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印刷2023/01/27 12:00

プレイレポート

[プレイレポ]EAとω-Forceによる「WILD HEARTS」の序盤インプレッション。攻守両面で役立つ「からくり」は考える前に使え!

 先日行われた「DualSense Edge」のメディア向け体験会(関連記事)の会場で,ハンティングアクションゲーム「WILD HEARTS」PC / PS5 / Xbox Series X|S)のPS5向け体験用デモがプレイできた。

 コーエーテクモゲームスのω-Forceが開発を担当し,Electronic ArtsのEA Originalsレーベルからリリースされる本作。4Gamerでは2022年10月にプレビュービルドのプレイレポートを掲載しているが(関連記事),2023年2月17日の発売まで1か月を切ったこのタイミングで,改めて本作のプレイ感をお届けしよう。

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小さな獣は狩るだけでなく,手懐けることも可能


 「WILD HEARTS」で描かれるのは,和の雰囲気が色濃く漂う「あづまの国」。プレイヤーはこの国にやってきた「獣狩(ししがり)」となり,凶暴な「獣」たちを狩っていくことになる。

 今回序盤をプレイした範囲での大まかな印象を先に言ってしまうと,“広大なフィールドを舞台に,巨大な獣に立ち向かうハンティングアクションを,「からくり」のシステムが彩る”といったところだ。

 キャラクタークリエイトでは目の大きさや位置,鼻の高さ,唇の厚さなど細かい部分を調整できるのに加え,ほうれい線やしわを入れるといったことも可能。若く美しい女性から,歴戦の老獣狩まで幅広い人物像を表現することができ,工夫のしがいがありそうだ。

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 主人公を待ち受けるのは,広大かつ自然豊かなフィールド。清水流れる渓谷,広々とした草原,雪の降りしきる森など,序盤からバリエーションに富んでおり,この後どんな場所を見られるかが楽しみになってくる。

 大自然だけに高低差も激しいのだが,主人公は[×]ボタンの「跳ぶ(ジャンプ)」や[R1]ボタンの「早駆け(ダッシュ)」で踏破していける。岩壁があれば飛びついてから登り,下り坂があれば勢いよく滑り降りるといった具合で,ストレスなく走り回ることが可能だ。

 古木からは体力を回復する「癒やし水」が汲め,自生している植物の中には食べて一時的に能力を上げられるものもある。岩場からは武具を作るのに必要な鉱石を採掘できるし,木々や石からは後述するからくりの材料となる「からくりの糸」が手に入る。狩りに必要なものを自然から調達する獣狩の頼もしさが表現されている。

 こういったアイテムや素材の採集できるポイントはフィールドに点在しており,植物程度なら足を止めずに取れるし,採掘も短い時間で済む。獣を追う際にも採集できるので,良いアクセントになっていると感じられた。幻想的な光景と相まって,あちこちと探索してみたくなる。

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 フィールドには,ターゲットとなる大きな獣の他にも,さまざまな小さい獣たちが棲息している。倒して「止めをさす」と獣の素材が手に入り,武具の強化に使える。面白いのが,小獣に対して「狩る」以外のアプローチができることだ。気づかれないように[○]でしゃがんで近づくと「なでる」で手懐けることが可能で,これでのみ入手できる素材もあるというから,色々と試したくなってくる。

 ハンティングアクションゲームでは,小動物を素材目当てに狩ることも必要になるので,それを心苦しく思った経験を持つ人もいると思う。狩るのではなく,なでることでレア素材をもらえるのはユニークなアプローチだ。ステルスっぽく立ち回らなければならないので,プレイにちょっとした変化をもたらす点でも新鮮に映る。
 なお,巨獣を手懐けることはできないようだが,しゃがんで忍び寄ってから攻撃すれば「奇襲」となる。成功すれば,小獣なら一撃で狩れ,巨獣には通常よりも大きなダメージを与えることが可能だ。実際の狩りでどこまで有効かは不明だが,個人的にはステルス特化の装備やビルドにも期待したい。

 本作をほかのハンティングアクションと差別化している要素の一つが,フィールド上の「野営地」だ。野営地は決められた場所に作ることができ,クエストを受けられる「獣狩の焚き火」,一休みして体力を回復できる(ただし獣の体力も回復する)「獣狩の幕屋」,武器の強化ができる「野鍛冶の金床」といった施設(まとめて「龍脈からくり」と呼ぶ)を作ることで機能が充実していく。

 つまり,大抵の用事は街に帰ることなく済ませられるというわけで,野外生活者としての獣狩が表現されているといえるだろう。野営地には「龍脈コスト」が決められており,その範囲内で各種の龍脈からくりを置ける。野営地の「龍脈」を強化することで龍脈コストの上限がアップし,より多くの龍脈からくりを置けるようになるようだ。

 また,龍脈からくりの設置には鉱物や獣の素材が必要になる。武具制作に加えて,狩りが野営地の強化のモチベーションになるというわけで,サバイバル系ゲームのエッセンスが面白い形で取り入れられているといえるだろう。なお,公式サイトのFAQによると,フィールドの他に本拠地となる「湊の村」が存在するという。試遊の段階では,湊の村と野営地が機能的にどう違うかは不明だったため,今後の情報公開を待ちたい。


攻守双方で役立つ「からくり」はケチらず使っていこう


 狩りのターゲットとなるのは巨獣だ。小獣とは桁違いの耐久力と攻撃力を持っており,文字通り命を懸けて挑まなければならない。巨獣は体力が減ると逃げ出すが,[L2]の「獣狩の眼」を使えば,巨獣の痕跡がハイライトされるため,追跡しやすくなる。

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 獣狩の初期装備である「刀」は攻撃範囲が広く扱いやすい。その場で斬る「斬り下ろし」([□]ボタン),前方へ踏み込みつつ斬る「居合斬り」([△]ボタン),長いリーチを持つ「片手突き」([R1]ボタン),そしてジャンプ([×]からの斬り下ろしなど,多彩な攻撃パターンがある。

 斬撃中に[R2]トリガーで,周囲をめった斬りにする「二刀乱れ斬り」が発動し,居合斬り後に同じく[R2]を押すとダッシュで踏み込みつつ強力な居合い斬りを出す「居合斬り抜け」が出るなど,派生攻撃も豊富だ。中でも居合斬り抜けは大きく移動するので,うまく使えば獣に攻撃しつつ間合いを離すこともできるのが面白い。

 さらに,獣に攻撃を当ててゲージを溜めれば,一定時間刀をムチのように変形させる「からくり刀解放」を発動できる。発動中は攻撃が広範囲かつ大ダメージのものになるため,一気にラッシュをかけたい。
 刀は,初期装備らしくスタンダードながら,テクニカルな側面も持つ武器という印象だ。なお,派生を含めた各種の操作は常に画面に表示されるので,戸惑うことはないだろう。

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 巨獣を狩る際は,じっくりと観察することが重要だ。モーションを見て次に来る攻撃を読み,移動や[○]ボタンの「回避」で避ける。うまく避ければ巨獣に隙ができるので逃さず斬り付け,反撃の予兆を感じたら離脱する。このあたりは期待通りのハンティングアクションといった印象で,巨獣の姿が恐ろしげであることと相まって,スリリングな狩りを楽しめるだろう。

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 本作を他のゲームと差別化するもう1つのポイントが「からくり」だ。フィールドにおけるからくりは,狩りをサポートする機能を持つ,ちょっとした野戦建築といったところ。[L1]の長押しでメニューを開き,[○][×][△][□]のいずれかを押せば,割り振られたからくりが瞬時に出現する。このときにに主人公が硬直することもないため,実にスムーズだ。

 今回の試遊では,木のブロックのような「匣(はこ)」を作ってみた。
 この上からダイブすれば,高威力かつ広範囲の特殊な落下攻撃を出せるほか,獣の攻撃を防ぐ盾としても使える。置かれた匣に獣の攻撃が当たると獣が怯むため,こちらのチャンスとなるのだ。
 何度か攻撃を防ぐと壊れてしまうため,状況に応じて補充するのも重要となる。匣には攻撃用や防御用といった種類はないので,まずはフィールド上に置くだけでいいだろう。慣れてきたら匣を横に並べてちょっとした防御壁にしたり,高く積み上げてダイブ攻撃の威力を上げたりといったこともできるようになるはずだ。
 獣の大技が来ると感じたら匣を並べ,ダウンを奪ったら素早く積み上げてダイブ……といったように,臨機応変なアクションに成功したら,テンションも上がる。

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 からくりを作るには,前述の通りからくりの糸という素材が必要だ。フィールドのあちこちで採集するだけでなく,獣に攻撃を当てることでも増えていくため,ケチらずに使っていける。
 「建築」と書くと「クラフト系ゲームのように,考えて作らないといけないのか」「敵に対処しながら建築なんてできるのか」と思うかもしれないが,あくまで今回体験できた範囲では,アバウトに匣を置くだけでも効果はあった。
 前述したように,建築の際にプレイヤーキャラの硬直がなく,素材も手に入りやすいため,ゲームの流れを阻害することなく試行錯誤できるという印象だ。通常のジャンプでは登れない段差も,匣を積めば乗り越えられるというように,探索に使えるのも面白い。

 ゲームを進めると,長距離移動できるジップラインのようなロープのからくりや,バイクのように疾走するからくりなども作れるようになるという。どんな奇想天外なからくりが出てくるのかも,見所の一つとなりそうだ。

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 ハンティングアクションの基本的な部分はしっかりとおさえつつ,ステルスやからくりによって,ひと味違ったプレイ感を楽しめる本作。2023年2月17日の発売が改めて楽しみに感じられた。

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