プレイレポート
[台北2023]「違う冬のぼくら」プレイレポート。2人で違う画面を見ながら不気味な世界を進んでいくパズルアドベンチャー
本作は,2023年2月14日にSteamにてアーリーアクセス版の配信を予定している,2人プレイ専用のパズルアドベンチャーだ。
家出をした2人の少年が,あるきっかけによって,お互いの見るものすべてが違って見えるようになってしまう。片方の少年は自分を含めたさまざまなものが動物に見えてしまう世界。もう片方の少年は機械に見えてしまう世界となっており,このギミックを生かしたパズルが展開されるのだ。
このゲーム最大の特徴は,2人のプレイヤーが違う画面を見ていることにある。先に進むには,足場を用意したり,障害物をどかしたりと,お互いが協力しなければならないのだが,見えているものが違うので,予想外の事態が発生してしまう。
例えば,機械の世界が見える少年が高いところから飛び降りるために,動物の世界が見える少年がクッションを用意するシチュエーションがあるとする。ここで,近くに柔らかそうな熊……の死体っぽいもの(動物の世界はけっこうエグい)を見つけた動物の少年は,これを引っ張ってきてクッションにしてみる。そして「設置したからおいで」と声を掛けて飛び降りてもらうのだが,実は機械の少年にはこれが熊ではなく,ジャンプ台に見えていた。すると,着地はできてもそのままピョンと放り出されて,結局死んでしまった……なんてことになるのだ。
また,ギミックによっては片方の少年しか触れられないものもある。機械の少年には,謎のオブジェか何かにしか見えない機械だが,動物の少年には触れると自分を取り込む(食べる?)化け物に見えている。ただこの化け物は,取り込まれるとほかの化け物の中から出現できるワープ装置のような機能を持っていて,これは動物の少年にしか使えないといった具合だ。
逆に,機械の少年には無害どころか乗ると足場になってくれる有用な機械が,動物の少年には自分を食い殺す犬に見えるなど,マイナスの効果を持つこともある。
こうした認知の異なる世界で,お互いの認識をすり合わせながら先に進んでいくわけだ。
ボイスチャットなどで,友達とああでもないこうでもないと言いながら,協力してパズルを解いていくのはかなり盛り上がりそうだ。世界設定が不気味なのも気になるところで,ヤバイものが見えているのは片方だけ,なんて状況に遭遇することもあるかもしれない。少年たちの旅は,どのような終わりを迎えるのだろうか。
ブースで講談社ゲームクリエイターズラボのプロジェクトチーフである片山裕貴氏に話を聞いたところ,今回の出展には2つの目的があるという。1つが,インディーズゲームのパブリッシングをするにあたって,日本だけでなく海外でも販売できるよう,いろいろな海外ゲームショウに参加する方針であるため,その一環としての出展。もう1つが,海外タイトルのパブリッシングを視野に入れて,海外クリエイターと知り合うためだ。
台北ゲームショウ2023では,インディーズゲームコーナーが広くとられており,台湾で開発されているタイトルの出展も多い。しかし,片山氏がそうしたクリエイターと話した印象としては,台湾にはインディーズゲームのパブリッシャがあまりなく,パブリッシャを探しているという話をよく聞くそうだ。そのため,講談社ゲームクリエイターズラボの選出オーディションである「ゲームクリエイターズラボオーディション(GCLA)」に興味を持ってくれる人も多いそうで,出展の手ごたえを感じているようだった。
「違う冬のぼくら」Steamストアページ
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(C)tokoronyori/Kodansha Ltd.
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