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[TGS2023]理由が説明できない怖さがある「CultureHouse」のルーツは,モダニズム建築とシュールレアリスム
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印刷2023/09/23 11:25

プレイレポート

[TGS2023]理由が説明できない怖さがある「CultureHouse」のルーツは,モダニズム建築とシュールレアリスム

 東京ゲームショウ2023のインディーゲームコーナーに,個人開発者のfuturala(フツララ)氏によるアドベンチャーゲーム「CultureHouse」がプレイアブル出展されている。育成や独特なホラー要素もある本作を試遊し,futurala氏に話を聞くこともできたので,本稿で紹介しよう。

CultureHouseは,futurala氏のブースと,講談社クリエイターズラボのブースで試遊できる
画像集 No.001のサムネイル画像 / [TGS2023]理由が説明できない怖さがある「CultureHouse」のルーツは,モダニズム建築とシュールレアリスム

 本作は,失踪した生化学者,イプセ博士が暮らしていた住宅兼研究施設「カルチャーハウス」で7日間過ごしながら,「ジェニオ」と呼ばれる謎の生命体を育てるゲームである。出展されているデモ版でプレイできるのは,初日の夕方までだ。

 プレイを開始すると,イプセ文化再生機構のノモス=ゾーイから,カルチャーハウスや今回の実験についての説明を受ける。
 カルチャーハウスは,住宅を兼ねているにも関わらず,生活感のない,無機質な印象の建物。なぜここに泊まり込んで実験を……という疑問が浮かぶが,ここでしか実験がうまくいかないという,原因不明の理由があるとのこと。

ノモス=ゾーイはとても丁寧に対応してくれるが,フレンドリーではない
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徐々に内容が重くなってくる契約書
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 説明と契約が終わると,さっそくジェニオの培養実験に取りかかる。ジェニオの原型となるスポロゾアを採って培地に移し,しばらく待つ……というところまでは何となく理解できたのだが,ここでノモス=ゾーイから「何か“違和感があるもの”を探して撮影してください」という指示が来た。それによって手に入る「境界結晶」が,ジェニオの培養に欠かせないのだという。

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 何だかよく分からないままカルチャーハウスを探索すると,中庭に謎の球体が浮かんでいたので,これを撮影し,入手した境界結晶をノモス=ゾーイに渡す。これで数時間後には幼体が形成されるとのことで,昼寝をすることになった。

徐々に内容が重くなってくる契約書
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 目覚めると日が傾いており,カルチャーハウスはオレンジ色に染まっている。そして実験スペースには,ジェニオの幼体が鎮座していた。
 ここでノモス=ゾーイが不吉な言葉を残して去り,夜を迎える……というところでデモは終了。

徐々に内容が重くなってくる契約書
画像集 No.007のサムネイル画像 / [TGS2023]理由が説明できない怖さがある「CultureHouse」のルーツは,モダニズム建築とシュールレアリスム

 本作には,理由がはっきりしない怖さや不気味さがある。カルチャーハウスは美しいデザインなのに,人の気配がないからなのか,なぜか怖さを感じるし,建物が無機質だからこそ,生命体であるジェニオの不気味さも増しているように感じられる。

 そのあたりはfuturala氏の狙い通りのようで,本作を開発するきっかけは,氏が好きな20世紀モダニズム建築に,どこか怖さを感じていることに気づいたことだという。また,たとえば怪物やゾンビといった存在の怖さとは違い,その怖さの理由がうまく説明できないことが,とても興味深かったそうだ。

ブースで配布されているパンフレット
画像集 No.008のサムネイル画像 / [TGS2023]理由が説明できない怖さがある「CultureHouse」のルーツは,モダニズム建築とシュールレアリスム

 そして,「“違和感があるもの”の撮影」については,シュールレアリスムから影響を受けているという。futurala氏はルネ・マグリットの絵画や「手術台の上のミシンとこうもり傘の出会い」という言葉を挙げて,関係性のないものが一緒に存在することが,美しさや怖さを生むことを説明してくれた。

 本作には,futurala氏の好みが存分に詰め込まれているので,刺さるひとには深く刺さるだろう。また,futurala氏がほぼ1人で開発しているところも,実にインディーゲームらしい。リリース時期は2025年とのことで,まだ先だが,Steamのプロダクトページが公開されているので,気になる人はウィッシュリストにいてておくといいだろう。

「CultureHouse」公式サイト

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