プレイレポート
[プレイレポ]「デジボク地球防衛軍2」は,新たなアビリティの登場でさらに遊びやすく進化を遂げた。新たなブラザーと共にボクセル世界で大暴れしよう!
本作は,2020年に発売された「ま〜るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS」(PS4 / Switch / PC)の続編だ。もともとデジボクは,地球防衛軍シリーズの外伝作品として発売されたタイトルで,可愛らしいボクセルのグラフィックスや,ナンバリングタイトルとは違うデジボクシリーズならではのプレイフィールが好評を博した。
デジボク2に登場する新たなる脅威は,謎の巨人「ガイアーク」。前作で世界各地のご当地ブラザー/シスターたちと協力して,バラバラになった四角い地球を元に戻した「全地球防衛機構軍」(EDF)だったが,地球はガイアークに侵略され,またもバラバラにされてしまった。
EDFの部隊を束ねる「コマンダー」であるプレイヤーは,仲間とはぐれた気弱なレンジャーのミナトススムや,なぜか侵略者のメカ「ダロガ」と似た姿をした記憶喪失の少女ネオン,植物のような「フォレストブラザー」のロブといった個性的な仲間と共に「第7師団」として戦いに臨むことになる。第7師団が追うのは,EDF隊員のような姿をした砂の巨人たちだ。果たしてネオンとロブは何者なのか? 砂の巨人の目的は? 幾多の謎を孕みつつ,新たな戦いが始まるのだ。
ボクセルのグラフィックスは,デジボク2でも健在。そのブロックのような表現方法でEDF隊員ばかりか敵も可愛らしくなっている。シリーズには,アリやクモに似た巨大生物が登場するが,本作ならそうした敵との戦いもブロック遊びのようで微笑ましい。地球防衛軍シリーズへの入門用にもってこいの作品といえる。
見た目の可愛らしさから低年齢向けと誤解されることも少なくないデジボクシリーズだが,ゲームとしてしっかりと歯ごたえがあり,アクションゲームが得意な人でも充分楽しめる。巨大生物に巨大メカ,カエルのような宇宙人が大挙して攻めてくるため,火力はいくらあっても足りない。銃器で撃ちまくり,爆発物で吹っ飛ばしまくり,格闘攻撃でブン殴りまくりと,思う存分に暴れ回れる。
そして,デジボクシリーズで最も特徴的と言えるのが,最大4人のチームを編成して戦うということ。プレイヤーは出撃前に個性的な性能を持つブラザーたちを選び,プレイ中にブラザーを自由にチェンジしながら戦えるのだ。ナンバリングの地球防衛軍では,1人のプレイヤーが1人のキャラクターを操るため,プレイフィールはまったく違ったものになる。この“1人チームプレイ”とも呼べるシステムがデジボクシリーズ独自の面白さを引き出している。
登場するブラザーたちは100種類以上で,ナンバリングタイトルはもちろん,「EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN」「EARTH DEFENSE FORCE:INSECT ARMAGEDDON」といったスピンアウトタイトルに登場した兵科もカバーしている。そのほか登場するご当地ブラザー/シスターは民族色に溢れており,バラエティ豊かだ。
彼らは特殊能力「ムーブアビリティ」「サポートアビリティ」を持つのに加え,敵を倒してゲージを溜めると強力な「スペシャル」を使える。爆発物を投げたり,デコイを置いたり,回復アイテムをバラまいたり,巨大アリに乗ったり……と,各種アビリティやスペシャルの性質はさまざまだ。
前述の通り,隊員たちはいつでも交代可能なので,ブラザーたちの特性を考えてチームを組み,交代を駆使することで,戦闘力は何倍にもアップする。
例えば,弾を撃ち尽くしてしまったとしよう。普通のアクションゲームではリロードが終わるまで待つところだが,本作ならほかの隊員に交代すればいい。交代後の隊員は自動で戦いつつリロードも進めてくれる。交代するだけで途切れずに攻撃し続けられるので,爽快感は抜群だ。
「ウイングダイバー」(EDF5)などの移動性能に優れた隊員で敵に接近し,「フェンサー」(EDF4)などの近距離戦で爆発力を発揮する仲間に交代して大暴れしたり,敵の大技が来そうなら,耐久力の高い隊員や盾を持つ隊員に切り替えて受け止めたりすることもできる。マルチプレイでの協力を1人でやるような感覚はナンバリングにはなかった面白さだ。
そして,発想次第で遊びの幅は無数に広がっていく。爆発する武器を持った隊員を集めれば,交代を繰り返してさらに攻撃力を高められるのではないだろうか,「カイザーブラザー」など仲間にバフを掛けられる隊員を編成すれば,もっと火力が上がるのではないか,といった具合に無数の組み合わせから戦略を立てていけるのだ。
前作から戦略の幅を広げる要因となっているのは,各ブラザーの所持アビリティが2つに増えたことだ。前作ではブラザーによってアビリティの数が異なったが,本作では移動に使えるムーブアビリティと補助的な役割を持つサポートアビリティの2つをどのブラザーも必ず持つようになった。
例えば,前作の「ペイルウイング」(EDF3P)はゲージを消費しつつ空を飛ぶ「飛行」のアビリティを持っていたが,今回は移動しつつ蹴る「ダイバーキック」というサポートアビリティが追加された。これにより,飛行のゲージや武器のエネルギーが切れても,ダイバーキックを使えば,敵を倒して血路を開いたり,空中で軌道を変えたりできるようになっているのだ。
性能がリニューアルされたブラザーも存在しており,「ニンジャブラザー」の主武器である剣は,近接攻撃用から飛び道具の機能も併せ持つようになり,前作では飾りだった「タピオカシスター」のチェーンソーが近接攻撃として機能するようになった。前作から登場しているブラザーも使ってみると新たな発見があるかもしれない。
さらにデジボク2には,シリーズ最新作「地球防衛軍6」を再現した隊員が満を持して登場している。「レンジャー」(EDF6)は赤いマフラーを身に着け,「エアレイダー」(EDF6)はドローンを操るといったように,出典元をイメージしたものになっている。
新たなご当地ブラザー/シスターとしては,ドリブルやシュートで敵を攻撃するアルゼンチンの「ファンタジスタブラザー」,ストーブを置いてバリアを張るサポートアビリティ「サウナ」を持つフィンランドの「ホッケーブラザー」など,世界各国のイメージをデフォルメしたようなキャラクターが数多く登場する。
ブラザーたちはフィールド内に倒れており,救出することで仲間になる。どの隊員が出るかはミッションごとにある程度の傾向があり,プレイするたびに違った隊員を仲間にできるあたりはちょっとしたガチャのよう。
クリアしたミッションについては「どんなブラザーが出るか」「敵の編成はどうなっているか」の概略を見られるようになり,ミッションクリア後の会話をスキップできるようになった。お目当てのブラザーを手に入れるために周回したいプレイヤーにとってはうれしい改良といえる。
そして,今回はミッションクリアで武器に経験値が溜まっていき,レベルアップすると攻撃力が増していくようになっている。武器のレベル上げという新たなモチベーションが加わっており,プレイがより楽しく感じられた。
そして,仲間になるブラザーは今回も小ネタやパロディ満載だ。例えば野球モチーフの「スラッガーシスター」は赤いユニフォームを身に着け,スペシャルでは8ビット風の「HOME RUN」という文字が飛んできてダメージを与える。持っている武器もナンバリングの地球防衛軍に登場したアサルトライフル「スラッガー」がチョイスされている芸の細かさだ。
ローマモチーフの「カイザーブラザー」は「ブリタニア」にある巨石から現代に転移し,練馬区の机にあるタイムホールから元の時代に戻ろうとする。武器もローマにちなんでか“ガリア”重キャノン砲なのだから洒落が利いている。
ファー付きのフードに身を包み,ハンマー片手に高いジャンプ力で登山する「クライマーブラザー」,ピンク色のビームサーベルとスコープ付きのビームライフルを持つトリコロールカラーのコサックブラザーなど,小ネタが満載。紹介テキストも小ネタやネットスラングで笑いに振り切るかと思いきや,隊員の人となりを活写しつつ時にはホロリとさせてくれる。
ユニークなブラザーに加えて,本作ではネオンやロブなど固有ネームを持った仲間や,ほかの師団の隊員たちと共闘できる。前者は倒されてもペナルティなしで蘇生でき,1人でもマルチプレイの気分を味わえる。
特にネオンはキャラクター性と遊びがうまく融合している。彼女は気がつくとやられていることが多いのだが,敵の群れに突撃するという,初心者あるある的な戦法を主張しては慎重派のミナトススムと言い合いになるキャラクターなので,やられていても違和感がない(実際に無茶な突撃や,寝ている敵を起こすような動きをするわけではない)。
そしてネオンは蘇生能力を持ち,プレイヤーが戦闘不能となっても一度だけ復活してくれる。攻守において,頼れる仲間として活躍してくれる。
もちろん敵も歴代作から集結。腕を飛ばしたり,爆弾を持って向かってきたりする「アンドロイド」に,近寄った隊員を毒霧で攻め立てる巨大半漁人の「スキュラ」といった「地球防衛軍6」の敵や,ハサミがやたらに硬いので狙い撃つ部位を工夫しなければならない「EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN」の「デスストーカー」など新たな敵が戦いにバリエーションを加えてくれる。
見所の1つになるのは「コロニスト」や,砂の巨人「ジャイアント陸戦兵」や「ジャイアントペイルウイング」といった大型の敵たち。コロニストはナンバリングのような部位欠損表現こそないものの,足や武器を狙い撃つことで移動と攻撃を封じられる。
ジャイアント陸戦兵は本物と同様にアサルトライフルやグレネードランチャーなどの武器を持ってローリングやリロードといったアクションをし,ジャイアントペイルウイングは浮遊しながら攻めてくるなど,いずれも前作の敵にはなかったアクションでプレイヤーを追い詰めてくる。
「地球防衛軍」らしい爽快さをベースに,ブラザーチェンジと可愛らしいボクセルスタイルでナンバリング作と差別化したデジボク2。プレイした所感としてはかなり完成度が高く,新たな隊員たちと敵を加えた正統進化を果たした印象だ。ミッション49の最後には,隊員たちの前には黄金色に輝く「リング」が登場。「地球防衛軍6」でもリングが物語のカギとなっていたが,デジボク2ではどのような役割を果たすのだろうか。発売日以降に製品版でプレイを進めていくのがとても楽しみに感じられた。
「四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2」公式サイト
- 関連タイトル:
四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS
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- Nintendo Switch:四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS
- Nintendo Switch
- プレイ人数:1〜4人
- CERO B:12歳以上対象
- プレイレポート
- ライター:箭本進一
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