企画記事
「“薔薇”と“椿”」がおビンタのお花ですって? お上品な花々の由緒正しきを知るべく,オザキフラワーパークにやってきましたわ
ところで貴女たち,「薔薇と椿」をご存じでらして? そう,知っておいでですの。由緒正しきおビンタは淑女の嗜みですものね。
私(わたくし)なんて玲子さまを遠くからお見かけになったこともありますのよ? あら,自慢するつもりはなかったのに。オホホ。
一方で私,最近思ふことがあるのです。
もしかして「薔薇と椿」のせいで,“バラとツバキのお花”が勘違いされているのではないかしらって。皆さまも心当たりがおありでせう? バラとツバキはおビンタの花なのねって。引っぱたきますわよ。
ですから私,調べてまいりましたの。
バラとツバキは,どうゐうお花なのかしらって。
春はお花の季節ですわ
しかして参りましたのは開発のNIGOROさま,ではなく。
パブリッシャのPLAYISMさま,でもなく。
東京都内は練馬区・石神井台のにぎやかな道路沿い。
そう。オザキフラワーパークさま。
あのオザキフラワーパークさまですわ。
都内最大級をうたう大型園芸店は,美しきご令嬢たちの涙の数ほどあれど,オザキフラワーパークさまのクッソデカさは本物ですわ。
お日様の下での開放感のある植物展示。「ここジャングルですの?」と思ってしまふほどに緑で埋め尽くされた併設の2階建て大型店舗。いずれもテレビジョンで数多く取り上げられていますわ。私としては店内にサミット(スーパー)があるのが点数高いですわ。それに。
「あのぉ,ですねぇ。世間には『薔薇と椿』ってゲームがありましてぇ。それでバラとツバキを撮影させていただきたくぅ。オホホぉ……」
などと意味不明な供述でも快く迎え入れてくださったのよ。
一緒にやってきたキャメラマンがあろうことか近隣にあるこれまたクッソデカい「渋谷園芸」派だといふので,頬に満開の牡丹を咲かせてやりましたところでさっそく。じい,じいや。
……あらやだ。今日はお部屋の桐たんすを擬洋風にしなさいと命じていたのだったわ。仕方ありません。自分の足で見にいきませう。
そうしてすぐに見つけられた当のバラが,こちらですわ。
無残ですわ,って思った人は一発カマしますわよ。
通常,バラが咲く季節は春のようですの。一季咲き,二季咲き,四季咲きは品種ごとにさまざまですし,ビニールハウスなどで温度管理されたものも別ですし,併設されている店舗内には生花店もございますけれど。こちらではより自然な「苗」で提供されているそうです。
ですから,美しいつぼみを見せてくれるのもすこし先のこと。
それにお花屋さんとはあまり縁のなかった身には,苗で売られている姿が物珍しいですわ。西友の入り口でときどき目にしますけれど,気にとめたことはありませんでしたし。近年のお嬢様のとれんどは,お花よりゲームや異世界転生だったんですもの。仕方ないってもんですわ。
というわけで,咲いたときの様子はご提供写真となりますわ。
あらためて,バラは花界の女王。私たち華族と同じですわ。それだけにお店でも広く売り場が取られ,“春のメインウェポン”として押し出されておりますの。私たちにとってのおビンタと同じですわね。
これらの苗は雪解けの時節,3月から4月にかけて花開き,一厘咲きやスプレー咲き(小花がいっぱい咲くことですわ)といった姿を見せてくれるそうです。売り場担当の佐藤さまがおっしゃってましたわ。
しかし,彼女たちが美しく咲いていられるのは長くて十日。短いものだと三日くらいだそうで。花好きの皆さまはその数日のために,12月あたりから丹精込めて苗を慈しむとのこと。なんでもファストになっている世の中にあって,とても品のある愛情に思えてきます。
そんなんだから春に向けたバラ売り場には,クッソデカ愛情あふれる愛好家たちが殺到するそうです。ゆえに,花が開いていそうな時期に買いにいこうものなら苗の在庫は全滅必至。咲いている時期と買いたい時期のズレを差し引きしなかった素人は無残に散華することでせう。
まるで買い逃した期間限定ガチャですわね。
青天井ともいかぬのが,生ものらしくもあります。
これまでお花をめでるフリしかしたことのない私からすると,植物を育てるというのは,短期集中型のペットをお育てになるようなものなのかしら。推しのぐっずを飾り,日々の目と脳にすこしの幸せを与えるような感覚。花を育てる楽しみって,そういふものに思えましたの。
ちなみに,オザキフラワーパークさまにおいては新型コロナウイルスの時節から先,売り上げも増加傾向にあるそうですわ。多くの人が家にいるときの幸福感を高めたいと考えて,お花を買い,いつしか習慣の一部になった。そうだとしたら,とてもステキなことですわね。
それもあってか年始のお花福袋の時期には,クッソ広い敷地内にビッグサンダー・マウンテンばりのクッソ長い列ができるそうですわ。
「バラの枝先のどアップですわ」 |
「トゲですわ。痛そうですわ」 |
「外側が赤い葉っぱがかわいらしいですわ」 |
注意事項として,これらの苗は“手入れが必須”のようです。放置したいのならサボテンにでもしておきなさいとばかりに,買ったらまずは鉢をしっかりとしたものに変える。お土と肥料をこさえる。お水をおやりになって,せん定もして,毎日笑顔でごきげんようといふ。
思ったように咲かないからと,クッソ逆上しておビンタしたものなら,女王の棘に返り討ちにされて惨めな思いをいたしますわよ。
こうしたお手入れのやり方については,お店の売り場の人に尋ねるか,SNSなどで真摯に嘆願すれば,私のようなお人よしが「こいつめっちゃ」と思ふほどにクッソ長い解説をしてくれることでせう。
そもそも苗を買って置いて育てるには,私の家のようにクッソ広いお庭でもないと心も空間も余裕がないのでせうけれどね。オホホ。
バラの品種については,予想以上にとてつもなく豊富でしたわ。
限りなく世界一有名に近いといふ,平和の願いが込められた「ピース」をはじめ,午後のお茶会を思わせるまったりとした「カフェラテ」,毎年おもっくそ人気らしい「レイニーブルー」などもありましたわ。
あら,レイニー止めって4年前くらいでしたっけ? オホホ。
バラはとくに,花言葉とは別の“願いや意図を込めた品種改良”が盛んなようですの。それぞれに込められたコンセプトの解説文も添えられていて,ぱわあすとーんを眺めるような楽しみもありましたわ。
全体人気は当然のように赤バラ。今年の売れ線も,鮮烈な紅を感じさせる「ルイス キャロル」という品種だそうです。
こちらの語源については,教養のあるお嬢様方であれば,あのクッソ有名な不思議の国の作者さまだと気付けますわよね?
これと人気を二分するのが,淡い桃色に色づく「楼蘭(ロウラン)」とのこと。いずれも同じナーセリー(※)の品種だといいます。
※種苗や販売を手がける,園芸界におけるメーカーのことですわ
コアなバラ愛好家となると,造形や色彩といったバラ自体の好みだけでなく,“推しナーセリー”の概念も持ち合わせるのだとか。売り場担当の佐藤さまも「場合によってはお客さまのほうがよく知ってるくらいで」と苦笑しておりましたわ。まさに知らない戦場ですわね。
さらに驚いたのがコラボですわ。
まさかの“IPコラボのバラ”ですわ。
売り場には,乙女の嗜み「ベルサイユのばら」コラボの苗に,千葉にある夢の国とのコラボ苗など,作品・キャラクターイメージのバラもありましたの。これらは近年急増しているらしいですわ。
女性向けゲームでも「〜〜イメージの香水」などは定番ですが。
まさか,バラ界にもそうした市場戦略があるだなんて。
それもそのとおり。ここにある数多くのバラたちは人気がなくなれば,翌年には新参者にスタアの座を奪われてしまう。園芸業界,なかでもバラ界では挑戦的な品種改良による熾烈な競争が当たり前のように行われてきたそうです。白鳥の足下のように,この世界で自らを美しく咲き誇って見せつけるには,たゆまぬ努力と発想が求められるのですわね。
ついでに近年は“病気に耐性を持った品種”も生まれてきて,メキメキと頭角を現してきているそうですわ。無敵バラですわ。
なお,バラの品種改良は,ベースの苗木に接ぎ木して行われているそうですわ。ですので,この記事をまだゲーム関係だと思い込んで読んでいる方々に買わせるなら「ごどりっく」なんていかがでせう?
あらやだ。バラにばかり見とれてしまっておりましたわね。
もう片方の主役「ツバキ」も見にいかなければ。
ツバキはもともと中国原産(諸説あり)の常緑樹で,ツヤのある鮮やかな赤の花弁に,黄色頭で白い体をした雄しべを咲かせます。家で食べる豆もやしみたいなものですわ。サザンカとはクリソツらしいですわ。
それと,中国では椿を音読みで「チン」と呼ぶらしいですわ。
そこの品性なき庶民。引っぱたきますわよ。
バラと隣り合ったツバキ売り場は,面積的には猫の額でしたわ。ジュンク堂のひと棚とどっこいどっこいといったところですの。
ただ,そうした陰日なたなればこそ,庶民だった玲子さまのようにとんでもねえ成り上がりするのでせう。実に主人公なお花ですわ。
ツバキは観葉目的やフラワーギフトはもちろん,生け花などでも嗜まれることが多いそうです。確かに,なんとなくではございますが,ツバキと聞くと和な印象を感じますものね。音の響きが秀逸ですわ。
なお,ツバキは通常,冬場の1月〜2月にかけて咲くそうですが,今年は暖冬だったからか咲いていたのは一厘だけ。残りはささやかな種子を実らせておりました。つくづく行った日が悪かったですわ。オホホ。
とはいえ,花が咲いていそうな時期に買いに来ても,バラと同じくムダ撃ちになりかねないそうですから。先見の明が求められますわ。
ツバキと言えば花以外にも有名なものがあります。それが美容業界における椿オイル。バラもエキスを用いた化粧品や食品をよく聞きますが,ローズウォーターなどをご存じでない殿方でも,椿オイルもしくは椿油の名なら,一度くらいは耳にしたことがあるのではないでせうか。
バラのエキスは花弁から抽出されますが,ツバキのほうは種子が実るため,専用の器具を用いることで油を絞り出せるそうです。それこそオリーブの実から作られるオリーブオイルと似ているらしいです。
秋冬はこうした実のなる花も多いようで,お得ですわね。
それと,ツバキに関してはちょうど珍しい品種が入荷したとのことで見せてもらえましたわ。それが「らんちゅう」。ぽけつとの怪物のようなお名前ですけれど,これは同名の金魚がモチーフだそうで。
“葉っぱの裏側から金魚みたいな形の葉が生えてくる”という,なんとも奇々怪々で愛嬌のある生態に対して名付けられたそうですわ。
高貴に咲き乱れるバラ。清楚に咲き誇るツバキ。華族も庶民も地位は違えど美しさは同じ。そうした世のあり方を感じる一幕でしたわ。
それと「薔薇と椿」の名称の由来ですが,そちらはよそさまのおインタビューなどで明らかにされていますので,お外でご覧あそばせ。
というわけで私,ここまでの見学だと心の彩りが乏しかったので,ほかの花たちもたくさん見てきましたの。お花たちのお名前は……オホホ。ご想像と識者たちのクッソ手痛い指摘にお任せいたしますわ。
お花はなんでも“地域ごとに売れやすい色の傾向”も異なるそうです。例えばオザキフラワーパークさまでは「なんでか黄色の花が出ます」とのことで,例えば大阪では派手な赤などが売れやすいとかで。
そこの貴女。今私のこと「貴女の口調も大阪のオッサンっぽいですわ」と勘違いされましたわね? 許せませんわ。引っぱたきますわ。
それと園芸界におけるお花の名前って不思議ですのね。「プリムラ・ジュリアン・初恋シリーズ」だの「オステオスペルマム ベリーズパフェ」だの,どれも命名のセンスが創作界隈ばりに斬新ですわ。
売り場の奥のほうにも,最近ブームが訪れているらしい「ネイティブプランツ」という種類があって,奇っ怪かわいかったですわ。
あとはおハーブにオリーブ,食える草系も豊富でしたわ。
植物以外にもじゃがいもなどの野菜が直売されていて,園芸店らしくお土やお飾りやお道具も豊富に取りそろえられていて,このときは残念ながら開いておりませんでしたが,カフェまでありましたの。
正直,お母さまの日のフラワーギフトですらAmazonしている私には,こうした園芸店の店舗体験自体がとっても愉快でしたわ。
さて,いまだに本稿とゲームとの関連性がどこにあるのか読み解きたくて仕方ない殿方もいらっしゃることでせう。仕方ありませんわね。
よいですか? 今から格言を言いますわよ?
これらはお花のイラスト資料,なんて考えるのもよいのですが,ゲーム作りにおいてはもっと重要なヒントが隠されております。
そう。ゲームの世界を形作るのは絵・音・文ですが,世界観が宿るのはそれらの細部。なにげなく用いた小道具のディテールに凝ることは,おもしろさに作用することはなくとも,魅力とその吸引力をガラリと変えるだけの力があるのです。ゆえにお花でもなんでも,実際に目で見て,感じた心を大切にする。それが真摯なゲーム作りのコツですわ。
といったスタンスは人によってはどうでもよくて。
本当に大切なことは「こうした口車フルスロットルで企画案や制作物を押し通す気概」ですわ。これにより,ゲーム制作時の私欲なワガママを押し通しやすくなりますわ。ほら,見てご覧なさい。
私なんか,それで押し通した結果がこれよ? オホホ。
お取材のとき,渇いた冬空の下で長々とお付き合いくださった佐藤さまが「職業病ですかね。歩いてると町中のお花をつい見てしまうんです」とおっしゃっておりました。私もそれに感化されたのでしょう。
別の日。浅草かっぱ橋道具街の近くにあった神社の入り口に,かわいらしいツバキが咲いているのに気付きました。意識して見ると,バラやツバキとは言わずとも,都会にはお花があふれておりました。
とくに目につくようになったのは,玄関前に色とりどりの鉢を飾っている類いのお家。それらを管理している方々の努力と愛情でした。
星の数ほどゲームがあふれる時代。咲くも散るも保証のない世の中。そんな過酷な環境でも,目にしただけで愛情が届くようななにかを持たせられると,私たち側もなにかしらの気づきを得て,手に取ってしまうものかもしれません。そうした誰もが知る,なにかを知ることで持てるようになる共感という感情の機微を,あらためて認識する日でした。
それゆえ,私もこのままだと大阪のオッサンに共感を覚えてしまいそうなので,お嬢様言葉は今日で卒業します。今どきはお嬢様枠でも,庶民的に振る舞ってオモシレー女枠に入るほうが勝率高いですしね。
そうして庶民らしくなった私は,たまにの休日。
また園芸店にフラッと寄ってみるのでせう。
「オザキフラワーパーク」さまの公式サイトですわ
「薔薇と椿 〜お豪華絢爛版〜」は30%オフでしたわ
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