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「ドールズフロントライン2」試遊レポート。休憩室で読書するグローザが一番よかった[TGS2024]
展示されているのはXDブース(06-c06)。試遊はPC版となる。
「ドールズフロントライン2:エクシリウム」公式サイト
本作は,中国・上海散爆(サンボーン)の顔たる戦術ストラテジー「ドールズフロントライン(少女前戦)」(iOS / Android)の続編タイトルだ。
2020年の発表から先,中国ではクローズドβテストが何度も行われて,テストのたびにブラッシュアップが繰り返され,昨年の2023年12月21日にようやく「少女前戦2:追放」の名でリリースされた。
4Gamerでも3年前,第2回CBT時にプレイレポートを掲載したが,ゲームの細部に関してはなかなかに変わっている模様。なので,リリースに先駆けての機会とあってTGS会場でプレイしてみることに。
★3年前のプレイレポ。比較用にどうぞ
「少女前線2(ドルフロ2)」のCBTを遊んだよ。10年後の世界では,グローザが年季の入った相棒系お姉さんヒロインになってたよ
ゆくゆくはサンボーンジャパンの「ドールズフロントライン2」と呼ばれるのであろう,上海散爆の新作ゲーム「少女前線2」をクローズドβテストで遊んだ。一言でまとめると,シリーズ最新のフラッグシップにふさわしい仕上がりであった。
あらかじめ,シリーズの基本概要を羅列しておこう。
- 舞台は,汚染と戦争でドン底になった未来世界
- 主役は,銃器をモデルにした少女型擬体「戦術人形」
- プレイヤーは「戦術指揮官」として,彼女らを指揮
- 銃火と硝煙にまみれたシリアスなストーリー
といったところだ。
続けて,以下がドルフロ2の特徴となる。
- 舞台は,前作ドルフロから約10年後の世界
- あなた(指揮官)や人形たちは職場が解体されて路頭に迷う
- 偶然再会した人形「OTs-14」(グローザ)と賞金稼ぎをすることに
- ビジュアル面が3Dグラフィックス中心に進化
- バトルも3Dマップ上で戦術SLG系に(類型:XCOM)
といったところだ。
ストーリーについても,控えめに言って終わってる世界で,金のために右往左往していたら,ある日の怪しい任務で謎の箱から“謎の少女”を見つけてしまう――といった盤石な導入となる。
前作では銃器の名称でそのまま名付けられていた人形たちも(生産可能な工業製品ゆえ),ドルフロ2ではそれぞれ“人らしいネーミング”になっている。これは厳密に言えば,スピンオフ作品「ドールズフロントライン:ニューラルクラウド」(iOS / Android)から続く文脈でもある。
もともと「戦術人形は擬人化じゃなくて〜〜(ブツブツ)」と設定解説に時間が求められる作品ではあったため,そこはより受け取られやすくなったと言えそうだ。なにより,市場で見られる人型キャラクターとしてもより万人受けしやすいだろう。従来は「うちの猫の名前は,ネコです」と言っていたようなものだからである。
とはいえ,シリアスな世界観で銃器としたモチーフしたことも含め,その無骨さに引かれていた人も多いはず。八百万の神を信仰せずとも信じがちな日本人だけに擬人化ゲームが流行した,なんて背景も確実にあっただろうから,物を主ではなく,人を主とした(ように見えてくる)キャラクター作りへの転換がどう転ぶのか。そこはリリース後の結果を見てから,こちらも手のひらをクルリと変えて見せたいところだ。
少なくとも,キャラクター自体の人格や愛嬌などは前作・今作で優劣はなさそうだが,ストーリー中のボイス搭載も相まって,前作と比べると“より美少女ゲームっぽい雰囲気”を感じられるはずだ。
ストーリーやサブコンテンツでの戦闘は,3Dマップ上で行われる。基本ルールは戦術シムらしい敵・味方で区分けされたターン制で,戦地に投入する戦術人形たちを編成・指揮して,目標遂行を目指す。
敵として立ちはだかるのは,汚染液(コーラップス)でE.L.I.D.(広域低放射性感染症候群)化した野生生物「生骸(いきむくろ)」をはじめ,荒野がお似合いの盗賊たち,おなじみ鉄血工造のメカたち,そして見た目からしてミステリアスで強そうな謎の人型擬体などだ。
なかには超巨大ボスなどもいて,戦場ごとのメリハリもある。
バトルマップではまず,戦地に投入する戦術人形を選ぶ。人形たちにはタンク,サポート,アサルトなどのロールがあり,それぞれサブマシンガン,スナイパーライフル,アサルトライフルなどの武装が設定されている。また「刀」で武装した近接タイプの人形も存在する。
人形に指示するアクションは,おもに「移動」「攻撃」「スキル」だ。盤面は1マスずつ正方形のグリッドで区切られていて,各人形の移動力の限りムーブメントできる。移動→攻撃 or スキルが1アクションの基本形であるが,壁・高所による遮蔽が重要で,これを駆使しなければ即行で蜂の巣&ゲームオーバーと考えてもいい。
以前の記事でも挙げた例としては,日本においては「XCOM」シリーズや「戦場のヴァルキュリア」シリーズに近いと言えば,分かりやすいだろう。
攻防の要は前述したとおり,いかに遮蔽を駆使できるかだ。マップ上の壁オブジェクトにはそれぞれ遮蔽ボーナス的な値が設定されており,半身を覆えるか,全身を覆えるか,形状ごとに防御率が異なる。
攻撃&被撃のときは,各キャラクターの攻撃力(装備武器やアクセサリー相当のキーなども含む)に対し,上記の遮蔽がダメージの低減効果として働くため,鉄則は遮蔽。遮蔽に隠れて戦闘を進めることだ。
また,戦闘では全キャラクターの「態勢」が重要となる。これはつまるところ「体勢値を0にすれば,そのキャラクターは弱体化し,ダメージがとおりやすくなる」といったものだ。昨今でもよく見られる,シールドとシールドブレイクの概念と言えば分かりやすいか。
スキル類は各人形の特殊ゲージ「SP指数」を消費して発動する。ただ,ドルフロらしく「慣れないと,なに書いてあんのかよく分かんないテキスト(スキル効果が複雑すぎるという意味)」のため,TGSで試遊するときは深く気にしないほうがいい。読むだけで時間を取られるぞ。
加えて,戦闘には「オートバトル」「倍速機能」のほか,手番を巻き戻せる回数制の「リプレイ」も存在する。こちらは昨今で最も認知度が高いであろう代表例だと,「ファイアーエムブレム 風花雪月」の手番巻き戻し機能“天刻の拍動”のようなものと考えておこう。
これらを駆使したうえでも,(TGS版はほぼ最強状態のため感じづらいが)戦闘は厳しい。育てた戦力でのゴリ押しも可能なゲームデザインであるが,ゲーム進捗度が順当な場合は,やはり遮蔽。遮蔽を駆使して,プロフェッショナルに戦わねばならない。
本作では“自陣の生存ユニットの最低人数を割った時点でゲームオーバー”となるので,高難度では1人やられるだけでも任務失敗となる。そのため,あらゆる要素を駆使する戦術的な立ち回りが求められる。
戦術人形の入手方法はガチャとなる。ガチャは基本,人形と武器が混在して排出される,いわゆる闇鍋系だ。これにより前作ドルフロと比べると,有料要素の高レア人形がバトルの行く末に直結しやすい。
人形にはおなじみ「スキン」も存在し,これは別途提供される。
ホーム画面からアクセスできるコンテンツはさまざまだが,注目すべきは移動基地「エルモ号」の休憩室だろう。ここでは“人形ごとに用意されたさまざまなモーション”を目で楽しめるほか,部屋を飾り付けたり,人形に贈答品をあげて仲を深めたりすることもできる。
設定できるのは「姿勢」や「私服」だ。姿勢の種類はくつろぎ,読書,熟睡,観察,嗜好で,同じ姿勢でも人形ごとにポーズが異なる。
なにがどういいのかの説明は,詳しくは不要だろう。
中国版の先行情報では“同じ戦場(市場)で戦うゲームに対するリスペクト? のようなコンテンツ”を目にできたり,リリース後にいろいろあったりしたようだが,このあたりはTGS公開情報ではないので,小耳にはさんでもらう程度にしておこう。
前作ドールズフロントラインの日本配信は,6年前の2018年8月。中国では2016年5月配信だったので,8年前の話である。
日本でもいよいよ送り出される正統続編を期待して待つのは,初代キューブ作戦をクリアするよりもよっぽど簡単なことだ。
4Gamer「東京ゲームショウ2024」記事一覧
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