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インフルエンサーとゲームがマッチすることが重要。「トップPDが語るWeb3ゲームプロジェクトの新成功方程式」聴講レポート[TGS2024]
登壇者は,CROOZ Blockchain Labで「PROJECT XENO」のプロデューサーを務める保泉臣悟氏,フジテレビジョンでビジネス推進局 副部長を務める赤井誠一氏,スゴロックスの代表取締役である西山泰弘氏,GALLUSYSの取締役CTOである吉田健一氏。Limit Breakの鈴木雄斗氏がモデレーターを担当した。
赤井氏は,2013年からサービス中のソーシャルゲーム「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪横丁」で,今年の春に始めたWeb3の取り組みを紹介した。「ゲソてん byGMO」のブロックチェーンゲームPARKでの提供を開始し,ランキング上位のプレイヤーに鬼太郎のNFTをプレゼントしたとのこと。同氏は「マネタイズという面ではまだまだだが,ユーザーの裾野が広がることに期待している」と語った。
西山氏は今年セガを退職し,スゴロックスを設立(関連記事)。現在はdouble jump.tokyoと一緒に「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」に取り組んでいる。「ニーズのある対戦ゲームを作り,武将カードを引いてもらうビジネスモデル」を基本として,暗号資産,ゲーム内課金,コミュニティのリワードなどの組み合わせを検討中だという。
吉田氏は,写真を撮って稼ぐ「Snap to Earn」を謳う「SNPIT」を展開している。GALLUSYSはWeb3を好きな人が多い会社であり,「STEPN」をリスペクトしているとのこと。収益モデルについては,プロジェクトのホワイトペーパーを出してNFTを発売する「INO」という手法で資金を調達し,6月からは海外企業から発行したトークンの売買による収益も得ているそうだ。
また鈴木氏は,「IPを持つ大企業としてのWeb3との関わり方」について赤井氏に尋ねた。赤井氏は,大企業には「監査的にトークンを保持できない」という制限があり,その中で挑戦するには「原作との信頼関係」と「実現可能な座組」が重要だと指摘した。「PSYCHO-PASS サイコパス」のNFTに取り組んだ際は,ライセンスグッズのひとつとして展開したという。
続いてのトークテーマは「コミュニティ」。保泉氏は,ファン一人ひとりの拡散力が重要であり,プレイヤーが能動的にイベントを開催してくれるような状況が理想だという。こうした考えは,「逆転オセロニア」のプロデューサーである香城 卓氏の運営手法から影響を受けており,PROJECT XENOでは北海道から沖縄まで,全国各地でファンミーティングを開催しているとのこと。
イベント運営チームの人数について吉田氏が尋ねると,保泉氏は「4〜5人くらいで回っていた」と回答した。
西山氏は「『ぷよぷよ』の国体で全国各地を回ったことがあるので,そうした活動の大変さを知っている」と語った。人間の活動時間には限界があるので,「魁 三国志大戦」ではAI技術を活用したAITuberを起用し,広くコミュニティの意見を拾っていきたいとのこと。
その後は,PROJECT XENOの取り組みについての話がしばらく続いた。なかでも興味深かったのは「どの広告施策が最も費用対効果が高かったか」という話題だ。保泉氏は,「ロックマンX DiVE」とのコラボで前例を作ったことで,大手出版社との交渉がしやすくなったと振り返る。
また,YouTuberのヒカル氏をアンバサダーに起用したことも効果が高かったそうだ。ゲーム性がヒカル氏の好みにマッチし,ヒカル氏がコミュニティの一員として遊んでくれたことが,成功につながったという。保泉氏は「知名度だけではなく,インフルエンサーが実際にゲームのプレイヤーになってくれるかどうか」が重要だと語った。
最後はセッション名にある「成功の方程式」について,それぞれがコメントすることに。保泉氏は「ゲーム性がすべて」,西山氏は「ターゲット層に寄り添うこと」と考えているそうだ。吉田氏はWeb3ならではの面白さとして,「新規プレイヤーにNFTを買ってあげる」「安いNFTを買い,育成して高く売る」という新たな体験を挙げた。赤井氏は,PayPayのように「みんなが使っているサービス」になれば大企業も取り組みやすいとし,成功例を重ねていって一般化していくことが重要だと締めくくった。
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