プレイレポート
[G-STAR 2022]ドット絵がかなりスゴい。過去と未来を結ぶお姫さまの物語「Goddess Order」は,1レーンの横スクアクションRPG
本作は,2Dドット絵で描かれたキャラクターたちが一番の特徴となる,横スクロール型アクションRPGであり,2023年第3四半期ごろのグローバル配信が予定されている(※中国は除くとのこと)。
開発はピクセルアートアクションRPG「クルセイダークエスト」(iOS / Android)でおなじみのロードコンプリート(Load Complete)で,特筆すべきスタッフとしては,「グラナドエスパダ」に携わっていたゲームクリエイターのチョン・テリョン氏も参加しているという。
世界観は中世ファンタジーとしつつ“過去と未来を結ぶ騎士団の冒険”が描かれる。ストーリーはおおまかであるが,とある国のお姫さまが,すごい力を秘めた書物を悪い騎士に奪われないよう,仲間たちと女神のいるところまで戦って逃げる,といった出足であった。
あらすじではシリアス色を感じるかもしれないが,雰囲気はコミカルチックで勢いがあるため,おもしろおかしく楽しめそうである。
ゲームシステムは横スクロールアクションだが,上下移動がない1レールのみでの進行となっていた。これについては“ファイナルファイトではなく,カラテカ”という表現が伝わることを切に願う。
操作方法は前進・後退の移動,通常攻撃やスキル,動きも千差万別な仲間キャラクターの切り替えなどだ。また,よくあると言うべきなのだが「防御」「回避」のアクションも搭載されており,これがまた堅実なアクションゲームとしての手触り感を向上させている。
斬って守る,敵背後に回避して大技を避ける,これらのシンプルなやり取りが,1レーンだからこその簡素化とよくかみ合っていることで,アクションゲームの根源的な面白さを思い出させてくれる。
なんといってもドット絵の作り込みが秀逸だ。これらはのっぺりなめらかな3D表現に寄った作りを目指しておらず,往年のレトロなざらざら感がそのまま生かされ,追求されている。
インジケータを含めてすべてではないが,背景も(おそらく)ドットで描かれているようで,懐かしいのに現代的な見た目でいて,古めかしさを感じさせない絶妙なバランスでもって保たれている。
ロードコンプリートのことを存ぜぬので恐縮だが,新世代の若手が追求した温故知新かもしれないし,著名なドットクリエイターが今の実力を発揮したのかもしれないしと,非常に興味を湧かせられた。
この社名だけに,一つの道を究める? とかなのかも。
ちなみに同社は現在「クルセイダークエスト」の運営のほか,本作「Goddess Order」の開発を含む,計4つのスタジオを運営しており,将来的に別のマルチプラットフォームゲームを披露する予定だとか。
ゲーム進行はプロローグからボスバトルまでのアドベンチャーシーンと戦闘ステージを体験したが,本作には脱出? 潜入? といったさまざまな遊びのモードも用意し,楽しみの幅を広げる予定だという。
1レーンでできるほかの遊び……気になるところだ。
近年ではドット絵ならびにドットアニメーションの技法も再発掘され,インディーゲームでは主流のビジュアルデザインとして活躍しているし,さまざまな新技術との融合が試みられているものである。
スマホゲームのドット界隈で長らく「クルセイダークエスト」で存在感を発揮していた,ロードコンプリートによる新作「Goddess Order」は,引き続き古き者たちの郷愁を誘ってしまいそうだ。
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