プレイレポート
「いっき団結」“クローズドβテスト 秋の陣!”プレイレポート。伝説のゲームがローグライクになって帰ってきた!
そんな「いっき団結」のクローズドβテストが10月7日〜9日に行われたので,プレイレポートをお届けしたい。なお,本作では最大16人の同時プレイが可能とのことだが,今回のクローズドβテストでは最大8人の対応となっていた。
「いっき団結」公式サイト
〜クローズドβテスト1日目〜
既視感! これは……アレだ!
本作のマッチを開始すると,まずはプレイヤーキャラクターがランダムで決定される。
筆者が最初に使うことになったのは「坊主」。近くの味方を回復する能力を持っているため,攻撃するよりも回復役として動いたほうが良さそうだ。
その後,オープニングイベントを挟み,いよいよ“いっき”に突入する。
本作のジャンルは「団結ローグライクアクション」である。筆者はファミコンの「いっき」をプレイしたことはあるが,“あれ”がローグライクとはどういうことなのか……?
ふむ,攻撃は一定間隔でオート。プレイヤーができることは移動だけ。敵はプレイヤーに向かって,ゆっくりと近づいてくる……。
こっ,これは……「Vampire Survivors」だ!
「Vampire Survivors」とは,2021年末にSteamで早期アクセスがスタートされるや否や爆発的な人気を博し,時間泥棒として名を馳せたタイトルだ。操作は「プレイヤーキャラの移動のみ」というシンプルさにもかかわらず,高い戦略性と中毒性を誇る。当初は税込300円という低価格(現在は税込499円に改定)だったこともあり,ゲーマーの話題をかっさらった。
「プレイヤーができることは移動のみ」という点,プレイヤーに向かって全方位から徐々に敵が近付いてくる点,敵を倒したり避けたりしながらアイテムを取得すると攻撃手段が増え,敵を一気に蹴散らす爽快感がゆっくりと加速していく点など,「Vampire Survivors」と「いっき団結」は共通点が多い。
ちなみに,「Vampire Survivors」を意識して開発されていることは,先日掲載したインタビューでも語られているので,こちらもぜひ読んでみてほしい。
16人同時プレイも可能な「いっき団結」を皮切りに,SUNSOFTのレトロゲームIPが続々と復活。その経緯や勝算について詳しく聞いてみた
レトロゲームに思い入れのある人にとっては言わずと知れたSUNSOFTが,2022年に“復活”を果たした。16人による同時プレイも可能な「いっき団結」を皮切りに,新展開を続々と実施する予定である。今回は仕掛人であるSUNSOFTの越知雄一氏に,その経緯や勝算について詳しく聞いてみた。
だが,「いっき団結」は単なるコピー作品というわけではない。「Vampire Survivors」は1人で黙々と耐え続けるゲームだったが,それを多人数協力型のゲームにするとどうなるのか。さらに,「いっき」の世界に落とし込むとどうなるのか。ちょっと考えただけでも,面白くなる予感しかない。
マッチが始まると,プレイヤーはマップに配置されているつづら(箱)からアイテムを手に入れながら,寄ってくるイナゴを倒していく。キャラクターは一定間隔でオートアタックをするので,敵に攻撃が当たるように調整しながら移動する。この攻撃手段はキャラによってまったく異なるため,まずは自分のキャラがどんな攻撃をするのか,観察することから始めることになるだろう。
しばらくイナゴと戦っていると,画面に「ショップを開きます」と表示された。マップに商人風のキャラを確認していたので,プレイヤーの誰かがこれに接触することが発生条件になっているようだ。
ショップの画面に移ると,3つのアイテムの中から欲しい物を選べる。なお,敵を倒すと小判を拾えるのだが,サンソフトに確認したところ,これはショップには無関係。小判はキャラクターの経験値に相当するとのことだ(画面上部のタイマーの青い部分が経験値)。
「武器屋」では最初から持っているメイン武器のほか,サブ武器が手に入る。メインより使い勝手のいいものもあり,さらに複数の種類を所持できる。攻撃手段が揃ってきてからが本番だ。
そうこうしていると,画面下部に「イナゴのボス」というメッセージと体力ゲージが表示された。どうやらボス戦のようだ。
ボス戦は多数の通常敵と同時に戦うことになるため,いかに安全な場所を作れるかが重要だ。とはいえ,周囲に味方がいなくなってしまうと,回復役である坊主1人でどうにかできるはずもなく……。
ゲーム開始から約2分半でやられてしまった。参加者全員が力尽きるまでは継続されるのだが,このときのリザルト画面によると全滅まで3分半。皆,混乱と戸惑いの中で倒れていったのだろう……。
基本ルールが分かったところで2戦目に挑むも,どうしても散り散りになってしまう。そうこうしているうちにイナゴの大群が発生して,またもゲームオーバーに。
1戦目とは違い,今度はリザルト画面の後に「受け継ぐアイテムを選択してください」と表示された。次戦以降にアイテムを持ち越せる要素らしいが,これは「キャラクターごと」になっているらしい。
そして挑んだ3戦目。今回は味方が集団行動を意識していたようで,いい感じで敵を蹴散らしていく。先ほどボコボコにされたイナゴの大群がまたしても発生したが,これも難なく突破できた。
そのまま突き進んでいくと,今度は「イノシシ」が現れた。初めて見るボスにテンションが上がったが,かなりの耐久力があるようで,味方がジワジワとやられていく。しかも,最初は気が付かなかったがイノシシは3体だった。これはキツい……。
1日目はまだ,参加者がゲームの基本ルールを把握できていないためか,「団結」とはほど遠い展開になってしまった。「Vampire Survivors」を知っているかどうかでも,ゲームの理解度に差が生まれるだろう。また,ゲーム内にはプレイヤー同士で意思を伝える手段が皆無なので,何かを促したり教えたりすることができない。
CBTだからだろうが,本作には基本システムや各アイテムの説明がなく,いきなりマッチが始まる。正確には,ロード時間中にTIPSが表示されるのだが,説明らしいものはそれだけだ。
プレイヤー同士で固まり,その集団を崩さないまま戦えば,そこそこ粘れるはずなのだが,集団が少しずつ崩れて壊滅していくパターンが多かった。
テスト1日目の終了後,公式ツイッターをチェックしてみたところ,マップのヒント画像が提示されていた。
【マップヒント】
— SUNSOFT (@sunsoftgames) October 7, 2022
明日はこのマップで8人合流するぴょー?
「さんそふとβ」で待ち合わせ!#SUNSOFT #サンソフト #いっき団結 #ikkiunite https://t.co/upjkK9XJSt pic.twitter.com/PGYDi8S2Wj
「これ,マップの北端と南端に4人ずつ配置されて,中央を目指すゲームだったのか……?」と,ここで筆者は初めて全容を知った。これはゲーム内でも説明したほしかった……。
また,キャラがやられたときにヤグラのような物が出現するのだが,この上に一定時間いることで蘇生させられるようだ。これも公式ツイッターを見るまで分からなかった。
【復習用】 https://t.co/O8NNghEjrM
— SUNSOFT (@sunsoftgames) October 8, 2022
〜クローズドβテスト2日目〜
団結……しかかっている!
テスト2日目も参加したのだが,1日目とあまり変わらない展開が多かった。そんななかでも目を引いたのは,「合流目指します」というネームのキャラクターだ。キャラクター名を変更してまで,クローズドβテストに乗り込んできたのか……! 確かに本作では,こうでもしないと仲間にメッセージを伝えられない。
イノシシを倒せたマッチもあったのだが,そこから先がどうしても行き詰まる。結局,ジワジワと押されてしまいがちだ。
ただ,なす術もなく次々と倒れていくことは少し減った印象だ。ゲームオーバーまでの時間は確実に長くなっている。ある程度だが,参加者に「団結」が生まれているのかもしれない。
2日目終了後,公式ツイッターでは「鎧武者」なるボスの存在が明らかにされた。これがCBTのラスボス……? イノシシを倒して喜んでいたが,まだまだ先は長そうだ。
【いっき団結 CBT 秋の陣?開幕】
— SUNSOFT (@sunsoftgames) October 8, 2022
少し遅れたけど始まったにょー!
みんなで団結?8人でボスをたおすぴょ?
・攻略マップ「さんでんしβ」で待ち合わせ
・今回のラスボスは「鎧武者」
Unite ?8 players to defeat the boss!
Look at the map hints!#SUNSOFT #サンソフト #いっき団結 #ikkiunite https://t.co/pc8ePGR0Bu
〜クローズドβテスト3日目〜
これが……これが団結だ!
3日目も何度となくゲームオーバーにはなったが,それでも挑戦し続けた結果,ついにマップ中央と思しき「さんでんし玄関」に到達した。これまで一度も到達できなかった場所だ。しかも,8人全員が健在。これはチャンス到来では……?
マッチの開始から行動を共にしてきた4人は,当然「団結」の重要性を理解している。そうでなければ,ここまで辿り着けないだろう。
さらに各キャラの役割を把握することも欠かせない。原作「いっき」の主人公である「権べ」や「田吾」は能力的にアタッカーなので,とにかく敵に攻撃を当てて周囲の安全を確保する。「坊主」は周囲を回復させる能力を持っているので,常に効果範囲内にいることが大事だ。自分が坊主の場合,敵への攻撃は二の次。体力が減っている仲間に近付いて,回復させることを優先したい。
しばらくすると,ついに鎧武者が姿を見せた。猛烈に強いというほどでもないようだが,2体いるため,緊張感が走る。また,周囲には山賊のような敵がゾロゾロしていて,これがなかなか蹴散らせない。。
しかし,皆が「この4人なら,いける……!」と考えていたのだろう。鎧武者への攻撃は「いけたらいく」の精神でチビチビと行い,周囲の敵からダメージをもらわないように慎重に戦っていく。鎧武者の体力も少しずつではあるが削られている。
「残りの4人が合流できれば,8人全員がこの場に集結できれば勝機はある!」と思っていたのだが……。
筆者たちとは別の場所から中央に向かっていたのであろう4人が,1人ずつ戦闘不能になっていく。どうやら目的地にたどり着く前に壊滅してしまったようだ。
筆者たちはまだ持ちこたえてはいたが,鎧武者2体に加え,周囲の山賊の壁が厚い。徐々に押され始めたところで,突然ゲームオーバーになってしまった。なんとマッチタイムが16分に達すると,ゲームオーバーになるようだ。それも初耳……。
最後は惜しかったが,テスターたちは確実に「団結」を意識していた。8人全員がゲームシステムと「マップ中央へ向かう」という目的を理解していれば,鎧武者だってきっと倒せる! 筆者は早くも,次回のテスト開催が待ち遠しい。
数の暴力には数の暴力! まだ調整が必要だが,期待は高い
「Vampire Survivors」がベースにあることから,「いっき団結」の面白さや中毒性は言うまでもない。中盤以降,攻撃手段が揃ってきてからの展開は,まさに「数の暴力 vs. 数の暴力」。懐かしい「いっき」のBGMが戦いを盛り上げ,現代でも通用する名曲であることを実感する。
原作は「たった2人なのに一揆って……」と散々言われていたものだが,現代の技術により多人数協力型アクションゲームとして帰ってきた。この事実こそ,まさに一揆のような逆転劇に見える。
ただ,ゲーム内ではシステムの説明がないため,この3日間,多くの参加者が戸惑っていたようだ。特定のウェポンの発動には特定のアイテムが必要であることや,各アイテムの効果などを把握していれば,プレイヤーの動きもまったく違うものになるだろう。
「敵を倒して,キャラクターを強化しながら進む」ということは徐々に理解できるとしても,「マップの中央に向かう」という目的を仲間に伝えることは難しかった。せめて「こっちだ!」といったセリフやジェスチャーがあれば誘導できそうだが,このあたりは今後のアップデートに期待したい(公式Twitterによるとコミュニケーションの実装予定はあるとのこと)。
総合的に見れば,クローズドβテストらしいカオスな体験だった。1回のマッチが最長でも16分,ほとんどの場合は5〜10分でゲームオーバーになるので,「ええい,もう1回だ!」と言いたくなる中毒性は高い。おそらくリリースまでには,まだテストが行われることだろう。「いっき団結」に興味が出てきた人は,ぜひ続報に目を光らせておいてほしい。
「いっき団結」公式サイト
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