［TGS2022］銃と魔法のメトロイドヴァニア「Rusted Moss」プレイレポート。2Dアクションの総合技術が問われる“激ムズ”アクションアドベンチャー

　千葉・幕張メッセで2022年9月15から18日にかけて開催中（一般公開日は17・18日）の「東京ゲームショウ2022」から，PLAYISMブースに出展されている「Rusted Moss」のプレイレポートをお届けしよう。

「Rusted Moss」公式サイト

　本作は，Faxdoc氏を中心として開発されているメトロイドヴァニア形式のアクションアドベンチャーゲームだ。舞台となるのは，妖精が人類を滅亡の淵に追いやり，人類が妖精への対抗策として魔女を作り出した世界。プレイヤーは“代わり子”として人間社会に送り込まれた妖精のファーンとなり，人間を滅ぼすための魔女狩りを繰り広げていく。結末はマルチエンディング形式となっていて，最終的に妖精と人間，どちらの陣営につくのかはプレイヤーに委ねられるようだ。

人間を追いやる妖精と，異形の機械で妖精に報復する人類。妖精でありながら人類に育てられ，銃で戦う主人公は，どちら側の存在なのだろうか

人間としての知人すら，主人公の敵となる

権威があるらしい，予見者という妖精。眼が怖い

　本作はスキルを獲得しながら行動範囲を広げ，探索を進めていくメトロイドヴァニアなのだが，操作系やゲームデザインの面ではどうやら“味の濃い”要素を選り好みして採用している節がある。
　まず，操作および通常攻撃はツインスティックシューターのスタイルで，いわゆるshmups系のような「自機の向いている方向に射撃」するタイプではなく，「右レバーで照準してボタン（R1）を押すと射撃」というタイプだ。また撃った弾が画面外まで飛んでいくこともなく，照準カーソルの位置が限界射程となる。遠く離れた安全圏から敵を倒すことはできないので，必然的に回避・ターゲッティング・射撃を同時にこなしていくこととなるだろう。


　また本作には，「海腹川背」シリーズに代表されるワイヤーアクションの要素もある。スキルを得た後，［R2］で発射できるアンカーを苔の生えている地形に打ち込むと，そことプレイヤーキャラクターがゴム紐のようなワイヤーで結ばれるのだ。
　これによって足場のない地形をわたっていくのだが，その挙動を制御しきるのはなかなか難しい。本作のワイヤーアクションに“巻き取り”などはないので，「海原川背」ほどベクトルが影響することもなく，またアスレチックの構造も単純ではあるが，それでも安心できない場面は多く訪れる。

ワイヤーの伸縮を利用して進んでいく地形

　そして本作は，プラットフォームアクションの側面も大きいようで，さらには一定時間触れているとダメージを受ける，要するに“毒の地形”が突然現れることも。もちろん足を踏み外して落下するだけでもダメージは受けるのだが，この毒の地形のせいで，いつでもどこでも危険地帯に足を踏み入れる可能性と向き合わなくてはならない。
　体験版の範囲でも「部屋の床に毒が満ちたので，天井からワイヤーでぶら下がりつつ敵を射撃する」というシーンがあるくらいなので，初見なら十中八九，あたふたしている間にあの世行きだろう。

地面の黒い部分が毒的な地形。妖精の死骸が原料らしい

地面から足を離し，敵と距離を取り，的確に弾を打ち込んでいく。これを2体の敵相手にこなさなければならない

　以上のように，本作ではさまざまな2Dアクションのゲームスキルが求められる。乱暴ながら既存タイトルで例えるなら，「銃撃戦のある海原川背」「マリオ要素のあるEnter the Gungeon」「グラップリングビームがゴムのメトロイド」などといったところか。だいぶ嫌な予感を覚えていただけたら幸いだ。

ちなみに死にゲーのお約束として，死んだら少し前のチェックポイント（画像の女神像的なもの）からリスタートとなる

　本作は操作だけでも覚えることが多く，試遊の制限時間である15分以内では体験版をクリアすることも容易ではない。なお制限時間内にクリアできれば，特典としてピンズがプレゼントされるとのことだった。
　PVを見る限り，そんな序盤すら序の口に過ぎないようで，さらに20種類以上のスキル，8種類の武器を駆使するとなれば，実際のゲームプレイは非常に忙しいものになるはず。そんな情報量の多さで頭がオーバーフローするようなゲームが好きな人には，太鼓判を押してオススメできるタイトルと言える。一般入場日に会場に足を運ぶ人は，ぜひピンズをかけて挑戦してみてほしい。

体験版における最後の戦い。ちなみにこのマヤという少女，主人公を「お姉さん」と言いつつ，尋常でない身体技能と重火器で襲ってくるうえ，後半戦ではワープやビームなどとんでもないことをしてくる

こちらが特典のピンズ。妖精は妖精でも，コロボックルみたいな姿になった主人公がかたどられている

「Rusted Moss」公式サイト