プレイレポート
[プレイレポ]「ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜」は,立体的なフィールド探索やテンポの良い戦闘を,新要素の“鍵”が彩る
今回,発売を前に開発バージョンをプレイする機会を得たので,インプレッションをお届けしよう。立体的フィールドの探索,派手になったバトル,謎めいた「鍵」にまつわる新要素など,前作から大きく進化している。
ライザと仲間たちの夏がまた始まる
前作「ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜」(PS5/PS4/Switch/PC)で不思議な生き物・フィーとの冒険を経て少し大人になった主人公ライザリン・シュタウト(ライザ)。本作の物語は,その1年後が舞台となる。ライザの故郷であるクーケン島の近くに,突如謎の群島「カーク群島」が出現。クーケン島に悪影響を及ぼすようになってしまう。そこでライザと仲間たちは再び集まり,カーク群島の調査を進めていくのだ。
これまでのシリーズをプレイしている人なら,集まった皆の成長ぶりが感慨深く思えるだろう。かつて村の悪ガキだったライザも,今や島の皆からも頼りにされる錬金術士に。タオは王都で貴族の家庭教師をしつつ遺跡研究に情熱を燃やし,レントは旅を経ていっぱしの戦士に成長した。クラウディアも家業の一部を継いで商人として働きつつ,クーケン島の危機にはライザのもとへと駆けつける行動力を見せる。
以前は村の古老に叱られるばかりだったライザだが,今は対等な立場で議論できるようになった |
レントも旅を経ていっぱしの戦士に成長 |
タオは家庭教師と遺跡研究を両立させる充実した日々を送る |
ライザの頼みとあれば,クラウディアも遠方から駆けつける |
個人的に印象的なのがボオスだ。第1作では,ささいな行き違いや名家の跡取りとしての気負いからライザたちに辛く当たっていて,最初はイヤなやつといった雰囲気だった。そんな彼も,物語が進んで人となりが分かっていくと,イイキャラだなと思えるようになり,さらに前作では王都留学をスタートさせ,人間的にも成長した。そして,本作では待望のプレイアブルキャラクターとなって,ライザたちを助けてくれるのだ。前作の後,いつか皆と冒険するべく剣術や遺跡探索の修行をしていたそうだが,本作冒頭で皆が揃った時には「せっかく揃った“四人の冒険”を邪魔しちゃ悪い」と,自ら身を引く気配りまで見せてくれる。かつて彼が虐めていたタオとともに戦う様も,グッとくるところだ。
フィールドの探索は,よりダイナミックなものへと進化した。今回のフィールドは,前作と比べて広大かつ高低差の激しいものになり,大きくパワーアップしている。ジャンプで段差を越えたり,泳ぎで水面を移動したりといったアクションや,天候変化の要素は前作から引き継ぎつつ,さまざまな新要素も登場している。
広いフィールドでの移動を助けてくれるのが「ジップライン」だ。あちこちにプラットフォーム(駅のようなもの)があり,開放することでつながる2点間を行き来できるようになる。美しいマップを見下ろしながらジップラインで滑走するのはなかなかに爽快だ。
また,カーク群島付近の湖にはイルカがいて,近づくと背中に乗せてくれる。ロマンチックであると同時に,普通に泳ぐよりも速く周囲を探索できるという実用性もあり,移動がより楽しくなっている。
また,フィールド上には「ランドマーク」と呼ばれる場所がいくつかあり,これを見つけるとファストトラベルのポイントとして活用できる。また,ランドマークの開放に合わせて,全体マップで表示される情報量も増えていくので,ランドマークを目指して探索を進めていくのが,本作の基本的な流れだ。
「アトリエ」シリーズで欠かせないのが,錬金術で使う素材を集めるための採取だ。本作ではもちろん,広いフィールドを駆け回って素材を集めることになるが,採取道具を使わない採取は走りながら行えるようになった。また,金色に輝く採取ポイントが見つかることもあり,視覚的に何か珍しい素材を入手できそうなことが分かるなど,広さに合わせて快適に集められるような調整が加えられている。
また,フィールド上ではしばしば「ランダムクエスト」が発生する。魔物の討伐やアイテムの納品などさまざまな課題が発生し,これを達成すると報酬が獲得できるので,探索中のいいアクセントになってくれる。
グラフィックス面での表現力も上がっており,フィールドの景色はより美しくなった。もちろん,キャラクターの表現もさらに向上し,ライザの表情が豊かになっているのも見逃せないところ。喜怒哀楽といったハッキリしたものだけでなく,呆れたりドヤ顔したりわずかに微笑んだりといったさまざまなニュアンスを含んだ表情もあり,まるでイラストがそのまま動いているかのようだ。本作にもフォトモードが用意されているので,ロケーション探しと合わせて,これまで以上に楽しく撮影用のシチュエーションにこだわれるだろう。
新要素「鍵」で冒険がより楽しく
本作では,フィールド上にいる魔物に触れると,シームレスでバトルに移行する。バトルはリアルタイムで進行し,敵味方のそれぞれが持つ「WT(Wait Time)ゲージ」が時間経過とともに溜まると行動可能となるため,お互いが入り乱れて戦うことになる。前列のキャラクターとして同時に戦闘に参加するのは3名で,自分が操作するキャラクターは,自由に切り替えが可能だ。後列は前列との入れ替え用メンバーになり,こちらには2名設定しておけるので,最大5名での戦闘が行える。
基本的な流れは前作を踏襲していて,まず通常攻撃で「AP(アクションポイント)」を溜め,APを消費してスキルを使う。スキルを使えばアイテムを使うための「CC(コアチャージ)」が溜まっていき,CCを使えばアイテムで強力な攻撃や回復が行える……という具合だ。スキルを使うなどすると「タクティクスレベル」が上昇し,通常攻撃の連撃数やスキルが強化される。スキルから別のスキルへつないでいく「スキルチェーン」,仲間が出すお題を達成すると特殊技で援護してくれる「アクションオーダー」といったシステムも健在だ。リアルタイムで展開するバトルの中,ライザや仲間たちがさまざまな技を出して活躍する。演出はさらに派手になっており,まるでアクションゲームをプレイしているかのような気分を味わえるだろう。
フィールド探索でもバトルでも重要になる新要素が「鍵」だ。本作においてライザたちは,ランドマークや魔物からさまざまな鍵を生成でき,これがいろいろな場面で役立つ。
ランドマークの場合は時間経過で回復する「ランドマークパワー」を消費,魔物の場合はタクティクスレベル2以上で,一定値以下にHPを減らした状態から確率で鍵を作れる。鍵の効果はさまざまで,バトルや探索,調合に役立つ効果がランダムで付与されるので,鍵ごとに使いどころが変わってくる。鍵は一定回数使うとなくなる消耗品なので,どんどん作って,どんどん使うことで有用な効果を活用していくのがいいだろう。
バトル中に鍵を使用する「キーチェンジ」を行うと,タクティクスレベルが1下がるのと引き換えに,キャラクターが一定時間パワーアップする。通常攻撃による連撃が何回でも繰り出せるようになり,APもガンガン増えてスキルを連発できる。派手なバトルがより派手になるので,操作していて楽しい。
調合は,レシピに配置された「マテリアル環」に素材を投入していくといった,前作のシステムが継承されている。素材の投入で「属性値」を高めると特殊な効果が発動したり,新たなマテリアル環がアンロックされたりして,さらによい性能のアイテムを作れる。
鍵の中には調合に役立つ効果を持つものもあり,品質がアップするなどの恩恵を得られるので,ここでも鍵を積極的に使っていきたい。
同じ主人公が3作続投するのは,「アトリエ」シリーズでも初めての試みだ。だからこそ,キャラクター達の成長が感じられ,ライザの物語がどのような結末を迎えるのかも大いに気になる。
さらに,第1作から比べると,グラフィックス面で進化しているのはもちろん,広大になったフィールドや,テンポよく爽快なバトルなど,システム面も大きくパワーアップしているのが伝わってくる。ランドマークをめぐる探索や,さまざまな場面で役立つ鍵の収集など,やりがいのありそうな要素も盛りだくさんで,最終章にふさわしいボリュームになっている印象だ。3月23日(PC版は3月24日)の発売を楽しみに待ちたい。
「ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜」公式サイト
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