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「The First Berserker: Khazan」合同インタビュー。ソウルライクではなく,「アラド戦記」のゲーム性を多く継承したハードコアなアクションを目指す[G-STAR 2024]
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印刷2024/11/15 14:14

インタビュー

「The First Berserker: Khazan」合同インタビュー。ソウルライクではなく,「アラド戦記」のゲーム性を多く継承したハードコアなアクションを目指す[G-STAR 2024]

 2024年11月14日から17日まで韓国で開催中のG-STAR 2024にて,Nexonは「アラド戦記」IPの新作である「The First Berserker: Khazan」PC / PS5 / Xbox Series X|S)をプレイアブル出展している。

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 体験できる内容は,東京ゲームショウ2024バージョンと同様だったため,プレイの内容はこちら(関連記事)を参照してほしいが,本作は2025年に発売を予定している,ハードコアな難度のシングルプレイアクションだ。「アラド戦記」で「鬼剣士」の職業の祖とされているカザンを主人公に,復讐の物語が描かれる。

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 本作の魅力は,なんといっても歯ごたえのあるボス戦だ。敵の動きをよく確認し,さまざまな手段で対応しなければならない。
 今回,G-STAR 2024の素材として,試遊で戦える2体のボスに対してジャストガードなどを完璧に駆使する動画をもらった。動画ではなんだか簡単そうに見えるかもしれないが,実際は攻撃ごとに適切な対応が求められるし,間合いの詰め方なども非常にうまいので,「上達すればこういうプレイができる」ぐらいの気持ちで見てほしい。いや,普通はほんとあっさり死ぬんですよ。



普通はこうなる
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 さて,そんな本作について,開発元のNEOPLE CEOであるユン・ミョンジン氏と,クリエイティブ・ディレクターのイ・ジュンホ氏に合同インタビューする機会を得た。開発陣が「ソウルライクアクションではない」と断言する本作のアクション性は,何を目指したものなのだろうか。

ユン・ミョンジン氏(中央)と,イ・ジュンホ氏(右)。左は「アラド戦記」IPの新作「Project OVERKILL」のディレクターであるパク・ジョンワン氏
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――「アラド戦記」はもともとオンラインRPGですが,「Khazan」は大きく変わって,ソウルライクアクションに見えます。どういった経緯でこうしたタイトルの開発が決まったのでしょうか。

ユン・ミョンジン氏
 まず「Khazan」について,開発チームとしてはソウルライクだとは思っていません。もちろん,そう思われる方がいらっしゃるのは理解しております。
 もともと,「アラド戦記」を最初にリリースするにあたって,我々としてはハードコアなゲームにしたいと思っていました。ただ,サービスを続けるなかで難度を下げることになり,今のRPGの形になっています。

 ですから,私たちにとって「Khazan」は,3Dグラフィックスであること,そしてパッケージゲームであることだけが,もともとやりたかった「アラド戦記」との違いなんです。むしろソウルライクというよりは,「アラド戦記」のゲーム性を多く継承しているゲームだと思います。装備の面でもそうですし,スキルのコンボも似ていますから。

――ジャストガードやカウンターといった,複数の特殊防御を活用するアクション性のゲームになっているかと思うのですが,こうした仕組みにした理由を教えてください。

イ・ジュンホ氏:
 「Khazan」のアクション性を作るにあたって大事だと考えているのが,鮮明で正統な攻防です。
 これを実現するには,敵と戦っているプレイヤーに対して,狙われている,当てている,避けているといったことを,確かなシグナルとして与える必要があります。

 私は「Khazan」を簡単なゲームにしようとは思っていません。ハードなゲームにしたいのです。また,「Khazan」の物語は復讐の旅であり,厳しい状況に置かれますから,それにあったチャレンジを用意するのが,シナリオにとっても正しい選択だと考えています。

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イ・ジュンホ氏:
 もちろん,その過程でたくさん失敗すると思いますが,重要なのはなぜその失敗をしたのかが,ちゃんと分かることです。なぜ避けられなかったのか,どうすればカウンター攻撃ができるのかといったシグナルがないと,プレイヤーは先に進めません。

 最初はそれが分からなくても,戦っていくなかで「この攻撃に対応すればいいんだ」と小さなシグナルが得られる。もし失敗しても,次はできると思える。そして,成功したらきちんと報酬が得られる。この挑戦と達成感が,「Khazan」のアクション性の柱となっています。

――しかし,それでさまざまな操作が求められるとなると,操作難度は上がりませんか。すでにクローズドβテストが実施されていますが,フィードバックはどういったものだったのでしょうか。

イ・ジュンホ氏:
 難度についてのフィードバックはさまざまなものをいただきましたが,操作が難しいというのは少なかったです。「Khazan」の場合,操作への印象は今回のようなオフラインイベントでの体験と,クローズドβテストとで,だいぶ違うんです。オフラインイベントだと難しく感じるのですが,クローズドβテストの場合はじっくり取り組むからか,問題なくプレイしていただけたようです。

――操作以外のフィードバックはいかがでしたか。

イ・ジュンホ氏:
 ゲーム序盤は,難度が高い,気力(スタミナ)が少なすぎるといった意見が多くありました。ただ,プレイしていくと「もう分かったからちょうどいい」「スタミナ管理はこのままでいい」といった意見が増えていくんです。
 我々としては,自分たちが作りたい適切な難度,それにそって得られる達成感,そしてそこから感じられる面白さを,すべて考えながら調整していきたいと考えています。

 ただ,我々のチームには,コンソールゲームの開発に携わった経験がある人間があまりいません。果たして,我々が思っている面白さと,プレイヤーにとっての面白さは一致しているのか,しっかり達成感が得られるようになっているかという点は,何度もテストを重ねたり,ほかのゲームもたくさんプレイしたりしながら,工夫をして探っています。

――「Khazan」の世界はダークな雰囲気になっていますが,「アラド戦記」らしさを残すためにこだわったポイントや,逆に「アラド戦記」らしくなくても本作を作るうえで加えたものなどがあれば教えてください。

ユン・ミョンジン氏:
 確かにダークな世界設定ではあります。ただ「アラド戦記」も,グラフィックスがドットだからそうは見えないだけで,物語は暗いほうです。世界は滅亡しますし,人は死にますし,戦争も起きます。ですから,「Khazan」を作るために「アラド戦記」にない何かを加える必要はありませんでした。

 一方で,「アラド戦記」の世界では生かしきれなかった,設定はあるけど表現できてない要素は「Khazan」に入れています。細部まで語ることができましたから,「アラド戦記」プレイヤーなら背景設定が分かって新鮮に感じると思いますし,知らなくても「Khazan」の物語に集中して楽しんでいただけると思います。

――最後に,日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

ユン・ミョンジン氏:
 「アラド戦記」IPについて,多くの関心をいただきありがとうございます。「アラド戦記」は日本でも長年サービスしていて,愛されているゲームです。その新たなプロジェクトとして,「Khazan」や「Project OVERKILL」を披露していますが,それらにご期待いただいていることにも感謝申し上げます。皆さんにもっといいゲームをお届けし,より多くの方に遊んでいただけるよう取り組んでいただきたいと思います。

イ・ジュンホ氏:
 日本の多くの人に興味もっていただいて嬉しく思います。東京ゲームショウでは「Khazan」を出展しましたが,gamescomに出展したときよりもアクションに慣れた方が多いように感じました。
 熟達した操作が印象に残っていますし,多くの方に楽しくプレイしていただけて嬉しかったです。
 東京ゲームショウでもいろいろなフィードバックをいただきましたが,しっかりと改善していきたいと思っていますし,発売したときに皆さんの期待を上回れるよう,これからも開発を進めていきます。

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