プレイレポート
仕事を辞めてメイドカフェの店長になろう。TGS 2022で北京の音響スタジオに出展されていた上海製の「電気街の喫茶店」を紹介
本作は,ブラック企業での過酷な労働に耐えかねて辞職するも,社宅住まいだったので仕事も家も一度に失ってしまった青年を主人公とする,大阪・日本橋が舞台のメイドカフェ経営&恋愛アドベンチャーゲームだ。ゲーム自体の概要は8月に掲載したBitSummit X-Roadsでのレポート記事でも紹介しているので,今回はゲームの沿革的な部分や構成要素などについて解説したい。
カフェ経営&恋愛ADV「電気街の喫茶店」プレイレポート。大阪・日本橋の電気街でメイド喫茶を経営しよう
BitSummit X-Roadsの会場を物色中に,可愛らしいドット絵が目に飛び込んできた。それが,上海に拠点を置く冒険者酒館がPC向けに開発中の「電気街の喫茶店」。本作は,大阪・日本橋の電気街とメイド喫茶をテーマにした,カフェ経営&恋愛アドベンチャーゲームだ。
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本作を開発しているのは,上海に拠点を置くAdventurer's Tavern(冒険者酒場)。同スタジオは,Gamera Gamesからリリースした上海の芸能界を舞台にした短編ビジュアルノベル「Change」(リンク)や,武侠をテーマとしたパズルアドベンチャー「侠隐行录:困境疑云」(リンク)などで堅調に実績を重ねている。ゲームバーを経営して売上を開発資金に充てるなど,ユニークな経営体制が特徴的だ。
ちなみに同社の代表は幼少期を日本で過ごしていたこともあって,メイド喫茶などの日本文化に通じているという。また,「電気街の喫茶店」は同社初の自社パブリッシングで,かつ初の日本語対応タイトルとなる。
出展ブースのSalt Sound Studio(一罐盐·声音工作室)は2015年に設立された北京のスタジオで,新興のため知名度は低いが,各種コンテンツへの楽曲提供を活発に行っている。TGS 2022に出展していたことからも感じられるように,事業展開は積極的な様子だ。本作に提供している楽曲は,ドット絵にマッチしつつ,往年のギャルゲーも彷彿とさせるエレクトロファンクをフィーチャーしている。
本作を特徴づけている,いかにも“ありそう”な雰囲気で描かれた街並みは,多くの建物が単なる背景でなくイベント発生やアイテム購入などの施設となっている。また,公園では「女の子を最初からブランコに誘っても乗ってくれないが,先にシーソーに誘っているとテンションが上がってブランコにも乗ってくれる」など,細かいイベント分岐があったりもするので,いろいろと探索することで面白さが湧き出してくるようだ。
本作のヒロインは,妹萌え属性を持つドジっ娘のシロ,シロとはオンラインゲーム仲間だがゲーム開始時点ではリアルで会ったことがないミユ,神秘的なのか中二病なのかよく分からないファフナ,試遊版には登場しなかった巫女のホノカという4人だ。女の子達にはそれぞれ主人公への好感度が設定されていて,その最終的な値によって物語の結末も変化する。
細かい作り込みに関しては相当こだわっているらしく,たとえば主人公の自室は,先述の“旧作をオマージュしたアイテム”を購入するなどしてカスタマイズすることが可能だ。しかもTVやPCなど,さまざまなオブジェクトにインタラクトできる。ちょっとした盆栽感覚で楽しめそうなポイントだ。
BitSummit X-Roadsの記事で紹介しきれていなかった経営パートは,ゲームとして大きなウェイトが置かれているわけではなく半自動で進行するため,主人公は途中で街の散策に出かけることも可能であるという。ただし“特別な客”が訪れると緊急ミッションが発生するので,主人公が直接接客する必要がある。そこで発生するミニゲームに成功すると,サブストーリーを見られるという。
恋愛アドベンチャーゲームらしくCGの収集要素もあり,それはメイド喫茶らしく富士フィルムのインスタントカメラ「チェキ」をオマージュした演出となっている。こういった雰囲気作り的な要素には大いに期待できそうだ。
ゲーム内システムの選択画面はスマートフォン状になっている。それ自体は他のゲームにもあったりするが,本作では女の子とデートの約束を取り付けるのに使ったりする。
本作は一見するとライトな雰囲気だが,旧作のレビューを見るとシリアスなストーリーテリングが評価されているデベロッパなので,本作のストーリーがどのようなものになるのかも気になるところ。“上海で作られた日本橋”がどのようなものになるのか,製品版に期待したい。
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