プレイレポート
[プレイレポ]海中ソウルアクション「グレイシャード」をプレイ。6500万年後の海に生息するサメは手ごわかった!
本作の開発は,渋谷 啓氏の個人スタジオ「Studio Snowblind」が手がけており,PLAYISMがパブリッシャを務めている。ソウルライクはインディーゲームでもたびたび目にするジャンルではあるが,海底を舞台にしたものはなかなか珍しい。遊んできたので,本稿でインプレッションをお届けしよう。
主人公は,6500万年後の地球に生息する鳥類の末裔「トゥアイ」。高い知性を持つ彼らはこの時代で繁栄を極めている生物だったが,その状況を脅かす自体が発生する。プレイヤーはトゥアイの一羽として,繁栄を脅かす脅威に立ち向かうため,冒険に繰り出すことになる。
攻撃方法は,翼をたたきつけて攻撃する近距離攻撃のほか,羽を飛ばして攻撃する遠距離攻撃,一撃は重いが発生が遅く再使用にクールタイムが必要になる「結晶刃」があり,状況に応じてこれらを使い分けていく。
敵は未来の地球に生息する海洋生物たち。噛みつきやタックルと言った原始的な攻撃のほかにも,電撃玉をこちらに飛ばしてくるなど,現代の常識では考えられない攻撃も行ってくるため,気が抜けない。
スタミナの管理が重要な戦闘システム,複数の敵に囲まれると途端に不利になる難度,ある程度マップを進めていくとチェックポイントがあり,そこがリスタート地点になるなど,この手のソウルライクゲームに慣れている人はすぐに理解できるはずだ。
しかし,凡庸なソウルライクかと言われればそんなことはなく,戦いの舞台が海であることにより,違ったプレイ感覚になっている。
例えば,敵が2体同時に襲ってきた場合,ソウルライクのゲームでは“細道に1体ずつ敵を誘い込んで分断する”というセオリーが存在する。しかし,本作ではプレイヤーの足元や頭上を泳いで,敵が回り込んでくるという3次元的な攻防が発生するため,完全な分断が難しくなっているのだ。
敵の攻撃をギリギリのところでかわす「ジャスト回避」を発生させれば,自分以外の周囲の時間が数秒間遅くなるため,複数の敵を同時に相手することもできるが,その状況は極力回避したいところである。
成長システムも独特で,本作では敵を倒すとドロップする栄養素をどう使っていくかでトゥアイの能力が変わってくる。栄養素には「炭水化物」「タンパク質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」の5種類があり,一定数の栄養素をプレイヤーが注ぎ込むことでトゥアイがレベルアップしていく仕組みだ。
レベルアップに使用する栄養素の配分はプレイヤー自身が決められるため,体力を重点的に上げたい場合は「ミネラル」を多く与えたり,遠距離攻撃を強化したい場合には「脂質」を多く摂取させたりなど,目指すビルドによって与える栄養素を変えていける。
開発者の渋谷氏によれば,敵ごとにドロップしやすい栄養素が設定されているそう。自分の求める栄養素をたくさん持っている敵を繰り返し倒すといった「稼ぎプレイ」も想定されているのだという。敵は栄養素以外にもランダムで「武器(翼)」をドロップすることもあるため,良い武器を狙いつつ栄養素を集めていくということもできそうだ。
今回のビルドの最後には,非常に強力なサメのボスが待ち構えており,数発攻撃を受けるとやられてしまうのはもちろんだが,海の戦闘における独特の位置取りが難しく,筆者も何度かリトライして何とか倒すことができた。
コンティニューを繰り返して敵の攻撃動作を見切り,ジャスト回避を決めて,その隙に攻撃を叩き込んで勝つと言った流れは,まさにソウルライクの醍醐味とも言えるボス戦で,苦戦しながらも楽しいプレイ体験だった。
一方で,狭い場所や複数の敵に囲まれたときに視点カメラがあちこちにブレてしまい,戦いづらくなってしまうという部分はプレイして気になった点だ。そこは渋谷氏も把握しているそうで,製品版の開発に向けてカメラの調整に取り組んでいきたいと語っていた。
現在の開発状況としては,ゲームのイントロダクションが出来上がっている程度で,完成はまだまだこれからとのこと。今後に期待しつつ,続報を待ちたいところだ。
「グレイシャード」公式サイト
「BitSummit Let’s Go!!」特設サイト
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