナイフジャグリング」を併用する。
つまり,ディフェンスのクールダウンを見つつ,プライマリとセカンダリを使い分け,リセットに成功したら背後に回り込んでスペシャルを使う……こうすれば効率は上がる。
レイドボスを倒せれば,戦利品の分配タイムが始まる。戦利品として,ウサギのスキルに特殊な効果を付与する4種類の装備品が出現し,複数人が同じものを欲しがった場合は,ダイスの出目で所有権を争うことになる。
また,ステージの合間にはお金でアイテムを買えるショップも登場。中でも宝石はスキルをカスタマイズでき,装備品と組み合わせることで多彩なプレイが可能となる。レイドボスを素早く倒すほど経験値やお金がたくさん手に入るため,チームワークも重要になりそうだ。
強力なレイドボスの多彩な攻撃,スキル回しによる効率アップ,ダイスによる戦利品分配などMMORPG的な要素が多いが,これは開発者のmino_dev氏が「ファイナルファンタジーXIV」にハマったことからの影響だという。これを協力系ローグライトゲームと組み合わせたのが,本作のオリジナリティであるわけだ。
また,本作では全員がアタッカーであり,タンカーとアタッカーとヒーラーを揃えなければならないというMMORPGのセオリーは適用されず,4人が好きなクラスを選んで遊べる。本作はオンラインプレイにも対応し,ロビーを建ててフレンドや見知らぬプレイヤーと一緒に楽しめるという。
本作はMMO的な要素+アクション+ローグライト+美少女という,日本アニメとゲームを愛するmino_dev氏の好みが強く表れており,好きなものを詰め込んだ姿勢がインディーゲームらしい。Steamのストアページも開設されており,デモ版をかなり近い時期に配信する予定とのことなので,気になる人はチェックしておこう。
4Gamer「東京ゲームショウ2023」掲載記事一覧
- 関連タイトル:
Rabbit and Steel
- この記事のURL:
(C)mino_dev LLC 2022