プレイレポート
暗黒世界のハクスラRPG「ダークスローン」インプレッション。じっくりと長いスパンで楽しむブロックチェーンゲームを紹介
本作はブロックチェーンゲームであり,長期で取り組むことで「Play to Earn」(遊びつつ稼ぐ)を実現できる可能性もあるが,本レポートではゲーム内容に焦点を当てている。また,本作はNFTを活用したブロックチェーンゲームのため,それらを取引するためにはNFT用ウォレットの開設が必要となる。ただし,ウォレットを開設せずとも,基本プレイ無料のハクスラゲームとして楽しめる。
「ダークスローン」公式サイト
「ダークスローン」ダウンロードページ
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運命の戦士たちとともに,闇の力に挑め
「ダークスローン」はアイソメトリック画面(斜め上からの見下ろし)でプレイするトラディショナルなアクションRPGのスタイルに,現在話題のNFTが絡められたブロックチェーンゲーム。NFTとはNon-Fungible Token(非代替性トークン)の略で,本作においてはさまざまな“一点物のデジタルアイテム”が用意されている。ブロックチェーン技術のおかげでデュープ(不具合を利用しての複製)が極めて困難であり,それゆえに一点物としての価値が担保されている。
本作にはキャラクターの姿をしたデジタルフィギュア「トーテムNFT」と,武器などの装備「ギアNFT」が存在する。トーテムNFTはEPIC LEAGUEによって販売されるNFTで,持っているだけでキャラクターがパワーアップし,レアリティが高いほどPvPコンテンツでの報酬も増える。ギアNFTはプレイヤーがゲーム内で手に入れた装備をNFT化したもので,現時点では実装されていない。
プレイヤー間で売買できるほか,公式サイトによると,EPIC LEAGUEの他タイトルでも使用できるようになる予定だ。なお,これらのNFTを扱うには「MetaMask」といったNFT用ウォレットが必要で,さらにNFT化や受け取りの際には手数料が求められるため,あらかじめ注意しておきたい。
ゲームは画面上をタップ(クリック)するだけのシンプルな操作で進めていける(筆者はPC版をプレイしている)。移動させたい方向をタップするとキャラクターが歩き,攻撃範囲内にモンスターがいれば,自動で攻撃やスキルを使用し,倒すまで攻撃を続けてくれる。現時点では「聖騎士」「暗殺者」「悪魔ハンター」という3種のクラスが存在。それぞれに異なる特徴を持っている。
●聖騎士
悪魔に家族を殺された少年が成長し,聖騎士となって人々を守るために戦う。棍棒やメイス,ハンマーといった鈍器を駆使しての接近戦が得意。前方へ踏み込みつつラッシュする「激怒」,ハンマーを投げる「執行のハンマー」,突進して敵を吹っ飛ばす「突撃隊の疾走」,ハンマーを叩きつけて衝撃波で攻撃する「神の形」など,豪快で分かりやすいスキルが揃う。●暗殺者
王国を守る暗殺団の一員。剣と短剣を武器とし,暗殺者らしいトリッキーなスキルを使う。「影攻撃」は敵の背後にテレポートして強烈な一撃を叩きこむ。強力だが状況によっては敵のただ中に飛び込んでしまうこともあるので注意したい。「踊る刃」は周囲に短剣を投げる技で,囲まれた時に役立つ。「退き」は後方へ移動しつつ攻撃する技で,移動と攻撃が一体になっている……といった具合で,状況ごとに使い分ける必要がある。●悪魔ハンター
辺境の村々を守るために悪魔と戦う,美しき狩人。両手に携えたクロスボウから矢や爆弾を放つ。暗殺者よりもさらにスキルのクセが強く,相手と距離を保ちながらの戦いが重要となる。「投棄爆弾」は爆発までに少し時間を要するため,位置調整が必要。「空中射撃」「回避射撃」は後ろや横に飛びつつ矢を連射するので,上手くいけば相手を翻弄できる。本作の難度は高めで,単に突っ込むだけではすぐにやられてしまう。そのため,戦闘においては状況判断が重要となる。オートでスキルを使ってくれるからといって,棒立ちは厳禁だ。モンスターのタイプや数を見て,相手が多いようなら一匹ずつ釣りだし,飛び道具を撃たれたら回避,中型モンスターの身体が光ったらラッシュが来る合図なので後方へ退く……というように,しっかりと操作していく必要があるのだ。
たとえやられてもコンティニューは可能だが,入手機会の限られる通貨「クリスタル」を消費する。こちらはEPIC LEAGUEの仮想通貨「EPL」と交換できるため,使用する前にはよく考えたいところ。ダンジョン探索の開始時には,攻撃力やHPのアップ,各種耐性の上昇といったさまざまなバフを買えるので,こちらを活用するのも手だろう。必要となる対価はゲーム内通貨の「ゴールド」,課金要素である「エメラルド」のいずれかで,ゴールドよりはエメラルドの方が強力なバフを得られる傾向にあるようだ。
敵を倒すとさまざまなアイテムが手に入る。レアやユニークの出現時にはハクスラ系ゲームでお馴染みの「光の柱」が輝くので,うれしさもひとしおだ。装備にはランダムでオプションが付与されるため,何を使おうかといろいろ見比べるのも楽しい。
そのなかでとくに重要なのが武器だ。本作のスキルはキャラクターが覚えるのではなく,メイン武器や補助武器といった装備品に付与されている。つまり,武器を変えればスキル構成も変化するため,武器選びは慎重に行う必要がある。
また,自分が使っていないクラスの装備も入手できるため,並行して新キャラクターで遊んでみるのも面白い。強力な装備が集まっていれば,サクサクと進めるはず。エメラルドやクリスタルはもちろんのこと,所持しているゴールドもアカウント内で共通なので,いろいろなクラスを使いつつゴールドを稼いでいくのもいいだろう。
不要な装備品は2つを合成することで,新たな装備を1つ獲得できる。メイン武器どうしを合成すればメイン武器に,補助防具どうしなら補助防具が出てくるというように,種類は絞り込むことができる。
しかし,どのクラス用の装備品になるか,レアリティがどうなるかは完全にランダム。ノーマルの防具2個がレア防具に化けることもあり,ちょっとしたギャンブル気分だ。装備を調達したいときは街にある「宝箱」にも注目したい。エメラルドを支払えば,これまでに到達した最高階で手に入るアイテムがランダムでもらえるというもので,ガチャのようなコンテンツとなっている。エメラルドが充分ある時はこちらを使ってもいいだろう。
ユニークなのが「ランブルアリーナ」だ。決まった時間に開催されている非同期型のオートPvPで,先着100人しかエントリーできない。それだけに報酬は豪華で,順位に応じたクリスタルを獲得できる。また,エントリーせずとも,だれが勝つかを予想してクリスタルを賭ければ,結果に応じた配当を獲得できる。開催中は中継も流れるため,手に汗握るスリルを楽しめるのではないだろうか。
本作はNFTゲームであるためか,一般的なハックアンドスラッシュものとはプレイサイクルが異なっている。1フロアを攻略するのにおよそ10分程度,スタミナに相当する「マジックスクロール」を1個必要とするが,1個分の回復には約2時間かかるうえ,溜めておける上限数が最大で5個あまり多くない(エメラルドで購入することは可能)。
また,キャラクターのレベルを上げるにも,一般的なハックアンドスラッシュものより時間がかかる。もちろん,無料プレイでも十分に楽しめるが,一気にゲームを攻略していくのではなく,仕事や勉強の合間に少しずつ遊んでいくような形が想定されているようだ。課金をすれば一気に遊ぶこともできるが,ひとまずは無課金でプレイフィールを確かめておくといいだろう。