［GDC 2024］発売迫るトーマス・サラ氏の新作「Bulwark: Falconeer Chronicles」は，殺伐とした世界でゆったりと都市建設する不思議なゲーム

　GDC 2024会場のUnityブースに，オランダで活動する個人ゲーム開発者トーマス・サラ（Thomas Sala）氏の新作「Bulwark: Falconeer Chronicles」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One）が展示されていた。発売の迫る本作をサラ氏本人に紹介してもらったので，お伝えしよう。

「Bulwark: Falconeer Chronicles」公式サイト

トーマス・サラ氏

　2020年にリリースされた前作「The Falconeer」は，島々が点在する広大な海洋世界を舞台に，巨大なウォーバードの背に乗り，さまざまな危険を乗り越えて旅を続けていくというアクションゲームだった。今回の「Bulwark: Falconeer Chronicles」は，ストラテジー要素の高い要塞建設シムという，続編よりもスピンオフと呼ぶのがふさわしい作品になっている。
　プレイヤーは，戦乱で荒廃したアーシー王国の栄華を取り戻すべく，島々に構造物を配置したり，それらをアップグレードしたりしながらゲームを進めていくのだ。

　「Bulwark: Falconeer Chronicles」の最も特徴的な点は，一見すると非常に複雑な要塞都市が，実は非常にシンプルな操作で作り出せるところだ。画面上に数字やアイコンの表記はほとんどなく，岩肌に沿って線をのばしていくだけで，塔や木工所を建てたり，石造りの橋で島同士を結んだりできる。どこにどんな建物を建設できるのかは，ラインに表示されるアイコンで判断できるようだ。


　資源は木材と石材，鉄鉱の3種類だけで，不足した場合は，近くの岩礁に足を伸ばして採取したり，周辺の勢力と交易したり，敵対勢力と戦って征服したりしていくことになる。
　勢力が大きくなってきた場合は，それぞれの島の塔にいる司令官に地域の運営を託すことで，プレイヤーは好きな場所で開拓に専念できるようになる。レベルの高い司令官ほど優れた能力を持ち，開発や交易，防衛などのアクションを命じることができる。彼らの戦いに加わるかどうかもプレイヤーの自由だ。

　敵対勢力や海賊団などとの戦闘で面白いのは，たとえプレイヤーが負けても，ウォーバードなどの軍団が全滅したり，空中戦艦である飛行船が消えてしまったりということはなく，すぐに復活するところだろう。ペナルティは大きくないので，戦いに持ち込みやすいデザインになっている。
　戦闘に勝って敵の司令官を屈服させれば，そこにある資源を利用できるようになるだけでなく，その司令官も自分の味方として活動してくれるので，このようにして仲間を増やしていけるわけだ。自分のペースでゆったり要塞や勢力の拡大を行う，リラックスできるゲームだとサラ氏は言う。


　「Bulwark: Falconeer Chronicles」はWired Productionsをパブリッシャとして2024年3月26日（日本では3月27日）にリリースされる予定で，インタフェースとテキストが日本語に対応している。通常モードのほか，戦闘や危機，資源の使用などが不要な「フリービルドモード」も用意されており，壮大な要塞都市の構築をコツコツ行うだけでも楽しそう。気になる人は，Steamのストアページでウィッシュリストに登録したり，現在も公開中のデモ版をチェックしてほしい。

「GDC 2024」公式サイト

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