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舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」ゲネプロレポート。多くの別れを経て成長する“ぼっちゃん”の物語が色鮮やかに蘇る
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印刷2025/12/09 12:00

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舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」ゲネプロレポート。多くの別れを経て成長する“ぼっちゃん”の物語が色鮮やかに蘇る

 KONAMIを代表するRPGシリーズ「幻想水滸伝」を原作とした舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」の東京公演が,2025年12月6日〜14日にシアターHで上演されている。12月18日〜21日には,京都劇場でも京都公演が行われる予定だ。
 本稿では,上演に先駆けて行われた代表キャスト登壇の会見と,公開ゲネプロの模様をレポートする。物語や演出の一部に触れる内容を含むため,これから観劇する人は読み進める際に注意してほしい。

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舞台ならではのスピード感とバトルシーンに注目


 ゲネプロ前に行われたキャスト会見には,リアン・マクドール(ぼっちゃん)役の岡村直樹さん,グレミオ役の和田琢磨さん,テッド役の長江崚行さん,フリック役の山田ジェームス武さん,ビクトール役の磯貝龍乎さんが代表として登壇し,舞台の見どころや意気込みを語った。

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――ついに明日(12月6日)より幕を開ける舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」ですが,公演を前に今のお気持ちをお聞かせください。

磯貝さん:
 単純に嬉しいなと思っています。長い公演ですしアクションも多いので,まずは怪我なく走り抜けること,そして皆さまに最高の物語と感動を届けられるよう努めます。ぜひ劇場でお待ちしております。

山田さん:
 自分がすごく好きだった「幻想水滸伝」に,こういう形で携わらせていただき,フリックとして板の上に立てることが本当に嬉しいです。
 発表前から早く稽古したいと思っていましたし,数日前の衣装付き稽古では「ついに舞台に立つんだ」という気持ちが込み上げてきて,みんなのお芝居を客席目線で楽しんでしまうほどでした。

 なので,本番ではキャラクターへのリスペクトはもちろん,その思いや背景をしっかりと舞台上で表現し,より原作を好きになってもらえるような作品にしたいと思っています。ぜひ本番を楽しみにしていてください。

――「幻想水滸伝」シリーズとしては初の舞台化となります。舞台の見どころを教えてください。

長江さん:
 長く愛されてきた作品ということで,ファンの皆さまのなかには「このキャラクターのここが好き」「このシーンが好き」といった思い入れがそれぞれにあると思います。
 舞台としてのスピード感はもちろん,愛されたキャラクターたちの面影や生き様をしっかり感じられる作品になっていると感じていますので,ぜひ隅々まで楽しんでいただけたら嬉しいです。

――12月6日より東京と京都の2都市で上演され,たくさんのファンに届けられる機会となります。上演に向けての意気込みをお聞かせください。

和田さん:
 東京と京都を合わせて全19公演を務めさせていただきます。私も学生時代に「幻想水滸伝」をよく遊んでいましたが,大人になって改めて作品に触れると,稽古をとおしてまた新たな魅力を発見できました。

 観に来てくださる「幻想水滸伝」ファンの皆さまにも,舞台ならではの魅力を感じていただけるのではないかと思います。ぜひ,私たちと一緒にこの旅を楽しんでいただけたら嬉しいです。

――原作を知らない方に向けて,見どころや楽しみ方のポイントがあれば教えてください。

山田さん:
 原作そのものがとても面白く,思わずのめり込んでしまうストーリーが大きな魅力です。そのなかでも,人間模様や人間ドラマといった部分を舞台でも色濃く表現しているつもりなので,ゲームをプレイしたことがある方はもちろん,そうでない方も“人と人との関係性”に注目して楽しんでいただけたら嬉しいです。

 胸が苦しくなる場面も多い作品ではありますが,それをどう乗り越え,キャラクターたちが成長していくのかをリアルタイムで感じられるのが舞台の良さだと思います。演劇としてもとても楽しめる作品です。

――最後に,上演に向けての意気込みと,お客さまへのメッセージをお願いします。

岡村さん:
 初舞台・初主演で,最初は分からないことばかりで不安もたくさんありましたが,ステキな仲間たちに支えてもらい,リアンという人物を形にすることができました。

 舞台としても,その仲間たちの力が合わさって本当にステキな作品に仕上がっています。
 一瞬も見逃さずに,この世界を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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「幻想水滸伝」の物語をハイテンポで駆け抜ける
一瞬も見逃せない濃密なステージへ


 舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」は,1995年に発売された「幻想水滸伝」の物語を舞台用に再構成した作品で,原作ゲーム1本分の物語が丸ごと描かれる

 ここで「幻想水滸伝」を知らない人に向けて簡単に紹介しておくと,「幻想水滸伝」は1995年にPlayStation用ソフトとして誕生し,これまでに本編・外伝を合わせて11作が展開された,KONAMIのRPGシリーズだ。
 作品ごとに舞台やキャラクターが変わり,膨大な108人以上の仲間たちが織りなす群像劇,そして戦争をテーマにした重厚な物語が特徴となっている。

舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」あらすじ
※公式サイトより


生と死を司る紋章“ソウルイーター”を巡る運命の戦い。
後世において,人はこの物語を“門の紋章戦争”と呼ぶ…。

太陽暦446年。トラン湖周辺を支配する大国「赤月帝国」で内乱 “継承戦争” が勃発。
内乱は当初,正統な帝位継承者であるバルバロッサ・ルーグナーが劣勢だったが,
テオ・マクドールら帝国六将軍と軍師レオン・シルバーバーグの活躍で逆転勝利。
帝位の座を取り戻すことに成功する。
さらにその翌年には,北方の外敵であった都市同盟勢力を撃退。
バルバロッサは人々に“黄金皇帝”と崇められ,称えられた。

だがそれから数年後…。
皇帝バルバロッサは宮廷魔術師ウィンディに魅了され,政治を顧みなくなってしまう。
その結果,軍部や宮廷内で汚職が氾濫し,赤月帝国は急激に崩壊の一途をたどっていた。

そんなある日,ひとりの少年が皇帝との初めての謁見を迎えていた。
かの大将軍テオ・マクドールの息子である。
その瞳は未来への希望に満ち溢れていたのだが…。

彼がこの時代を変える礎になることを,まだ誰も知らない…。



 舞台はゲームと同様に,父のテオ・マクドールに連れられたリアン・マクドールが,初めて皇帝バルバロッサと謁見するシーンから始まる。なお,本作では舞台版の設定として,主人公“ぼっちゃん”の名前が「リアン・マクドール」と命名されている。

 謁見を終えたリアンとテオは自宅へ戻り,グレミオ,テッド,パーン,クレオといったメインキャラクターたちと合流する。
 ここでは,グレミオのシチューやテッドの“一生のお願い”といった印象的な場面が再現されるほか,テオからリアンへ大切な言葉が贈られる。この言葉は,リアンだけでなく,物語に登場するすべてのキャラクターを象徴するフレーズでもある。

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 この後,北方任務に向かうテオに代わり,リアンは仲間に支えられながら帝国からの任務を進めていく。しかし,清風山で遭遇したクイーンアントとの戦いで窮地に追い込まれることに。その場を救ったのは,テッドの魔法だった。

 テッドは生と死を司る紋章“ソウルイーター”の継承者であり,ここでその力を使ったことをきっかけに,リアンを取り巻く状況は大きく揺れ動き,物語は一気に動き始める。

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 抗えない運命に翻弄され,お尋ね者となってしまったリアンたちは,故郷グレッグミンスターを逃げるようにあとにする。
 行く宛のないまま彷徨う彼らだったが,帝国軍人に見つかりそうになったところをビクトールに救われ,帝国へ反旗を翻すレジスタンス組織「解放軍」と,そのリーダーであるオデッサ・シルバーバーグ,さらにフリックをはじめとした解放軍の面々との出会いへとつながっていく。

 解放軍に身を寄せることになったリアンたちは,共に行動するなかで帝国と帝国軍の現状を知り,その実態に触れていく。
 こうして数多くのキャラクターとの出会いと別れを経験しながら成長していくリアンは,翻弄されていた運命に少しずつ抗い,自らの道を切り開いていくことになる。

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 物語の大まかな流れはゲーム版とほぼ同じで,大きく改変された部分はない。ただし,舞台ではテンポよく進行するため,ややダイジェスト的に感じる場面もある。しかし,そのスピード感こそが舞台ならではの魅力と言えるだろう。

 また,物語の要となるシーンは丁寧に描かれており,原作ファンが「ここは見たい」と感じる場面やセリフもしっかり盛り込まれているので安心してほしい。ゲームをプレイ済みの人なら,舞台を観ながらゲーム内の該当シーンが自然とよみがえるはずだ。

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 また,ダイジェスト感があるとはいえ,本舞台ではリアンが主人公としてだけでなく“ストーリーテラー”としての役割も担っている。
 そのため,描かれなかったシーンがあっても「そこで何が起きたのか」「どうしてそうなったのか」といった物語の流れが自然と理解できる構成になっており,ゲーム未プレイの人でも安心して観劇できるポイントとなっている。

 さらに,展開に緩急がついたことで重要なシーンやアクションシーンのメリハリが明確になり,非常に見やすい仕上がりに。
 プロジェクションマッピングを用いたモンスターやアイテムの表現,バトルシーンでの攻撃エフェクト,ゲームで使用されていたBGMの採用など,原作リスペクトに満ちた演出も数多く盛り込まれている。
 もちろん,戦争イベントや一騎打ちをオマージュした場面も用意されており,大きな見どころの一つだ。

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 登場するキャラクターはどれもゲーム版のイメージにしっかり寄せられており,キャスト一人ひとりが担当キャラクターを深く理解したうえで役を作り上げている点には,ゲームファンとして思わず唸らされる。

 とくに,初舞台にして初主演となるリアン・マクドール役の岡村直樹さんは,初舞台とは思えない堂々とした存在感を放っていた。物語序盤の優しく可愛らしい“ぼっちゃん”から,終盤の力強く器の大きさを感じさせるリアンへと成長していく姿を,説得力のある表現で体現していたのが印象的だ。

 さらに,アクションシーンで圧倒的な迫力を見せるフリック役の山田ジェームス武さん,軽妙さの奥に潜む芯の強さを自然に漂わせたビクトール役の磯貝龍乎さん,そして父であり帝国の将軍でもあるテオ・マクドールという男の生き様を鮮やかに示した高木トモユキさんなど,舞台上に立つだけでキャラクターの魅力が際立つ面々の姿には思わず息をのんだ。

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 「幻想水滸伝」ファンであれば物語を振り返りながら新たな発見ができ,初めて触れる人でも自然と物語にのめり込めるはずだ。そんな舞台「幻想水滸伝-門の紋章戦争篇-」は,東京公演が12月14日までシアターHで,京都公演が12月18日〜21日に京都劇場で上演される。

 さらにライブ配信も決定しており,東京公演は12月13日17:00公演と12月14日12:00公演,京都公演は12月21日12:00公演と17:00公演が配信で視聴可能となっている。できれば現地で生の熱量を体感してほしいが,配信でも本作の魅力は十分に伝わるだろう。公演の詳細は公式サイトや公式SNSをチェックしてみてほしい。

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ライブ配信概要

配信プラットフォーム

シアターコンプレックスTOWN

配信詳細

《12月13日(土)17:00<東京公演> ※全景配信》
・配信チケット価格:3,000円/税込 (アプリ購入価格:3,700円/税込)
・購入特典:デジタルブロマイド
※キャラクター:リアン・マクドール(ぼっちゃん)/グレミオ/テッド

【チケット販売期限】
2025年12月27日(土)21:00まで
【見逃し配信視聴期限】
2025年12月27日(土)23:59まで

《12月14日(日)12:00<東京千秋楽公演> ※スイッチング配信》
・配信チケット価格:3,800円/税込 (アプリ購入価格:5,480円/税込)
・購入特典:デジタルブロマイド
※キャラクター:フリック/ビクトール/パーン/クレオ

【チケット販売期限】
2025年12月28日(日)21:00まで
【見逃し配信視聴期限】
2025年12月28日(日)23:59まで

《12月21日(日)12:00<京都公演> ※全景配信》
・配信チケット価格:3,000円/税込 (アプリ購入価格:3,700円/税込)
・購入特典:デジタルブロマイド
※キャラクター:オデッサ・シルバーバーグ/マッシュ/カスミ/ルック

【チケット販売期限】
2026年1月4日(日)21:00まで
【見逃し配信視聴期限】
2026年1月4日(日)23:59まで

《12月21日(日)17:00<京都千秋楽公演> ※スイッチング配信》
・配信チケット価格:3,800円/税込 (アプリ購入価格:5,480円/税込)
・購入特典:デジタルブロマイド
※キャラクター:テオ・マクドール/ウィンディ/バルバロッサ・ルーグナー

【チケット販売期限】
2026年1月4日(日)21:00まで
【見逃し配信視聴期限】
2026年1月4日(日)23:59まで

▼チケット購入はこちら


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