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FPSのコアゲームにサバイバルRPG要素を盛り込んだ「SULFUR」は,たった4人のメンバーが開発する人気間違いなしの逸品
「SULFUR」は,自分の教会が放火されてしまった牧師が主人公となり,プレイヤーは容疑者を追ってゴブリンやカルト教団が待ち構えるダンジョンの奥深くに潜入していくことになるというシンプルなストーリーだ。
アルビーン氏が「我々の好きなゲームの要素を全て詰め込んだ」と語るように,FPSのゲームメカニクスにローグライクなアドベンチャー,武器や体力アイテムの回収といったRPG的な要素までを詰め込んだ欲張りな作風になっている。どこかキュートなアートスタイルとは裏腹に,タフな敵やシビアなハードコアさと,何度もプレイし直したくなるようなゲーム性がフィーチャーされたタイトルなのだ。
プレイ開始当初は,基本的な武器である右手の短銃と左手の剣しか持っていない状態で,倒した相手がドロップしたものや,マップのところどころに設置された宝箱などを見つけ出しては,そこに含まれるアイテムやゴールドを入手していく。銃器用の弾丸のほか,プレイヤーキャラクターの頭部,胸部,そして両方の足の4か所に装着できる装備を獲得でき,片方の足には移動スピードが上がるシューズ,もう片方は電気ショックを和らげるビニール製の雨靴といったように,異なる性能のものをどんどん集められるようになっている。
プレイヤーの出発地点である村では,こうして集めた余剰なアイテムを商人に売り払ったり,その資金で弾丸や食品を購入したり,後で必要になりそうなものは収納していくことが可能だ。
キルされると,自分のインベントリーにあるアイテムすべてが失われる……というローグライクなメカニクスも本作の特徴だ。一部のゴールドだけをリカバリーする方法も用意されてはいるものの,このシビアなゲームシステムこそが,多くのプレイヤーが「もう一度,さっきより上手くプレイしてみたい」と中毒性を感じる部分なのかもしれない。
実際,前回のSteam Nextフェスでは,デモ版が8万ダウンロードを達成しているほか,15分もかからないコンテンツなのに平均プレイ時間が3時間14分にも及んだというデータがあり,そこからプレイヤーの熱中具合が伝わってくるだろう。
1回のランで生き残るためには体力(ヘルス)の管理が大きなカギとなりそうで,剣で刈り取ったマッシュルームなどのフードアイテムをそのまま食べることで徐々に体力は回復する。
また,棒(スティック)が見つかれば3つを串刺しにして火にあぶることで,より効果的に体力を回復できるほか,ゲームをプレイしていく中でより複雑なレシピを見つけることによって,より良い素材を使った食品に仕立て上げることもできる。例えば,カカオとミルクでチョコレート・ミルクシェークを作り出せるといった具合で,その素材やレシピは膨大な数になることが予想できる。
もちろん,武器もピストル,ショットガン,ライフル,サブマシンガン,スナイパー銃,そしてダイナマイトや手りゅう弾といったさまざまなものがあり,それぞれにスコープなどのアタッチメント用アイテムが用意されている。どんなアイテムが入手できるのかはプレイヤーの運次第といったところで,敵にとっての最大の急所である“小さな目”に上手くヒットできるよう,自分好みのアイテムを運よく入手できるかどうかがランの成功に大きく影響しそうだ。
アルビーン氏は,機械翻訳で日本からのゲーマーに受け答えしたり,日本向けのトレイラーの文字までを作ってしまったりと,「やることは自分でやる」と述べており,時に奇妙な日本語が逆にファンに快く受け入れられているらしい。たった4人で開発するインディータイトルであるものの,こうした努力が実を結び,やがては多くのファンに支持される原石のような魅力を持つゲームであるように感じた。
2024年中にはアーリーアクセス版のリリースも目指しているとのことで,現在ではSteamストアページでプレイアブルデモが公開中だ。気になる人はウィッシュリストに追加したり,Discordの公式チャンネルに参加しておくといいだろう。
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