［プレイレポ］アクションRPG「俺だけレベルアップな件：ARISE」は“仲間もレベルアップする件”。原作の追体験やド派手なバトルが楽しめる

　Netmarbleが2024年春にリリースを予定してる「俺だけレベルアップな件：ARISE」（略称，俺アラ）（iOS / Android / PC）は，国内でも展開している，韓国の小説・漫画「俺だけレベルアップな件」（以下，俺レベ）を原作としたアクションRPGだ。


　漫画はWebコミックで，漫画・小説アプリ「ピッコマ」にて読むことができる。全179話（プロローグを入れると180話）となっており，34話までは無料，35話から155話までは時間経過で読めるようになる“待てば0円”扱いで，156話から最終話までが基本有料となっている。またコミックも全15巻で発売中だ。

物語の舞台は，十数年前に異次元と現世界を結ぶ通路「ゲート」が現れた近代世界。ゲートの出現から間もなくして，超常的な能力を持った覚醒者たちが出現する。ゲート内のダンジョンに潜むモンスターを倒して膨大な対価を得る彼らは，「ハンター」と呼ばれるようになった

ハンターは，その能力によってS級からE級にランク付けされている。一部の例外を除き，覚醒したあとは成長することはなくランクも変動しない。主人公・水篠 旬は最低のEランクで，さらに同ランクの中でも能力はかなり低い

　国内では2019年に連載が始まった「俺レベ」だが，2019年には「ピッコマ BEST OF 2019」漫画部門で1位になり，2020年には「ピッコマAWARD 2020」も受賞するなど高い人気を誇る。なおView数は，全世界で143億にも達するそうだ。
　アニメは1月から放送されているのだが，こちらは話数などの情報は未発表。そろそろ1クールが終わるので，続くのか二期の予定があるのかが気になるところである。


　ゲームでは，原作の主人公である「水篠 旬」となって，物語を追体験できる。グラフィックスはアニメ調の3D表現で，キャラクターや世界は美しく描かれている。主人公と仲間たちを扱える戦闘では，多彩なスキルを使ったアクションバトルを繰り広げられるのも大きな特徴だ。
　また世界観に則した「ゲート」の探索や主人公の育成，新キャラクターを含むオリジナル要素も楽しめる。

　リリースに先駆け，ビルド版をプレイする機会を得たので，「俺だけレベルアップな件：ARISE」のプレイレポートをお届けしよう。

「俺だけレベルアップな件：ARISE」公式サイト

美しいグラフィックスで描かれる

人気作「俺レベ」の世界

　本作の主人公は，E級ハンターの水篠 旬だ。ほかのハンターたちから“人類最弱兵器”と嘲笑されている彼は，とあるダンジョンでの体験によって，“自分だけがレベルアップする能力”を得ることになる。
　敵を倒せば経験値を獲得でき，一定量稼げばレベルが上がり，レベルアップで獲得したポイントを割り振って，攻撃力や防御力，クリティカル率といった能力を上昇させていく。また特定の条件を満たすことでスキルの習得や，ほかのクラスへの転職も行える。


　ちなみにこの設定はゲームだけのオリジナルのものではなく，原作からあるもの。そしてRPGのような成長の仕組みは，そのまま「俺だけレベルアップな件：ARISE」でも使用されている。
　昨今の“主人公Tueeee系”ラノベや漫画は，主人公が最初から最強なことも多いが，「俺レベ」はきちんと成長していく過程が描かれているので，育成を楽しめるRPGとは相性がいいのである。

原作では，レベルアップ時には各能力に1ポイントの計5ポイントが割り振られる。ほかにも，最初の転職のタイミングが異なるなど，若干仕様が異なる点も

　ゲームシステム自体は，スマホ向けアクションRPGとしてはオーソドックスなタイプ。ストーリーは，複数のストーリーイベントやバトルステージで構成されるチャプターをクリアしながら進んでいく。
　また，1日に数回チャレンジできる「ゲート」や「封鎖任務」「インスタンスダンジョン」などでは，キャラクターの育成などに必要な素材が入手できる。

多彩なスキルを駆使したアクションバトル

主人公・水篠 旬以外のキャラも操作可能

　戦闘では，3Dキャラクターによるアクションバトルを楽しめる。操作方法はプラットフォームによって異なるが，方向キーによってキャラクターを移動させ，通常攻撃やスキルに対応したボタンを押すことで各種攻撃を発動させられる一般的なもの。
　ステップによる回避もでき，敵の攻撃を受ける直前に回避を行えば，一定時間無敵になる「極限回避」になる。さらに，特定の条件を満たすこと「QTEスキル」が使用可能に。パワーゲージを溜めれば，ド派手な演出が入る強力な「必殺技」も繰り出せる。


　またバトルステージに挑戦する際は，仲間となったハンターたちとパーティを組めるのだが，戦闘中は彼らの持つスキルも使用できる。序盤は，体力を回避できるヒーラーの観月絵里をパーティに入れておくと便利だろう。


　戦いは，主人公の水篠 旬を操作するモードやハンターだけを操作するモード，水篠 旬とハンターを操作するモードなど，様々なモードで楽しむことができる。

仲間はガチャなどで入手できる

　仲間となるハンターは，原作でお馴染みの観月絵里や馬渕 勲，諸菱賢太，最上 真，向坂 雫たちのほか，本作オリジナルのメンバーも登場する。またSランクハンターでなくとも，カットインを伴った強力な技を見せてくれるので心強いだろう。

俺だけでなく仲間もレベルアップできる件

スキルや武器の強化も可能

　敵を倒したり，ミッションをクリアしたりすることで，主人公は経験値を獲得していく。一定値溜まることでレベルが上がり，各種パラメータを上昇させるためのポイントを獲得できる。
　原作と同様に1レベルで5ポイント獲得なので，筋力や活力，知能など，好みのパラメータに割り振っていこう。また戦いの報酬などで，武器のほか，防具である「アーティファクト」を入手できる。
　武器は種類によって使用できるスキルが異なるので，自分の戦闘スタイルに合ったものを装備したい。また武器とアーティファクトはともに，専用の素材を消費して強化できる。

物語を進めると装備などの製作も行えるように

　なお，原作や本作のタイトルは「俺だけレベルアップな件」だが，仲間もレベルアップできる。この設定は原作にも存在するもので，本作では，主人公の仲間になったハンターは，ゴールドを消費することによりレベルアップ可能だ。なおレベル上限は主人公と同じレベルまで。仲間は武器とアーティファクトを装備できる。

仲間キャラクターは，炎や風といった属性を持つ。可能ならば，強敵の弱点を突く属性持ちのキャラクターを育てておきたい。またバトルステージによっては，「●属性でボスと倒す」といったサブミッションが設定されていることも

主人公は無属性で，装備する武器によって属性が変化する

　キャラクターの育成システムやゲートからのダンジョンへの挑戦など，原作のゲームっぽい設定をうまく取り込んでいる「俺だけレベルアップな件：ARISE」。今回のプレイでは到達できなかったが，原作にもあった「影の君主」への転職や，それによって率いることが可能になる「影の軍団」の育成なども気になるところ。
　そして，筆者的にヒロインだと思っている「エシル」が登場する（はずの）「悪魔の城」にも挑めるようなので，正式サービスの開始を期待して待ちたい。

　なお本稿の冒頭で述べたが，原作漫画が「ピッコマ」で展開されている。ゲームの「ストーリー」を追うだけでも物語は理解できるが，より深く設定や人間関係を知っておきたいなら，無料の範囲だけでもいいので，目を通しておくといいだろう。



※画像は開発中のものです

「俺だけレベルアップな件：ARISE」公式サイト