プレイレポート
「ゼノブレイド3」先行プレイ。大剣の突き立つ大地には何が待っているのか。6人の若者による“融合した世界”での冒険と謎多き物語に注目だ
そんな「ゼノブレイド」シリーズ最新作をリリース前にプレイできたので,本作の世界観や物語,ゲームシステムを紹介しよう。
「ゼノブレイド3」公式サイト
敵対しあう2つの国家の若き兵士たちが“融合”し,ともに立ち向かうことになる“本当の敵”とは
本作の舞台となるアイオニオンでは,高度に発達した機械技術を有する「ケヴェス」と,エーテルと呼ばれる魔法のような技術を扱う「アグヌス」という2つの国家が果てしない闘争を続けていた。
両国の国民として生まれた者は,わずか10年という命を,その戦いに捧げることになる。寿命をまっとうし「成人の儀」を受けることが最大の栄誉とされるが,それを果たすことができるのはごく少数。多くの者は戦場で命を落とし,兵士を弔う「おくりびと」たちが奏でる笛の音によって,その魂は光の粒子となって空に還っていく。
物語は,ケヴェスの兵士ノアと,アグヌスの兵士ミオという2人のおくりびとの出会いで始まる。2人はそれぞれの仲間とともに,高エネルギーを放つ物体を追う任務に就いていたが,その途中で遭遇し,交戦することになる。
拮抗するその戦いは,意外な形での幕引きとなった。突如として謎の巨人が出現し,2人の隊をもてあそぶかのように圧倒しはじめたのだ。彼らと巨人の戦いの最中,高エネルギー体を運んでいたゲルニカ・ヴァンダムが,その物体の封印を解放。エネルギーを浴びたノアとミオは融合し,一体の巨大な姿「ウロボロス」となっていた。
ウロボロスの力でどうにか巨人を退けたものの,これをきっかけにケヴェスとアグヌス両国から命を狙われる立場となったノアとミオたち。「お前らはもう敵同士じゃない,本当の敵は他にいる。生き延びたいと願うなら目指せ,大剣の突き立つ地『シティー』を!」というゲルニカの助言に従い,「本当の敵」を見つけるため,「大剣の突き立つ大地」を目指し共に旅をすることになる。
「大剣の突き立つ大地」を目指して旅をするのは,ノアとミオにそれぞれの仲間を加えた6人のキャラクターたち。みな,シリーズファンにとってどこかなじみのある外見だ。まずケヴェスに所属していたノア,ランツ,ユーニの3人は,初代「ゼノブレイド」に登場した種族を連想させる。
一方,ミオ,タイオン,セナたちアグヌス側は「ゼノブレイド2」に登場した種族「人」と「ブレイド」,そしてその中間の種族のようにも見える。シリーズをプレイした人なら,アイオニオンの風景や地名からも,いろいろと感じるところがあるのではないだろうか。
シリーズを知る人ならに思わずニヤリとしてしまう要素があちこちに盛り込まれており,旅を続けるうちに“2つの異質な世界が交わった世界”である実感が深まっていく。といっても「ゼノブレイド3」は「3」独自の物語が描かれているので,過去作を知らない人がプレイしてもついていけなくなるところなどはない。純粋に本作の作品世界を楽しもう。
そうした旅の途中で,さまざまなクエストをこなしながら広大なフィールドを探索していくという,ゼノブレイドシリーズらしい楽しさも健在だ。ストーリーの進行上,移動範囲が制限されることもあるが,場面がひと区切りすればまた広大な範囲を探索できるようになる。すでに通過した土地やコロニー(集落)にはスキップトラベルで簡単に戻ることができ,移動に時間がかかりすぎることもない。
中にはジャンプで段差や裂け目を飛び越えて進むような場所もあり,そんなアクション性が探索の良いアクセントにもなるだろう。
普通にジャンプしても届かない場所にアイテムが。周囲を探してみると登れるルートが見つかるかもしれない |
ケヴェスやアグヌスが投下した物資があることも。赤い煙が上がっている物資を見かけたら,それを入手するかどうかを判断しよう |
そしてある程度ストーリーを進めたあと,小高い丘などからこれまで旅してきた方角を振り返ってみると,はるか遠くに見覚えのある地形や,メインストーリーで訪れたコロニーなどを見つけることができ,なかなかに感慨深い。これも本シリーズの醍醐味のひとつだ。
フィールドからシームレスに展開するバトルは,リアルタイムで進行するコマンドバトルだ。敵との位置関係によってアーツ(技)の効果が上がり,「ブレイク」した敵を「ダウン」させ「スタン」を決める。アーツを順序よく決めることで効果的な攻撃ができるなど,そのシステムは「ゼノブレイド」から継承されてきたものだ。
戦闘に参加するキャラは6人。ゲスト(ヒーローキャラ)が参戦すると7人になるが,操作できるキャラクターは基本的にひとりで,それ以外の仲間はAIがうまく行動させてくれる。
ゲームに慣れてきたら,攻撃役のキャラのアーツを使い切ったあと,回復役に切り替えて治療の準備をするというように,操作キャラを切り替えることでより有利に戦うことが可能だ。戦い方のコツを掴めば,全員を素早く切り替えながら戦況をコントロールすることだってできるだろう。
画面表示やインターフェイスがかなり洗練されており,バトル中に必要な情報がとても把握しやすくなっている。キャラクターの現在のHPや受けているバフ(強化),デバフ(弱体化)が画面左側に整理され,操作しているキャラとターゲットの位置関係なども常に表示されているので,アーツを適切なタイミングで使うことが簡単だ。
このあたりの遊びやすさはシリーズのノウハウの集大成といった感があり,ストーリー同様,シリーズに初めて触れる人にも安心してオススメできるポイントと言える。
2人のキャラクターが融合してその力を発揮するウロボロスは,バトルでも重要なものとなる。それが「インタリンク」だ。ノアとミオ,ユーニとタイオン,ランツとセナといった特定の組み合わせで融合し,その特別な力で戦力は大幅にアップする。バトル中,インタリンクのゲージは最大3つ溜めることができ,最大の状態で変身したほうが強力になるアーツもある。敵の戦力に合わせて,ゲージをこまめに使うかまとめて使うかを決めよう。
シリーズファンにはおなじみ,うまく連係を組み立てることで何度も連鎖させ,敵に膨大なダメージを与えられる「チェインアタック」にもインタリンクは関わってくる。チェインアタック中,インタリンクできる2人のオーダーを達成すると,チェインアタック中に融合できる強力なオーダー「ウロボロスオーダー」が発生するのだ。発動タイミング次第では,敵の攻撃が激しくなるバトル終盤を一気に終わらせることができるので,ここぞというタイミングに逃さず決めたいところだ。
そしてキャラクターの育成や実際にバトルに入る前の準備もしっかり楽しめるものが揃っている。本作にはさまざまなクラスが存在し,それぞれ得意とする攻め方や守り方が変わるのだ。クラスチェンジを繰り返してさまざまなアーツやスキルをマスターしていけば,別のクラスでも活用できるようになるので,それによって自分ならではの戦法を編み出せるところが面白い。
またジェムやアクセサリによる能力のカスタマイズも重要だ。ジェムの材料はフィールドで拾えるアイテムや,敵がドロップするアイテムなので,あちこち探索し,バトルを繰り返したプレイヤーほど強力なジェムを作ることができる。
アクセサリは店で購入するだけでなく,各種クエストを達成して入手することも可能だ。こちらも探索に力を入れ,さまざまなクエストを達成することでカスタマイズの自由度が上がるとも言えるわけだ。
シリーズ3作目ということで,もちろん過去作をプレイしているからこそ分かるという部分はあるが,本作は本作で独立した話として作られているので,ここからゼノブレイドの世界に飛び込むのもいい。バトルのUIなどからは,これまでの作品以上に分かりやすさを意識して制作されていると感じられたので,アクションゲームやリアルタイムの要素があるバトルが苦手で敬遠していたという人も楽しめるはずだ。シリーズファンはもちろん,初めての人ももぜひ本作で新たな冒険の旅へとおもむいてほしい。
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