プレイレポート
[プレイレポ]「SYNDUALITY Echo of Ada」,9月に行われるCNTに先駆けて最新バージョンをプレイ。CBTから序盤のゲームフロー強化や協力プレイが大きく拡張
本作は,バンダイナムコエンターテインメント,バンダイナムコフィルムワークス,BANDAI SPIRITSの3社が手がけるメディアミックスコンテンツ「SYNDUALITY」プロジェクトの一角を担うタイトルだ。
プレイヤーは高いサポート機能を有するヒューマノイド,「メイガス」とともに二足歩行型メカ,「クレイドルコフィン」に乗り込み,荒廃した世界での物資の争奪戦に参加することになる。PvPvE型のオンラインレイドTPSで,フィールドで待ち構える敵(CPU)を排除しつつ,ほかのプレイヤーが駆るクレイドルコフィンと共闘,または対立しながらストーリーを進めていく。
今回9月のCNTに先駆けて,メディア向けの体験会がLFS池袋 esports Arenaにて行われた。本稿では最新バージョンとなるCNT版のプレイレポートと,プロデューサーの二見鷹介氏のインタビューをお届けする。
ゾーンゲーム初心者からCBT経験者まで,幅広い層の遊びやすさを目指した最新バージョン
CNTで使用される予定の最新バージョンでは,2024年3月28日から4月1日にかけて行われた,クローズドベータテスト(以下,CBT)で得られたデータ,プレイヤーからの意見をフィードバックし,200以上の調整が施されている。
まず印象に残ったのは,ゲームシステムのチュートリアルと世界設定の紹介を兼ねた,ムービーの追加だ。
CNT版ではチュートリアル開始からしばらくの間,なにかしらの任務をこなすたびにムービーが流れ,次の依頼でやるべきこと,依頼中に注意すべき点などがそれとなく提示されるようになっていた。
フィールドへ出撃した後も依頼完了のために必要な目標を確認しやすくなっており,遊びやすくなっていると感じた。
プレイフィールに大きく影響を与えていると感じたのは,リロードの仕様変更によるテンポアップだ。CNT版ではアイテムの習得やブーストダッシュ中にリロードが中断されなくなったため,フィールドの探索や弱めの敵の排除がスムーズに進むように感じられた。
ひとつの依頼をこなすまでの時間はCBTの時より明らかに短くなっており,プレイから1時間ほど経って慣れてきたころには,その違いがより顕著になっていた。
素材を集める周回プレイはかなり捗ったが,ときおり出現する盗賊団の頭領&部下はかなりの強敵で,遮蔽物の少ない場所で遭遇すると,高確率で撃破される状態が続いていた。しかし,体験会の終盤,レールガンを購入してからは,根気強く狙撃を繰り返すことでついに盗賊団を壊滅させることに成功。強敵との緊張感ある戦いを味わいつつ,武器やパーツを組み合わせて機体をカスタマイズしていく楽しさも味わえた。
「SYNDUALITY Echo of Ada」プロデューサー,二見鷹介氏インタビュー
ここからはプロデューサーの二見鷹介氏へのインタビューをお届けしよう。CBTの反響やCNTにおける改善点などを時間の許す限り聞いている。
4Gamer:
CNTは,3月に行われたCBTの反響を受けての調整が施されているということですが,どういった反響が寄せられたのでしょうか。
二見氏:
基本的には好意的な意見を多くいただきましたね。熱量の高いプレイヤーも非常に多く,CBTに参加していただいた3〜4割もの方が全日プレイし続けていただけました。
あと,アンケートの回収率も普通は2〜3割ぐらいあればいいほうなんですが,5割を超えていました。しかも4000字制限のアンケートにびっしり書いていただいた人も多く,非常に嬉しかったですね。
4Gamer:
CNTバージョンの調整は「ゲームを分かりやすくする,遊びやすくする」という方向性だったので,CBTでは「ゲームが難しい」といったような,ネガティブな意見が少なくなかったのかなと勝手に思っていたのですが,ポジティブな反応が多かったと。
二見氏:
確かにアニメやプラモデルから入ったという層からは「難しい」という意見はいただいています。また,「無事に帰還できないとアイテムをロストするゲームだ」ということを十分にアナウンスできていなかった.というのはCBTでの大きな反省点でした。
参加者はシューターのプレイ経験豊富な人が多かったんですが,チュートリアルが終わって自由に行動できるようになると,とりあえず出撃してボロボロになって帰ってくるというケースが多かったんです。
それを受けて,まずは「無事に生還してアイテムを持って帰らないといけない」という本作のルールを早い段階で分かってもらうために,今回のCNTバージョンではチュートリアルから序盤にかけて何をすればいいのかを,手厚くサポートする形にしました。
4Gamer:
出撃の前後に流れるムービーがまさに手厚いサポートのひとつですよね。かなり凝った作りになっていると感じましたが,こちらはCBTの後に作ったということでしょうか。
二見氏:
はい,CBTが終わってから急いで作りました(笑)。大変でしたが,ここは道路標識ぐらい分かりやすく表現するべきだと思ったので,妥協することなくやりました。
本作のルールは,「Escape from Tarkov」のようないわゆるゾーンゲームを触った経験がある人であればすぐに理解できると思うんですが,そうでない人がいきなり遊ぶと戸惑う面はどうしてもあるので,そこはしっかりとサポートしようと。
4Gamer:
ゾーンゲーム初心者へのサポート以外に,今回のCNT版で調整した部分はどこでしょうか。
二見氏:
初心者向けの調整以外に,コア層からの意見を取り入れて,かなり細かく拡張しています。たとえば依頼の内容も,ゲームを進めていくと難度の高い依頼や,クセのある依頼が出てくるようになっています。前回たくさん遊んだ人も,また新しい体験を楽しんでもらえると思います。
4Gamer:
遊ばせてもらった序盤でも,盗賊団のボスはかなり歯ごたえのある敵でした。配置もランダム要素があるので,ゲーム開始時に遭遇するなど驚く体験が多くあったように思います。
二見氏:
敵の配置や発生する頻度なども,CBTからかなり変えている部分の1つです。ゲームを少し進めると,盗賊団が固まって出現する場所が出てくるなど,危険な場所を意図的に作っています。これも「危ない場所へはゲームに慣れて装備が整ってから行こう」という本作のセオリーを,体験してもらう意図があります。
4Gamer:
遊びやすくした調整が多い一方で,あえて動きに制限を入れている変更がいくつかあったように思います。
たとえばジャンプでブーストゲージを消費するようになったのは,前回のCBTでは常にジャンプしながら撃ち合ういわゆる“バッタ戦法”が強かったからだと思うのですが。
二見氏:
その辺りも,CBTを遊んだプレイヤーからのフィードバックを受けての変更になります。キーボードとマウスでうまくジャンプ撃ちができる人とそうでない人で動きに差が出すぎるので,ずっとジャンプできるのは問題でした。
なので,CNTでは5,6回は連続で可能な調整にしました。ジャンプ撃ちは強いですが,連続で使いすぎるとブースト切れを起こすので,リスクがあるというバランスですね。
4Gamer:
そのほかに操作面で要望が多かった点はありますか。
二見氏:
最も多かった意見は,「何かしらのアクションを行うとリロードがキャンセルされるのをやめてほしい」というもので,もちろん改善しています。ちょっとした変更点ではありますが,気持ちよく遊べるような微調整はほかにもいろいろ入れています。
4Gamer:
調整の話から少し外れますが,後ろ方向にはブーストダッシュできないという仕様はけっこう独特ですよね。これは先ほどのジャンプ撃ちの話につながる,シューターのうまいプレイヤーが有利になりすぎることを懸念しての仕様なのでしょうか。
二見氏:
これに関しては,いろいろな理由が複合的にからみあっています。バックのブーストダッシュを使って「もっと自機を華麗に動かしたい!」という意見は多かったんですが,「華麗」に動けすぎると,ご指摘の通り,プレイヤーの腕の差が明確出てしまうんです。あと,コントローラとキーボード&マウスといったデバイスの差も出やすくなります。
本作はFPS,TPS初心者の人にも遊んでほしいという思いがあるので,ゲームスピードをゆったりめにして,慎重にフィールドを歩き回る緊張感を味わってもらう作りにしています。
4Gamer:
なるほど。
二見氏:
もうひとつ大きな理由として挙げられるのは,ほかのロボットタイトルと差別化したかったという点です。「SYNDUALITY」のメカは,ロボットというより,戦車に近いイメージなので,どっしりした動きを入れることで,重厚感をプラスしたかったんです。
ただバックブーストに関しては今後も絶対に入れないというスタンスではありません。もっと多くの人からのフィードバックを受けたあとに,リリースしてから調整していく部分になると思います。
4Gamer:
本作はPvPvEのオンラインレイドということで,ほかのプレイヤーと協力するのか,それとも敵対するか,自分の立ち位置を自由に選べます。CBTではどういったスタンスでプレイをする人が多かったですか。
二見氏:
協力する人が多かったですね。アンケートでは,7割ぐらいは協力プレイのみを楽しんだという回答がありました。
ただ「あなたはCBT中,PKをしましたか?」という質問に対しては,4〜5割の人が「はい」と回答しているんですよね。なので,「あれ,みなさんちょっと嘘ついてない?」と思ってしまいます(笑)。
4Gamer:
(笑)。確かにCBTでは,こちらから勝負をしかけるとだいたい2対1で戦うことが多く,協力プレイをしていた人が多かったという印象がありました。CNTでは協力プレイが拡張されるということなので,PvPがかなりやりづらくなりそうな予感がします。
二見氏:
本作ではほかのプレイヤーにバトルをしかける側というのは,「賞金首」という設定なので,基本的に賞金首側が不利で,狙われやすいのは世界設定ともマッチしていて問題ないと思っています。
ただ,CNTでは賞金首同士での共闘もできるようになっていたり,バウンターハンターランキングという要素も足していたりするので,PvPでも遊びの幅を広げています。おそらく今回は賞金首を狩るためにPKを行うプレイヤーも出てくるのではないかと思っています。
一方で賞金首じゃないプレイヤー,つまり協会員側の時に,同じ立場の人(仲間)を攻撃する,いわゆる裏切り行為に対してのリスクはかなり厳しくしています。
4Gamer:
共闘を要請したあとに裏切れるんですか。
二見氏:
裏切れますが,共闘中に後ろから撃つみたいな,不意打ちはできないようになっています。共闘をキャンセルすると相手に通知がいくので,いきなり裏切るということは,できなくしました。
やはり裏切りで不意打ちを食らうのは,アンケートでも相当ストレスが溜まると不評でしたので。
4Gamer:
ほかのプレイヤーに背中を見せるなという点は,今回追加されたアドバイスムービーでも強調されていた部分ですね。
二見氏:
共闘を受けるのかキャンセルするのか,エレベーターで帰ろうとしている時にほかのプレイヤーが現れたがどうするのか,というシチュエーションで疑心暗鬼になりつつ,いろいろ考えてドキドキするのは,このゲームならではの体験だと思うので,ぜひ楽しんでもらいたいポイントです。ただ,そのうえでストレスを感じるような部分は減らそうと。
4Gamer:
確かに本作独自の部分ですから,体験しないと損ですよね。
二見氏:
協会員と賞金首というロールプレイを存分に楽しんでもらえればと思います。どちらにもその立場でしか味わえない面白さがあります。
他人のメイガスの外見もリザルト画面で見られるようになっているので,悪そうな見た目のメイガスだけど親切,清楚系な見た目で優しそうな称号をつけてるけど,実際は賞金首で暴れまわってるといったプレイも面白いかもしれませんね(笑)。
ほかのプレイヤーの目を意識したロールプレイや,ほかの人がこのゲームをどう楽しんでいるのかを観察するのも,楽しい要素だと思います。
4Gamer:
ということは,機体のパーツや武器だけでなく,メイガスの衣装の種類もけっこうな数が用意されているのでしょうか。
二見氏:
はい。製品版を買っていただければ,かなりいろいろなバリエーションの衣装が手に入るようになっています。Tシャツみたいなカジュアルな服もありますし,脱がせることもできます。
4Gamer:
メイガスは現状4タイプが存在しますが,こちらのバリエーションが増えることはあるのでしょうか。
二見氏:
現状だとそこは申し上げられません。
メイガスはゲーム内の依頼をこなしていけば,複数体手に入るようになっているんですが,それぞれ別の性格にするか,それとも同じタイプにして外見だけを変えることもできます。メイガスが変わるだけでプレイ体験がものすごく変わるので,そこにも注目してもらいたいですね。
みなさんなかなか女性のメイガスしか使ってくれないんですが,おじさんのメイガスもとても心強いですし,若い男の子のメイガスは,すごくできる後輩キャラなんですよ。メイガスもいろいろ試しながら楽しんでもらえたらと思います。
4Gamer:
最後にCNTを期待して待っている読者にメッセージをお願いします。
二見氏:
今回はルールが分かりやすいよう,かなりサポートに力を入れたバージョンになっていますので,メカが好き,美少女が好き,荒廃した世界が好きっていう感じでこのゲームに興味を持った人でも楽しんでいただけると思います。
かなり稀有な体験ができるゲームになっているので,興味はあったけど触ったことがないという人は,ぜひ今回のCNTを機に遊んでみてほしいです。前回のCBTを遊んでくださった方は,変更によりCBTから気持ちよくなった点を体験してもらえればと思います。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「SYNDUALITY Echo of Ada」公式サイト
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