インタビュー
[CJ2023]「Evotinction」はスニークゲーム好きにこそ遊んだもらいたい。日本文化が大好きなゲームデザイナー李 昊洲氏のインタビューをお届け
ちょっとピンときにくいジャンルである本作が一体どういうゲームなのか? 気になるポイントを聞いてきたので,ぜひ読み進めてほしい。
[CJ2023]ハッキングを駆使して,暴走ロボットに見つからないように潜入。China Hero Project第2期タイトル「Evotinction」ハンズオンレポート
Spikewave Gamesが開発し,Astrolabe Gamesがパブリッシングを行う「Evotinction」のハンズオンが「ChinaJoy 2023」で行われた。開発元が「未来感戦術潜入シミュレーション」(Futuristic Tactical Infiltrate Simulator)と呼ぶ本作はどういうゲームなのか,プレイの感触をさっそくお届けしよう。
「EVOTINCTION」公式サイト
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
李 昊洲氏:(以下,李氏)
よろしくお願いします(日本語)。
4Gamer:
日本語で返していただけるとは驚きました。ひょっとして日本語を話せますか?
李氏:
ちょっとだけです。ただ少しだけなのでインタビューでは通訳を通しましょう(笑)。日本語は,小さいころから日本のアニメが好きで,アニメを見ているうちに自然に覚えました。「ワンピース」「NARUTO」「コードギアス」などを見てました。今でも日本のアニメは大好きですね。
4Gamer:
ChinaJoyでも日本のアニメIPは人気ですよね。最近のアニメだと何を見てますか。
李氏:
「呪術廻戦」などを見てますね。あとは「BLEACH」の新しいシーズンのものも見ていました。
4Gamer:
そうなると日本のゲームも遊んでいたんですか。
李氏:
もちろんです。フロムソフトウェアやカプコンのゲームがとくに大好きです。
4Gamer:
なるほど。なんとなく好きなゲームのイメージがつかめました。では,あらためてよろしくお願いします。
「Evotinction」のジャンルは,“未来感戦術潜入シミュレーション”(Futuristic Tactical Infiltrate Simulator)とのことで,あまり聞き慣れないジャンルですが,どういったゲームなのでしょうか。
李氏:
潜入をメインにしたゲームです。そこにハッキングの要素を加えて,敵を回避しつつ,謎を解いていきます。敵はAIが操るロボットですが,ハッキングをする対象はロボットだけではなく,施設のコンピュータなども含まれます。近未来の世界で,銃などの武器を使えない状態で,ハッキングなどのテクノロジーを使って,潜入をするというゲームですね。
4Gamer:
ハッキングにはどんなものがあるんでしょう。
李氏:
例えば敵の視界を塞いだり,ウイルスを感染させたりといったような敵に対する妨害,ロックされた扉の内側のコンピュータをハッキングしてロックを解除したり,監視カメラを乗っ取って,敵の動きを偵察したりなどもできますね。
4Gamer:
AIの暴走や脅威がテーマになっていると思うのですが,そうしたテーマでゲームを作ろうと思ったきっかけは何でしょうか。
李氏:
映画「インターステラー」からインスピレーションを得ました。自然の災害といった脅威と直面したとき,人類がいかにそれを乗り越えるのか,といった部分です。EvotinctionはAIの暴走という科学的な災害になっていますが,それをどうやって乗り越えるのかを描きたかったのです。
その当時,「AlphaGo」が話題になっていて,AIがもっと進化したときに,人類にどういった恩恵をもたらして,そしてどういった脅威をもたらすのかを考えました。
4Gamer:
AlphaGoが登場したあたりからAIが急激な進化をし,今は「GPT-4」などのLLMが登場して,李氏が考えていた未来が近づいているのかなと思います。現在のAIの発展をどのように捉えていますか。
李氏:
これから先のことは分からないですが,AI自体は道具として使いやすくなり,いろいろなことが便利になりました。AIの脅威などはゲームの中でだけ考えていたいですね(笑)。
4Gamer:
ゲームにはどんなAIが出てくるんでしょうか。
李氏:
一番多いのはボール型のAIロボットですね。ほかにもゲームを進めていくと蛇のような形のAIロボットも出てきます。ほとんどは敵として出てきますが,1体だけ「OZ」という名前のプレイヤーをアシスタントするAIロボットが登場します。
4Gamer:
AIコアがウイルスに侵されて,その指揮下にあるAIロボットが暴走したというストーリーですが,OZは独立したAIを持っていたということでしょうか。
李氏:
プレイヤーは博士なんですが,ほかのAIロボットが暴走する中で,OZは博士のアシスタントで,OZだけが暴走から免れたんです。
4Gamer:
2019年に「Evotinction」は発表されましたが,コロナ禍を含むこれまでの開発期間で苦労などはありましたか。
李氏:
2019年の発表当時は独立して作っていたんですが,その後,アドバイスやサポートを得て,ほとんど作り直すことになりました。開発規模も大きくなって,グラフィックスやシステムも洗練されていったんですが,その時にはいろいろと苦労もありましたね。でも,みんなの期待に応えたい一心で,困難を乗り越えてきました。
4Gamer:
開発メンバーは何人くらい在籍していますか。
李氏:
最初のころは4人でしたが,今は10人以上になっています。
4Gamer:
プレイヤーにはゲームのどういった部分を見てほしいでしょうか。
李氏:
潜入の方法とハッキングスキルの組み合わせで,同じ場面でも違ったアプローチで攻略できるようになっています。自由な発想で楽しんでほしいですね。あとはストーリー部分にも注目してほしいです。
4Gamer:
多くの人に遊んでもらいたいと考えているとは思いますが,とくに本作と相性のいいプレイヤーはどんな人だと考えていますか。
李氏:
「メタルギアソリッド」や「ディスオナード」「スプリンターセル」といった潜入ゲームが好きな方にぜひ遊んでいただきたいですね。ハンズオンでは「難しい」という反応がとても多かったんですが,難しく作ってあるんです(笑)。ゲームを進めていくとどんどん面白くなってくるので,ゲームデザインの意図などを感じてもらえるとうれしいです。
4Gamer:
最後に日本のゲーマーにメッセージをお願いします。
李氏:
開発チームも日本のゲームや文化が大好きで影響を受けているので,今度は日本のゲーマーに我々のゲームを楽しんでもらいたいです。日本のプレイヤーの意見もしっかりと受け止めて,より良いゲームを作っていくので注目していてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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