プレイレポート
グラビティゲームアライズのBitSummit出展タイトルを紹介。世界をカスタマイズするRPGから推理力を試される科学捜査シミュレーションまで,個性豊かなゲームが揃う
グラビティゲームアライズは,グラビティのグローバル戦略カンパニーで,自社タイトルの開発やインディーゲームのパブリッシングを行っている。本稿では,開催に先駆けて,グラビティゲームアライズのオフィスで行われた試遊会の中から気になったタイトルを4本紹介しよう。
なお,今回紹介する「神箱-Mythology of Cube-」「東京サイコデミック 〜公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿〜」は自社開発,「Alterium Shift」「Final Knight」はグラビティゲームアライズ及びグラビティがパブリッシングを担当するインディーゲームだ。
「グラビティゲームアライズ」公式サイト
「神箱-Mythology of Cube-」
「神箱-Mythology of Cube-」はPC/PS5/Switch/PS4で発売予定の「ワールドクラフトRPG」だ。プレイヤーは「修復者」となり,謎の「大分断」現象で分断された異世界を修復するための旅に出る。
フィールドはボードゲームのようなタイル状に区切られており,実際にプレイヤーが踏み込むまで何があるか分からない。土地が「断片化」されていたり,モンスターが隠れていたりとさまざまな冒険が待ち受けている。
修復者の役目は,断片化した土地を修復し,そこから得られた「マナ」でモンスターとの戦闘やクラフトを行うことだ。同じ色のピースを2つ以上揃えて消す,いわゆる,2マッチ形式のパズルを解いて土地を修復していく。リアルタイムで時間が流れる中,ピースを揃えて消していくことで,ピースの色に対応したマナを得られる。土地を修復するには決められた色のピースを決められた個数以上消さなければならないので,素早い操作が必要だ。
とはいえ,パズルゲームとしての腕前を競うというものではなく,あくまでプレイにアクセントを添えるというイメージ。うまくピースを操作すれば一度にたくさんのピースを消せる。
モンスターとのバトルは,修復者が直接戦うのではなく,仲間たちがリアルタイムで行動するのを見守りつつ,適切なタイミングで指示を出していく。仲間たちはさまざまなスキルを持っており,修復者が十分なマナを仲間に与えることで,スキルを発動できるようになる。
見習い神官のミナスは回復スキルを持っており,発動には水のマナが必要,聖騎士見習いのアルクは攻撃スキルを得意とし,地のマナが必要……といったように,それぞれの仲間が使えるスキルとマナが異なっている。あらかじめ土地の断片化を解消して,多くのマナを集めておけば,必殺技を連発できるというわけだ。
冒険を進めて行くと,好きな場所に橋や街といった施設をクラフトできるようになる。木の橋では天候が悪化すると渡れなくなるため,より強固な石の橋にアップグレードするなど,シミュレーションゲームのようなアップグレード要素も存在する。
そして,本作は街自体も自分の好きな所に作れるというのが特徴だ。街は物流や生産の拠点としての能力を持っており,未開の地を踏破するには最前線に街を作ることが不可欠。冒険をしていると「食料」が消費されていくため,あまり遠出をすることはできない。しかし街を作り,その中に畑を配置すれば,作物を栽培・加工して食料を補充できる。こうすれば,街を拠点にさらに奥地へと踏み込めるわけだ。
街には民家や市場,酒場などを自由に建てられ,時間経過とともに各種の素材を得られる。未踏破地域の近くに街をクラフトしたうえで,ほかの街との交易ルートもつなげて商店の品揃えを充実させ,更なる冒険に挑むための拠点とするといったことも可能だという。
本作のマップは広大で,修復者がクラフトするまでもなく街や村が多数存在しており,そこにはクエストや仲間になるNPCたちが散らばっている。そのうえで好きな場所に街をクラフトすることができ,そこでは専用のイベントも発生するというから驚きだ。
本作は「フリーフラグシナリオ」を謳っており,修復者は自由にマップを行動することができ,物語も一本道ではない。中にはストーリーとの関連が薄い自動生成ダンジョンもあり,好きなように素材を稼ぐこともできるそうだ。RPGでありつつも,マップのカスタマイズによるゴッドライクシムのような雰囲気も漂っている本作。2024年1月の発売を目標に開発が進められており,序盤を楽しめる体験版も予定されているとのことなので,楽しみにしておこう。
東京サイコデミック 〜公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿〜
未知のウイルス流行によるロックダウンが収束した東京で,今度は人体発火をはじめとした超常的な事件が多発するようになった。プレイヤーは,東京の公安調査庁特別事象科学情報分析室のメンバーとなり,個性的な仲間たちとともに真相へと迫っていく。ジャンルは「2D×シネマティック・リアル科学捜査シミュレーション」と謳われており,対応プラットフォームはPC/PS5/Switch/PS4。2023年12月の発売が予定されている。
本作は海外ドラマのような科学捜査を行うアドベンチャーだ。現実では起こり得ない不可思議な事件に対し,科学捜査と推理の力で斬り込んでいくリアルさが特徴となっている。キャラクターはノベルゲーム的なイラストで表現されつつ,証拠となる動画や画像には実写が使われるビジュアル表現も面白い。
プレイヤーは防犯カメラの動画や現場の写真など,さまざまな証拠から事件の手がかりを探していくのだが,実写であるがゆえに不気味なリアリティが漂っている。例えば,被害者が出かけている様子を映した防犯カメラの動画を早回しにしてチェックすると,どこかに出かけた帰りにビニール袋を携えていることが判明する。そこからビニール袋の出所を探すため,街のあちこちにあるカメラをハッキングしたり,写真を調べたりして捜査を進めていくのだ。
得られた画像や動画,テキストといった証拠は,「エビデンスボード」に付箋を添えて貼りつけ,関係の深いもの同士しを糸でつないでいくという方式で整理していく。海外ドラマで見て憧れた捜査手法を自分でやれるのだ。
得られた証拠から事件の真相を探り出し,報告書を作るのもプレイヤーの仕事だ。一般的なノベルゲームなら選択肢が出てきてくれるが,本作では自分で推理し,正解を導き出さなければならない。たどり着いた結論が真相と違うものであっても,本作の世界では一応の結論として扱われ,事件はひとまず“決着”する。とはいえ,それは本当に正しい推理だったのかという疑問は残るわけで,真相を解明するまで繰り返し楽しむことができるのである。
普通なら起こらないような超常的な事件に科学捜査で対抗するという,海外ゲームを思わせるシステムと,日本のノベルゲーム的な絵柄によるストーリー展開が魅力の本作。BitSummitでは体験版が出展される予定だ。
Alterium Shift
ドット絵グラフィックスで描かれる世界で,個性的な主人公たちがターン制バトルを繰り広げるのが「Alterium Shift」だ。アメリカのDrattzy Gamesが「クロノ・トリガー」「ファイナルファンタジーVI」「聖剣伝説2」「ブレス オブ ファイア 竜の戦士」をリスペクトして開発したタイトルで,現在はSteamで早期アクセス版およびデモ版が公開されている。
※現在は早期アクセス版は英語のみ対応。今後,日本語デモ版を公開予定
グラフィックスはスーパーファミコン風のドット絵となっている。「聖剣伝説2」からの影響も強く,当時を知る人でなくとも美しさに目を奪われるはずだ。世界を旅するのは,槍使いのパイラ(Pyra),弓を得意とするアトラス(Atlas),魔法を使うセージ(Sage)という3人の主人公で,誰を最初に選択するかで物語の展開や仲間になるキャラクターが変化するほか,途中で主人公を切り替えることもできる。ある主人公しか使えない仕掛けを起動させた後,別の主人公に切り替えてその先へ進むなど,それぞれが得意とする技でお互いに助け合うことでゲームを進めていく。
バトルはコマンド選択式のターン制で繰り広げられる。さまざまなスキルを有効に使うことが勝利への近道で,敵が大技を使う予兆を見て防御に徹するといった立ち回りも重要になってくる。
「スーパーファミコン時代のゲームの懐かしさと,分岐するストーリーラインやダイナミックなクエストといった現代のゲームプレイコンセプト」を謳っており,クエストの展開もプレイヤーの選択に応じて変化していくという。釣りを始めとしたミニゲーム,乗り物に乗っての広大な世界の探索,裏世界といった1990年代JRPGファンにはたまらない要素も存在しているそうで,発売が楽しみタイトルだ。
Final Knight
「マイティファイナルファイト」+「D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)」を謳うベルトスクロールアクションRPG。2oclocksoftが開発し,2023年第3四半期のリリースが予定されている。
「マイティファイナルファイト+D&D」という組み合わせにグッときた人は,今すぐSteamで公開されているデモ版をプレイしてみよう。そうすればリスペクトの深さに驚かされるはず。
4人パーティをプレイヤー1人が操り,個性的なキャラクターによる立ち回りと,「共鳴」「キャラクター切り替え」「ストライカー」といったシステムを駆使したハイテンポなバトルが特徴となっている。具体的には,メイン枠のキャラクター2人を切り替えて戦い,要所要所でストライカー枠のキャラクター2人を呼び出して援護を受けつつ,モンスターの群れに立ち向かうのだ。
デモ版で使えるのは,メイン枠のキャラクターがファイター(FIGHTER),ハメラー(HAMMERER),パラディン(PALADIN),ブラックガード(BLACKGUARD)の4人。ストライカー枠のキャラクターがレンジャー(RANGER),ウィザード(WIZARD),バーバリアン(BARBARIAN),クレリック(CLERIC),ローグ(ROGUE)の5人だ。
画面で常時戦うのはメイン枠の2人で,ファイターはさまざまな必殺技を持ったバランス型で,ハメラーとパラディンとブラックガードは「モンスターハンター」のハンマーと大剣とランスをリスペクトしたキャラクターとなっている。
ファイターは必殺技を駆使してコンボを決め,ハメラーはハンマーを溜めつつ移動して一撃を狙い,ブラックガードは堅実にガードを固め,パラディンは攻撃の遅さを考慮しつつ溜めと広範囲攻撃を使い分ける。このように立ち回りが異なるため,バラエティ豊かなプレイ感を楽しめる。操作していない側はオートで戦ってくれるので,なかなか頼りになる。
お互いが近づくと「共鳴ゲージ」がアップし,100になると周囲を巻き込む爆発が起こる。相手のコンボに相乗りしていると共鳴ゲージが上昇,爆発で止めを刺すようなこともあって爽快だ。
操作キャラクターを切り替えるときには,各種の硬直をキャンセル可能。ライトニングボルトの指輪を発射→硬直をキャンセルして操作キャラクターを切り替え→切り替えた側のキャラクターで,ライトニングボルトに巻き込まれている敵を追撃する……といったテクニカルな立ち回りも可能で,工夫しがいがある。
ストライカーは操作できないが,任意のタイミングで呼び出すと専用攻撃をしてくれる。「ザ・キング・オブ・ファイターズ'99」の同名システムといえば分かりやすいだろうか。ウィザードはメテオを落とし,クレリックは補助魔法をかけてくれるなど様々な能力を持っており,追撃や援護に活躍してくれる。
敵の数は多く,リーダーが部下に治療魔法を掛けたり,後方から弓の援護射撃をしてきたりするが,味方の特性を活かして切り崩していこう。メイン2人とストライカー2人の計4人が入り乱れる様は賑やかで,動かしているだけでも楽しい。
ボスを倒すと装備品がドロップし,レベルが上がればスキルを取得できる。スキルや装備品の組み合わせを考えて,ビルドを練っていくのも楽しそうだ。
随所に名作ベルトスクロール「ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ」へのオマージュがありつつ,「ザ・キング・オブ・ファイターズ」のようなストライカーシステムもあり,さらに製品版ではあちこちで手に入る装備にランダムなオプションが付与されるトレハン要素まで実装する予定だという。まさに「開発者の好きなものをすべてブチ込みました」という感じがすがすがしい。
「BitSummit Let’s Go!!」のグラビティゲームアライズブースには,本稿で紹介した4本のほかにもさまざまなゲームが出展される予定なので,足を運ぶ予定の人はぜひ会場でチェックしてみよう。
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