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バトロワにCo-opにソロキャンペーンとなんでもあり。古豪FPSシリーズが現代水準で蘇る「Delta Force: Hawk Ops」[CJ2024]
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印刷2024/07/27 15:50

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バトロワにCo-opにソロキャンペーンとなんでもあり。古豪FPSシリーズが現代水準で蘇る「Delta Force: Hawk Ops」[CJ2024]

 中国のゲームショウ「ChinaJoy 2024」で,ゲームスタジオTiMi Studio GroupのTeam Jadeが,新作FPS「Delta Force: Hawk Ops」PC / PS5 / Xbox Series X|S / iOS / Android)を出展した。

 本作はこれまでクローズドβテストが行われ,2024年8月に全世界オープンβテストが実施される見込みとなっている。

 なお,名称のHawk Opsとは,2001年公開の戦争映画「ブラックホーク・ダウン」をイメージした名称で,本作は同映画をリスペクトし,原作スタッフとの協力関係のもと,映画の内容の再現に努めてきたという。

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 あらかじめ,本作の背景も説明しておこう。

 初代「Delta Force」はNova Logicが1998年に発売したFPSで,2009年には「Delta Force: Xtreme 2」が発売された。だが同社が解散してしまったことでシリーズ展開は断ち切られ,どこへなりと漂っていたライセンス権を,Tencentがすくい上げて形にしたというものだ。

 いわば古豪のFPSシリーズと言えるが,個々人の思い出をのぞけば,ゲーム市場で存在を主張していたのは1990年代と2000年代のともに後半期だけ。そんなシリーズの最新作は,“究極の体験を味わえるマルチプラットフォームの無料タクティカルシューティング”とされている。

 料金は基本プレイ無料で,有料要素はスキンや便利要素のみ。つまるところ,Pay to Winにはしない対戦FPSの構造だ。

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 主題はタイトルのとおり,“デルタフォース”ことアメリカ陸軍の第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊となる。ゲーム的にはバトロワあり,Co-opあり,ソロキャンペーンありの全部盛りのFPSのようだ。そのうえで,本作の世界観にはモードごとに,2つの異なる時間軸が用意される。

 1つは1993年の世界。プレイヤーはデルタフォースのエリートオペレーターとして,あの「ブラックホーク・ダウン」作戦に参加する。ロケーションに関しても,UE5技術で完全再現しているという。

 もう1つは2035年の世界。近未来では元デルタフォースメンバーが設立した世界的な対テロ特務機関「G.T.I.」のエリートオペレーターとして,謎に満ちたアサラ地域で,ハフク社の非合法活動を調査する。

 つまり,史実の過去と仮想の未来を体験できるわけだ。

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 ゲームモードに触れていくと,「Havoc Warfar」は4人1組の最大64人が参加できる陣地占領型のバトルだ。こちらはシリーズ伝統のクラシックスタイルとして,陸空海のラージマップで戦っていく。過去の名作マップも1:1の比率で再現されているらしい。
 ルールについては,FPSプレイヤーなら初戦で理解できるだろう。

 戦地にはブラックホーク(ブラックホーク・ダウンに関連する場合は,アメリカ軍の汎用ヘリコプター「UH-60 ブラックホーク」ではなく,同戦闘で用いられた強襲型「MH-60L ブラックホーク」を指すことが多い)のほか,戦車などの約10種類に及ぶ乗り物が登場する。

 実際の手触りについては,ラン&ガンは当然として,ダッシュやジャンプやリーン,特殊武装など,FPSにおけるスタンダードな操作系でありつつ,スポーティで優等生な操作感といったところだ。

 リコイル(銃撃の反動による照準のブレ)もリアリティの追求か,わりと激しめだが,現時点でも「不快ではない納得感」「絶妙なままならなさゆえの快感」を覚える程度に調整されている印象だ。

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 続けて「Hazard Operations」は,3人1組で専用マップに入り,AI&プレイヤーを相手に戦闘・探索を行うCo-opモードだ。
 プレイヤーたちはチームを組み,自前の装備を持ち込み,戦地で戦い,マップ上の物資を獲得したなら,戦場を脱出できる。そのときまで撃って,逃げて,探して,待って,生還を目指す

 持ち込める武装はゲーム内で獲得した武器・防具・補給物資などで,それらはプレイ中に死んでしまうとすべて喪失となる。また,持ち帰った物資はプレイヤー間トレードにも対応している(無償のゲーム内通貨でのみ売買可能)。
 探索&撤収を主題としたFPS作品の前例はいくつか思い浮かぶが,本作の場合は,対戦スポーツ型のFPSでありながら,ローグライク的でハック&スラッシュな楽しみも植えつけているわけだ。

 特徴的なギミックは,特殊アイテム「MANDEL BRICK」の存在だ。これを獲得し,解読に成功するとレアアイテムが入手できるという。しかし,同アイテムの所持中は“全チームに自分たちの居場所がバレる”ため,指名手配犯のごとき立ち回りで生存本能を発揮せねばならない。

 肝心の戦場からの脱出方法は,マップ上の撤退地点への到達ほか,さまざまな特殊ルートがあるという。

自分だけの所持品で,自分だけの最適装備を追求しよう
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敵とお宝が待つマップを選んで降下し,ゲームスタート!
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こうした暗号を解除し,物資をGET。目的物はマップ内に何個もあって,自分なりのルートで好きな場所を目指せる。いい報酬がある場所には強敵も待ち受ける
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 上記2つは現地にて試遊させてもらえたが,最後の1つはまだ開発中だった。それが目玉の「Black Hawk Down」で,こちらは同名映画をリスペクトしたキャンペーンモードとなっている。

 舞台は1993年10月3日,ソマリア首都にてアメリカ軍とソマリア民兵の間で発生した“モガディシュの戦闘”を題材とした物語が展開する。ロケーションとして市街地や戦闘機墜落地も再現しているのがウリらしい。

 こちらに関しては,予習・復習のために映画を観て待とう。

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 プレイヤーが扱える兵種は,計4種だ(キャラクターは計6人が発表されているが,それらは“同兵種でも見た目や能力が異なるといったバリエーションキャラ”も含まれている)

 突撃兵はエイム速度に優れている。工兵は乗り物の修理や防御工作が可能だ。偵察兵はラジオでマップ情報を取得でき,支援兵は銃弾などで倒れた味方を治療してすばやく助けられる。

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 登場する銃器は,定番のM4A1(アサルトライフル)をはじめ,AS Val(アサルトライフル),K15(サブマシンガン),PKM(軽機関銃)などだ。一方,先ほど2つの時間軸があると書いたとおり,2035年の未来戦では“ありそうな銃”としてデザインされた架空の銃が現れる。

 さらに,これら銃器や乗り物は自分なりにカスタマイズできる(こちらはハクスラ系Co-opモードで取り扱う装備品とは別。陣取り戦用に取捨選択できる,全プレイヤーに公平な性能アレンジのこと)。

 カスタマイズは見た目と性能に影響する。また,ただパーツを選ぶだけでなく,“パーツごとの重量などを調整”し,効果を高めて扱いやすさを減らすなど,自分なりのバランスに変えられる。
 こうした要素があると,フェアゲームでありながらも自分ならではの色を出せるため,ゲームに対しての愛着も湧きやすくなる。

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 全部ひっくるめると,作品から伝わってくる意気込みも「こりゃ世界を狙ってるな?」と思うほどだが,実際はどうなのか。

 今回は現地にて,プロデューサーのShadow氏に話を聞いた。


一番の満足は,完成度


4Gamer:
 最初に,ゲームの概要をあらためて教えてください。

Shadow氏:
 本作は次世代FPSを目指していて,大きく3つのゲームモードを用意しました。1つは対戦FPSとしての基本の楽しみ,1つはアイテム収集要素を強めた協力プレイ,1つは映画「ブラックホーク・ダウン」に基づいた原作ストーリーの追体験です。

本作プロデューサーのShadow氏
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4Gamer:
 現代のFPS市場において,強みになるのはなんでしょう。

Shadow氏:
 プレイヤーの興味は「キャラクター戦術のデザイン」に向けてもらえると考えています。人物ごとに性能の差別化を図っているため,公平なルールのなかで戦略の応酬を楽しめます。
 それに武器や乗り物のカスタマイズも特徴的ですし,現代戦のリアルさを追求した銃撃戦や操作感もぜひ楽しんでほしいです。

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4Gamer:
 ちなみに,映画のライセンス元とはどのような関係にあるのですか。

Shadow氏:
 オフィシャルのライセンスとは提携関係にあります。

4Gamer:
 映画の内容は,どのようにして再現しているのでしょう。

Shadow氏:
 手法としては,映画の内容を10パートに分けて,同作の印象的なシーンを追体験できるよう仕立てました。映像も“映画的に”お届けしていくので,没入感を覚えやすくなっています。
 登場人物の再現も,実際の映画出演者さんたちにモーションキャプチャをお願いし,原作の魅力をそのまま再現できるよう心がけました。マルチプレイにも対応するので,友達と一緒に遊ぶことも可能です。
 こうした“FPSで戦争映画を再現する手法”は,今では珍しく思ってもらえるはずなので,きっとFPSファンの興味を引けると考えています。

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4Gamer:
 一方で,未来の世界観も用意されていますよね。

Shadow氏:
 はい。本作では「キャンペーンモードは1993年」「あと2つのモードは2035年」と切り分けています。未来に登場する武装に関しては,10年後にどんな武装が生まれそうかを想像して作りました。

4Gamer:
 本作は15年ぶりのシリーズ作品となります。これまでにFPSも,変わっていないようで確実に変化してきましたが,操作や挙動はシリーズの伝統を守ったのか。もしくは現代らしい挑戦をしているのでしょうか。

Shadow氏:
 前提として,シリーズファンの期待を裏切らないために,IPとして守るべきところは徹底してきました。
 それでいて,現代のゲームらしさを感じてもらうべく,ゲームモードやカスタマイズ面などでトレンドを反映している形です。

4Gamer:
 リコイルなどの調整はどうですか。FPS的にキモだと思いますが。

Shadow氏:
 私はもとからFPSが好きで,ゲーム業界でも2011年からFPS開発に携わっていて,コンソールでもモバイルでもFPSを作り続けてきました。
 また,チームメンバーたちも「FPSとしての手応えを自然と追求できる能力を備えた人たち」で,個人的に世界トップのFPS制作集団とすら思っています。銃撃音も海外に行って実銃で収録したほどですから。
 もちろん,過去のクローズドβテストなどを通じて,プレイヤーたちからの意見・要望を反映し,ここまで改善してこられたのは確かです。そのうえで,リコイルの件も含めて,私が現状で一番満足しているのは,この作品の“FPSとしての完成度”と言えます。

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4Gamer:
 本作は基本プレイ無料ですが,有料要素はなんでしょうか。

Shadow氏:
 現状はスキンや便利機能の販売を想定しています。原則,Pay to Winには絶対にしません。対戦ゲームとしての公平性は守ります。

4Gamer:
 本作はコンソールでもモバイルでも同時展開されるようですが,全機種で同等のパフォーマンスを出せそうですか。

Shadow氏:
 PCと家庭用ゲーム機に関しては,我々が想定する最高のパフォーマンスで楽しんでもらえますが,モバイルに関してはやはり端末ごとに性能差があるため,モデルや光の表現などの負担処理軽減は行う予定です。

4Gamer:
 マルチプレイにおけるチート問題への対処などは。

Shadow氏:
 そこに関しても,20年以上チートと戦ってきたプロフェッショナルなアンチチートチームを招きました。ハードウェア側でもソフトウェア側でもチートにはすべて対処していけると考えています。

4Gamer:
 世界大会など,eスポーツ面での目標はどうでしょう。

Shadow氏:
 現在はリリース前ですが,すでに大会イベントにも参加していて,これからも配信イベントなどでFPSファンにリーチしていき,いつかeスポーツのイベントを開催できればと思っています。

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4Gamer:
 最後にですが,Steamストアページの説明欄に「私(Shadow氏)がはじめてプレイしたFPSはDelta Forceでした」と思いの丈をコメントされていましたが,やはりシリーズへの思い入れは強いのですか。

Shadow氏:
 強いです! 私が「Delta Force」に出会ったころ,中国では多くの人がCQB(近接戦闘)型のゲームに熱を入れていましたが,私はそのころネットカフェで,たまたま同作の存在を知り,プレイしてからというもの,FPSに一気にのめり込んでしまいました。
 私だけじゃない。あの時代に生きていた中国のFPSプレイヤーには,決して忘れられない1作になっていると思います。

4Gamer:
 では,今はうれしいですか?

Shadow氏:
 もちろんです!

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