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「レイフォース」などの楽曲が三者三様のアレンジで奏でられた「Ray’z Music Live -STRAHL-」の模様を紹介。ライブCD/BDの詳細は明日発表
抽選で100名を招待するという狭き門だったので,応募したものの落選してしまったという人は多いと思われるが,熱いステージの模様は特装版の特典で楽しんでほしい。なお,CDにはボーナストラックとしてTAMAYO氏による新規楽曲も収録される。
また,明日12月2日20:00から神奈川県・メガレイジ溝の口(タイトーステーション溝の口店3F)で実施,およびYouTubeのZUNTATA CHANNELで配信される「月刊ZUNTATA NIGHT12月号」では,完成版のライブ映像やメイキング映像がゲームの最新情報とあわせてお披露目される予定だ。当日のステージを振り返りたい人はもちろん,落選してしまった人や後から興味を持ったという人は,ZUNTATA NIGHTを要チェックだ。
いよいよZUNTATA最新ライブCD/BDの全貌が明らかに!https://t.co/oQljzOjsgi
— ZUNTATA 35周年 (@taito_zuntata) December 1, 2022
12/2(金)20:00よりYouTubeにて放送の「月刊ZUNTATA NIGHT」にて本編映像を初公開!お見逃しなく!https://t.co/MoJedDXErf#ZUNTATA #rayzacc
本稿では,ライブ当日の模様を紹介しよう。なお製品に関する詳細や取り扱い店などは,公式サイトのPRODUCTページを参照してほしい。
COSIO
一番手は元ZUNTATAにして,レイシリーズの楽曲を手掛けたTAMAYO氏のファンを公言するCOSIO氏。「レイストーム」のアトラクトデモ用BGM「CYCLOID」から,「レイフォース」の1面BGM「PENETRATION」,同じく2面BGM「G」と,セレクト自体はオーソドックスさを感じさせつつ,しかしディープな没入感があるEDMテイストのリミックスで序盤から攻める。
中盤の「Geometric City」はキャッチーなナンバーだが,そこからの流れはノリ感よりもトランス感の際立つセレクト&ミックスでなだれ込むように突き進む。ラストを飾るのは「やっぱりこの曲」といった感のある,「レイフォース」のED曲「Q.E.P.D.」。レイシリーズ楽曲のキモを総ナメするようなステージを観せてくれた。
■COSIO氏セットリスト
- CYCLOID(レイストーム)
- ENETRATION -STRAHL Mix-(レイフォース)
- G -STRAHL Mix-(レイフォース)
- 女の子にはセンチメンタルなんて感情はない(レイクライシス)
- Intolerance(レイストーム)〜生命の風が吹く場所(レイクライシス)
- Geometric City -GC Remix-(レイストーム)
- LUMINESCENCE(レイストーム)
- Aggresiveness (Rayforce Rubbing Beat ver)(レイフォース)
- Metaphor (Raystorm Neu Tanz Mix ver) (レイストーム)
- INTO DARKNESS -ZUNTATA NIGHT 2017 Mix-(レイフォース)
- Intolerance -ZUNTATA NIGHT 2017 Mix-(レイストーム)
- Q.E.P.D. (レイフォース)
ZUNTATA
言わずと知れたタイトーのサウンドチーム・ZUNTATAは,キーボードの石川勝久氏とドラムスのMASAKI氏,そしてサポートメンバーとしてギターのイデヨウスケ氏を交えたスリーピース編成で出演。イデ氏は,2017年の「ZUNTATA 30周年記念アレンジコンテスト」で入賞し(入賞作はEniGmA名義),最近は「アリス・ギア・アイギスCS 〜コンチェルト オブ シミュラトリックス〜」(PS5 / PS4 / Nintendo Switch)の楽曲に演奏で参加するなどもしている人物だ。
ある意味ではCOSIO氏が初手で“やり尽くした”雰囲気すらあったが,ZUNTATAはパワフルなハードロックテイストで異なる方向性からアプローチ。「レイフォース」の冒頭を彩る「PENETRATION」や,「レイストーム」終盤の激戦を盛り上げる「SLAUGHTER HOUR」などをアグレッシブに演奏した。
本イベントは冒頭でも述べたように「レイズ アーケード クロノロジー」およびレイシリーズの3作をフィーチャーしたものだが,石川氏は中盤のトークパートで「こんなレイはいかがでしょうか」と前置きして,変化球のナンバーを繰り出した。“こんなレイ”とは,もしかして「レインボーアイランド」か,はたまた「カオスブレイク」か「クレイジーバルーン」か……と思いきや,披露されたのは「RAIMAIS」だ。これは「EGRET II mini」の特典CD「70/35 -TAITO 70th / ZUNTATA 35th Anniversary-」に収録された,MASAKI氏による「レイメイズ」の「テーマ#1」および「エンディング」をアレンジしたものがベースとなっている。
ZUNTATA最後の楽曲は「レイストーム」の1面BGMである「GEOMETRIC CITY」。ラストだからと落ち着けるようなセレクトはせずに,最後までアッパーなナンバーで駆け抜けた。
■ZUNTATAセットリスト
- PENETRATION(レイフォース)
- SLAUGHTER HOUR(レイストーム)
- G(レイフォース)
- RAIMAIS(レイメイズ)
- GEOMETRIC CITY(レイストーム)
タイトーが自社タイトルをフィーチャーしたライブを大型会場で行うのは2011年に開催したイベント以来,かつ自社主催としては1999年の「ZUNTATA FESTIVAL 1999 -gutenTalk Complex-」以来だ。ライブ開催自体が難しくなっている昨今であり,今回のライブも人数限定の招待制での開催となったが,いずれ風向きが変わり,チケットを一般発売するような大規模イベントが開催されることに期待したい。
BETTA FLASH
大トリを務めるのは,レイシリーズの楽曲を手掛けたTAMAYO氏と,シンガーのCyuaさんによるユニット・BETTA FLASHだ。今回はサポートメンバーを招き,ベースの七永美蘭氏,ギターの和田新平氏,ドラムのユージ・レルレ・カワグチ氏,そして4Gamerを運営するAetas的には「天穂のサクナヒメ」オンラインライブで出演していただいたりもしたチェロのヌビア氏,筆者的には「Game Music Live Meeting vol.1」での演奏も記憶に新しいバイオリンの松原まり氏という,最大7人での豪勢なステージを観せてくれた。
ワイルドなリズムと幽玄なメロディ,そしてCyuaさんの透き通るようなボーカルで「生命の風の吹く場所」や「ラベンダーの咲く庭」,「Ray’z BEYOND」などを披露するBETTA FLASH。没入感をフィーチャーしたCOSIO氏,高揚感をフィーチャーしたZUNTATAに対し,BETTA FLASHはレイ楽曲の根源にあるエッセンスをダイレクトに振り撒くような演奏だ(当然,作曲のTAMAYO氏当人によるものというのもあるが)。出演者間でセットリストが一部被っていたりもするが,「また同じ曲」というのを感じさせないくらい各々の味付けが異なり,その意味でも本公演はユニークだ。
BETTA FLASHのオリジナル曲「tink.」でいったん終了となったものの,アンコールの拍手を受けての大トリで演じられたのはNEU TANZ版の「CERAMIC HEART」。かつての「ZUNTATA LIVE 1997 -CINETEQUE RAVE-」でもアンコールパートの冒頭を飾った曲であり,やはりレイシリーズの楽曲的なユニバースを締めくくるのに,このナンバーは欠かせない。
■BETTA FLASHセットリスト
- Intolerance(レイストーム)〜生命の風が吹く場所(レイクライシス)
- ラベンダーの咲く庭(レイクライシス)
- Q.E.P.D.(レイフォース)
- Ray'z BEYOND(Ray’z PREMIUM BOX-BEYOND-)
- 童話の消えた森(レイクライシス
- tink.
〜アンコール〜
- CERAMIC HEART / レイストーム
終演後インタビュー
終演後,出演者への合同インタビューが行われた。その模様を最後にお届けしよう。
ZUNTATA&COSIO
――出演を終えての感想をお聞かせください。
石川勝久氏(以下,石川氏):
メガレイジなどでのミニライブはやっていましたが,大きい会場でやるのは久々ですね。来場していただいた皆さんも,“分かっている”というか,拍手でエールを送っていただいて,すごく助かりました。歓声は無かったものの,すごく一体感を感じられました。
MASAKI氏:
もっと頑張ります!
COSIO氏:
今から何を頑張るの(笑)。
僕は「レイストーム」が好きで,そこからタイトーに入社したので,それから20年を経てライブに出演できたのは非常に感慨深いですね。
石川氏:
でも(タイトーを)辞めたじゃん?(笑)
COSIO氏:
それを言ったらTAMAYOさんにも流れ弾が当たっちゃいますよ(笑)。
イデヨウスケ氏(以下,イデ氏):
サポートとしてご一緒させていただきましたが,お客さんがエネルギー100%で声援を上げたりできないぶん,ステージ上の自分が頑張って盛り上げようという意識で望みました。バリ楽しかったです!
――「レイズアーケードクロノロジー」でファンが改めてレイシリーズ作品を遊べることについて,コメントをお願いします。
石川氏:
我々の“出したい”という気持ちだけじゃなく,ファンの皆さんが今も遊んでくれたり,もっといろんな人に遊んでほしいと思ってくれたり,そういった想いが重なってこそ新しいパッケージとしてリリースできるものなので,ファンの皆様の力で「レイズアーケードクロノロジー」を商品化できたと言えます。ライブもステージ上と観客の熱量が一体となることで場の空気が作り上げらるので,それに近いとも言えますね。
MASAKI氏:
やっぱり令和だからレイ。だから,これは運命……つまり𝑫𝒆𝒔𝒕𝒊𝒏𝒚……。
イデ氏:
……誰かエアコンの温度下げました?
(一同笑)
COSIO氏:
「レイフォース」がリリースされてから27年が経ちますが,これだけいろんな人がレイシリーズをまだ愛してくれていて,TAMAYOさんを泣かせるほどの熱意があるんですよね。僕もその一員に加われて,すごく嬉しかったです。あと,僕はレイシリーズの新作も出ればいいなと思っています(笑)。
イデ氏:
僕は年齢的に直撃世代ではないんですけど,それでも名前を知っていたり,遊んだことがあったりするくらいのシリーズなので,歴史にちょっと参加させてもらえて光栄です。
――もし可能だとしたらライブを開催してみたいタイトルなどはありますか。
石川氏:
今回のライブでは,「レイやダライアス以外にも良い曲がいっぱいあるんだよ!」という意味もあって「レイメイズ」をやりましたが,そういった“隠れた名曲”を取り上げた「タイトー マイナーだけど良い曲ライブ!」をやってみたいですね。半分くらいは僕の趣味の選曲になりますが(笑)。
COSIO氏:
個人的には「電車でGO!」をやってほしいですね。それと「スペース遣隋使」。
ただ,やっぱり僕としては「グルーヴコースター」シリーズのライブというか,お客さんを1000人くらい入れられるパーティーを開催してほしいんですが……MASAKIくん,お願いします!
MASAKI氏:
小さいイベントはけっこうあるんですけどね。それで言うと,自分は開発中の「ミュージックダイバー」でドカンとやりたいです。
イデ氏:
ZUNTATAさんとのご縁ができるきっかけが「DADDY MULK」のアレンジをコンペで採用してもらったことなので,いつか本家の方々と演奏してみたいですね。
石川氏:
このライブは僕が企画したんですが,会場も思った以上に大きくて正直なところ「なんて大がかりで面倒なことを考えてしまったんだ」と思ったりもしました。でも,こうして終わってみれば全部良い思い出ですね(笑)。このライブの盛り上がりは,Blu-rayで観たりCDで聴いたりして,ぜひ追体験していただければと思います。
COSIO氏:
11年ぶりに,皆さんの“ずんたコール”を聴けて良かったです! (コロナ対策で)声はなかったですが,僕の心の中にはしっかりと届きました! 出演した全員にも届いていると思います。ありがとうございました!
イデ氏:
お客さんを前にしてZUNTATAさんとライブするのは初めてだったので,とても貴重な体験になりました。また呼んでください!(笑)
MASAKI氏:
これを読んでいる読者の皆さん……。意外と,ステージからは皆さんの顔がはっきりと見えます。なので,ガンガン笑顔を向けてください! 僕らのエネルギーになります! あとスマホを見てるのも割と見えます!(笑)
BETTA FLASH
――出演を終えての感想をお聞かせください。
TAMAYO氏:
準備に手間取ってしまって大変だったのですが,ちゃんと終わって気分晴れ晴れといった感じです。
Cyuaさん:
今日までのスケジュールがタイトだったので,本当いっぱいいっぱいだったのですが,お客様も暖かく,バンドの皆様も素晴らしくて,本当に楽しい時間を過ごせました!
ユージ・レルレ・カワグチ氏:
僕はあまりゲームの音楽に詳しくない人生を歩んできたのですが,TAMAYOさん達のなんとか成功させようとする力に圧倒されました。お客様も拍手喝采で,やっぱり続けるってすごいことなんだなと感じられたライブでした。
松原まり氏:
観客の皆さんの表情から 楽しんでいる様子が伝わってきて,その空気感に後押しされて楽しく演奏できました。
七永美蘭氏:
私自身,だいぶ久しぶりのステージだったのですが,TAMAYOさんの音楽にCyuaさんの声が重なって作られる世界に私も入れて,嬉しかったです。
ヌビア氏:
BETTA FLASHさんとは知り合ってから5,6年になりますが,ライブで一緒の現場になるということが続いていたこともあり,いつか一緒に演奏してみたいと思っていました。今回のライブはお客さんの盛り上がりや白熱ぶりもそうですが,最後にTAMAYOさんが感極まって涙ぐまれたりして,お客さんの熱量と制作側の熱量が噛み合うと,これほど情感に響くものになるんだと感じられました。このステージに立ち会えて本当に光栄です。
和田新平氏:
ライブ前からメイクさんも含めてすごく居心地が良かったですし,TAMAYOさんの曲はバリエーションが豊富なので弾いていて非常に楽しくて,ライブでも「最後の曲です」と言われたことから「あっ,もう最後か!」と思うような,あっという間に時間が過ぎていきました。本当に気持ちよかったです。
――BETTA FLASHとしての活動自体,「EXTRA」への出演も10年以上前など長期にわたりますが,それを振り返っての感想をお聞かせください。
TAMAYO氏:
とくに気合を入れてやってきたわけではないのですが,せっかく2人の縁があったので,それを失くしたくないと思っていました。ボーカルで「良いな」と思える人と巡り合うことって,めったに無いと思うんですよ。それで,次もやりたい,次もやりたい……というのが,ずっとつながっている感じですね。
Cyuaさん:
TAMAYOさんは「本当に同じ人が作っているのかな?」と思うくらい曲のバリエーションが豊富で,独特なメロディのセンス……“変メロ”もあるので,唄うのが大変なときもあるんですけど,「TAMAYOさんの歌は私しか唄えない!」という気持ちで一所懸命にやっています。やっぱりTAMAYOさんの世界観は素晴らしいので,それを私のフィルタを通して1人でも多くのかたに届けたいですね。それが使命だと思っています。
――最後に,ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
TAMAYO氏:
“レイしばり”のライブで,すごく幸せでした。まだ他の2チームを見ていないので,私もBlu-rayで楽しみたいと思います。
Cyuaさん:
残念ながらライブに来られなかったという人もたくさんいらっしゃると思いますが,Blu-rayを見ていっしょに時間を共有できたらと思います。皆さんのレイシリーズへの愛がすごく大きくて,私もあの空間にいられて幸せでした。ありがとうございました!
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