プレイレポート
[プレイレポ] VRヒーローシューター「X8」と剣戟アクション「ALTAIR BREAKER」。PS VR2版の発売も予定される2作品を体験
浮かぶコンソールからアビリティを発動! なりきり&ヒーローシューターの「X8」
「X8(エックスエイト)」は,Thirdverseが2023年春にリリースを予定している,VRマルチプレイヒーローシューターだ。対応機種はPC / PS VR2 / Meta Quest 2で,プラットフォームをまたいだクロスプレイが可能となっている。今回はPC+Meta Quest 2環境で,開発を手がけるThirdverse USスタジオの面々とチームを組んで対戦することができた。
「X8」のキャラクターは,さまざまなシューティングゲームの世界から集ったという設定の,8人のヒーローたちだ。原因不明の「デジタル大変動」から自分の世界を守るべく,5対5のチームバトルに挑む。
バトルのルールは,FPSプレイヤーにはお馴染みのいわゆる“爆破ルール”。2つのチームが攻撃側と防御側になり,攻撃側はマップの特定地点に「サイフォン(爆弾)」を仕掛けて起爆させることが,防御側はこれを防ぐことが目的となる。
バトル中はさまざまな条件で「クレジット(お金)」が貯まり,ラウンドの合間に新たな銃器や「アビリティ(後述)」を購入できる。開始直後はハンドガンしか使えなかったヒーローたちも,後のラウンドではスナイパーライフルやサブマシンガンを撃ちまくり,アビリティを駆使して戦える。
Thirdverse 取締役CBOで「X8」のエグゼクティブ・プロデューサーを務める大野木 勝氏によれば,「Counter-Strike: Global Offensive(CS: GO)」や「VALORANT」といったマルチプレイFPSの仕組みを意識的に踏襲しているそうで,FPSファンならすぐに駆け引きを楽しめるとのことだ。
シンヤ |
サライ |
ヴェスパー |
ニクス |
イザラ |
ジャガー |
ゼロ |
シャレード |
「X8」の面白さは,マルチプレイヒーローシューターとしての駆け引きと,VRゲームらしい身体性が融合しているところだ。マップ内は左スティックで移動し,視点操作は右スティックでも,HMDを装着した頭を動かすことでも行える。通常のFPSならキャラクターは常に銃を構えており,プレイヤーはマウスを動かしてエイムするだけでいいのだが,本作では銃を取り出すところから始めなければならない。ハンドガンは“右腰”に装備されているため,まずは手を右腰に添えてグリップボタンで掴み,任意の場所に向けてトリガーボタンで発砲する。弾を撃ちきったら空の弾倉を捨て,“左肩”から新しい弾倉を取り出してセットし,スライドを引くとリロードが完了する。実際にモデルガンを操作しているような感覚だ。
クレジットを払えば,アサルトライフルやスナイパーライフル,サブマシンガンといったより強力な銃器を買うこともできる。こちらは銃が“右肩”,マガジンは“左肩”にしまわれており,ハンドガン同様に取り出したり,構えたり,リロードしたりといった操作が必要になる。VRゲームの場合,身体の各所にアイテムを“装備”しているシステムは基本だが,ハイペースに展開する対戦の中で,色々な場所から瞬時に判断してアイテムを取り出さなければならない状況にいると,やはり緊張感が高まる。
1発毎にリロードが必要だったり,左手を添えて撃たなければならなかったりと,銃はそれぞれ操作が異なっている。FPSのようにボタン1つであらゆる銃を熟練者の如く操作“できない”のがVRゲームらしくて面白い。慣れていないと,戦場のど真ん中でうっかり銃を落とすなんてこともあり,まるで新兵のような気分だ。一方でチームメイトが,筆者の目の前に銃を落として譲ってくれるなんてこともあり,VR空間らしい自由度とボイスチャットのみに頼らないコミュニケーションが楽しい。
ヒーローたちはそれぞれ「アルティメット」と,2種類の「ベーシック」の,合計3つのアビリティを持つ。また,専用特殊武器「ヒーローアイテム」を持っており,うまく使うことで戦局に大きな影響を与えられる。アビリティは左手の端末からコンソールを呼びだし,アイコンの周囲に浮かぶ球体を決められた順番に押していくという操作が必要で,空中に浮かぶコンソールがSFっぽくてカッコイイし,動きが印を結んだり魔法陣を描いたりするようでこれまたカッコイイ。ヒーローになりきる遊びとして気分も盛り上がる。
アビリティの効果はというと,索敵や敵の視界妨害をはじめ,タレット(砲台)やシールドの設置,高速ダッシュなどさまざまだ。この辺りはしっかりとマルチプレイシューター的なゲーム性を持たせてある。購入制で,強力なアビリティほど高価なため,クレジットの配分も重要だ。
それぞれ固有のヒーローアイテムも多彩で,アビリティと組み合わせることで個性的な活躍ができること間違いなしだ。例えば「シンヤ」は大ダメージを与えるブレード「クイックシルバー」を持っており,高速ダッシュする「ジョルト」や足音を軽減する「ハイパーインスティンクト」などのアビリティと組み合わせることで,よりアイテムを活かすことができる。「サライ」は,仲間やタレットを回復できる「ナノブラスター」を所持しているので,味方の防御力を上げる「シナジーマトリックス」などのアビリティと合わせてサポート役に回ると活躍できそうだ。
キャラクター毎に異なる立ち回りが求められ,いろいろと組み合わせを試してみたくなった。
VRでのマルチプレイシューターとなると,VR酔いが気になる人もいるだろう。個人的にはフルラウンドを戦った後も酔うことはなかったし,疲労も少なかった。これはHMDの解像度向上に加え,Thirdverseやこれまで開発者たちが積み上げてきた酔い防止のノウハウによるものだという。
また,酔いのほかに「広いスペースが必要なのでは」という疑問もあるかと思うが,もちろん着座状態でのプレイが可能だ。しゃがみ動作はスティック操作に対応しているし,カメラ操作もHMDによる視線移動とスティック操作を併用できるため,360度しっかり見渡すことができる。
気になるのは今後のアップデート内容だが,大野木氏いわく,新キャラクターと新マップ及びルールの追加を定期的に行っていくという。競技性も重視して調整を進め,将来的には大会も開きたいそうなので,これからの展開に注目したい。
「X8」公式サイト
VR空間で剣を振るい,マルチプレイの剣戟バトルが楽しめる「ALTAIR BREAKER」
「ALTAIR BREAKER」は,PS VR2のローンチとなる2023年2月22日に配信が予定されている,PS5版のプレイを体験できた。2022年8月にはMeta Quest版とPC版が発売されているので,すでにプレイした人もいるかも知れない。
本作は,マルチプレイのVR剣戟アクションで,最大4人のプレイヤーが仮想世界「ALTAIR」の「虚空島」に飛び込み,片手剣やハンマー,大剣といった近接武器によるバトルを楽しめる。Senseコントローラを振った通りにアバターが動くので,狙った部位に攻撃して自由に戦うことが可能だ。
敵はロボットのような姿をした戦闘AI「LAWS」。巨大な武器や弾幕で攻撃してくるためなかなか手ごわい。LAWSの攻撃はあらかじめ軌跡が見えるので,これを遮るように盾や武器をかざせばいい。攻撃を防ぐとLAWSは反動でのけぞるため,こちらが反撃するチャンスとなる。お互いの剣と盾が交錯する様は正に剣戟アクションだ。また,敵が飛ばす弾幕は防いでもいいが,武器で切り払うのも面白い。無数の弾幕に突っ込んで剣を振りまくるとテンションも上がる。
剣を振り上げればアッパースイングとなり,LAWSを空中に吹っ飛ばせる。浮いたLAWSを注視するか,[×]ボタンで空中に飛び上がることができ,そのまま空中コンボを行うこともできる。ブンブンと剣を振って斬りまくり,最後に叩きつけでフィニッシュするのはまさに爽快。叩きつけの際,振りかぶったSenseコントローラがブルブル震動するので,没入感も高い。
ピンチになったら,大技「剣舞モード」を使おう。武器に左手をかざすと真の力が解放され,攻撃の範囲が拡大し,複数の敵や弾幕を一気に攻撃できる。武器に手をかざすというアニメや特撮ヒーローっぽい動作に,男の子としてはワクワクしてしまう。
バトル以外の要素としては,高低差が激しい虚空島を移動するためのグライダーがある。両手を上に掲げて[L2][R2]を同時押しするとグライダーが出現し,そのまま滑空していく。遠くにある浮島を目指して空中に身を投じると,実際に高所にいるかのような恐怖感を得られる。慣れてくるとグライダーで敵の頭上から襲いかかるようなことも可能だ。
本作も「X8」同様マルチプレイに対応しており,今回はThirdverseのスタッフとプレイさせてもらえた。お互いに助け合いながら戦うと,勝利の喜びもより深いものに感じられた。
なお,「ALTAIR BREAKER」のPS5版は,最新のアップデートが適用された状態で配信される。2023年2月22日のPS VR2と一緒にリリースされるので,初めてのVRゲームとして遊んでみるのはいかがだろうか。
「ALTAIR BREAKER」公式サイト
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