プレイレポート
[プレイレポ]新要素は“人間性”!? 物理演算パズル「Q2 HUMANITY」は,手書きオブジェを使ってお題をクリアする「Q」シリーズ完全新作
また本作には,新要素である“人間性”が追加されている。異なる人間性を持った人間を,プレイヤーキャラクターとして操作するもので,彼らが持つ能力によって,攻略を有利に進めることも可能だ。
最大4人で楽しめる協力プレイも用意されており,1台のPCに複数のコントーローラをつないで遊んだり,SteamのRemote Play Together機能を利用して,遠くの友達とも一緒にプレイすることもできる。
アーリーアクセスの配信に先駆け,本作を体験する機会を得たので,パワーアップした「Q」がどんなものかを紹介していこう。なお,ネタバレにはある程度配慮し,解法そのものが映っているスクリーンショットは使わないが,システム説明や画面から解き方が推察できてしまう可能性はある。読み進めるタイミングにはご注意いただきたい。
「Q2 HUMANITY」公式サイト
描いたオブジェクトでお題をクリア
新要素“人間性”で面白さの幅が広がる
最初のステージをクリアする条件は,画面内にマウスを使って何か描くこと。いわゆるチュートリアルで,好きなように線や絵を描き,オブジェクトが出現することを確認すれば終了だ。
次のステージでは,黒い壁と,赤いボールが表示される。中央には,「赤いボールを右の壁に触れさせてください。」というお題が書かれているので,ボールを右端へ移動させるオブジェクトを描き出せば,無事にクリアとなる。
なお,1ステージに1つ配置されているコインは,収集要素のひとつだ。コインを取得してのクリアは通常よりも高難度だが,最終的にはコンプリートを目指したい。
取ることが出来なかったコインの存在が気になるが,再チャレンジもできるので,ひとまずよし |
3つめのステージからは,プレイヤーが操作するキャラクター(人間性)を選べるようになる。前作では,プレイヤーの「描画」のみでクリアを目指していったが,本作では,キャラクターを操作し,キャラクターが持つ“固有能力”も駆使してパズルを解いていく。
キャラクターは,キーボードやコントローラーで操作する |
最初に選べるのは,「凡人」という人間性のキャラクターのみ。特定のステージで,条件を満たすことで新たな人間性も選べるようになるが,まずは,この凡人でプレイをプレイを進めていこう。
スッキリした線で描かれた頭身の高いキャラクターの画と,実際にゲーム内で活躍するミニキャラとのギャップが面白い |
キャラクターは,移動やジャンプのほかに,モノをつかむ,投げる,パンチやキックを繰り出す,固有能力を使うなどができる。人間性によって能力が異なり,2段ジャンプが出来たり,物を遠くに投げることができるものも。選べるキャラクターが増えてきたら,各ステージで有用な能力を持っている人間性を選ぶことで,攻略をスムーズに進められるだろう。
なお本作は,マウスとコントローラを使ったプレイがオススメ。キーボードでのプレイは,かなり難度が上がるので,パズルを解くことに集中したいのであれば,コントローラを用意しておきたい。
マウスを使った描画に関しては,別に絵がうまくなくても心配ない。しかし,物理法則を踏まえ,ポイントを押さえた図を描く必要はあるので,序盤のステージでオブジェクトの動き方などを学んでおくと安心だ。
お題のクリアを目指すため,ときにはミリ単位の操作で描画を行い,ときにはキャラクターを操作し画面内をを駆けまわることになる。あらゆる手を考え,工夫を重ねてクリアを目指していくのは,非常に頭を使うので,かなりやりごたえがある。
パズルを解くための正解は,一つではない。最低限のオブジェクトでスマートに解決する方法もあれば,たくさんのオブジェクトを描き,手数を重ねて根性で結果にたどり着くような泥臭いやり方でもいい。一度クリアしたステージの新たな解を見つけていくのも,面白いだろう。
シリーズでおなじみ,クリア時に大きく表示される「YOU DID IT !」が気持ちいい! |
このような,試行錯誤が必要なゲームにおいて気になるのは,リトライのスムーズさである。本作は,スタートボタンでメニューを開き,「リトライ」を選ぶだけで,すぐにやり直せるので,再挑戦に対してストレスを感じにくい。
使用するキャラクターもすぐに変更できる。じっくりと考える攻略だけでなく,パッと切り替えてリトライし,新たなキャラでアイデアを試してみるのもいいだろう。それがたとえ的外れなものであっても,解きかたのヒントをひらめく場合があるからだ。
ステージによっては,クリア条件の指示がテキストで表示されない場合も。ただ,画面を見れば,直感的に分かるようになっている |
プレイするステージは,全16の「PRIMARY」エリアからスタートし,その中にある特定のステージをクリアすることで,新たなエリアや新たなステージが開放されていく仕組み。全体マップの点線でつながっているエリアは,開放すればお互いに行き来できる。
エリア内のステージは,必ずナンバー順に開放されるわけではなく,クリアするステージの順番も任意選択できるので,攻略ルートもプレイヤーによって変わってくるだろう。
またステージによって,「鍵」や閉じ込められている「人間」が配置されているものも。鍵を入手し,扉を開けてからステージをクリアすれば,次からそのキャラクターを使用できるようになる。
選んだキャラクターによって,クリア難度が大きく変わるステージもあるので,人間を解放できるステージは,積極的に攻略していくといい。
Remote Play Together機能に対応
遊ぶ人数によってクリア難度も大きく変わる
最大4人での協力プレイが楽しめる本作。PCに複数のコントローラをつないで遊んでもいいが,一緒にプレイできる人が近くにいない場合は,SteamのRemote Play Together機能を活用するといい。
今回は,同機能を使って4人プレイを体験したが,人数が増えるだけで,ゲームの雰囲気がガラッと変わることに驚いた。
1人の場合,己自身の頭で解法を考え,孤独で楽しい試行錯誤を満喫できるパズルゲームなのだが,複数プレイの場合は,誰かの些細なミスが大惨事の引き金となったり,全員でオロオロしたり,誰かの鮮やかな好プレーにみんなが喝采を贈ったりと,賑やかなパーティゲームに様変わりするのだ。
連携プレイがバッチリ決まっても,全然息が合わなくて散々な結果になっても,それぞれの面白さがある。音声チャットを使用していたのだが,寡黙に挑んでいた1人プレイとは異なり,笑いが絶えなかった |
多人数プレイでは,基本的に1人の時よりも謎解きの難度は下がる。しかし,画面にキャラクターが何人もいるからこそ,新たな難しさが生まれる場面もあるのだ。まるで別のステージを遊んでいるように感じたこともあり,1人でのプレイとはまた違ったエキサイティングな体験ができるので,ぜひ複数人でのプレイもおすすめしておきたい。
なお本作は,メーカーでもRemote Play Togetherの使用を強く推奨している。こちらについて,開発チームからコメントが届いているので紹介したい。
「Q2」という新しいアプローチのためには,どうしてもマルチ要素が必要でした。同時に,「Q」の特徴である“自由に描き,それらを物理演算する”というゲーム性も維持する必要がありました。
しかし,リアルタイムの物理演算をオンラインで同期させるのは非常に難しく,おそらくはAAAゲームを開発されているメーカーで,容易に実現できないものだと考えています。それもあって,リイカの開発規模では,まず「Q2」のマルチ要素は実現できないと考えていたのです。
そんなときに,SteamのRemote Play Togetherの機能を知り,これならマルチ要素が実現可能だと思いました。
オンラインで同期するのではなく,ホストの画面をマルチプレイ参加者にシェアする方式なので,プレイヤー間で同期を取る必要がなくなるためです。
Remote Play Togetherは,その特性上,最初こそ分かりづらさや,やりにくさというところもありますが,「Q2」に限らず,この機能を用いて遊ぶことで楽しさが増すゲームはあると思っています。
またメリットのひとつとして,ホストがゲームを持っていれば,Remote Play Togetherの参加者はゲームを所持していなくとも遊ぶことができます。
つまり,1本のソフトがあれば,最大4人で楽しめるので,多くのプレイヤーに気軽に触れていただくこともできるのではと考えております。
遊び方が拡張できるせっかくの機能ですので,「Q2 HUMANITY」公式サイトでは,“Remote Play Togetherの始め方”の解説ページを用意しました。また,「Q」公式X(旧Twitter)では,Remote Play Togetherの遊び方や楽しみ方を紹介したり,同機能に関する案内を適宜実施していく予定です。
ぜひ皆さん,Remote Play Togetherをお楽しみください。
謎解きの画面に,有効なオブジェクトを直接描き込める気持ちよさ,そして描くことで何でも生み出せるはずなのに,そう簡単にはうまくいかないもどかしさのバランスが心地いい「Q2 HUMANITY」。新要素である“人間性”は,謎を解く手段の幅を広げてくれるため,やり込み的な繰り返しプレイもしたくなる。
おしゃれでノリのいいBGMは,手軽にサクサクとプレイする本作にぴったりで,リズムに乗って楽しく遊べるアクションパズルの進化系といってもいいだろう。
Steamストアページでは本日から9月5日23:59まで,20%オフとなるセールを実施する。2400円のところ,1920円(いずれも税込)で購入できるので,気になる人はチェックしておこう。
「Q2 HUMANITY」公式サイト
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