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[CJ2023]2vs.2の美少女対戦格闘は,連ジの速さでエクバする――AR視点にも対応,新作3Dメカアクション「星之翼」に触れた
本作は,2023年末に中国でのみリリースされるという,プレイヤー or NPCの1vs.1,または2vs.2で楽しむ対戦格闘アクションだ。
開発期間は2〜3年。中国では3月にプレイテストが行われている。
一応,現地スタッフに「なにか参考にしているゲームはありますか」と尋ねたところ,「市場にあまりないタイプのゲームでして。参考にしたゲームというのもとくにありません」と返答された。
というわけで,ゲームの紹介をしていこう。
「星之翼」の舞台は,争いの時代。新時代を創りあげようとする勢力に対し,旧文明の生き残りであるプレイヤーは,この古くも新しい世界を探索していくという。TapTapのゲームページによると,そうした状況に投げかけられる一言は「楽しい旅になりますように」だ。
本作は対戦格闘型のゲームだが,メインストーリーなどの1人用コンテンツで遊び続けられるらしい。また,2vs.2の協力対戦としてなら友人同士でタッグを組むなどし,マルチプレイの楽しさを味わえる。
もし知っている人なら,過去にgumiが提供していた同型のスマホゲーム「ドールズオーダー」(サービス終了)はとても近い。
今回遊んだテスト版では,主にバトルを触れておいた。参加人数を含む対戦形式は任意で選べたため,親近感から2vs.2を選択した。
対戦中はバーチャルパッドによる移動をはじめ,「射撃」「格闘」「特殊技(スキル)」,正式表記が確認できなかったため,あえて名付けるならの「覚醒」と「覚醒技」。さらに垂直方向への「ジャンプ」,任意方向への高速移動「ブースト」などが存在し,プレイヤーは3D空間のなかで,メカチックな武装を備える美少女&美女を操作していく。
体感的なゲームスピードはそれほど速くはない,というより遅めに感じた。それでも射撃を散らし,格闘をブーストでキャンセルして伸ばし,自機周囲からの浮遊物からの一斉射撃や,(悪い意味ではなく)吐瀉物に似た太いビームを発射し,相手のHPゲージを削っていく。耐久力が0になると,妙になじみ深いアングルと演出で美少女が爆散する。
参考作品はないとのことなので,あえての例で無理やり当てはめるが。本作は“連ジの速さで,エクバするゲーム”だと感じた。
対戦の駆け引きに関しては,飲み込めたとは言いがたい。
低速のゲームスピードは,テスト版とはいえ体感的になぜか「遅い」「重い」と感じるところがあった。また射撃のズンダ,いや射撃キャンセルブーストとでも言うべき挙動がしづらく,それでいて射撃機,いや射撃美少女の特殊技が豊富かつ射速も早く,誘導切りといった挙動ができているのかできていないのか,いまいち把握しきれなかった。
いろいろな面に,オリジナルIPならではの最適化を施しているのだろうが,せめて連座よりもNEXT寄りのスピードに……コホン。
ともかく,いまだかつてないゲームデザインであろうとも,日々のゲーセン通い,あるいは深夜に家庭用ゲーム機で「相方ァ!」してるような人は日本でも多いだろうから,そうした特殊な一部ファンのことを踏まえるならば,年末リリースまでにもっと詰められる気がする。参考作品のない未知のジャンルらしいが,不思議とそう思うので仕方ない。
悪いが,“オレら”は,日本配信がなかろうと合法的に飛びつくぞ。それほど日本に注目されてしかるべき対戦様式を生み出してしまった数奇な偶然が,今後のブラッシュアップにつながることを願いたい。
なお,PC版では将来的に,ARメガネこと「スマートレンズ」に対応し,立体的な視界でゲームを楽しめるようになるという。その際,一人称視点にするのか,三人称視点にするのかは未定らしいが,ゲームの世界観も含めてSFチックなアピールポイントにはなりそうである。
しかし,すでに試験中だった同社ブースのARメガネ対応作品を遊ばせてもらった結果,「今後に期待」といった視認性ではあったが。
本作は中国配信ののち,それ相応の反響を得られたのなら海外版も検討していくとのこと。よく聞く玉虫色な展望ではあるが,少し考えてみてほしい。このタイプのチーム式対戦格ゲーが,真に提供されることを望んでいるのは,日本を置いてほかにあるのか?
それほど注目されてしかるべきゲームを生み出してしまった責任は,未来の日本パブリッシングでぜひ果たしてほしい。
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