プレイレポート
「祇:Path of the Goddess」メディア向け試遊会レポート。アクションとストラテジーが融合したシステムで,不気味な妖怪と戦う意欲作
[インタビュー]「祇:Path of the Goddess」では新しいゲーム体験がプレイヤーを待つ。平林良章Pと川田脩壱Dに気になる質問をぶつけてきた
カプコンが2024年7月19日の発売を予定している「祇:Path of the Goddess」は,アクションとRTSが融合した一風変わった独自のゲーム性が話題の新作タイトルだ。今回,プロデューサーの平林良章氏とディレクターの川田脩壱氏に合同インタビューする機会を得たので,その内容をお届けする。
「祇:Path of the Goddess」公式サイト
アクションとストラテジーが融合したシステムで,不気味な妖怪と戦う意欲作
「祇(くにつがみ):Path of the Goddess」は,2024年7月19日に発売が予定されている,公称ジャンル「神楽戦略活劇」だ。対応機種はSteam(PC)とPlayStation 4/5,Xbox One/Xbox Series X/Sで,発売初日からXbox Game Passでもプレイ可能となっている。
和風世界をテーマとした本作では,穢れに覆われた「禍福山(かふくやま)」での戦いが描かれる。主人公「宗(そう)」は,穢れを浄化する力を持つ巫女「世代(よしろ)」を護りつつ,村人たちと力を合わせて「畏哭(いこく)」に立ち向かうことになる。
各ステージは禍福山の村や洞窟が舞台となっており,探索を行う「昼」と畏哭と戦う「夜」のサイクルを繰り返しながらステージクリアを目指す。クリアの条件は,世代がゴールである鳥居に到達することだ。宗は敵と戦う剣士にして,RTSにおける指示役でもある。宗を動かして世代の移動先や村人の配置を指定し,戦略を組み立てていくのだ。
環境が穢れているせいか,世代の歩みはゆっくりとしたもので,そうこうしているうちに昼が終わって夜が訪れる。鳥居からは畏哭どもが現れ,世代を止めるべく進撃してくる。放っておくと世代が襲われてしまい,耐久力が尽きるとゲームオーバーになってしまう。そうならないよう,宗の「剣舞」で畏哭どもを倒していこう。
畏哭どもの数は多く,宗だけでは手が回らないこともある。まずは安全な昼のうちにステージを探索し,あちこちに囚われている村人たちを助けつつ,リソースである「結晶」や「食糧」を集めておくのが大切となる。
村人は,そのままでは畏哭と戦う術を持たず,前線に送り出しても怯えるばかりなので,「転職」させてやらなければならない。手斧で近接攻撃する「杣人(そまびと)」,周囲の畏哭の動きを遅くする「修験者」,遠くや空飛ぶ畏哭に矢を射かける「弓取り」,戦えないがステージに埋まった宝物を掘り出せる「盗人」といった職に就け,配置して,畏哭の進撃に備えるのだ。
RTSの指示カーソルをキャラクター化する取り組みは,GBAのローンチソフトである「ナポレオン」などさまざまなタイトルで進められてきたが,本作の宗は自身が優れた戦闘力を持つのがポイントだ。弱・強攻撃を組み合わせてのコンボや特殊技で戦うさまは完全にアクションゲームのそれで,踊るような剣舞で次々と畏哭を斬り伏せていくのは爽快である。
宗がアクションゲームのように戦える一方で,RTS要素もしっかりしているのが本作の面白いところだ。ステージに配された村人の数は限られているし,転職には探索や畏哭から手に入る結晶が必要となる。村人たちの数を数えつつ,手持ちの結晶とにらめっこして部隊編成を決めるのはまさにストラテジーのそれとなる。
村人には攻撃できる範囲があり,その中に畏哭が侵入すると自動で戦ってくれるが,逆に言えば範囲外の畏哭には何もしてくれない。手持ちぶさたにならないように移動させてやらなければならないが,移動先として指定できる地点は宗の視界内に限られる。“全体マップから視界外の遠い地点をクリックして行軍させる”なんてRTSの定石はあえてできなくなっており,指示カーソルでありつつ剣士という宗の役割が面白い。
襲い掛かってくる畏哭の特性はさまざまで,上手く指示を出して得意とする相手にぶつけなければならないし,状況は刻々と変化する。空を飛ぶ畏哭には近接攻撃が当たりにくいため,弓取りを向かわせる。体力の低い弓取りを護るため,杣人を前面に押し出す。背後から畏哭がやってきたので,そちらに村人を向かわせる。村人がダメージを受けたので,隣接して回復してやる……というように状況に合わせて立ち回らなければならない。
そして村人のお世話だけしていればいいかというとそうではなく,宗自身でも戦う必要がある。例えば,敵の中に遠距離攻撃やバフをかけるといった厄介者がまぎれているなら,宗自身で斬り込んでいくようなことも求められる。つまり,状況に応じて宗と村人を動かして戦っていくということで,これは本作ならではのプレイと言える。なお,指示中は時間が止まるため,従来のRTSのように瞬間操作量の勝負にならないのも面白いポイントだろう。
試遊会でプレイできたステージにはいずれも趣向が凝らされていた。あるステージは闇に包まれており,村人は闇の中の畏哭を攻撃できない。例外的に宗の周囲は照らされており,村人もこの範囲内でなら畏哭と戦える。畏哭の出現位置に合わせて宗を動かし,村人のために照らしてやらなければならないわけだ。また,ステージ内には灯篭が設置されており,火を灯せば宗がいなくても戦える。昼の間にステージを探索し,灯篭を見つけて村人に灯してもらうのが理想だが,状況によってはこうした作業を戦闘中にこなさなければならない。
また,とあるステージでは宗が霊魂になってしまい,村人だけで世代を護るというミッションがあった。転職と移動指示,回復といったRTS要素が重要になっており,配置ミスを宗の剣舞でゴリ押しすることはできない。RTS要素も強めに盛り込まれているからこそのステージと言えるだろう。
ステージの中には船上で戦うステージもあり,周囲から畏哭が襲いかかってくる。船には大砲が備えられており,畏哭に大ダメージを与えられるが,大型の畏哭が船そのものを沈めてしまうこともある。宗が乗っている船が沈められたら,水に落ちて一発アウトだ(なお,宗がやられてもゲームオーバーにはならない。霊魂となって戦闘できなくなるが,指揮自体は可能だし,一定時間で復活できる)。眼前の雑魚に手間取っていたら,忍び寄った大型畏哭に船を沈められ,行動範囲が狭まってしまった,なんてこともあるので油断できない。
そして,特に印象的だったのが,ステージクリア後のボス戦だ。ここでは昼と夜の区別や探索要素がなく,ボスとの真っ向勝負となる。ボスの一撃は痛いうえ,弱点を攻撃しないとダメージを与えられなかったり,空中を飛び回ったりと一癖ある連中ばかり。ボスの攻撃にはしっかりガードや回避で対処し,弱点を狙わなければならない。
ある程度“無双”できた通常ステージと違い,ここはアクションゲームとしての側面が強い。村人の援護を受けつつボスと戦い,限りある食糧で宗と村人のどちらを回復させるかを選び,雑魚が湧いてきたら村人に指示を出して世代を護らせる……といった形で本作のゲーム性の総まとめ感がある。それだけに勝てれば爽快なのだ。
全編を貫く,強烈な和のムードもポイントだ。畏哭どもは「餓鬼」や「かまいたち」「ヒダル神」など伝統的な妖怪から題材を得ながらも,オリジナリティあるデザインが不気味さを放っている。これに立ち向かうのは,微笑みを絶やさず,舞い踊りながら周囲を浄化していく世代。ステージクリア時には花火が上がり,世代と村人がともに踊って喜びを表現する。先ほどまでおどろおどろしい畏哭どもと戦っていたのとは対照的で,このコントラストも実に日本的だ。
食糧は藁苞に包まれており,体力ゲージが千社札風になっているなど,細かいところまで和のテイストで味付けされている。和風アクションといえば,侍や忍者だったり江戸時代だったりという固定観念がある中で,妖怪や山岳信仰といったテーマを扱うのも独創的で,日本人にしか作れない和のゲームであると感じられた。
本記事が公開された7月2日の7:00には,本作の最新情報を発表するデジタルイベント「CAPCOM NEXT - Summer 2024」の配信が予定されている。こちらの情報も気になるばかりだ。
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