プレイレポート
田舎暮らしは案外忙しい!? 「にほんの田舎ぐらし」で自ら作り出したものに囲まれて,心豊かな生活を楽しもう(今日から始めろApple Arcade #23)
「Apple Arcade」は,Appleが月額900円(税込)/年額6000円(税込)でiPhone / iPad / Mac / Apple TV / Apple Vision向けに提供している,ゲームのサブスクリプションサービスだ。
この連載では,広告やゲーム内課金なしでプレイできるタイトルが現在200種類以上配信されているこのサービスの中から,4Gamerがチョイスしたタイトルを紹介していく。
第23回では,GAME STARTが配信する「にほんの田舎ぐらし」を紹介しよう。
「にほんの田舎ぐらし」
オススメポイント
1.田舎暮らしのていねいな再現と,ゲームらしさとのバランス
2.コツコツと作業し,目的をやり遂げたときの充実感
3.可愛らしく温かみを感じるグラフィックス
「にほんの田舎ぐらし」公式サイト
「にほんの田舎ぐらし」ダウンロードページ
一両編成の電車に乗って主人公がやってきたのは,お世辞にも栄えているとは言えない村である。高齢・過疎化が進んでいるからか,手入れも行き届いておらず,どこもかしこも雑草が生え放題。郵便ポストは倒れ,橋も朽ち,ほかの設備もあちこちが壊れている。
主人公がこれから暮らすのは,そんな村の外れにある古風な家屋。ここも荒れ放題だ。
だが主人公は,「ゆっくり田舎暮らしをするぞ」と決意して移住してきた若者だ。生活の知恵から作物の育てかたまで何でも載っている「ガイドブック」を片手に,新たな生活を始める。このガイドブックがチュートリアルをはじめ,本作のヘルプとしてずっと役立ってくれるのだ。
ゲームを始めてすぐの時点は,のんびりスローライフというより,どちらかというとサバイバルだ。起きてから寝るまでの自分の生活を整え,一日を終えるのに精いっぱい。なんせ,出来合いのものはほとんどなく,自分で作るところから始めないといけないからだ。
例えば,行動するたびに減っていく体力ゲージ回復のため,おにぎりを食べようとした場合。本作では,さあ米を炊いて握れば完成……というわけにはいかない。
まず「炊くための米を育てる」ところからだ。さすが自給自足生活を体験するゲームである。しかし,「今すぐ苗を植えるぞ」というわけにもいかない。なぜなら,苗を持っていないからだ。
苗を買うにはお金が必要だが,引っ越してきたばかりの主人公は,ほぼ無一文。まず金策が必要になる。釣った魚や昆虫を売るなどして少しのお金を手に入れ苗を買っても,そこらに植えるわけにはいかない。田んぼが必要である。
当然そんなものは用意されていないので,野良仕事の道具をなんとか調達し,水田の形を整え,どこからか水を引いてくる必要がある……。
朝4:30に起床,6:00までに畑と家畜の世話をし,薪を割って水を汲んでおく。郵便屋さんの配達が来る7:00まで,野草を採ったり魚を釣ったり。
郵便を受け取り,大工道具片手に村の設備を修復に行く。正午過ぎには家に戻って獲った魚などを売ったり,DIYで必要な道具を作ったり,食事を作ったり。
もちろん,食事を作るための設備は事前に作っておかねばならない。
ボーっとしていたら,一日はすぐに過ぎていく。あまり手を広げず,最低限の生活を維持していくのんびりプレイも可能だが,せっかく環境がそろっているのだからと出来ることにチャレンジしていくと,時間がいくらあっても足りない。
“自然たっぷりの田舎でのんびり景色を眺めて暮らす,ほのぼのスローライフ”というようなものは,眠たい夢の中だけの話なのかもしれないと思わされる。
さらに,住民たちと触れ合い,困りごとを解決するなどして村になじむところまでも,田舎暮らしの一部としてゲームに取り入れていることには驚かされた。
田舎で暮らすことの,ときにシビアな現実も含めて体験できるゲームなのだ。
ちなみに,村長は主人公のやる気をこれ幸いと村おこしに活用してくるちゃっかりさんである。
だが,こういった要素は,ゲームプレイ的には大きな喜びだ。それに,ジタバタと暮らすうち,この雄大な自然のなかで汗を流す生活がすっかり気に入っている自分に気付く。
住民と心を通わすことができたとき。犬に餌をあげるときの癒される瞬間。山道を歩くときにパキパキと鳴る小枝の音。少し寝苦しい夜に響く虫の声,雪が降った日に囲炉裏で温めたかじかむ指先……。後半は筆者の妄想がだいぶ入っているが,そんな自然の息づかいを,この可愛らしいドットの画面から感じられるようになってくる。
そして,その暮らしに慣れ,少し余裕が出てくるころには,除夜の鐘付き,お正月,七夕,お月見など,季節の行事に必要な道具を手作りし,楽しめるようになるだろう。
本作はゲームだから,プレイをしたからといって,本当の田舎暮らしの大変さの体験には遠く及ばないはずだ。だが,愛情をもって描かれる田舎暮らしの機微は,住宅街に建つマンションの一室でプレイしていても,自然や人への敬意を引き出してくれる。
農家の皆さんが精魂込めて作った野菜,業者の方が整えてくれた道路や街路樹,また,雨の日も風の日も営業している商店……。生活の中で何気なく享受していたあらゆるものが輝いて見えるようになってくる。
ついでに,トンボやチョウチョを見ると捕まえて売りたくなったり,公園に落ちている小枝を素材とみなして片っ端から拾いたくなったりと,現実とゲームの境界があいまいになる現象も楽しめる。
田舎暮らしの楽しさと現実,苦労とやりがい。自然のなかで地に足をつけて生活する充実感の一端を,今日からぜひ味わってみよう。
「にほんの田舎ぐらし」公式サイト
「にほんの田舎ぐらし」ダウンロードページ
Apple Arcade:月額900円(税込) / 年額6000円(税込)
Apple One:月額1200円(税込)
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