プレイレポート
「OVERLORD: ESCAPE FROM NAZARICK」プレイレポート。英雄級“クレマンティーヌ(CV:悠木 碧)”を主人公にした2D探索型アクション
本作は,ライトノベルおよび,それを原作としたテレビアニメ「オーバーロード」をベースにした2Dアクションゲームだ。
プレイヤーが操作するのは,同作の主人公にして最強魔法詠唱者である“アインズ”様……ではなく,彼に物語の序盤で倒された,“英雄級の力を持つ性格破綻者”である,クレマンティーヌ(CV:悠木 碧)となっている。
原作では,死亡後に遺体が行方不明となっているが,本作のクレマンティーヌは,なぜかアインズのもとで復活し,彼の部下たちと対決しつつ,ナザリック地下大墳墓からの脱出を目指すことになる。
ある種のIFものともいえる展開だが,物語は原作者の丸山くがね氏が監修しており,ファンなら興味を惹かれる内容と言えるだろう。
圧殺されたクレマンティーヌは,アインズによって復活させられる。そして彼は,「テスト」と称して部下たちをけしかけてくる |
「OVERLORD: ESCAPE FROM NAZARICK」公式サイト
広大な迷宮をパルクールアクションで駆け抜けろ
ゲームの舞台になるのは,原作ファンにはおなじみの“ナザリック地下大墳墓”だ。アインズたちの拠点で,広大な迷宮となっているこの地には,険しい地形と様々な仕掛け,そして多くのモンスターが登場し,クレマンティーヌの行く手を阻む。
また英雄級の力を持つ彼女だが,記憶や装備を失っており,武技や装備も使えない状態となっている。探索を進めることで,かつての力を思い出したり武器を取り戻したりできる仕組みで,これにより新たなルートが開けていくといった形になっている。
いわゆるメトロイドヴァニア(2D探索型アクション)の本作だが,特徴の1つとして,迷宮をスピーディーに駆け巡ることができるパルクールアクションがある。
基本操作としてダッシュがあり,ダッシュ中は多少の段差なら自動で乗り超えることが可能だ。さらに, 武技「疾風走破」を手に入れれば,垂直の壁を駆け上がることもできる。
また狭い穴は,「超回避」があればローリングで潜り込むことが可能。足場がない空間は,天井にモーニングスターを撃ち込むことで,ターザン風ジャンプを連続で使用できる。
これらの能力を組み合わせれば,壁登りから振り子ジャンプ,そこから壁を蹴っての三角跳び,飛んだ先にある鉄棒のような仕掛けに掴まって大車輪風にすっ飛び,走りながら穴にローリングで転がり込む……と,アクロバティックに立ち回れるわけだ。
そして,アクションを駆使して進んだ先には,様々なアイテムが置かれていることが多い。中でも,パズルのピースのような形をした「記憶の片鱗」は,普通なら行かないようなエリアの隅っこや脇道といった意外な場所に隠されている。これは,手に入れるとビジュアルが見られるようになるので,コンプリートを目指したくなる。
垂直の壁も駆け上がれる「疾風走破」 |
モーニングスターを天井に打ち込んでからの振り子ジャンプ |
壁を足場にし,さらに遠くにジャンプすることも可能 |
鉄棒のような仕掛けがある場所では,大車輪で大ジャンプ |
様々な武器やアクションを使いこなし,バトルを制する
ナザリック地下大墳墓には無数のモンスターがはびこっているため,戦って排除する必要がある。ただ,プレイ開始後に取り戻せる愛用のスティレットは,連打は効くものの射程は短いため,普段使いするには少々心許ない。
そこで,エリア内を隅々まで探索し,あちこちに隠された「魔法」や「サブウェポン」を手に入れてバトルを優位に運べるようにするのだ。
魔法は,発動すれば,一定時間スティレットから魔法弾を放つ遠距離攻撃が可能になる。加えて,炎の魔法を装備すれば,炎が吹き出す罠を無効化したり,通路を塞ぐ木々を燃やすこともできる。
サブウェポンは,名前こそ“サブ”だが,スティレットより射程や攻撃力で勝るものが多く,モンスターとの戦いでは主力となる。
リーチは長いが攻撃速度の遅い「スピア」,バランスが取れた「ブロードソード」,攻撃速度は非常に遅いがアンデッドに効果的かつガードも無効化する「ハンマーアックス」など,様々な特性を持つ品が揃っているので,状況に応じて使い分けていこう。
また,戦闘でも武技は重要になる。敵の攻撃を避けるとき,プレイ序盤ではジャンプするくらいしかできないのだが,超回避を使用可能になった後は,相手の頭に手をついての空中転回で後方に回り込み,安全な背後から一撃を喰らわせることができる。流水加速で壁に駆け上がって急襲するなど,戦いの幅が広がるので,武技は積極的に使っていきたい。
「超回避」があれば,敵の頭上を宙返りで飛び越えられる |
モンスターを倒したり,落ちている袋状のアイテムを拾うと,お金のような役割を持つ「マナ」が手に入る。
ナザリック地下大墳墓のあちこちにある「炉」では,マナを支払うことで,武器の威力を上げられる。また「泉」で使用すれば,防御力アップの「不落要塞」やHPアップの「能力向上」といった,原作にちなんだ名前を持つパワーアップも行えるのだ。
エリア間をワープする扉を開くにもマナは必要なので,探索時にはモンスターをできるだけ多く倒しておきたい。
あちこちに隠された「泉」ではライフや防御力を上げられるので,必ず探し出しておきたい |
各エリアの最深部にはボスが待ち受けている。戦闘メイドチーム「プレアデス」のユリ・アルファやナーベラル・ガンマ,そしてコキュートスにアルベドといった「階層守護者」たち,巨大ハムスターのハムスケといったお馴染みのキャラクターが登場し,クレマンティーヌに挑んでくる。
いずれも強力な格闘や魔法を駆使する強者揃いで,画面中に無数の魔法をばらまいたり,巨体で体当たりしてきたりと危険な攻撃を放つ。攻撃パターンを把握しておかないと苦戦は必至なので,時に避けながら動きを観察をすることも大事だ。
また,天井から垂らされた鎖も重要になる。うまく掴まって登れば,通常ジャンプでは避けられない攻撃も回避できるので,空間をフルに使い,強敵どもを制していこう。
「OVERLORD: ESCAPE FROM NAZARICK」は,ドット絵で表現されたキャラクターたちと,パルクールアクションで差別化された探索アクション要素で,原作ファンと2Dゲーム好きのどちらであっても楽しめる。
特にファンにとっては,丸山くがね氏によるクレマンティーヌの新たな物語を味わうことができるのが嬉しいところだ。
また,原作を知らない人は,本作を機に,小説やアニメの「オーバーロード」を読んだり見たりしてほしい。その後でプレイすれば,本作の物語も,また違った視点で見えてくるのでさらに面白く感じるはずだ。
揺れる鎖と丸ノコの罠。右へ行きたいが,丸ノコに触れると戻されてしまうので,ゴリ押しは不可能 |
次々と部下をけしかけてくるアインズ。その目的が判明する日は来るのだろうか? |
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(C)KM,K/OL3P (C)KADOKAWA CORPORATION 2021 (C)Kugane Maruyama,PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION/OVERLORD PARTNERS
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