プレイレポート
[プレイレポ]「KINGDOM HEARTS Missing-Link」CBTを体験。「キングダム ハーツ」ワールドが現実とリンクする新感覚の位置情報ゲームだ
「キングダム ハーツ」(以下,KH)シリーズの空白の物語を描く本作は,スマートフォンのGPSを使って現実の世界とリンクし,移動による探索とアクションRPGを融合した新作タイトルとして開発が進められている。
KHの世界で展開する新しいストーリーの一端を,GPSの位置情報を使った移動とアクションバトルと共に体験できたのでレポートしたい。
「KINGDOM HEARTS Missing-Link」公式サイト
プレイヤーは記憶を失ったキーブレード使いだ。スカラ・アド・カエルムの海岸に倒れていたところを,同じキーブレード使いの青年,レムスに助けられる。そこに突如現れた巨大なハートレスを協力して倒したのち,彼が所属する結社に身を寄せることになる。
オープニングを迎えるまでに挿入されるチュートリアルやゲーム開始後のクエストを通して,本作がKHのタイトルであること,そして作り込まれたアクションRPGだということが分かる。
画面のスワイプで移動と回避,ボタンでキーブレードによる攻撃とジャンプ,そしてアイコンのタップで装備中のアビリティ(ピース)を使用するといった操作により,爽快なアクションバトルを実現している。
バトル時の回避をボタンで行う上級者向け操作タイプや,ボタン位置のカスタマイズなど,しっかりアクションを楽しみたい人のための設定も用意されている。さらにDualSenseやDUALSHOCK 4といったコントローラに対応しており,アクションRPGとしての細かなケアが確認できる。
本作は位置情報ゲームということなので,移動しながらゲームを進める場合もあり,オートバトルを搭載している。オート時は対象に準じて最適なバトルをしてくれるので,アクションが得意でない人にもありがたい仕様だ。
また,オート時もアビリティの使用などでプレイヤーが干渉できる。ボタン1つでマニュアル操作と切り替えられるので,プレイ環境やスタイルに応じて使い分けられるのがうれしい。
プレイヤーはスカラ・アド・カエルムのタウンから,精神エネルギーで形成された未知の「アストラル界」へと赴き,そこから“歪み”を通じてやってくるハートレス達の侵入を食い止めるために,キーブレード使いとして働くのだ。アストラル界は本作におけるメインフィールドにあたり,現実の世界とリンクしている。
フィールドは現実世界の地図から成り立っている。デフォルトの設定ではKHシリーズの世界観にマッチした3Dの街並みを表現し,建物の大まかな形や高さまで反映されている。
アストラル界に存在する自宅を確認して,妙な感動を覚えたのは筆者だけではないはず。当然,都心のような住宅密集地は3D処理が重くなったり,移動時に画面が見づらくなったりすることがある。こんなときのために簡易表示や2Dマップ表示も用意されている。
アストラル界では移動中にエネミーが出現し,シンボルエンカウント制のバトルを繰り広げる。フィールドには「ピース」や,それが入った宝箱も存在し,手に入れるとプレイヤーは強くなっていく。
また,「回復スポット」に立ち寄ればHPやMPを回復できる。
位置情報とリンクする「GPS移動」時には,ハンズフリーモードが用意されている。これは移動中のエネミーとのバトル,フィールド上のアイテム入手,回復スポットの利用などをAIに任せるモードだ。アプリを常に開いておく必要はあるが,画面のロックや本体を逆さにすると画面をオフにするバッテリーセーブ機能もあり,移動中でもゲームを進められる。
実際にゲームを遊んでみて興味を惹かれたのは,アバターのフィールドの移動がリアル移動だけでなく,パッド操作でも可能な点だ。
通常のGPS移動は,スマホを持ったプレイヤーが移動をすることで,現実とリンクしたアストラル界をアバターが移動する。位置情報ゲームの基本的な移動手段である。
一方,画面内のボタンで切り替えられる「パッド移動」では,画面のスワイプ操作によってアバターがフィールドを自由に移動する。一般的なゲームと同じ移動手段だが,位置情報ゲームにこのような操作スタイルを採用しているのは画期的だ。
パッド操作で移動できるとリアル移動の意味がなくなってしまうが,やはりというかデメリットもある。パッド移動時の主な行動は,原則としてGPS移動時に入手できる「AP」が必要となるのだ。エネミーとのバトルや宝箱の入手などの行動はAPの消費が多く,おいそれとは使えない。GPS移動が優先されるように設計されているというわけだ。
パッド移動時の面白いところとして,画面のピンチ操作によってマップのスケールを変えられる点が挙げられる。単なるズームではなく,アバターと周囲の建物の比率が変わり,最大スケールにすると街並みとアバターの大きさがタウン内のようになり,本当に街の中を歩いているような感覚が得られる。
また,建物は「KINGDOM HEARTS III」のフリーランのように壁を登れるので,障害物になることはない。高い建物を登って,その上から街を眺められるのは,現実世界とリンクしたゲームならではの面白さだ。
プレイヤーの強さの要となるピースは,キャラクターを模したフィギュアのような存在だ。これを装備すると,さまざまなアビリティを使えるようになる。ピースはフィールド上で見つかるほか,宝箱やドロー(ガチャ)で入手できる。また,同じものを手に入れたり,道中にある素材を使ったりして強化していく。
フィギュアの形をしているため,思わず収集したくなり,歩くことへのモチベーションにつながるのもポイントだ。
そのほかにも,ゲーム進行の条件に応じてプレイヤーの強さが上がる「強化レコード」や,キーブレードの強化・持ち替えなどの育成要素が用意されている。正式リリースの暁には,さらにやり込める内容になりそうだ。
KHシリーズの歴史に新たに加わる,現実世界とリンクした新たな物語。シリーズならではの専門用語はゲームの冒頭から登場するが,位置情報ゲームということもあるのか,入口はカジュアルな印象だ。世界観に詳しくなくてもスムーズにプレイできるだろう。
最後になるが,KHシリーズらしくサウンドが素晴らしかったことも記しておきたい。
冒頭に触れたとおり,来年1月にはAndroid版のテスト開催が控えている(募集は終了)。正式リリースはもう少し先になりそうだが,外出が楽しくなる季節には冒険の旅に出られることを期待したい。
「KINGDOM HEARTS Missing-Link」公式サイト
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