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PS VR2をセットアップして「Horizon Call of the Mountain」をプレイ。簡単な接続で,最新VRの世界を楽しむ
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印刷2023/02/16 22:00

プレイレポート

PS VR2をセットアップして「Horizon Call of the Mountain」をプレイ。簡単な接続で,最新VRの世界を楽しむ

 2023年2月22日に発売される「PlayStation VR2」(以下,PS VR2)。先日公開した記事では開封の様子を紹介したが,今回はその続きということで,実際にPS VR2をセットアップしてみた。また,ローンチタイトルの1つである「Horizon Call of the Mountain」も体験したので,その模様をお届けしよう。

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ケーブルを1本差し込むだけの簡単セットアップで,VR世界にダイブ


 初代PS VRでは,「プロセッサーユニット」と呼ばれるボックスに何本もケーブルをつなぐ必要があったが,PS VR2ではヘッドセット後部から伸びるケーブルを,PlayStation 5(以下,PS5)本体前面にあるUSB Type-C端子に差し込むだけでいい。その後,PS VR2の電源ボタンを押すとセットアップウィザードが起動するので,あとは画面に表示される指示に従うだけだ。

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 付属のイヤホンをヘッドセットのジャックに差し込み,Senseコントローラのペアリングを済ませたら,いよいよヘッドセットの装着だ。後部にあるダイヤルのボタンを押してヘッドバンドを緩め,頭に被ってからダイヤルを回して固定する。
 次に,右上の「レンズ間距離調整ダイヤル」で,瞳孔間距離(Inter Pupilary Distance,IPD)を調整してピントを合わせ,視線トラッキングを設定し――といった感じで,セットアップはトントン拍子に進んでいく。

SenseコントローラとPS VR2のペアリングを行う
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 PS VR2にはヘッドセットを被ったまま現実世界を確認できる「シースルービュー」があるため,安全面においても安心だ。プレイエリア(VR機器を着けたまま動き回っても安全なスペースのこと)の設定は,このシースルービューの状態で部屋を見回すだけで,机や椅子といった家具を障害物として認識してくれる。もちろん,床に絵を描くようにして手動で設定することも可能だ。
 ゲーム中に身体がプレイエリアの外に出そうになると,画面がシースルービューに切り替わったり,仮想の壁が出たりして警告してくれる。また,立った状態と座った状態のどちらでもプレイが可能だ。

ヘッドセットの被り方も図で説明してくれる
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PS VRでは瞳孔間距離の調整をカメラで行っていたが,PS VR2では「レンズ間距離調整ダイヤル」が実装されたことでより手軽になった
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「シースルーモード」では,ヘッドセットを被ったまま周囲の様子を確認でき,Senseコントローラもハイライトされる
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周囲を見回すだけで障害物を検知し,プレイエリアを設定してくれる
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 一通りセットアップを終えてみて感じたのは,とにかくスムーズだということ。純正の本体に純正の周辺機器をつなぐだけなので,トラブルがないのは当たり前だが,セットアップの段階でつまづくことがない安心感は,家庭用機ならではの強みと言えるだろう。
 ちなみにPS5用のソフトを起動してヘッドセットをかぶると,空中に浮かぶシアター風のスクリーンでゲームをプレイできる。巨大なスクリーンだけがそこにある状態なので,通常のディスプレイで遊ぶよりも没入できると感じる人は多いはずだ。


PS VR2のポテンシャルが体感できる「Horizon Call of the Mountain」


 セットアップも無事に終わり,さっそく「Horizon Call of the Mountain」を起動してみた。本作はSIEがパブリッシングを行う,いわゆるファーストパーティタイトルであり,PS VR2との同梱版が用意されている唯一の作品だ。つまり本作には,PS VR2における体験の魅力がたっぷりと詰め込まれているものと考えていいだろう。

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 「Horizon」シリーズは,文明が崩壊し,機械獣が我が物顔でのし歩く世界を描いたタイトルで,主人公アーロイの成長を追う物語が繰り広げられてきた。しかし今回の主人公は,これまで敵として登場した「シャドウ・カージャ」の元メンバーであるレイアスだ。贖罪を求めるレイアスは険しい山々を旅し,機械獣にまつわる秘密を暴いていくことになる。

主人公のレイアスは元「シャドウ・カージャ」だけに,人々の態度も冷たい
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 Senseコントローラを握った両手はそのままレイアスの両手となる。ロッククライミングや弓での戦闘,アイテムの取得など,両手を通して「Horizon Call of the Mountain」の世界に触れていく。その動作はリアルなもので,美しい映像と合わせて高い没入感を生み出している。

 例えばロッククライミングのシーンでは,山肌をつかんでジリジリと移動していく。その道のりは険しく,目的地まで真っ直ぐ登ればいいというわけではない。あるときは岩壁を横ばいに進み,またあるときは下に降りるなどして迂回しなければならないのもリアルだ。
 両手で崖にぶら下がるだけでも危険なのに,岩肌に生えた不安定な木の枝を掴んだり,ときにはロープやツタでターザンのように飛び渡ったりしなければならない。よせばいいのについつい下を向くと,遙か下の地面まで虚空が広がっているのが目に入る。腕以外になんの支えもなく空中にぶら下がっていることが再認識され,肝を冷やす。

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 実のところ筆者には,ボルダリングの経験がある。ボルダリングでは,ジムの壁に人工のホールドが取り付けられており,身体に命綱を取り付けた安全な状態で壁面を登っていく。一直線に登り切ればいいというわけではなく,ぐねぐねと蛇行したコースを攻略しなければならない。
 横に大きく迂回するときの焦りや,思わず下を見てしまったときの恐怖。まさにそれと同じものを,本作のロッククライミングでも感じることができた。身一つで岩を登っていくスリルが,リアルに再現されていると思えたのだ。

高さのリアルな表現で肝を冷やす
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周囲の景色は美しい
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 「反対側の岩壁に向かってジャンプしたあと,背中からピッケルを取り出して岩壁に叩きつけ,勢いを殺しきれずに滑り落ちながらも,なんとか体勢を整える」。そんな映画的なアクションも本作で体験できる。
 具体的な動きとしては,まず両手を前に出して[L1][R1]ボタンを押したまま身体へ引きつけてジャンプする。身体が空中にあるうちに,両手を後ろに回し,[L2][R2]ボタンを押してピッケルを取り出す。そのまま両手を前に出してピッケルを岩壁に打ち込む……といった感じで,現実さながらの動きが必要だ。

 例え失敗しても即座にリトライできるのだが,ジャンプする前などは思わず身体がすくんでしまう。失敗した場合もすぐに画面が暗転するのではなく,落ち続ける様が描写されるので冷や汗が止まらない。

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 VRゲームらしく,あちこちに置かれているオブジェクトに干渉することも可能だ。「カゴのフタを取り,周囲に転がっている食器をしまってから再びフタを閉める」「筆と顔料を使って岩壁に絵や文字を描く」「お皿をフリスビーのように投げる」など,現実でやれそうなことがちゃんと再現できるので,それがまた没入感を深めてくれる。
 なお,平地での移動は[□][△]ボタンを押しながら走るように腕を振る形式と,左スティックを倒す形式の2通り用意されており,ゲーム中にいつでも切り替えることが可能だ。

カゴのフタを取ると中には果物が。もちろん果物も掴んで食べられる
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マラカスを握って両手を振ればシャカシャカと音がする
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筆を使えば岩壁に文字を書くこともできる
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 レイアスの武器は弓で,フィールドに落ちている資源を使えば属性付きの矢弾を作れる。「炎の矢」であれば,矢柄に「ブレイズ」(機械獣の燃料が入ったボトル)を取り付け,やじりと尾羽をセットすれば完成となる。アーロイもこうして矢を作っていたのかと思うと,感慨深いものがある。
 ちなみに,資源集めはある程度簡略化されている。通常の矢弾は無限に使えるし,炎の矢ならブレイズさえ集めればいい。こうして作った炎の矢をつがえ,草むらに身を隠してスクラッパーに狙いを付けながらも,心の中では「できれば限りのある炎の矢は使いたくないな……」と呟くのは実に「Horizon」っぽい体験だ。

本編と同様に機械獣とのバトルも楽しめる
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シリーズのアイコンである巨大機械獣「トールネック」も登場。見上げるような大きさを体感できる
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「ブレイズ」を矢柄に取り付けると「炎の矢」になる
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ピッケルも自分で作らなければならない。柄に頭を取り付け,ヒモでくるくる巻いて止めるのだ
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草むらに身を隠してスクラッパーを狙う
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 戦闘はなかなかに歯ごたえがある。過去作と同様に機械獣には弱点部位があり,矢を当ててうまく破壊できれば,大ダメージや状態異常を与えられるといった具合だ。狙い澄ました一撃が弱点にヒットしたときは爽快な気分を味わえる。一方で,装甲の厚い部位に矢が当たっても大したダメージにはならない。しっかりと狙いを付けて攻撃することが重要だ。

 弓矢を射るときは,背中から取りだした矢をつがえ,弦を引き絞って放すという現実と同じ動作が必要になる。加えて機械獣は激しく動くうえ,耐久力も高いため,1体倒すだけでも繰り返し矢を射なければならない。さすがに戦闘が長引くと腕も疲れてくるのだが,そこがまた現実っぽくもある。

襲いくるグリントホーク。胸の弱点に矢を当てれば冷却液が漏れ出す
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 機械獣の攻撃に対しては,スティック操作,もしくは[×]ボタンを押しながら腕を動かす「移動」,[□][×]ボタンを同時に押しつつ両腕を横に振る「回避」,身体を左右に傾けての「ダッキング」といった動きを駆使して対処することになる。
 とくに回避の性能が優れており,慣れれば機械獣の攻撃を避けて後方へ回り込み,弱点を狙うといったことも可能だ。こちらが与えるダメージや機械獣の攻撃力はオプションで調整できるため,難しすぎて先に進めないといった状況も起こりにくいだろう。

 体力が減った場合は,フィールドに転がっている果物を食べると回復する。果物をつんで口に持っていき,そのまま手を前後させるとレイアスがかじってくれるのが,なんともリアルだ。

戦いが長引くと,増援がやってきて情勢は不利に
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スクラッパーにのし掛かられる恐怖の一瞬。VRゲームならではの体験だ
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果物を自分の口元へ持っていき体力回復。緑の羽根は体力ゲージだ
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 機械獣を倒せば,身体の一部を戦利品として手に入れられる。ウォッチャーのレンズやグリントホークのドリルといった部品を自分の手でもぎ取るというのは,シリーズファンとってたまらない体験となるだろう。
 個人的に印象深かったのが,VR空間にアーロイが出てくることだ。本編をプレイしていると,野外生活も平気でこなし,機械獣にも勝てる逞しい女傑というイメージだが,実際に横に立たれると意外に背が低いことに驚かされた。“自分の目の位置”がそのままカメラになるVRゲームならではの体験といえるだろう。

ウォッチャーも本作では油断ならない敵だ
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自分の手でウォッチャーのレンズをもぎ取る
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倒したグリントホークからドリルを奪う
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シリーズの主人公であるアーロイが本作にも登場。レイアスよりも背が低く,印象が大きく変わる
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 今回は3時間弱ぶっ続けで「Horizon Call of the Mountain」をプレイしたのだが,疲労はあれど酔いを感じることはなかった。個人的にVRゲームに相当慣れているということもあるが,本作は視線の移動が激しいうえにあちこち動き回るゲームであることを踏まえると,何かの対策が施されていると考えられる。

 筆者の体感としては,安定したフレームレートと美麗なグラフィックスにより,視覚情報の質が高かったことに理由があると思えた。一般的にVR酔いとは,画面内の情報から脳が予測した体の動きと,実際の体の動きが一致しないことによる“同期ズレ”によって起こるものとされている。そう考えると,たとえば本作に用意される“腕を振って移動する操作”などは,酔い軽減に一役買っていたと言えるだろう。
 情勢的にマスクを着けたままでプレイしたうえ,ある程度汗もかいたのだが,それでもレンズが曇らなかったのも印象深い。

「Horizon Call of the Mountain」ではVR酔い対策の細かな設定ができる。移動時に周囲が暗くなるビネット効果も,VR酔いの軽減に役立つ
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 ケーブルをつなげば即座に動作するPS VR2と,その機能をフルに活かした「Horizon Call of the Mountain」は,現行VR機器のトレンドを体験するのにはもってこいの組み合わせなので,PS VR2を手に入れた暁にはぜひ,アーロイたちが生きる過酷な世界を,その身で体験してみてほしい。

「Horizon Call of the Mountain」公式サイト


「PlayStation VR2」公式サイト

  • 関連タイトル:

    Horizon Call of the Mountain

  • 関連タイトル:

    PlayStation VR2本体

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