インタビュー
[インタビュー]「De:Lithe Last Memories」はソーシャルゲームとして高品質のものを目指し,キャラクターを一人の人間として描いていく
「大崩壊」現象で東京が崩壊し,異世界「福音領域(エリシアン)」から異形の生命体「アンノウン」が沸き出す20XX年。プレイヤーは,エリシアンを調査する組織・ロギオスの「チーフ」となり,アンノウンと戦う力を持つ「ドール」達の部隊を率いる。ドール達はエリシアンに赴き,東京を復興すべくアンノウンを倒すことになる。
プレイするたびにマップや入手できるスキルが変化し,同じドールでも毎回異なるビルドが仕上がるという点も,繰り返しプレイを飽きさせないものとなりそうだ。
「De:Lithe Last Memories」先行試遊会レポート。仲間によってスキルとプレイフィールが変化するローグライクアクションRPG
enishは2023年12月21日,新作RPG「De:Lithe Last Memories」の先行試遊会を開催した。本作は,4人の美少女が毎回異なるスキル構成で戦うローグライクアクションRPGだ。ファーストインプレッションと合同インタビューの模様をお伝えしよう。
本作はソーシャルゲームであると同時にNFT(非代替性トークン。ブロックチェーン上で扱われる,資産価値を持つデータ)を扱うブロックチェーンゲームでもあり,公式サイトにはホワイトペーパー(投資家に向けた仮想通貨の構想)が用意されている。
NFTを扱うゲームの中には投資を主眼としたものもあるが,本作では“Play better, Earn more”をコンセプトに,“面白い”NFTゲームが志向されているという。そのため「NFTドール」と「NFT装備」を仮想通貨「$GEEKトークン」で取引することはできるが,普通にプレイするうえではNFTに関する知識も一切必要ないという。
ソーシャルゲームとNFTゲーム,二つの側面を持つ本作について,enishの取締役兼執行役員 プロダクト運営部 部長で,本作のゲームデザイン全般とエコノミーデザイン,Web3関連を担当している公文善之氏と「De:Lithe Last Memories」プロデューサーの久保愛美氏,世界観やシナリオや楽曲を担当する鷲見光太郎氏に聞いた。
「De:Lithe Last Memories」公式サイト
「De:Lithe Last Memories」公式YouTubeチャンネル
「De:Lithe Last Memories」公式X
「De:Lithe Last Memories」ダウンロードページ
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プレイごとに育成を楽しめる美少女×ローグライクRPG
4Gamer:
まずはあらためて,「De:Lithe Last Memories」の特徴について教えてください。
ゲームシステムとしては「美少女×ローグライクRPG」がキーワードです。通常モードである「ビルドモード」では,ドール達のレベルは出撃ごとに1からスタートし,スキルもリセットされるため,1回の戦いでドールとスキルを一気に成長させていく楽しみを味わえます。
どのスキルを得られるかはランダムかつ,パーティの中の「サポートメンバー」によって毎回異なります。例えば,本来はヒール系が得意なドールに攻撃系のスキルを取らせたり,何かに特化させたりといったビルドの戦略性が広がっていくわけですね。そのため,毎回スキルの変化を楽しみながらバシバシ敵を倒せていくわけです。
鷲見光太郎氏(以下,鷲見氏):
36人のドール達はそれぞれにバックグラウンドを持っていて,彼女達の関係性や物語も見どころになっていきます。
4Gamer:
タイトルに「De:Lithe 〜忘却の真王と盟約の天使〜」(iOS / Android / PC)と共通した「De:Lithe」という単語が含まれていますが,世界観的に何か関係があるのでしょうか?
久保氏:
プレイヤーさんに見えるストーリー部分では関連性はないです。ただ,異世界が「De:Lithe 〜忘却の真王と盟約の天使〜」の世界とつながっていて,どこかで見たような火山やモンスター,装備が出てきます。続編というわけではないので,「何か見たことがあるな」というものがちょいちょい出てくるくらいですね。
4Gamer:
ジャンルをローグライクRPGとしたのはどういった理由でしょう?
久保氏:
まず,毎回レベルがリセットされることで,どんどん成長できる爽快感とビルドの戦略性を考える楽しさを,短時間であっても十分に味わえる点は,ソーシャルゲームやモバイルゲームとして相性が良いということ。
そして,アイテムドロップを目指して何度もダンジョンに潜ることで育成素材だけでなくNFTやEarnつながるアイテムを得られたり,キャラビルドをして対人戦を楽しめたりする点が,「Play to Earn」にもつながりやすく,ブロックチェーンゲームとして相性が良いということ。
こうしたことから,ジャンルが決まっていきました。
4Gamer:
PvPやGvGはどういった形式なのでしょう?
久保氏:
プレイヤーの皆さんが育て上げた「マスタードール」がぶつかり合うことになります。PvPは4 vs. 4,GvGは50 vs. 50ですから,最大で100人のマスタードールが戦場に入り乱れるわけです。
ビルドモードとPvPやGvGはつながっていて,例えばGvGで回復役をしたいから,ビルドモードで通常プレイでは回復に特化したスキルを狙っていく……というように,モードをまたいでグルグル回すようなプレイも可能です。
公文善之氏(以下,公文氏):
ドールはガチャなどで手に入れられるのに加え,NFTとして取引できます。パラメータを底上げした永続強化の状態もNFTに反映されますので,強く育てて取引に出すということも可能です。
4Gamer:
マスタードールはどうなるのでしょう?
公文氏:
マスタードールはNFTではなくプレイヤーさん固有のデータで,こちらは取引できません。
4Gamer:
つまり,ドールはガチャやNFTで入手できて取引可能。これを育てたマスタードールはプレイヤーそれぞれが持つセーブデータのようなイメージで,取引できない。例えば手元にAというドールがいたとします。マスタードールを作ったあと,Aを取引して手元からなくなった……という状態だとどうなるのでしょう? マスタードールのセーブデータは使えなくなる?
久保氏:
使えなくなります。Aのマスタードールのセーブデータを使うには,手元にAがいる必要があるわけです。
例えば,Aを2体持っていて,1体をレアリティ6まで育て,もう1体をレアリティ5まで育てた状態。その後,レアリティ6の1体を取引で手放したとしましょう。そうすると,手元にはレアリティ5のAが残っている状態なので,Aのマスタードールのセーブデータはレアリティ5までのものが使えるという形です。
4Gamer:
同じドールを複数体持つことができ,それぞれを成長させられ,マスタードールのセーブデータは,手持ちドールのレアリティまでのものを使えるということですね。ドールをNFTとして取引することにはどういったメリットがあるのでしょう?
公文氏:
育ったドールを手に入れれば,より高い能力でプレイをスタートできます。そして,ドールのレアリティを上げるには,素材として同じドールが必要です。また,ドールが身に付ける装備もNFTとして取引できます。
4Gamer:
NFTのドールや装備を取引することでも強くなっていけるわけですね。
多方面から描くことで一人の“生きた”キャラクターを作る
4Gamer:
昨年の試遊会では,36人のドール達それぞれに「キャラクターストーリー」とキャラクターソングが用意されるということが明かされて話題となりました。キャラクターストーリーはどのようなものになるのでしょう?
キャラクターストーリーはドールと共に戦って絆を深めると開放されるもので,36人に8話ずつ用意してあります。普通の日常生活を描くもの,大崩壊によって心に負った傷を描くもの,彼女の価値観や感性はどこから来たのかを描くものなど内容もさまざまですし,トーンもシリアスからギャグ寄りまで取りそろえています。
さらに,ドール同士の関係性についても描いたものもあります。
久保氏:
先ほどお話しさせていただいた,“得られるスキルがサポートメンバーによって変化する”というシステムも,関係性を考えて編成することで,より楽しめるものになっています。
4Gamer:
リリース時に36人分のキャラクターソングがあるというのも珍しい例だと思います。制作にまつわるエピソードなどあれば教えてください。
久保氏:
36人の背景,例えば大崩壊の時にどういった体験をしたかといった細かい部分までの設定が作られていて,それを歌詞や曲調に落とし込んであります。世界観設定とキャラクター設定,歌が緊密に結びついているわけです。
4Gamer:
制作の負担がなかなか大きそうです。
鷲見氏:
確かに36曲作るのは,なかなか大変でしたね。
ただこれには,マーケティング視点とキャラクター性の表現という2つの理由があるんです。曲はゲームの外でも強いコンテンツで,ほかのメディアで流れたり,歌っている人が有名だったりすると,それをきっかけにゲームに興味を持つ方もいらっしゃいます。これがマーケティング視点ですね。
4Gamer:
キャラクター性の表現としてはどうでしょう?
鷲見氏:
僕自身が15年程ハマリ続けている「東方Project」は,キャラクターのあり方として一つの完成型だと考えています。
それは,まずキャラクターがいて,彼女らが操る能力や二つ名があり,そこに楽曲がセットになっていることによって,キャラクターをキャラクター然とさせるのに一役買っているんじゃないかと思うからです。
4Gamer:
キャラクターをキャラクター然とさせる,というのはどういったことなのでしょう?
鷲見氏:
存在が強いキャラクターを作るためには単純なキャラクターとして見せるだけではなく,キャラクターが奥に抱える概念を示さなければならない。設定だけでもイラストだけでもダメで,モチーフ,音楽,キャラクターの持つ物語がすべて有機的につながって初めてその任を担える状態になる。僕はこれを「キャラクターの概念化」と呼んでいるんです。
例えば,東方Projectの場合,曲から受けるイメージとスペルの名前,程度の能力,楽曲名,モチーフその他のさまざまな要素が有機的につながっていると考えています。単純に線としてつながっているだけではなく,文脈が多重構造になっていて立体的な存在になっていると思うんです。もっとも,キャラ一人のみで概念もストーリー性も完結する東方と,物語を語る必要があるソシャゲだと媒体が異なるのでそのまま同じことはできないのですが。
4Gamer:
なるほど。より生きたキャラクター像を作り上げるためには,画や文章だけでなく,音楽などいろいろなメディアを使って多方向から彫刻しなければならないということですね。
鷲見氏:
「De:Lithe Last Memories」の初期段階では36人分の設定が存在していましたが,いわゆるキャラクターの“属性”をベースとしたもので,概念化するには足りないものでした。
ゲーム内で見せるための表面的なキャラクター設定であったので,これに深度を付ける必要がありました。
4Gamer:
“属性”というのはいわゆる「〜系」,陰キャや陽キャ,ツンデレやギャルといったテンプレートですよね。“属性”ベースでキャラクターの設定や紹介をしてしまうというのは,ソーシャルゲームを始めとしたキャラクターものコンテンツではよく見られる手法ではあります。
鷲見氏:
はい。そこで“属性”ベースからキャラクターを概念化し,立体として見せるために,キャラクターソングが必要でした。
4Gamer:
キャラクターソングを作るうえで心掛けた部分はありますか?
鷲見氏:
彼女らの裏側にある背景と感性,そして大崩壊で何が起こったのか,それを経て変化した価値観を結びつけていきました。抱えている概念をある程度分かる形にして曲に落とし込んだことで,ある程度立体っぽく見えるキャラクターになりました。
まず彼女らの価値観が変わった瞬間を考え,これがアニメになったときにバックでかかる曲とはなんだろう,という感じで進めていったんです。
4Gamer:
キャラクターの現在を描くキャラクターソングが多い中,転換点にフォーカスしているのも特徴的だと思います。本作のキャラクターは作中世界の過去から存在しており,大きな転換点を経て現在の人格になった。その転換点をドラマ的に表現するのがキャラクターソングであり,価値観が変わった瞬間の構想があるからこそ,曲という形で表現できるというわけですね。
鷲見氏:
あらかじめ提示されたさまざまな情報すべてが有機的につながる瞬間,プレイヤーはカタルシスを感じる。こうした体験をさせるためには,先に裏側でさまざまな設定を作っておき,要所要所で点として提示しつつ,最後につなげなければならない。それが「De:Lithe Last Memories」ではキャラクターソングということです。
4Gamer:
そうしたキャラクター作りをしていくうえでは,大崩壊という事件もかなり有効に働くのではないでしょうか。さまざまな価値観を持つキャラクター達がいて,その全員が大崩壊を経験してドールになったわけですから。
鷲見氏:
そうですね。大崩壊の設定のおかげで,キャラクター作りに迷うことはありませんでした。当初,大崩壊は美少女を戦わせるための舞台装置としての役割が強いものでした。でもきっと,大崩壊みたいなことが起きたら,やはりそれまでの価値観が大きく揺さぶられることになると思うんです。そのあたりもきちんと描くことを心掛けました。
4Gamer:
では,キャラクターソングを作るうえで,とくに苦労した部分はどこでしょう?
鷲見氏:
今回は歌える声優さんや歌い手の方を抜擢し,楽曲制作はdream monsterさんにお願いしました。アニメ「【推しの子】」で「サインはB」を編曲された白戸佑輔さんをはじめ,エンタメの最前線を走っておられる方々に携わっていただきましたので,良いものになりました。
ただ,楽曲のイメージをお伝えするときにはいろいろと苦労がありましたね。キャラクターによっては“芸術家肌のキャラクターなので,楽曲もエンタメしすぎずに引っかかりは作りたい”というような微妙なニュアンスが必要になるときがあります。それを説明するために,さまざまなアーティストさんの名前を分布図に配置し,どういったイメージの曲が欲しいのかを伝えるような工夫もしました。
4Gamer:
芸術家肌のキャラクター,ということだけが伝えられたのであれば,それこそ実験音楽的なものが出てきてもおかしくない。
鷲見氏:
この場合は実験音楽まで振り切ったものではなく,オシャレなイメージでありつつも,芸術家肌であるという意味での引っかかりは作りたかったんですね。分布図を作ったり,密にやり取りをさせていただいたおかげで,“芸術家肌”というところを変拍子で表現した曲を作っていただけました。
公文氏:
鷲見ともう一人楽曲担当の茨木という者がいるんですが,二人が頑張ったおかげで,キャラクターソングは36曲すべてジャンルや曲調が違うんですよ。それこそ,電波曲もあればフォークソングっぽいものもある(笑)。手前味噌ではありますが,“捨て曲”がない36曲ですね。
4Gamer:
そこまで違った曲がそろっているのも凄いですね。今のソーシャルゲームはキャラクターの数にしろコンテンツにしろとにかく物量を求められるイメージですが,「De:Lithe Last Memories」でも物量から逃げない取り組みが進められたことが分かります。
鷲見氏:
かぶりをなくそうということで,イメージを求めてひたすらYouTubeを漁るような日もありました(笑)。それにしてもdream monsterさんの楽曲は,素晴らしいものばかりなんですよ。「De:Lithe Last Memories」に登場するドール達は6つの部隊に分かれていて,曲のタイトルが色で統一されている部隊があるなどのこだわりがあるんですが,できてきた楽曲のデモを聴いていると,新しい思いつきが出てくるんです。dream monsterさんに「新しいことを思いついたので,もう少しこだわらせて下さい」ってお願いしたり,相当無理を聞いていただきました。
4Gamer:
enishとdream monster,双方が高い熱量を持って作業を進めていったわけですね。
鷲見氏:
dream monsterさんの社長さんがとても情熱的で,かなり深く関わっていただけました。いろいろと教わることも多く,僕にとっては上司の一人という感じでしたね。
公文氏:
鷲見の熱量があまりに凄いので,応えてやらなければという感じだったんだと思います。僕自身も,文字で書かれた設定が人格になっていく過程を目の当たりにした感がありますね。実在する人間なんじゃないかと思えるくらいに緻密なバックグラウンドが作られていき,最後にキャラクターソングが出来上がったことで,一人の人間として納得できる存在になりました。
4Gamer:
それは貴重な体験ですね。
公文氏:
僕が楽曲チェックをしているのを聞きながら「いい曲だ……」と恍惚としてる二人がいるわけです(笑)。
4Gamer:
サービス開始後は,さらにキャラクターも増えていくことになるのでしょうか?
鷲見氏:
そうですね。追加キャラクターにもキャラクターソングが必要ですよね。既存キャラクターもストーリーの展開に応じた2曲目,3曲目と作っていきたいですし。
例えば,1曲目が電波曲なのに,2曲目がしっとりしているなどの違いがあれば,キャラクター自身の変化を描くことだってできますし。
公文氏:
「De:Lithe Last Memories」はブロックチェーンゲームとしての側面もあります。“NFTというデータに対していかに価値を持たせるか?”という問いかけに対し,僕らは人格を求めたんです。
4Gamer:
ゲームならではの取り組みというわけですね。
NFTを意識せずにプレイできるブロックチェーンゲーム
4Gamer:
「De:Lithe Last Memories」は,ブロックチェーンゲームの中でどういった立ち位置を目指すのでしょう?
ブロックチェーンゲームとして……というより,まずはゲームとしていいものを作りたいですね。従来型のサービスを「Web2」,ブロックチェーンを含めたサービスを「Web3」と呼ぶこともありますが,僕らはWeb2的なソーシャルゲームとして完結しているものを目指しています。言い換えれば,ブロックチェーンゲームであることを知らないまま楽しんでいただけるゲームですね。
4Gamer:
ブロックチェーンを扱うゲームを遊ぶには,口座の開設やいろいろな関連知識が必要というイメージがありますが,「De:Lithe Last Memories」ではそうした部分を気にせずにプレイできるということでしょうか。
公文氏:
そうです。これまでのブロックチェーンゲームは投資目的に特化したものが多く,ゲームらしいゲームは少なかった。投資を否定するわけではありませんが,ゲーム会社である僕らが作るのであれば,ちゃんとしたゲームとして成立しているもの……普通にガチャを回し,普通に女の子達を愛で,普通に物語に感動して、「ああ,面白かった」と思えるものをお届けしたいんです。
「ドールガチャ」は課金石感覚のゲーム内通貨「xGEEK」で回せますし,出てくるのはNFTではないドールです。さらに,非NFTのドールの性能はNFTドールと変わりありません。
4Gamer:
一般的なソーシャルゲームと同じ感覚でプレイできるということですね。
公文氏:
そうです。そのうえで,ブロックチェーンについても今までと違った挑戦をしていきたいということです。
ゲーム内では「刻印BOX」という箱がレアドロップすることがあり,課金して開くと,中にはNFTドールやNFT装備が入っています。NFTを持っていると「GEEK BOX」がレアドロップするようになり,中からは課金通貨xGEEKが手に入る。そして,NFTをゲーム内マーケットで売買すれば,お金が増えるようなこともあることに気付いていただけるんです。
そのために,NFTが自然に溶けこんだ形を目指しています。例えばゲーム内マーケットにしても,NFTの知識がないと扱えないようなものではなく,普通のソーシャルゲームに良くあるゲーム内マーケットにしか見えないようにしていますし。
4Gamer:
では,「De:Lithe Last Memories」を始めるとしても,口座を開いたりウォレットを作る必要もないということなんでしょうか?
公文氏:
いつも使っているAppleさんやGoogleさんの認証をしていただければ,いつのまにかウォレットができている,という表現が正しいですね。ゲームの中だけでキャラクターやアイテムを取引するのであれば,NFTの知識や口座は必要ありません。普通に課金をしていただき,課金石感覚のゲーム内通貨xGEEKでガチャを回したりドールや装備の育成をする,いつものソーシャルゲームを遊ぶ感覚でOKです。
NFTをゲームの外で換金したいのであれば口座が必要ですが,そうしたことを求めない方はまったく知らないままゲームを楽しんでいただけます。
4Gamer:
ブロックチェーンゲームといえば,遊ぶことで利益を得るPlay to Earn的な側面が強調されがちです。遊ぶうえでの意識の持ち方もPlay to Earnに影響されることが多いようですが,「De:Lithe Last Memories」ではまずソーシャルゲームとして遊べばいい。引退するときにNFTとして取引をすれば,それまで使ってきたお金が若干還元されるかも知れない……くらいのイメージでしょうか。
公文氏:
普通にゲームを遊ぶ方はそちらのイメージでもOKです。ただ,最初から投資されるような遊び方も大歓迎ですね。ゲーム内ではいわゆる課金石しか使いませんが,ゲームの外で換金するのであれば,先ほど話が出たxGEEKを「$GEEK」に変換していただく必要があります。xGEEKの価格は固定されていますので,安心してプレイしていただける形になっていると思いますね。
4Gamer:
すでに「De:Lithe Last Memories」のNFTは販売中ですが,現在,どういった人がNFTを売買しているのでしょう?
公文氏:
現時点では投資をして利益を出したいという方がベースになっています。ですので,「De:Lithe Last Memories」でもちゃんと利益を出せる設計を心がけています。キャラクターに思い入れてほしい,ゲームとして愛してほしいという我々の方向性に関しては,投資目的の方々からも一定のご理解をいただけているという認識です。
投資に関して説明会を開いたときにも,キャラクターの話が出ると皆さん大盛り上がりするんですよ。海外向けに実施したときなどは「WAIFU! WAIFU!」でチャット欄が埋まっていました。どうやら「俺の嫁」の意味らしいのですが(笑)。
4Gamer:
WAIFUは世界共通語ですね。先日,ブロックチェーンのコンサルティングを行うチューリンガムと提携されたそうですが,提携の理由と今後の展望についてお願いします。
公文氏:
我々は Web3の勉強を始めたばかりなので,知識や技術に不足している部分があります。そこで,Web3に関して広い知見を持たれているチューリンガムさんと一緒にお仕事を進め,エコノミーの設計を始めとしたさまざまな点でアドバイスをいただければ……ということで提携しました。
4Gamer:
つまり,ソーシャルゲームとしてもブロックチェーンゲームとしても,本気で開発していくのが「De:Lithe Last Memories」ということですね。では,最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
公文氏:
36人の可愛いキャラクター達がいますから,きっと推しが見つかるんじゃないかと思います。全チーム一丸となって,いいものを作ろうとしているところですので,楽しみにしていてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
ソーシャルゲームとブロックチェーンゲーム,両方の長所を組み合わせて新たな体験を目指す「De:Lithe Last Memories」。すでに事前登録の受け付けもスタートしているほか,キャラクターソングもYouTubeの公式チャンネで聞ける。インタビューで語られたコンセプトと合わせ,楽曲を聴きつつサービス開始を楽しみに待とう。
「De:Lithe Last Memories」公式サイト
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