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[TGS2023]鈴木 裕氏がKONAMIブースに登壇。スペハリライクな新作シューティングゲーム「Air Twister」開発の裏側を語った
登壇したのは,開発元であるYS NETの代表である鈴木 裕氏,司会の森 一丁氏,そして鈴木氏の大ファンであるゲームライターのクエベ・エスラ氏といった3名だ。KONAMIのステージに“セガの代表的なクリエイター”というイメージの強い鈴木氏が立つのは,KONAMIとセガが激しい競争関係にあった時代を知るゲーマーなら,なかなかシュールに感じられる光景だ。森氏がそういった部分に言及しつつ「印象に残っているKONAMIのゲーム」を尋ねると,鈴木氏は「フロッガー」と「ハイパーオリンピック」を挙げた。
エスラ氏は「Air Twister」について,「敵のパターンを覚える」というオールドスクールな攻略法が要されるものの,主人公であるアーチ王女の強化によって相対的な難度を下げられる点を踏まえ,「昔のゲームと最近のゲームのブレンド」と語る。また,本作はもともとApple Arcade向けにリリースされたタッチ操作のゲームなので,2005年に発表されるもお蔵入りとなったアーケードゲーム「サイファイ」(29インチのタッチスクリーンでキャラクターを操作する対戦アクションシューティング)もひとつのルーツであるとの見解も示した。
本作のBGMはオランダのミュージシャン・ヴァレンシア氏の楽曲を採用している。鈴木氏が語るところによると,開発中に同氏の楽曲を仮当てしてみたらマッチしたため,Facebookでヴァレンシア氏を探して依頼のDMを送ったことで実現したという。ゲーム内では2曲の完全新作と,既存楽曲のアレンジ版およびリマスタリング版が使われており,中にはゲームのテーマに合わせて歌詞が変更されたものもある。本作を強く表現したサウンドトラックとなっているので,聴き込むほどにゲームの世界に入り込めるだろう(サントラCDはユニバーサル ミュージックから発売されている)。
そのほか,鈴木氏は「Air Twister」に関するインタビューでメディアに聞かれなかったものの主張したいトピックとして,ボス戦でアーチ王女が騎乗する動物のひとつに魚があり,それが鱒(マス)であることに言及した。トラウトである。なぜ鱒を選んだかというと,顔が猛禽のようでカッコいいからとのこと。その一方で鳥に関しては猛禽ではない白鳥に騎乗するシーンがあったりするので,鈴木氏のマインドの自由さと不可思議ぶりを感じずにはいられない。
アーチ王女は鈴木氏の手掛けてきたゲームでは珍しい女性主人公だが,開発中にいろいろなキャラクターを自機として試してみたところ,女性というのが独特なファンタジーの世界に馴染んだのだという。主人公候補は多岐にわたり,遊びでカエルをセットしてみたこともあったそうだ。そのカエルはゲーム内の背景に登場するそうなので,これからプレイする人は探してみよう。
森氏は本作について,旧作をオマージュしつつも,いわゆる“集大成”ではない新鮮味のあるゲームだと述べた。鈴木氏自身も,これは「まだ過程」とのことで,より先についても見据えているようだ。
最後に鈴木氏は,本作は気軽に遊べるゲームなのでノスタルジックな雰囲気をじっくり楽しめると語り,「ぜひ遊んでいただきたいですね」と締めくくった。新しいものと古いものが混ざり合って未知のファンタジーゾーンを醸成している本作は11月10日の発売予定で,PS4/Nintendo Switch向けにはパッケージ版もリリースされる。
「Air Twister」公式サイト
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