プレイレポート
[プレイレポ]「Meet Your Maker」はFPSが苦手でも楽しめる! 捨て身の取材活動(攻略)をしてデスゲームを改善しよう
本作は,人類が疫病で滅んだ世界を舞台に,トラップ満載の基地を作り上げる“ビルド”と,他人が作った基地を攻略する“レイド”が特徴的なFPS作品だ。本稿では,FPSが苦手だけど建築ゲーが好きな筆者が,本作のプレイレポートをお届けする。
「Meet Your Maker」公式サイト
まずは基本的なシステムを軽く紹介しよう。プレイヤーの目的は「ジェンマット(純遺伝物質)」と呼ばれる資源を収集することだ。そこでジェンマットを守るための要塞として「アウトポスト(基地)」を建設しつつ,他人のジェンマットを強奪するため,アウトポストの攻略に挑むことになる。
プレイヤー同士が直接戦うわけではなく,あくまで互いに作ったアウトポストを攻略し合うだけで,直接的なリソースの奪い合いは起こらない。アウトポストの攻略に成功したり,自分のアウトポストがプレイヤーを撃退したりすることで,ジェンマットをはじめとした資源を獲得できる。
収集したジェンマットや各種資源は,攻略に役立つ武器やアーマー,建築に使える資材として活用できる。通常の設定であれば建築・攻略ともにほぼリスクがないので,挑めば挑むほど戦いやすくなっていく仕組みになっている。
世界観やシステムから殺伐とした印象を受けた人もいると思うが,遊んでみると“FPSになって成長要素がついたマリオメーカー”というような,比較的ゆるい印象だ。もちろんトラップで殺し合うゲームではあるのだが,意外にゆったりと自分のペースで遊ぶことができる。
なお,4Gamerでは2月頃に開催されたオープンβテスト版のプレイレポートやインタビューを掲載している。ゲームの基本的な部分は変化していないので,詳細を知りたい人はそちらも参考にしてほしい。
[プレイレポ]「Meet Your Maker」は,基地建築と襲撃を同時に楽しめるビルド&レイドゲーム。襲撃者を罠で”おもてなし”しよう
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[インタビュー]基地ビルドと基地襲撃を組み合わせた新作「Meet Your Maker」は,皆がポジティブな気持ちで楽しめる対戦ゲームを目指す
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ノーコンエイムでも攻略できる! 自分のペースでゆっくり進めるありがたさ
ここからは,前回の記事の中で触れられなかった部分と,じっくり遊んだうえでのプレイフィールを中心にお伝えしていこう。まずは,ほかのプレイヤーが作り上げたアウトポストのレイド(攻略)からだ。
レイドの目的は,ほかのプレイヤーが建設したアウトポストからジェンマットを盗み出すこと。入り口からジェンマットまでの経路は「ハーベスタ」と呼ばれる運搬用の中立キャラクターが歩いているので,とりあえずハーベスタの後を追っていけばジェンマットに到達可能だ。
プレイヤーの体力はかなり低く,ほとんどの攻撃で一撃でやられてしまう。さらに,武器の弾数制限がかなり厳しく,発射した弾薬を拾って再利用しなければならない。そのため,アウトポストを進む際にはじっくりと警戒しながら動く必要がある。
正直なところ筆者はFPSがあまり得意ではなく,大抵のマルチプレイFPSではウロウロと歩き回っている間にやられてしまう。そんな実力で大丈夫なのか,やや不安だったのだが……実際に遊んでみると「意外とやれる」ことが分かった。
なんといっても嬉しいのは,制限時間が存在しない点と,罠の総数がある程度想像できる点だ。おっかなびっくり罠を起動させながら進んでも,ワイヤーフックでスピーディに攻略しても結果は同じなので,自分のペースでゆったりと攻略できるのは非常にありがたい。
また,アウトポストは難度ごとに「ノーマル」「デンジャラス」「ブルータル」の3段階に分けられており,使用されているオブジェクト(罠や番兵,ブロックなど)の総コストによって決定される。ノーマルなら設置できる罠の数はさほど多くないので,丁寧に対処していけば,たとえアクションが苦手でもクリアまでこぎつけられるだろう。
何度も挑戦を重ねていくと,獲得した資源を使って新たな武器や装備をアンロックできる。どの装備も「めっちゃ強い!」と喜べるほどのものはないが,装備を変えることでプレイスタイルを大きく変化させられる。
たとえば,初期装備のブレードは,投射物を弾いて防御できるうえに,罠にも番兵にも対処できる万能型の武器なのだが,筆者は攻撃に合わせて武器を振るのも,接近して戦うのも苦手で,あまり上手に使えなかった。
そこで,番兵にしか効果がないかわりに最大6発まで発射できる射撃武器と,罠も攻撃できる弾数の少ない射撃武器を持ち,大抵の障害を遠距離で処理できる構成を組んでみた。
敵に接近されると困るので,機動力は投げ捨ててじりじりと進む形となったが,こんなのでも時間をかければデンジャラス以上のアウトポストを攻略できるあたりに,本作の遊び方の自由さを感じられた。
密かに口角が上がるアウトポスト建設。取材(攻略)で得た知見を全力で投入しよう
ほかのプレイヤーが作ったアウトポストの攻略に成功したら,今度は自分でアウトポストを作る番だ。というわけで,今回は実際にビルド(建築)してみてわかったことを紹介していく。
建設したアウトポストからはジェンマットが時間経過で抽出されるほか,撃退した侵入者からも資源や経験値を獲得できる。強固なアウトポストを組み上げれば,攻略で危険を冒さなくともゲームを進められるというのは,ビビりな筆者にはありがたい話だ。
さて,新たなアウトポストを作る際には,まず墓地遺跡(土地)を購入する必要がある。遺跡ごとにオブジェクトを配置できるキャパ(上限コスト)が決まっているので,作りたいアウトポストのサイズに合わせたものを購入するのが良いだろう。
ここで驚いたのは,購入時点で侵入者が目標とするジェンマットの位置が最初から決まっているということ。それに加えて,撤去も移動もできないブロックが最初からけっこうな数置かれているので,それらを前提に建築しなければならない。
初期設置のブロックには微妙に突起があって別のブロックを隣接させられないものや,ナナメに切り抜かれて角度によっては壁として機能しないものなどがあるので,うまく利用して建設を進めよう。
ゼロから自由に建築できるわけではないのでやや不便だが,建築の指標になる場合もあり,賛否が分かれる要素に感じた。
というわけで,最初はちょっとキャパ多めの墓地遺跡を購入。大きめの部屋2つを細い通路が繋ぐ形状をひな形として,いろいろと罠を設置しながら具合を見てみることにした。
本作は自分のアウトポストを攻略したプレイヤーのリプレイを確認できるので,実際の対処や視線の動きを見て改善点を探ることができるのだ。
当初はなんとなく雑に置いていた罠を,侵入者の視界から外れる位置に置いたり,勢いで進んでしまいたくなる場所に置いたりすることで,同じ罠でも驚くほど効果的に機能するようになる。工夫を重ねた場所にストンと侵入者が落ちていく瞬間を見ると,なんともいえない喜びが湧き上がってくる。
この喜びはなかなか言葉に表しにくいのだが,あえて言うなら「デスゲームの主催者」と「丹精込めて作った料理を美味しく味わってもらえた料理人」の気持ちを同時に味わえるような感じだ。なんにせよ非常に中毒性があり,どんどん新しい構成を試したくなる。
なお,アウトポスト攻略成功時に排出されるジェンマットには上限があり,当然だがジェンマットが枯渇すると誰も攻め込んでくれなくなる。侵入者がアウトポストを評価してくれたり,十分な成果(キル)を上げたりしていれば,資源を投入して再稼働させられるので,可能な限り楽しく残虐なアウトポストを作り上げよう。
侵入者が死亡した後には“スカルストーン”が残され,建築画面で確認できる。周辺には資源が落ちているので,忘れずに回収しよう |
我がアウトポストに残されたスカルストーン,その数実に50個。死屍累々とはまさにこのこと |
再稼働に成功すると“プレステージレベル”が上昇し,建設に使えるキャパも少しだけ増加する |
再稼働にあたっては“万能ポリマー”と呼ばれる資源が必要なのだが,かなりキルを稼いだとしても維持が精一杯だ。万能ポリマーは新たな武器や罠などを開発・改良するにあたっても必要なので,ある程度は自分でアウトポストを攻略する必要も出てくる。
そして,一度自分でアウトポストを建設してみると,攻略の心持ちもかなり変わってくる。最初は難しいアウトポストに侵入するたび「ひどい!」「こんなの分かるかよ!」と叫んでいたものだが,今は新しい罠に引っかかるたびに「なるほど」と声が出てくるようになった。感覚としては攻略というより,データ集めや取材活動に近い。
ナナメブロックを壁から生やして番兵を配置することで固定砲台にしたり,触れたら死んでしまう「腐食性キューブ」をニセブロックの裏に配置したりと,攻略の中で多くのノウハウを学ぶことができた。たとえ難しくてクリアできず逃げ帰っても,資源に加えてノウハウも持って帰れるので,不満を感じずにプレイできる。
筆者はどちらかといえば建築のほうが楽しく,もしかしたら建築一辺倒になって,攻略がおざなりになってしまうかと危惧していた。しかし,建築に攻略の必要性を持たせ,攻略が建築のモチベーションを高めるという本作のシステムはうまく機能しており,今では筆者も滅茶苦茶に殺されながら高難度アウトポストに挑戦している。
また,攻略も建築もある程度こなす必要があるものの,どちらかにプレイ方針が偏っていても問題なく遊べる点も嬉しいところだ。マルチプレイも可能なので,友人とともに攻略を中心に楽しむというプレイスタイルも可能だ。
なかなかほかのゲームでは味わえない感覚が目白押しのゲームなので,興味が湧いた人は遊んでみる価値アリだ。その際は,ぜひ筆者が手塩にかけて組み上げたアウトポストを楽しんでほしい。
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