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  • Team17
  • Game Source Entertainment
  • Black Salt Games
  • 発売日:2023/03/30
  • 価格:ダウンロード版:2640円(税込)
    パッケージ版:4818円(税込)
    ※2023年4月27日にGame Source Entertainmentよりパッケージ版が発売
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“気ままで不穏”な釣り人ライフ! 夜の海で名状しがたい恐怖に震えながら魚を釣る,「DREDGE」の不気味な漁師生活
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印刷2023/04/07 20:36

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“気ままで不穏”な釣り人ライフ! 夜の海で名状しがたい恐怖に震えながら魚を釣る,「DREDGE」の不気味な漁師生活

 ニュージーランドのBlack Salt Gamesが開発し,イギリスのパブリッシャであるTeam 17より2023年3月30日(PC版は3月31日)にリリースされた「DREDGE」PC / PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Xbox One / Switch)は,不穏な雰囲気が渦巻く海を舞台とした“ダークフィッシングアドベンチャー”だ。

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 クトゥルフ神話をモチーフにした作品ということで,「クトゥルフ×釣りゲー……どうなってしまうんだ? 名状しがたき何かしらが釣れるのか?」と発売前から話題性の高かった本作は,実際のところどのようなゲームなのか。PS5版のプレイをとおして,怪しげな海(と島)での不気味な漁師生活を紹介しよう。

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Black Salt Gamesの「DREDGE」公式サイト



魚を釣り,売って稼ぐ。怪しい島での釣り人暮らしは“借金の返済”から始まる


 プレイヤーの分身となる主人公は,「釣り人募集」の広告を見てグレートマローの町を訪れた漁師だ。しかし,もうすぐ島に着くというところで,町の近くにある灯台付近の岩に思いっきり船をぶつけてしまい,波止場に流れ着いたところを救助される。

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灯台の明かりが煌々と輝いていたにもかかわらず,なぜ,岩にぶつかってしまったのか……? という,不穏な導入だ
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 グレートマローの町長によると,主人公の船は破損がひどいらしく,所持品は,この町の古い船に移されているとのことだった。主人公はこの新しい船(古いけど)を使って魚を釣り,それを売った代金でローンを支払っていくことに。釣り人としての新生活が,まさかいきなり借金を抱えるところから始まるとは……うぐぐっ。

こちらがグレートマローの町長さん。釣り人募集の広告を見て来たけど,岩に激突して救助された新人です! 来て早々,借金もできました! よろしくお願いします!
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 ともあれ借金を返すべく,早速,漁に出てみることに。海には「波立つ水面」という釣りのポイントがあり,ここに釣り竿を垂らすことで魚を釣り上げられる。最初は釣り竿も申し訳程度のもので「沿岸」の魚しか釣れず,「浅瀬」や「大洋」へ出て魚を釣るには,釣り竿をアップグレードしなくてはならない。

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釣りはミニゲームになっている。たとえば上の画像の場合は,高速で回転するカーソルを緑色の位置で止めることで成功判定になり,左の釣り上げゲージが上昇。これを繰り返し,ゲージが一番上までいくと釣り上げられる。ミニゲームのパターンは数種類ある
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 同じ「波立つ水面」で魚を釣り続けると,その場の資源量が減っていき,その日はもうそこでは釣れなくなる。釣った魚を保管しておくインベントリの容量にも限りがあるため,序盤は持ち物がいっぱいになって帰還するしかないことのほうが多い。
 しかも,「まだ積めるから」といって欲張ると,最初に釣った魚の鮮度が落ちて,町に戻って売却するときには「傷んでいる」と表示され,買い取り値が落ちることもある。こまめに帰還するのがベストだろう。

インベントリはマス目になっていて,魚ごとに占有するマスの形が違う。回転もできるので,たくさん詰め込みたいなら上手な収納術が求められる……のだが,こんなクセの強いマスの形をした魚もいて悩まされることも
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 町に戻ったら,まず,魚屋で魚を買い取ってもらう。魚を売ると,その売り上げの一部で借金が返済されていく。同じ魚でもサイズが微妙に異なり,大きいものほど高価買取になる。

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こちらが魚屋。魚の種類やサイズ,鮮度などで価値が変わる
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釣った魚は図鑑に記録される。釣れる場所や時間帯なども書かれていて便利

 沿岸の釣りやすい魚の売値ががだいたい1匹10ドル前後で,そのうち返済に充てられるのが1〜2割。借金の額は50ドルなので,意外と早く返済が済みそうだ。いきなりの借金でうぐぐっとなったが,辛い借金生活からはすぐに抜け出せそうだ。
 お金の使い道は,釣り竿や船のアップグレードなどがある。航行中に岩などの地形に船をぶつけると,修理のためのお金が必要になってしまうので気をつけよう。

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新たな釣り竿やエンジンは「船大工」で購入できる。最初は高価に感じるが,釣りができる範囲を広げるための先行投資も重要
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「研究」の項目で「研究用パーツ」を消費すると,新たな釣り竿などが販売されるようになる。パーツはNPCや海などで入手できる
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岩場の多い場所は要注意。船が岩に当たってしまうと,船体を損傷してしまう……と言ってる矢先に,おっとっと,やってしまった
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えっ? ちょっと岩にかすっただけなのに,修理費は30ドル!? 意外と,とられる……!

 町の人たち(NPC)からお願い(クエスト)されることも。なんだか怪しいモノの運び屋をお願いされることもあるが……どれも何かしらの報酬はあるので,どんどんこなしておきたい。

町長からの依頼を引き受け,グレートマローの近くにある町・リトルマローへの宅配に。こそこそと小さな包みを受け取る男。中身は一体何なのかが気になる……が,知らない方がいいのかもしれない
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 釣り人生活も板についてきたあるとき,「『奇形種』を持ってきてほしい」という依頼が舞い込んできた。
 奇形種とはレアな存在の魚ではあるが,いまの自分であればまったく釣れないというわけではない。依頼主の魚屋に持っていくと,さっそくといった感じで奇形腫の腹をかっさばき,胃の中からハンカチを取り出した。

奇形種の魚のお腹の中から,かつては美しかったのであろう,繊細に紋様が編みこまれたハンカチが。何だか不穏なものを感じる……
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 いったいどのようにハンカチの存在を嗅ぎつけたのか,町のなかで不意打ちのように怪しい人物に声を掛けられた。
 収集家を名乗るその男の話によると,どうやらこのハンカチは「失われた遺物」というものの1つらしく,彼はその遺物とやらを探し求めているらしい。捜索を手伝うことを約束すると,船に「サルベージクレーン」を取り付けてくれた。

「話は聞かせてもらった!」とばかりに登場する収集家。彼はグレートマローの住人ではなく,孤島に1人で住んでいるらしい。余計に怪しい……
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 これによって,釣りのほかに「サルベージ」もできるように。サルベージでは船の強化やアップグレードには欠かせない「木材」や「スクラップ」といった素材類も入手できるので,魚と同じくこちらも積極的に集めていきたいところ。

サルベージもミニゲームになっている。静止画像だと分かりづらいが,高速で回転する円の部分の内周と外周を,黒い部分を避けながら移動して釣りあげていく
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船の残骸から,まだ使える物を回収したりも。けっこうイイ物が残っていることも……
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 収集家の求める遺物を見つけて渡すと,「ブースト」が開放された。その名のとおり,船での移動速度がブーストされる機能で,これによって効率よく近海を周れるだけではなく,さらに遠出もできるようになり,探索範囲が格段にアップする。オーバーヒートによるエンジンの故障に気を付けながら,さらなる海域へと船を走らせよう。

「ブースト」の恩恵はスゴいが,画面左下のエンジンの温度ゲージには要注意。オーバーヒートしてエンジンが故障してしまうと,またまた修理費が……
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こちらがマップ。中心がグレートマローで,周囲を大小さまざまな島や岩々が囲っている
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夜の海は危険がいっぱい。パニック度の上昇で見えるものは幻覚か,それとも……


 さて。本作には時間の流れの概念がある。何もしていないときは時間の流れが止まるが,船を動かしたり,釣りをしていると時間が過ぎていく。
 「クトゥルフ神話をモチーフ」「港町」「夜」と聞くとイヤな予感しかしないので,なるべく日が落ちる前は漁を終えたいところだが,しかし貴重な魚や「ヤリイカ」のように夜間にしか釣れないものもあるので,夜の出航は避けられない。さて,今夜も行くか……。

夜間は画面上中央のゲージが目の形になり,これが「パニック度」を示す。パニック度は,霧や「ほかの何か」に遭遇すると上昇するらしい。“ほかの何か”って何だよぉ……
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 夜間は船の周囲しか見えず,少し遠くの距離は霧のようなもので覆われた感じになる。
 驚かされるのが,唐突に眼前に岩が現れることがあること。単に霧で見えなくなっていただけではなく,パニック度の上昇により,“そこにあるはずがない岩”が出現したりするのだ。
 つまり……この島にやってきたあの日は,そういう精神的な状態だったということだろうか。

こんな感じで,岩が突然出てきてビクッとする。ああっ,ぶつかると修理費がっ……目の前に起きていることもだけど,そっちも恐い
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大量の目のようなものが見えるけど……ううん,きっと気のせい。ぜったい,気のせい
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 何だかいろいろなものが突然浮かび上がったり,遠くから現れたりするけれど。気にしない,気にしない……と気を強く持ち,闇の中での孤独な釣りにいそしんでいると,こちらの船の明かりに似た光が前方から見えてきた。
 「おっ,漁師同士の遭遇とかもあるのかな? ウィーッ,お疲れチャーン」と近づいてみたのだが……。

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霧の中に怪しげなオーラと明かりが……。あれ。思っていたのと違うなあ。ウフフ,まさか幽霊船とかじゃないよね?
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ちょっ……巨大なチョウチンアンコウ? いや,きっとこれはパニック度による幻覚でしょう。そうに違いない
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って,本物!? ぶつかって船体を損傷しとるやないかーい! しゅ,修理費……釣った魚もいくつか海に落ちちゃってるし

 と,こんな目にあわないよう暗闇の中での心理的な恐怖を耐え抜くには,いかにパニック度を下げるかが重要だ。何より大事なのが,明るいライトや睡眠。ライトはアップグレードして性能の高いものにするとより遠くまで照らせるので,夜の海に出航することを考えて,優先的にセットしたいところだ。

少しずつ夜が明け,ホッとしながら町へ帰航……その途中,せっかく釣った魚をパクッていく鳥が出現。チクショー!
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前代未聞の“漁師生活ホラー”は,コツコツと進めていくゲーム性とジワジワと迫りくる“恐怖”が魅力


 といったようなことを繰り返し,漁師生活を送っていくわけだが,そのサイクルは序盤から大きく変わることはない。魚釣りと素材のサルベージ,遺物探しなどをして,日が暮れたら帰還して睡眠。ときに夜の釣りに出かけ,恐怖に震えながら獲物を狙う。そのサイクルが,船や釣り竿などのアップグレードで少しずつ快適になっていく感じだ。

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 ただし,決して単調なゲームではなく,行動範囲が広がることで新たな発見があり,飽きさせない。序盤は魚屋がグレートマローにしかないため,どうしてもグレートマローを拠点にした生活になりがちだが,旅商人の船を見つけられれば,しばらくグレートマローに帰らずに“遠洋漁業”にいそしむこともできる。

闇夜の霧に浮かび上がる明かり……もう騙されないぞ! と思ったら,旅商人! 魚の買い取り,船の修理,睡眠と,いろいろお願いできる,神のような存在だ
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 ストーリー面の牽引力もある。主人公がグレートマローに来る前にも漁師はいたようだが,消息は不明。グレートマローの町長によると「役立たずだった」とのことだが,何かが隠されているようで町長の言い分を鵜呑みにはできなさそうだ。
 ここには,海に出た者にしか分からない真実があるのではないか――町の人たちとの会話や,海で拾えるボトルメールなどからも,この島の真相に近づくようなキーワードがあり,その謎を解く感覚も本作の魅力の一つと言えるだろう。

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以前いた漁師は,夜な夜な船を走らせては,魚も釣らず帰ってきていたようだ。なぜわざわざ危険な夜の海に出ていたのだろうか
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船のブースト音を聴き「友人の船のエンジン音かと」と話す灯台守。主人公は,その“友人”と同じ道を辿りつつつある……?
海ではボトルメールを拾うことも。この海域で何があったのかの手がかりでもあり,無人島で先住者の日記を見つけたかのようなドキドキワクワク感がある
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 釣りはミニゲーム感覚で楽しめるものの,あくまで本作を構成する要素の一つといったところで,本作はミステリアスな海域を自分の船で探検する“手探り感”を楽しむゲームであると言えるだろう。
 怪しげな秘密が見え隠れする物語を追い,不穏でホラー感たっぷりな夜の海で“何か分からない恐怖”に震えながら変な魚を釣り上げる。そんな「DREDGE」は,クトゥルフモチーフと聞いてニヤリとする人(個人的に「インスマウスの影」が大好きという人に刺さると思う)はもちろん,これまでにない奇妙な体験をしてみたいという人にもオススメしたい一作だ。

 気になった人は,ぜひ,岩に激突してグレートマローの町を訪れてみてほしい。そのときは,あなたの前に来た漁師のように,夜に海へ出たままにならないようご注意を……。

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図鑑はページが埋まれば埋まるほど,なかなかいい感じに気味悪くなってくる
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なんだか禍々しく,そして意味ありげな謎のオブジェクトも。何かアイテムが必要な場所のようだが,そもそも,なぜこんなものがあるのか……

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