プレイレポート
「DbD」の恋愛シム「Hooked on You: A Dead by Daylight Dating Sim」プレイレポート。恋のアタックを仕掛けてくるキラーとバカンスを楽しもう
より正確に書けば,海外の恋愛リアリティーショーのようなノリで,グループで会話してフィーリングを確かめ,ビーチバレーやカクテル作りなどのアクティビティを通じて仲を深めていき,最後は告白にいたる……という感じなのだが,もちろん参加者が参加者なだけにフツーには終わらない。
そもそも「なんで『Dead by Daylight』のスピンオフタイトルが恋愛シムなの?」と思っている人もいるかもしれないが,Behaviour Interactiveの調査で,全プレイヤー層においてもっとも待ち望まれていたのが,恋愛シミュレーションゲームだったということからスタートした企画らしい。
いろいろとインパクトのあるタイトルだが,今回はそんな本作をプレイする機会を得られたので,インプレッションをお伝えしよう。
さっそく,主人公に「よんげま」と名付けてゲームを始めると,主人公は記憶を失った状態で南国のビーチにいる。そんな状況を説明してくれるナレーターや,島をぐるりと囲む海も主人公を歓迎してくれているようだ。ちなみにこの「歓迎」というのは比喩ではなく,本当に海が語りかけてきている。本作はこんな感じでいろいろと不思議なノリで物語が進行していく。
ほどなくして,主人公はビーチバレーに興じる4人のキラーたちと遭遇することとなった。以下,本作に登場する4人のキラーたちを紹介しておこう。
・トラッパー
「DbD」の看板キラーといえばやはりトラッパー。本作ではキラー界の顔役を気取っている。父親は鉱山会社を経営しており,鼻持ちならない金持ちといったキャラ付けだ。もちろん口先だけではなく有言実行の人なので,お近づきになれれば良いことがありそうな,でもあまりお近づきになりたくないような……そんなタイプだ。
・ハントレス
ウサギのお面と鼻歌がチャーミングな彼女。本家「DbD」では,幼少のころから森で動物を狩って生き延びてきたため,「狩る」以外のコミュニケ―ション手段を知らない悲しき殺人鬼……という設定なのだが,このゲームでは純情で可憐? なパワーキャラとなっている。ただ,可愛がっている相手の世話をしているつもりが,衰弱死させてしまうようなノリはそのままなので,やっぱりコワイ。
・レイス
知らないうちに何度も殺人に加担させられ,怒りのあまりキレてしまった男・レイスは,本作ではルックス抜群,服の着こなしもオシャレという解釈で描かれている。理知的だし,優しくもあるのだが,それは本人が傷つきやすい裏返しで,扱いがとても面倒くさい。4人の中では,一番身近にも潜んでいそうなタイプかもしれない。
・スピリット
「DbD」ファンならご存じ,香川県出身の大学生・山岡 凛さんの幽霊。本作中では日本の女の子っぽい感じはあまりなく,ステレオタイプな見方をされるのが嫌いな女の子だ。「それなら理解者になってあげよう!」などと思うと振り回されるのは必至で,彼女はキラーになる前からキケンな子だったようだ。
以上,人数は多くないが,性別はもとより,肉体派,知性派,純情派,耽美派などなど,さまざまなタイプのプレイヤーに対応できるキラーが揃っている。文章にしてみると恋愛ゲームのキャラとしても「わりとアリ」な気もしてきたが,読者の皆はいかがだろうか。
また,アシスタント的な役回りで,サバイバー側からはクローデットとドワイトが登場する。2人の息の合ったコンビっぷりもなかなか微笑ましい感じで「もう付き合っちゃえば?」と思わなくもない。
実はこれ以外にも何人か登場キャラがいるのだが,そこはプレイしてのお楽しみということで,敢えて伏せておこう。
そんなこんなで,スピン・ザ・ボトル(ボトルを回転させ,瓶の口が向いた人とキスをするゲーム。日本で言えばポッキーゲームや王様ゲームのような感じ?)で遊んだり,豪華なディナーなどを楽しんだりと,主人公とキラーたちは2日間のバケーションを過ごしていく。
基本的に主人公はアプローチされる立場らしく,あのキラーたちがこちらの気を引こうとしてくるのがなんともシュールだ。しかもその気の引き方が,いかにもそのキラーらしいので,ちょっとコワかったりもする。
例えばレイスは,透明化して迫ってきたのか,突然現れて話に割りこんでくるし,ハントレスは,こちらを遊びに誘うときに斧を携帯していて,なんなら振りかぶってくることもある。
ただ「そういう人なんだな」と,キラーに対する理解が深まれば好意は伝わってくるので,そのうちまんざらでもなくなってくる。まあ,それでも彼らは「キラー」であることは確かなので,油断は禁物だが。
ちなみにいい雰囲気になってくると,ちょいちょいクローデットとドワイトが割り込んできて,邪魔をしにくるというのが本作のお決まりのパターンだ。ただ彼らがわずらわしくに感じてきたら,それだけこのゲームや,お相手に引き込まれてきたということでもある……たぶん。
キャラクターのセリフに音声はないものの,文章自体はしっかりした日本語に翻訳されており,話の内容もわかりやすい。ただ,文体は海外ドラマのセリフっぽいというか,翻訳ならではの言い回しも多いため,慣れていない人には回りくどく感じるかもしれない。気になる人は気になるポイントだと思われるので,念のためお伝えしておく。
1周のプレイ時間は2時間前後といったところだが,キラーごとにルートが分かれているだけでなく,恋愛シムらしく途中の選択でエンディングも変わるようだ。また全ルートをプレイすることで物語の全貌が分かるような設計なので,そこを目指すなら結構な遊びごたえになるだろう。
開発チームから「皆さんが待ち望んだゲームの登場です!」という声が聞こえてきそうな本作。確かにプレイした後は,「相手から来るかと思えばかわされ,しかし予期せぬ所からひたひたと迫ってくる」ホラーと,恋愛の類似点に気がつけたような気もする。サクッとプレイできるので,本稿を読んで気になった「DbD」ファンは遊んでみてはいかがだろうか。
「Hooked on You: A Dead by Daylight Dating Sim」公式サイト
- 関連タイトル:
Hooked on You: A Dead by Daylight Dating Sim
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