プレイレポート
[プレイレポ]武器堀りとスキルビルドが楽しいローグライトFPS「ロボクエスト」で,自分だけの“ヤバい”組み合わせを見つけ出そう!
アーリーアクセスが開始されたのは2020年8月のことで,約3年間にわたってバランス調整やコンテンツ追加が行われてきた。スピーディで爽快感あふれるプレイフィールが高く評価され,Steamでは記事執筆時点で「非常に好評」の評価を得ている。
今回は正式リリース版となる“ver1.0”をひと足先に遊ぶ機会を得られたので,そのプレイレポートをお届けしていく。なお,プレイに使用しているプラットフォームはSteam版で,操作にはXboxコントローラを用いている。
「ロボクエスト」公式サイト
Steamの「ロボクエスト」正式リリース告知ページ
“突撃推奨”の型破りなローグライトFPS。武器と特殊能力の組み合わせが攻略のカギ
物語の舞台となるのは,人間たちが住む都市を失ってしまった遠い未来の世界。人々は荒野を放浪し,限りある資源を節約しながら暮らしていた。
そんな中,まだ使える物資を探索していたメカニックの少女「MAX」は,砂漠に打ち捨てられた人型ロボットを見つけ出す。修理によって再起動したロボットは,起き上がるやいなやMAXをある方向へと導きはじめた。
突然の出来事にワクワクしながらロボットの後を付いていったMAXは,その先で謎の施設への入り口を発見する。その中には,水や食料といった,人間たちが探し求めていた資源が隠されていたのだ。プレイヤーはMAXと共に遺跡を探索するロボットとなり,その奥底に隠された秘密を探ることになる。
基本システムはステージ攻略型のFPSで,各ステージはある程度のランダム性をもって生成される。単にゴールまで到達すればクリアとなるステージもあれば,特定のボスや中ボスの撃破を求められる場面もある。
本作の特徴は,いわゆるハクスラ系アクションのような“武器堀り”と,それを生かしたキャラクタービルドの楽しさだ。
ロボットの主な攻撃手段は,2つまで所持できる武器による射撃と,ロボット固有のアビリティ(後述)だが,この組み合わせが非常に幅広い。同じ武器種であっても,ランダムに付与される能力によって使い勝手が変化するので,拾った武器をうまく組み合わせて立ち回りを考えることになる。
装備する武器のバランスも重要で,遠距離戦と近距離戦をバランス良くこなせるように調整しておきたいところ。強そうな武器を見つけるたびに手持ちの武器と照らし合わせて「どの組み合わせが一番強いかな?」と考えるのは,悩ましくも楽しい時間だ。
ストアページで“超高速FPS”を謳っているだけあり,ロボット本体の機動力は高めで,敵もそれに応じて結構な密度の攻撃を仕掛けてくる。攻撃をすべて避けるのは難しく,普通に戦えば被弾は避けられないだろう。
となれば,一般的なFPSの感覚で考えると「遠距離からチクチク戦う」という地味な戦い方が最適解になりそうなものだが,本作はむしろグイグイ前に出ることを推奨する作りになっているのが面白い。
それを可能にしているのが,ダメージと体力回復のシステムだ。本作の敵は死亡時に回復アイテム「ライフセル」をドロップするのだが,これは短時間で消滅してしまう。確実に入手するためには,敵の近くで戦うしかない。
「突っ込んでダメージを受けたら元も子もないだろ!」と思われるもしれないが,ロボットがダメージを受けた時,そのダメージのほとんどは,ライフセルの回復効果を通常より多く受けられる「スクラッチダメージ(かすり傷)」として扱われる。スクラッチダメージがない時,ライフセルは通常ダメージを僅かに回復できるので,うまく立ち回れば戦闘開始前より体力を回復することも可能だ。
もちろん,単に突っ込むだけでは大ダメージを受けてしまうので,敵を排除する順番や立ち位置などをしっかり考えなければいけない。このように,いかにダメージを抑えつつライフセルを回収できるかが,立ち回りの重要なファクターになっているのだ。
そういった,本作ならではの攻撃的な立ち回りをより楽しくしてくれるのが,ロボット自身が持つクラス固有能力だ。
固有能力は,一定時間ごとに発動できる特殊能力「アビリティ」,武器とは別枠で攻撃を行える「セカンダリ・アビリティ」,基礎能力を強化する「パッシブ能力」,レベルアップ時に選択できる「パーク」がある。クラスを変えれば有効的な武器や戦い方はがらっと変化する。
固有能力はどれも強力で,例えば,初期クラス「GUARDIAN」のアビリティ「バスティオン」は,発動から3秒間完全無敵になる効果を16秒ごとに使用できる。要するに“戦闘中の約15%の時間はずっと無敵”ということで,これだけでも相当に強いことが分かるだろう。
さらに,セカンダリ・アビリティの「バッシュ」は,高威力な近接攻撃というだけでなく,リペアセルのドロップ量を増やす効果も付与されている。バスティオンを発動しつつ敵陣へ突っ込み,弱い敵をバッシュで倒していくだけでも,がっつり回復しながら戦闘を進められる。
各アビリティの効果はレベルアップ時のパーク取得で強化できるので,強化したパークと噛み合った武器を手に入れれば,理不尽なまでの強さで敵を蹂躙できる。
武器がドロップする頻度はかなり高いので,噛み合った場面でのハチャメチャ感と,ありものを活用して戦うカツカツ感という,ローグライトアクションらしい楽しみをしっかりと味わえる。
永続強化でより遊びやすく。難度は進行に合わせて適宜調節しよう
ローグライト作品である本作には,ゲームを攻略した際に得られるリソースを使用した永続的なアップグレード要素も存在する。ローグライトファンからすれば,これがどの程度ゲームに影響を与えるのかが気になるところだろう。
結論から言うと,アップグレードによる難度への影響はかなり大きい。入手できる武器やパークの選択肢が増えるだけでなく,ライフ上限を向上させたり,チェックポイントでの回復量が増えたりと,難度を大きく下げられる。
とはいえ,プレイヤースキルを無視してクリアできてしまうほど強化されるかというと,そんなことはない。難度をHARDにすれば,アンロックが進んだ状況でもクリアは容易ではない。
アップグレードの中には,武器の特殊能力を増やすものや,チェックポイントで利用できる施設を追加するものも存在する。難度を下げても獲得できるリソースに大きな差は出ないので,「さっさと最強にしてから試行錯誤を楽しみたい」という人は,低難度で素早くゲームを回してしまうのも1つの手だ。
ゲームに慣れてきたら,マップに隠された収集要素にも目を向けてみよう。各ステージには隠されたルートがあり,特定の武器やアイテムを提示することで開く扉や,リターンを提供してくれるキャラクターが登場する。隠された「データログ」を発見すればアップグレード用のリソースも得られるので,じっくりとマップを探索するのも重要だ。
一方で,規定の時間内にチェックポイントに到達することで開放される扉も存在する。ステージに出現する敵やギミックを把握したら,今度は急いでクリアするというタイムアタックにも挑戦してみよう。
ただ個人的には,ビルドを考えるのが楽しいゲームだったので,厳しい時間制限が課されることで“楽しく悩む時間”が削られてしまうのは気になった。ちょっと急ぐ程度では間に合わないラインに設定されているので,最初はゆっくり熟考しながらプレイし,強力なビルドのパターンが頭に入ってきてから挑戦するのが良さそうだ。
幅広い武器とスキルビルド要素を中核とする本作は,難度を下げれば爽快感のあるカジュアルなFPSとして,タイムや評価狙いのプレイをすれば手強い高難度FPSとして楽しめる。プレイスタイルによって楽しみ方が大きく変わる“受け”の幅が広い作品だと感じられた。
3年にわたって開発され続けてきただけあって,コンテンツのボリュームも十分で,発表によると,今後も追加コンテンツの配信を予定しているとのこと。自分なりの楽しみ方を見つけられれば,今後も長く遊べる1本になるだろう。
「ロボクエスト」公式サイト
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(C)2022 RyseUp Studios. All Rights Reserved.
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