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「城攻めは楽しい」シブサワ・コウ トークライブ In お城EXPO 2025。40周年「三國志」シリーズの歩み,攻城戦に見る「信長の野望」との違い
今回もコーエーテクモゲームスから「信長の野望」シリーズの出展や,シブサワ・コウこと襟川陽一氏によるトークライブも実施されており,“日本と中国の城の違い“について,「信長の野望」と「三國志」のゲーム画面や制作秘話を交えながら,お城談義に花を咲かせた。
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ゲームは楽しい,ゲーム作りはもっと楽しい
「シブサワ・コウ トークライブ In お城EXPO 2025」では,「信長の野望」「三國志」シリーズ エグゼクティブプロデューサーである襟川陽一氏,「信長の野望」シリーズ プロデューサーの小笠原賢一氏,「三國志8 REMAKE」プロデューサーの越後谷和広氏が登壇。「三國志 覇道」公式生放送でおなじみのラジオDJ,植松哲平氏がMCを担当した。
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冒頭,襟川氏がゲームとの向き合いかたを語ると,そのコアゲーマーっぷりに観客はどよめいた。氏は朝5時から夜22時まで,ゲームの感覚を研ぎ澄ますため自社の作品だけでなく,ヒットしている他社のゲームもプレイしているという。
また,社内の開発チームに要望を伝えることも日常であり,アクションゲームならばフレーム単位での指摘をすることもあるそうだ。
また,襟川氏は「ゲームを作るのもすごく面白いんですね。自分で企画をして,実際に遊べるようになって。より面白くするために,どんどん改善していくプロセスもすごく楽しいんです。ゲームを遊ぶことはもちろんですが,私はゲームを作ることはもっと楽しいなと思います」と述べていた。
トークライブの前半パート「『信長の野望』と『三國志』が誕生するまで」では,襟川氏が夫人の襟川恵子取締役名誉会長にパソコン(シャープのMZ-80C)を買ってもらったことがゲーム作りにつながったという有名なエピソードが語られた(詳細は「昨年の取材記事」をご覧いただきたい)。
ちなみに当時,襟川恵子氏は任天堂の株を4000株売って,購入費用を捻出したのだとか。
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襟川氏はシミュレーションゲーム「川中島の合戦」の制作を経て,「信長の野望」を作る頃には,横浜市・日吉でパソコンショップの経営を始める。店には大学生が遊びに来て,ゲーム談義をすることもあり,中でもプログラミング能力が高い人には,アルバイトとしてゲーム作りを手伝ってもらったという。
「三國志」が発売されたのは1985年のこと。小説などで「三国志」の世界に没入した襟川氏は,英雄たちの個性やドラマ性に魅力を感じ,顧客のニーズもあったことから「三國志」の制作に至る。
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「三国志」のドラマをシミュレーションゲームに
「三國志」シリーズの歩みを振り返るコーナーでは,小笠原氏,越後谷氏と共に各作品の特徴や傾向に触れていった。
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「三國志II」は“新君主”を作成するシステムが加わり,「三國志III」では国単位から都市単位のプレイに。「三國志V」では陣形,「三國志VII」は武将プレイ,「三國志X」は舌戦が可能になるなど,シリーズを重ねるごとに新システムを導入し,進化してきた。
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こうした過去作の良い点を集約した「三國志14」は,武将数がシリーズで初めて1000人に達している。
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また,「三國志」シリーズの人気は地域によって特色があり,韓国では「三國志13」や「三國志8 REMAKE」といった武将プレイの作品に人気がある。一方,中国では「三國志IX」や「三國志11」といった1枚マップの作品の人気が高い傾向があるそうだ。
成り立ちから戦いかたまで異なる日本と中国の城
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トークライブの本題,日本と中国の城の違いを掘り下げるパートでは,小笠原氏が日本の城の形態や移り変わりを解説した。防御に適した山城から,経済の発展や統治に向いた平城へと,時代や必要性に応じて変化していったことを踏まえ,「信長の野望」シリーズでも城の再現性にこだわっているという。
ここで「守りの堅さで最強の城は?」と聞かれた小笠原氏は,自身が武田家好きということで,「武田家滅亡に瀕した際,もし武田勝頼が岩櫃城に入っていれば存続したかもしれない」と回答した。
小笠原氏によると,日本の城は戦の拠点という役目だけでなく,国や勢力を代表するシンボルであり,領民にとっては誇りのような存在だった。
一方,中国の城は,異民族の襲来から民ごと都市を守る「城郭都市」として発展しており,日本の城とは根本的に役割が異なる。
しかし,三国時代の城の遺構はほぼ残っておらず,越後谷氏は「ゲームでは想像を交えて,その姿や発展度合いを表現している」と語った。
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両者の違いは城攻めにも表れており,「信長の野望 覇道」ではプレイヤー同士が最大30人対30人で城の曲輪,門や櫓,本丸を奪い合うが,「三國志 覇道」では最大50人対50人による城外での大規模な集団戦となっている。さらに,高い城壁を攻略するものとして,井闌(せいらん)と呼ばれる兵器が登場する。
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襟川氏は「城攻めは楽しいですね。みんなで時間を決めて集合して,わーっと一気に攻めるんですが,子供時代のチャンバラ遊びをやっているみたいな感じ」と笑顔を見せていた。
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ウォークゲーム「信長の野望 出陣」(iOS / Android)では,別の切り口で城を表現している。現実の地図と連動し,実際の城を訪問することで武将を獲得できたり,攻城戦イベントでは実在の城や公園,駅周辺などに置かれた城をプレイヤー同士で奪い合ったりする。
ちなみに,小笠原氏はコーエーテクモゲームス本社に近い横浜駅の城の主として君臨しているそうだが,襟川氏から「プレイヤーの皆さん,コテンパンにしてやってください(笑)」と調略を仕掛けられていた。
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トークライブは「これからも歴史の面白さ,文化の素晴らしさをゲームの中に取り入れて,世界に発信していきたいと考えています。今後もいろんなタイプのゲームを作ってまいりますので,どうぞご期待くださいませ」という襟川氏の言葉で結びとなった。
今年も盛況「信長の野望 出陣」ブース
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会場の「信長の野望 出陣」ブースでは,トークライブの内容とリンクしたパネル展示や抽選会,特典の配布が行われていた。
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お城EXPO 2025“城内”で見かけたあれこれ
今年のお城EXPOは10周年を迎えたこともあり,イベントやブースも趣向を凝らした出展で登城者を楽しませていた。筆者が心を惹かれた催しを徒然なるままに列挙していく。
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(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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