インタビュー
「Call of Duty: Modern Warfare III」開発陣メールインタビュー。発売からシーズン1までの手応えや今後の運営方針などを聞いた
今回,Sledgehammer Gamesで開発を務めるデザインディレクターのザック・ホドソン氏と,アートディレクターのマット・アボット氏にメールインタビューをする機会を得た。発売からシーズン1までの手応えや,今後の運営方針,細かい調整内容など気になる質問をぶつけてみたので,ぜひ読み進めてほしい。
――シーズン1が始まった本作ですが,発売からこれまでのユーザーの反応や手ごたえ,特に印象に残っている意見などを教えてください。
ザック・ホドソン氏:
「Call of Duty: Modern Warfare III」のローンチからシーズン1にかけての変更について,いい評価だと伺っています。あらゆる問題にも迅速に対応できたことがプレイヤーに喜んでいただけましたし,それが私たちの喜びでもあります。シーズン1のコンテンツはプレイヤーに歓迎されています。新しいマップがどのように受け入れられるのか,またコミュニティが新しいマップを求めているのか,それともローンチ時のクラシックマップを選ぶのか,当初の私たちには理解できていませんでした。しかし,結果としていいミックスになっていて,また24/7のようなプレイリストによって,より多くのプレイヤーがアクセスできるようになりました。
Meatはシーズン1で最も成功した事例だと思います。多くの方にプレイされていて,ある意味では「Call of Duty: Vanguard」のDaus Hausに続くようなもののように感じます。Meatは同じ開発者によって作られていて,Das Hausと同じようなプレイタイムが獲得できています。
――シーズン1ではどのような点に注力してゲームの運営を行っていく予定なのでしょうか? また,シーズン1でかなりの武器やマップに調整が入ったと思いますが,SMG全体に調整を入れた意図や,マップに存在するポイントを変えた理由を教えてください。
ザック・ホドソン氏:
シーズン1の大きな焦点は,「Modern Warfare III」をいい方向にキックオフすることでした。実際に始まったところで新しいマップが利用可能になり,プレイヤーがどの要素でプレイしているか,ゲームの状態を確認する機会でもありました。シーズン1の現在の懸念点は,コンカッショングレネードの使用です。私たちが確認できていることに対して修正を行い,またプレイヤー同士が話し合っていることも確認しています。シーズン1はプレイヤーがゲームに慣れてくれる時期であり,またメタ武器をさらに突き詰められる時期です。例えば,AR対SMGメタなどに対し,非常に注意を払っています。
プレイヤーが大部分の銃を試した後に確認できたことは,ARが私たちが注力している2つの指標,時間の経過に伴うスコアとキルデス率において過剰なパフォーマンスを示していることでした。これはSMGに比べ,私たちの期待以上に優れたパフォーマンスを発揮していました。ほかの多くのカテゴリーもARに対していいパフォーマンスをしていると考えました。
私たちはまず,どのARが一番いい数値を出しているかを調べ,その数値を調整した後,MCW(AR)に対するさらなる調整を行いました。別途SMGは継続中のバフであり,適切な数値に保つために注意深く調整しています。私たちはRival-9をいい例として捉え,SMGがRival-9のような,あるべき位置に近づくように進めています。
――シーズン1ではさまざまな武器や新マップ,装備などが追加されました。従来のシリーズよりかなり大きなアップデートだと思うのですが,シーズン2以降もこのような大がかりなアップデートを期待していいのでしょうか? もしこれからのアップデートでの調整すべき課題点や,修正予定の項目などがあれば教えてください。
ザック・ホドソン氏:
「Call of Duty: Vanguard」のリリース以降,私たちはシーズンに望む進行のペースについて多くを学びました。それにより今回試みようとしているのは,ある意味で先を急ぐことです。おそらく私たちは一定の時期,あるいは2か月程度,未来に生きています。私たちは一定量のコンテンツを制作することをゴール設定しており,修正と新しいコンテンツ制作を両方ともできるだけ早く行いたいと考えています。
そして,変更することを先延ばしにしないことが最善であると学びました。メタ武器がどのように展開していくか,プレイヤーが何を始めるかを待つよりも,まずは変更を加えてその結果を見るほうがいいと思いました。これが,先ほど述べたコンカッショングレネードなどに注目している理由です。これらの変更をできるだけ速やかに実装したいと考えています。
クイックフィックススタイルのパークのような要望もたくさん寄せられています。それをすぐに導入しなかった理由の1つは,内部で検討した時,強力すぎてゲーム自体に影響を及ぼしてしまうと感じたからです。私たちはバランスの取れた状態で皆さんに提供できるようにしたいと考えています。これはすべて複数の工程で成り立っており,アートチームが制作し,デザインチームがバランスを取り,そしてテストプレイで確認します。同時に,ゲームのライブ状況にも注目しており,導入されるすべての要素がバランスの取れた状態を保てるように心がけています。
――現状,「Call of Duty: Modern Warfare II」からの引き継ぎ武器が弱いという声もありますが,さらなる武器や装備,スコアストリークの調整予定はありますか? また,今後どんな武器を追加したいか,どのような調整を行っていくかなど,現時点で考えている点があれば教えてください。
ザック・ホドソン氏:
最初にすべての銃を引き継ぐことについて議論した際,それは膨大な作業と時間が必要であることと理解していました。すべてのアセットを取り込むことが難しかったわけではなく,量が多かったことと,バランスに関することを懸念しました。
直近では「Call of Duty: Modern Warfare II」の多くの武器にバフをかけました。それは,それぞれの武器がどれだけ強力か,または弱体したかの初期評価を怠っていたためです。ローンチ前にいくつかの銃はいい状態だと理解しており,例としてFJX Imperiumの状態はとても気に入っています。バランスの観点から見て,同じような銃が2つある必要はないと考えているので,ユニークな感覚をできるだけ保ちつつ適切な状態にしたいと考えています。
――操作感に関しては,非常にプレイしやすい印象を受けました。ゲームプレイ面でのこだわりなどを教えてください。
マット・アボット氏:
クラシックマップの制作を始めた際,新しい動きのメカニズムとよりよくマッチするものについて多く話し合いました。クラシックマップの中には,ほかのマップより人気のあるものもありますが,新しい速度とゲームプレイによって,昔は人気の無かったマップでも楽しくプレイできるのではないかと考えています。プレイヤーは皆,マップによって少し異なったプレイができ,少し速いスピード感でプレイでき,そしてプレイした気分がいいと感じられるのではないかと推察しています。
ザック・ホドソン氏:
Call of Dutyのゲームを制作する際にはいつも,プレイヤーが前作のゲームから持ち込む強い思惑がたくさんあり,さらに数年前からの記憶も影響すると思っています。私たちは歴代のCall of Duty体験について深く理解したく,多くの時間をゲームプレイに費やしてきました。今作は「Modern Warfare 2」のマップを導入したこともありますが,それだけに留まらず, オリジナルの「Modern Warfare」や「Black Ops」などをプレイすることで,どの要素が組み合わさるとプレイ体験が上手くいくかを把握しました。その結果,いくつかのポイントを見つけることができたのです。
1つは,ゲーム展開のスピードを少し上げる必要があると感じたことです。しかしながら,最大速度を上げすぎて照準や射撃が難しくなるほどではなく,バランスは取りたいと思いました。これにより最終的には,テストプレイを繰り返しながら,自分たちが焦点を当てるべきポイントを見つけられました。
そしてもう1つ,ゲームがいつもプレイヤーの入力に快適に動作していることを確認することです。ゲームが期待通りに反応することができれば,それはプレイヤーにとって直感的に感じられます。それに加え,その反応性からスピード感を感じてもらい,ほかのプレイヤーとのバランスを保つことができます。最終的に私たちはそれらを「滑らかさ」と呼ぶようになりました。
それは,マップを動き回るのに邪魔になるポイントや障害物を無くすことで,動きがスムーズになります。マントリングの速さや容易さ,そして異なる状態への移行など,それらのほとんどの部分は私たちが達成しようとしていた感覚,旧作で成功した事例に基づいた反応性や滑らかさを実現しています。
――14年前のマップを再現する際に,気をつけたところや苦労した点,一番意識したことを教えてください。また,プレイしていて14年前にあったオブジェクトが消えている箇所がありますが,削除した狙いや意図があれば教えてください(例:スキッドロウの2階通路の1階が見える抜け落ちた床,ファベーラの中央の建物1階の角にあったゴミ箱など)。
マット・アボット氏:
(ファヴェーラのゴミ箱について)もし皆さんがそれを恋しいと思うなら,元に戻すこともできますよ!
マップデザインについては,ザックがゲームプレイの体験について説明していたことと密接な関係があります。私たちとしては,流れと動きを奨励したいと思っています。「Modern Warfare 2」でこれらのマップを初めてプレイした時と今では期待しているものが異なります。例えば,「Modern Warfare III」では,新しい動きのメカニズムによってオリジナルでは到達できなかった場所に行くことができるようにしました。そのため,多くの決断に迫られました。オリジナルでは,目の高さにある箱の上に行くことはできませんでしたが,今は登ることができます。私たちは,そのような分岐点に達すると,それらを行うことがプレイヤーの期待に応えるものか否かを明確にするために多くの時間を費やしています。
私たちの目標はプレイヤーの皆さんに対して何が可能で,何が不可能かを明確に伝えることです。例えば,「Modern Warfare III」には開閉するドアがありますが,これはオリジナルのマップには存在しませんでした。そのため,オリジナルのマップデザイン内に扉が現れた場合,それらを取り除くか,あるいはプレイヤーに「これはデザインです」とメッセージを送るために,その“偽り”の扉の前にバーを設置するといった対応をしています。
ゲームがどのように感じられ,その世界観がプレイヤーに何を伝えるかが,私たちがオリジナルのマップを「Modern Warfare III」に導入する際のアプローチに大きく影響しています。それは,私たちにクリエイティビティの余地を与えてくれましたが,それと同時にオリジナルのマップである感覚を保ちつつ,現代の期待にも応えなければならないというチャレンジでもありました。
――今作では勝利やデイリーミッションにより,武器を解除していく仕様にしたのでしょうか。日本では「買い切りゲームでこのようなシステムはあまりいいようには思えない」といった声もあがっていますが,全体的なユーザーの反応や今後改善する考えなどがあれば教えてください。
マット・アボット氏:
根底にある考え方の1つとして,ゲーム内に存在するアイテム数が関与しています。ランクレベルですべてのアイテムをアンロックすると,プレイヤーは新しいアイテムをたくさん入手できるので,アンロックされるアイテムのほとんどを無視してしまうだろうと感じました。このシステムには一部成功も見られましたが,私たちが正しく理解していないと感じる点もありました。このため,実際のローンチ以降,例えば勝利ボーナスチャレンジの制限を解除するなど,このシステムにいくつかの変更を加えています。
――Call of Dutyファンやプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
マット・アボット氏:
このプロジェクトを通して世界中の多くの開発者たちと協力をしてきましたが,彼らの意見を聞き,アイデアを見て,経験を共有してもらえたことは本当にいい経験でした。そして,世界中のファンの皆さんからフィードバックを受けることをとても楽しみにしています。世界はもちろん,もっともっと日本のファンからもゲームについて,どう感じているか聞きたいです! 日本の皆さんのこのゲームに対する情熱とアイデアに感謝しています。
ザック・ホドソン氏:
皆さんのゲームに対する意見を聞くのが本当に楽しみです。それは,さまざまな角度からの意見を聞けるからです。私たちはいつも,皆さんのゲームに熱中する様子や,共鳴を巻き起こす具体的な要素に驚かされます。日本を含む世界中のファンの皆さんに感謝するとともに,オンラインでお目にかかれるのを楽しみにしています!
「Call of Duty: Modern Warfare III」公式サイト
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- ライター:夏上シキ
- 編集部:T田